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A Lobster Tale ロブスター物語/奇跡の海藻

カナダ映画 (2006)

カナダの北東端のノバスコシア州の片田舎に住む貧しいロブスター漁師コーディが、ある日、ロブスターを捕獲する木製トラップの中に鮮やかな緑色をした海藻を発見し、その海藻にどんな外傷でも治してしまう超能力があると分かったことで村に巻き起こった騒動を描いた一種のコメディ。ポイントは、次の4つ。①海藻は1回しか採取できず、その量は、5-6回分しかない。この海藻に奇跡の力があると分かる前に3回使ってしまったので、残りは僅か。それを、どのように使うかが問題となる。②村の多くの人々が、何らかの重大ではない “体の不具合” を抱えていて、誰もが奇跡の海藻の恩恵に浴したいと思う。そこには、村興しのための「海藻ランド」を思い立った村長や、薬剤業界を倒産させないために海藻を葬り去ろうと大金を申し出た企業も含まれる。③しかし、コーディは、ロブスター漁一筋で生きてきた男で、一途で頑固。それに、優柔不断で決断力の欠如という個性が加わり、海藻をいつ、誰が、どのような理由で使うかについて決めることができない。一日延ばしにしている。④コーディの息子ジェイクの虐めっ子ティミーが末期の胃癌と分かり、ジェイクはどうすべきか悩む。ここまでの映画の構成はとてもユニークだし、グラハム・グリーンが演じるシェリフの犯人捜しは、ユーモラスで観ていて面白い。しかし、この映画が、公開から15年以上経ったカナダ映画なのにIMDbの投票数が僅か320名で、設定がユニークなのに点数が6.1と低目なのは、最後の結末が観客に受け入れられなかったからであろう。これが、アメリカ映画なら、もう少し、前向きなハッピーエンドになったかもしれないが、映画そのものが優柔不断な終わり方をしてしまったのでは、せっかくのユニークな設定が台無しだ。なお、映画の中で使われる「moss」は、苔を意味する言葉だが、「苔は、海水、氷河、砂漠以外なら世界中のどこにでも存在する」と言われていることと、直径20センチほどの塊で、外見もアオサやオオハネモに近いのでので、ここでは敢えて「海藻」と訳した。

ロブスター漁師コーディは、妻のマーサと息子のジェイクの3人家族。他の漁師とも組まず、小さくて古いボートで10個以下のロブスター・トラップを決まった場所に沈め、翌日、それを回収してまたトラップを沈めるだけの細々と続けているだけなので、現金収入は乏しい。10数年前に結婚した時に持ったであろう木造の自宅は、一度もペンキを塗り替えたことがなく、妻のマーサは、村で唯一のレストラン(食堂と言った方がいい)の1人だけのウェイトレスとして家計を支え、息子のジェイクは身の丈の合わないボロ服を着て学校に通っている。映画の途中で、料金の未払いで電気も止められる。こんな環境にあるコーディが、ある日、いつものようにトラップを引き揚げた時、ロブスター2匹に加えて、鮮やかな緑色の海藻が入っていた。見たことのない種類なので、そこら辺にあった金属缶に入れて忘れてしまう。ところが、あくる日、同じ場所に漁に行った時、それまでも調子の悪かったエンジンがかからなくなり、コーディが不注意にプロペラを動かそうとした時、突然回転した翼で指が切断されてしまう。コーディは、出血の激しい手を庇おうと、缶に突っ込んだところ、中に入っていた海藻が白い光線を出し、切断された指がたちどころに再生する。コーディには、起きたことが信じられない。コーディが何とか港に戻ると、今度は、いつもトラップ用の魚を買うバラック倉庫が火事になり、中から店のラスティが手に火が燃えたまま逃げ出してくる。コーディが火傷を負った腕に海藻を置くと、傷はきれいに治った。こちらには目撃者もいて、村中に噂が広まる。そして、コーディの元には、大した病気でもないのに、奇跡の海藻で治してくれという要望が集まり、コーディは重大ではないといって全て断る。ある大手の薬品メーカーは、自分達の薬がすべて売れなくなることを怖れ、コーディには大金の50万ドルと引き換えに海藻を渡して欲しいと提案する。妻と息子は耐乏生活からの脱出に希望を抱くが、コーディには決断する能力がない。そのうちに、海藻が何者かによって盗まれてしまう。シェリフは、かつてコーディに海藻を求めた村人全てに会い、病気が治っていないかどうかをチェックする。そして、唯一残った一人は、確かに海藻を盗んでいたが、それは少量で、しかも、海藻の入った容器は、その時点でまだコーディの家に置いてあった。すると、被疑者は家族しかいなくなる。息子のジェイクは、村で唯一の洋品店の息子で、落第生のティミーの虐めに遭ってきた。ところが、そのティミーに殴られている間に、突然彼が倒れる。原因は、末期の胃癌だと分かる。金持ちの虐めっ子を助けるために、父の海藻を盗むべきなのだろうか? 迷った挙句、ジェイクは人間として正しい決断をする。

ジェイク役のジャック・ナイト(Jack Knight)は1992年生まれ。撮影は2005年の8月なので12-13歳。TVで活躍してきた子役で、TV映画を除くと映画出演は2本のみ。うち1本は端役なので、重要な脇役はこの映画のみ。この映画がDVDになった2009年に、Young Artist Awardにノミネートされた。

あらすじ

中年の頑固そうな漁師コーディが、ノバスコシア州の寒村の魚港にある餌屋に入って行く。コーディ:「タイは幾らだ?」。ラスティ:「ポンド、1.72ドルだ」〔1ポンドは約454グラム、2005年8月(撮影時)の1カナダ・ドルは約92円なので、158円、キロ当たりに直すと348円〕。「土曜には1.67ドル〔154円〕だったぞ」。「あれは土曜の話だ。今日は火曜だ」。「死んだ魚が3日で5セント値上がりするなんて、墓の親父もびっくりするぜ」。「需要と供給さ」。結局、コーディは、ロブスターの餌用にサバを10ドル〔920円〕購入する(1枚目の写真)。そして、氷とサバの入ったバケツを持つと、自分用の小さなボートの繋いである桟橋の先端を目指して歩いて行く(2枚目の写真、矢印)。ボートに乗り込むと、エンジンをかけようとするが、一度かかったエンジンが止まり、2度目でようやく動き出す(3枚目の写真)。コーディは地元の漁協にも入っておらず、こんな小さくて古いモーターボート〔あとで、すぐエンジンが壊れる〕で、効率の悪いロブスター・トラップ〔lobster trap/餌の魚を入れた金網製の箱を海に沈め、ロブスターが中に入ってくれるのを待つ漁法〕を使った漁を小規模にやっている。お陰で、後で分かるが、家計は非常に苦しい。ボートの名前は、「Perseverance(忍耐)」だが、この船名はコーディ・ブルーワーの一家3人の置かれた苦しい状況をよく現わしている。
  
  
  

コーディの家では、一人息子のジェイクが鏡の前で自分の服装を見ている(1枚目の写真)。カメラがズボンの裾を拡大して映すと、そこはボロボロになっている。その時、母が 「ジャイク、来なさい!」と呼ぶ声が聞こえる。ジェイクは、バッグを背に掛けると、狭くて急な階段〔家が狭いことを示している〕を駆け下りる。階段を下りたところがキッチンになっていて、ジェイクはテーブルの上にバッグを置くと、「この匂い何?」と訊く。「ベーコン」。「その匂いじゃなくて、別の匂いだよ」。「アン〔親切な美容院の店長〕がくれた香水よ。気に入った?」。「父さんのロブスター・ブーツよりはマシだね」(2枚目の写真)。「コーディのブーツに比べれば、あんたのワキガだって まだマシよ」。そこに、右脚のない黒い犬がジェイクのそばに寄って来て座る。ジェイクは、犬に、「Stump〔義足、重い足どり、といった意味がある〕、どうして僕が食べてる時に邪魔するんだ?」と、少し厳しい声で言う。母が、「早く食べないと、学校まで歩くことになるわよ」と口を挟むと、ジェイクは 「マイクの家で降ろしてくれない。そこから歩くから」と頼む。2人は一緒に家を出て行く(3枚目の写真、壁のペンキが剥げ落ちている。20年くらい放置されているのかも)。ジェイクは、「ねえ ママ、後で ブロックの洋品店に連れてってくれる? 新しいズボンが要るんだ」と、頼んでみる。「月末になったらね」。ジェイクの家は、ジェイクのズボンが買えないくらい家計が厳しい〔後で、料金の未払いで電気が止められる〕
  
  
  

ジェイクがマイクと一緒に村の中心部を歩いている。マイク:「ねえ、君が無人島に閉じ込められたとしたら、誰と一緒にいたい?」。ジェイク:「どこの島?」。「どこの島って、どういう意味?」。「もしそれが、蟹がいっぱいいる入江みたいなトコだったら、僕はきっと小さな漁船を持ってくだろ。だから…」。「分かった、分った。椰子の木が1本あって蟹のいない熱帯の島だ」(1枚目の写真)。「どうかな。君は 僕の一番の友達だから、多分、君だと思うな」。「なあ、僕は 君が好きだ、ジェイク。だけど、もし 僕だったら、シェリー・オコナーと一緒がいいな」。マイクは、なぜ こんな会話を始めたのだろう。シェリーという女の子のことが話したかったのか? そのうち、2人はブロックの洋品店の前にさしかかる(2枚目の写真)。ジェイクは、物欲しそうにマネキンが履いているズボンを見る。すると、店のドアが開き、成績が悪くて1年落第した “意地悪ティミー” が出てくる。そして、ジェイクに、「おい、ブルーワー。なんで俺の親爺の店 見てる? どうせ買う余裕なんかないくせに」と、バカにしたように訊く。マイクは、すかさず、「そんなマネキンの服、誰もが着たいわけじゃない」と反論するが、ティミーは、「俺なら、救世軍〔慈善団体〕の広告みたいな服〔ジェイクの着ているボロ〕より、マネキンの服の方がいいな」と言い、それを聞いたジェイクは思わず顔を伏せる(3枚目の写真)。
  
  
  

漁に出たコーディは、いつもの定番のCuckolds Rocksという漁場に行き、仕掛けておいた木製のロブスター・トラップをロープで引き揚げる。中には2匹ロブスターが入っていた(1枚目の写真)〔背後に見えるのは灯台だが、ノバスコシアと灯台と掛け合わせて出てくる500枚以上の写真の中にはなかった〕。ロブスターを取り出したあと、トラップの中にきれいな緑色の塊が残っている(2枚目の写真)。「こんな海藻、見たことないな」。そう言って、コーディが手を入れて掴むと、海藻はネバネバしていて、引っ付いていた網からは長い粘着性の液体が十数本伸びる。コーディは、両手に持ってよく見てみる(3枚目の写真)。珍しいものなので、海に捨てるのはやめて、ボートの中にあった缶の中に突っ込む。
  
  
  

漁師達がバーで一杯やりながら話している。最初の話題が面白かったので紹介すると、①観光客、釣り船の船頭、ロブスター漁師の3人がバーに入って来る。②それぞれのビールのコップにハエが浮かんでいる。③観光客は飲まずにコップを脇に置く。④船頭はハエを摘まみ出してビールを飲む。⑤ロブスター漁師は、ハエの翅を掴むと 「吐き出せ」〔コップにビールを戻せ〕と叫ぶ〔当然、そのビールを飲んだ〕… というもの。ロブスター漁師は、コーディのことを意識しているのか? その証拠に、去年コーディに漁協に入るよう勧めたら、「考えてみる」と言ったきり、何もしなかったことが話題に上る。そして、コーディを理解するには、彼のブーツで1マイル歩いてみないと分からないし、そのブーツが自分の足に合わないのはいいことだとか。コーディは、どうみても人気者ではない。コーディが家に帰ってくると、右脚のない黒い犬Stumpが迎えに出てくる(1枚目の写真、矢印)。コーディは犬には優しい。次のシーンは、キッチンでの夕食。妻のマーサが、「今日は、どうだった?」と訊く。「いつもと同じ。トラップを引き揚げ、蟹を捨て、カメモが糞をしやがった」。ジェイクが、「父さん、明日、新しいズボン買っていい?」と訊く(2枚目の写真)。母にとっては 一旦断った案件になるので、「月末になったら、って言ったでしょ」と間髪を置かずに注意。しかし、ジェイクは、朝、ティミーに嫌味を言われたので、「母ちゃん、またこのズボン履いてったら、ティミー・ブロックにからかわれるよ」と訴える。父は、「俺がお前の年の頃は、トラップを引っ張った駄賃でズボンを買ったもんだ」。ジェイクは、それには答えず、母に、「ピクルスはないの?」と訊く。母:「マスタードとケチャップがあるわ」。父:「それだけあれば、幸せだと思えんのか? 何で、いつも、ないものねだりばかりする?」。ジャックは、何も言わずに、ソーセージ・サンドを口に押し込む(3枚目の写真)〔夕食の献立はこれのみ〕
  
  
  

翌日、コーディが同じ場所でロブスター・トラップを回収している。仕事が終わったのでエンジンをかけようとするが、動こうとしない。そこで、コーディはプロペラ部分を海から上げて、手で翼の部分を回してみる。ところが、急にプロペラが高速で回転を始め、コーディの右手の人差し指が切断されてボートのサイドデッキから海に転がり落ちる。これで、外科手術による再接着は不可能となった。コーディは、固定しようと、昨日採取した鮮緑色の海藻の入った缶に手を突っ込む(1枚目の写真、矢印は切断された指)。ところが、傷口が海藻に触れると、眩しいほどの白い光が缶から出る(2枚目の写真、矢印は指を切断したプロペラ)。そして、光が消え、痛みのなくなった手を取り出してみると、切断された指が元通りになっていた(3枚目の写真、指にはネバネバがついている)。コーディは缶を覗くと、海藻が少し減っていた。あまりの奇跡に、コーディはサイドデッキに座ったまま考え込む。「いったい、何が起きたんだ?」。
  
  
  

コーディが桟橋に戻った頃、彼がいつも餌を買う 餌屋の入っている建物から煙が出ていて、腕が燃えているラスティ飛び出してきて〔腕についた “おが屑” に火が点いた〕、駆け付けた漁師デールに布で消し止められる(1枚目の写真)。ラスティは、火傷の痛みに苦しむ。デールがシャツを破って火傷の箇所を露出させると、皮膚が焼け焦げている。デール:「落ち着け。パニくるな」。コーディは、「ラスティ、ホントにバカなこと やってみてもいいか?」と訊く。「俺と、踊るつもりじゃないよな?」。「まさか。そんなんじゃない」。そう言うと、コーディはボートまで行き、海藻の入った缶を取って来る。デールは、「何するつもりだ?」と疑心暗鬼だが、コーディは、ひとつまみ海藻を取ると、火傷した部分に乗せる(2枚目の写真)。すると、再び眩しい白い光が。そして、数秒後に光が消えると、火傷はきれいに治っていた(3枚目の写真、腕が変なのは表面のネバネバ液のため)。デール:「その缶、中に何が入ってるんだ?」。「見当もつかん〔Darned if I know〕。まだ残ってて良かった」。ラスティは、恩人のコーディに笑顔を見せる。
  
  
  

夕食の時間。Stumpが吠え、コーディが帰って来た音がする。「父さんだ」。「黙っててね。どのくらいで気付くか見てみたいから」〔母マーサは、昼間に美容院で全く新しい髪形にしてきた(店長のアンは友達で、マーサの厳しい経済状況からタダでカットしてくれる)〕。そこに、コーディが奇跡の海藻の入った缶を持って入ってくる(1枚目の写真、矢印)。コーディは、缶を食卓の上に置くとイスに座るが、2つの奇跡のことで頭が一杯で、妻の髪形の変化などには気付かない。ジェイクが、口パクして、「何だ?」と訊き、「母ちゃん、どこか違わない?」と言われ、改めてよく見て、「髪をどうしたんだ?」と訊く。「アンの新作よ。気に入った?」。「前ののどこが悪かったんだ?」。この 発言にマーサは がっかり。気分を取り直して、「で… 今日は何か面白いことあった?」と夫に尋ねる。「あったぞ」。「ホント?」。「ああ」。「どんな?」。「あのな… 昨日、Cuckolds Rocksで漁をしてた時、トラップの1つに変な海藻 が入ってた」。そう言いながら、食卓に置いた缶を取り上げる。「一度もみたことのない色だったんで、何も考えずに缶に入れ、ボートに放っておいたんだ」(2枚目の写真、矢印)。ジェイクは 「不凍液みたいだね」〔色が〕、マーサは 「普通の海藻じゃないわね。あなたにあげるわ」と、2人とも感銘を受けた様子はない。「俺だって、それきり忘れてただろう。それがな、今日、ボートのプロペラでうっかり指をちょんぎっちまった」。こう話しても、コーディの指が何ともないので、2人は変な顔をして聞いている。「医者に着くまで指を何とかせにゃならんので、俺はその缶に突っ込んだ。ここからが、奇妙な話になるんだが、指が海藻に触れるや否や、ポン! 魔法みたいに指が戻った」。そう言うと、人差し指を動かして見せ、「新品みたいに調子がいい」と言う。2人とも、そんな話は信用しない。ジェイクはニヤニヤし、マーサは 「それって、間違いなく、これまで聞いた最大のほら話〔yarn〕ね」と言う。「まだ、話は終わっとらん。俺が餌屋に戻ると、ラスティが火傷を負ったので、その海藻を擦り付けると、今度も治っちまった」。「指を元通りにしたり、火傷を瞬時に治したりできる海藻を見つけたって 信じさせたいの? そんなこと あり得ない〔That's ridiculous〕」。「だけど、ホントにあったんだ」。そこに電話がかかってくる。マーサが電話を取ると、それは火傷を負ったラスティの娘からだった。会話の内容は分からないが、マーサの顔が次第に “信じられない” という表情に変わる(3枚目の写真)。電話が終わると、マーサが会話の内容を話す。①ラスティの娘は、父から 海藻が火傷を治したと聞いた。②全然信じなかった娘は餌屋に行き、大きな油脂火災が実際に起きたと知った。③自分の外反母趾を治すために海藻を分けてもらえないか、というもの。このニュースは、小さな漁村の中で、電話を通じてあっと言う間に拡散して行く 。
  
  
  

このシーンのあと、場所は居間に移り、ジェイクが 「で、父さん、ケンドリックさんに海藻いくらかあげるの?」と訊く。「どうかな。外反母趾〔足の親指のつけ根が飛び出し、その先が小指側に曲がってしまった状態〕は、奇跡を使うほど重大な問題には思えんな」。コーディが “奇跡” という言葉を使ったことで、半信半疑のマーサが冷やかすが、その時、隣の部屋でStumpがワンと小さく吠え、白い光が溢れる。3度目なので、海藻がまた働いたと分かったコーディは、「畜生」と言って立ち上がる。原因は、キッチンの床に落ちていた缶にStumpが触り、失われた脚が復活したため(1枚目の写真)。それを見たジェイクは 「すげー〔Holy crap〕」と驚くが、あまりいい言葉ではないため〔Holy crapを直訳すれば「聖なるウンチ」〕、母は 「汚い言葉はだめダメ」と叱るが、振り返ってStumpを見た母は、自分自身も同じ言葉で驚く。これで、海藻の奇跡を信じない者はいなくなった(2枚目の写真)。ジェイクは、「あと何回分の奇跡が残ってるの?」と訊きながら、母と一緒にStumpを撫でる(3枚目の写真)。「はっきり分からんが、2回か3回だな」。マーサは、海藻がウルトラ貴重品だと分かったので、蓋のない缶に入れておくのは良くないと思い、ガラスの密閉容器を渡す。そのあと、ジェイクが重要な質問をする。「何に使うか、どうやって決めるつもり?」〔頑固なだけで、優柔不断+決断力ゼロのコーディには、判断基準がない〕。「特別な時のためにとっておく」。「特別な時だって、どうやって分かるの?」。「感じるんだ」。マーサは、銀行の貸金庫に入れたらと提案するが、コーディは、そんな無駄なお金は使わないとして、居間の中央に置いてあるTVの上に置く(4枚目の写真)〔コーディは、衆人監視下だと言うが、コーディが漁に行き、マーサがレストランのウェイトレスの仕事に行き、ジェイクが学校に行けば、見張る物は誰もいない〕
  
  
  
  

翌朝、コーディがボートで出かける準備をしていると、ラスティがバケツ一杯の餌用の魚を持って来て、2人は友達だからと言って渡す(1枚目の写真)。桟橋の先端には、ロブスター・トラップが山積みされているが、その陰に漁民のバーバが隠れている。コーディが、「バーバ、お前か?」と詰問すると、姿を現して 「ホントなのか?」と訊く。「ホントって、何がだ?」。「海藻だ」。「ああ、ホントだ」。「Cuckoldsで獲ったって聞いた」。「そうだ」。「奇跡を起こすんだとか」。一方、学校では教師が三角関数の話をしている。すると、斜め後ろの席のティミーが、ジェイクに 「ウチの親爺が言ってたぞ。お前の親父はロブスター・トラップで奇跡の海藻を見つけたなんて作り話〔bogus story〕を でっちあげたそうだな」。「言っとくが、でっちあげてなんかない」(2枚目の写真)。「じゃあ、ホントなのか?」。「ああ、ホントだ」。コーディが いつものCuckolds Rocksに行くと、そこは、噂を聞いて奇跡の海藻を獲りに来たボートでいっぱいだった(3枚目の写真)。
  
  
  

コーディは、その日の漁を諦めて帰る途中でエンジンがストップしてしまう。幸い通りかかったウォルターの大きな漁船に引っ張ってもらい、漁港に戻ることができた。コーディがウォルターに感謝しながら歩いていくと、ウォルターの奥さんが待っていた。「今日は、コーディ」。「やあ、イーディス」。「私たち、医者に行くのよ。ウォルターが心悸亢進〔病名ではなく症状⇒動悸とともに心臓の存在を感じる症状〕なの」(1枚目の写真)。そして、さらに、「何が必要か分かる? 奇跡の海藻をちょっと…」と言いかけ、謙虚なウォルターが割り込む。「俺のことは気にするな。元気だ。あっちの方を心配してやれよ」。ウォルターが指摘した先には、3人がじっとコーディを見ていた。そのうちの1人は、ラスティの火傷の時の目撃者デール。彼は、今日1日で、62人がCuckolds Rocksで海藻を探し、全員が失敗したと話す。コーディは 「違うのは、俺は海藻を探してたんじゃなく、ロブスターを探してたんだ」と、今日の漁を妨害された怒りを言葉にする。そんなことにお構いなく、3人は、海藻を少し分けてくれと言い出す。デールの悩みはシンスプリント(脛痛症)〔過労性の脛の痛み〕。2人目のノームは口臭。3人目のバーバは、「3つ目の乳首」と言ってお腹を見せる(2枚目の写真)〔単なる痣〕。コーディは、「海藻は残りが少ない。それに、3人とも、奇跡が必要なほどひどいとは思えん」と言って断る。コーディが自宅に向かって歩いていると〔辺り一面野原なので、村の中心から相当離れている〕、後ろから車がやってきて、警笛を鳴らして停車する。降りて来たのは村長。村長は、コーディを車に乗せると、「まあ、聞けよ。凄いアイディアがある。『海藻ワールド』だ!」と自慢げに話す(3枚目の写真)。「ほんのちょっぴり君の海藻をくれるだけでいい」。コーディは問答無用で車を降りる。歩き去ろうとするコーディに向かって、村長は、「ライド〔遊園地の乗り物〕やレストラン、海藻の岩もあるぞ! 村のために考えてみてくれ!」。コーディは一度も振り返らず、ひたすら歩き続ける。コーディが帰宅すると、マーサから、その他の “要望” があったことを聞かされる。①背の痛み、②疣(いぼ)、③水疱瘡、④下痢、⑤さっきの心悸亢進の督促、⑥本人が居間で待っている。コーディが居間で待っていたモーティに会いに行くと、彼は、コーディが止めるのも構わずズボンを脱いで、勃起障害だと悲痛に訴える(4枚目の写真)〔この写真で重要なのは、左端に海藻の入ったビンが写っていること。モーティは、奇跡の海藻が居間に置いてあることを知ってしまった〕。翌日、コーディは、壊れたエンジンを何とかしようと、「便利屋」と書かれた店を訪れる。コーディは燃料用の特殊なホースを買おうとする。幸い1つ残っていた。価格を訊くと、1.22ドル〔112円〕、もしくは、物々交換と言う。交換の相手はもちろん海藻で、理由は、兄弟の肥満が原因の甲状腺機能不全(5枚目の写真)。コーディは、太っているには、始終ドーナッツを食べているからだと示唆して申し出を断る。
  
  
  
  
  

ジェイクとマイクが一緒にトイレに入って行くと、そこにはティミーともう1人、意地悪そうな生徒がいて、2人はびっくりする。ティミーは、ジェイクが手に持っていた 「軟体動物」と標題をつけたイカやカタツムリを描いた絵と、それに関わるレポート数枚(評点はAマイナス)を奪い取る(1枚目の写真)。そして、恐らく自分より評点が高いにも関わらず〔ティミーは落第生〕、パソコンのプリンターではなく〔洋品店で金持ち〕、手書なのを〔貧乏〕バカにした後で、洗面台の中に捨て、絵とレポートは自動散水で水浸しになる(2枚目の写真)。こんなことをした後、ティミーは、ジェイクの父の海藻を要求する。それも、一緒にいるタズという冴えない生徒の顔にニキビがあるからというだけの理由で。ジェイクが、「父さんは、ニキビなんかで、海藻は渡さない」と断ると、「なら、盗め」と強請られる(3枚目の写真)。
  
  
  

マーサが、帰宅しようと、傘をさしてレストランから出て行くと、雨の降っている中、マーサの車の前に4人の男女が傘をさして じっとこちらを見ている(1枚目の写真)。「あなたたち、そこで何してるの?」。「コーディは、俺たちが奇跡の海藻に相応しくないって言うんだ」「自分のために とっとくつもりだ」。特に、2人目の発言は最悪だったので、マーサは、「そうじゃない。あなたたちの理由が不十分だっただけよ」と強く反駁する。「必要かどうか誰が決めるんだね?」。マーサは、一人一人不採用の理由を告げる。「デール、シンスプリント(脛痛症)は歩けないほどひどいの?」「バーバ、あなたは奇跡ないと困るほどなの?」「コリーン、外反母趾はそんなに悪いの?」。コリーンは 「お気に入りのサンダルが履けなくなった」と、恥ずかしげもなく自己主張する。マーサは、「みんな 家に帰りなさいよ」と冷たく言う。マーサが車に乗り込むと、村長が運転席の窓を叩き、「これをコーディに渡して欲しい」と言って人形を渡す。「彼が、権利放棄のサインさえしてくれれば、土産物屋でこれが売れる。それに、事業を始めるに当たって 少々海藻が要る」。家に帰ったマーサは、機嫌が悪い。雨で漁に出られなくて家にいたコーディが、「どうした?」と訊く。マーサは、食卓に投げ出した人形を指して、「あなたによ」とだけ言う。コーディは、人形を手に取ると、「2日前まではロブスター漁師だったのが、今じゃぬいぐるみの人形か」と言って呆れる〔人形は、コーディを形取っている〕。「何もかもが 行き過ぎよ。みんな、どうしちゃったの? この村、何かが変わったわ。夕食はオーヴンの中よ」。それだけ言うと、マーサはキッチンから出て行く(2枚目の写真)。翌日、コーディが桟橋の近くでエンジンを修理していると、そこにウォルターの奥さんイーディスがやって来る。「お願いがあるの」。コーディは、ウォルターが 「俺のことは気にするな」と言ったと、予め防衛線を張るが、イーディスは、「今朝、心臓麻痺で死んだの」と 思いもよらないことを言う。「幸い、死んでから、まだ2時間18分しか経ってない。そのくらいなら、海藻が生き返らせてくれないかしら?」。コーディは、奇跡に該当する思い病気を見逃がしてしまったことに責任を感じ、遺体の置いてある葬儀所に行き、胸に貴重な海藻の3分の1を置く(3枚目の写真)。海藻は、それまでと同じように白い光を放つが、一度死んだ人間を生き返らせることはできなかった。
  
  
  

その日の夕食で、マーサが困った顔をして手紙を見ている。「どうした?」。「電気料金が未払いなの。すぐにでもトラップで獲ってこないと、缶入りの固形燃料で料理しないといけなくなる」(1枚目の写真)。そんな重要な手紙にも、コーディは、「そうか」と言っただけ。その時、ドアがノックされる。母は、ジェイクに見に行くよう指示し、ジェイクが村人ではない2人の男女を連れてくる(2枚目の写真)。ダレル・スターンと名乗る男と、その奥さんは、居間に通される。彼は、「トライモレズ研究所のホメオパシー〔体に備わっていると言われる自己治癒過程に働きかける治療法〕部長で、あなたが発見された海藻にとても興味があります」と話し始める。そして、「かつて、この辺りの海岸に住んでいたアベナキ・インディアンが、万病に効く海藻について一度だけ書いています」。当然、その先は、海藻を使った新薬の開発かと思いきや、全くの逆だった。海藻が世に出ると、薬剤業界が潰れてしまうので、それを阻止するために50万ドル〔4600万円〕を払うというもの。そして、その額面を記した小切手を見せる(3枚目の写真、矢印)〔この部分が全く理解できない。会社は、海藻と引き換えに50万ドルを払うと言っているのだが、もし、コーディが、残り2回で誰かの病気を “こっそり” 治して海藻がなくなっても同じ結果となる訳で、それでも会社は50万ドルを払うのかどうかが定かではない。50万ドルは廃棄には妥当な金額かもしれないが、海藻を使って奇跡の薬を作れば大儲けできる。この男が、実はそのつもりで、買い叩くために嘘をついたと考える方が自然かもしれない〕。2人が帰った後で、ジェイクは、「母ちゃん、僕ら金持ちになるんだ」とおお喜び(4枚目の写真)。母マーサは、「まだよ、ジェイク。お父さんが、どう考えるかで決まるわ」。ジェイクは、「父さん、どうする気?」と尋ねる。「スターンさんの申し出を受けないとは言っとらんが、そんなに単純じゃない」〔コーディには決断能力が全くない〕。「すごく単純じゃない」。マーサ:「いつ決めるつもり?」。「さあな。急ぐのは嫌いだ」。ジェイク:「お金が入ったら、ブロックの店に行って、新品のズボンを10本買うんだ」。
  
  
  
  

翌日、ジェイクとマイクが 灯台から下る野道を歩いている。マイク:「あれ、まだTVの上に置いてあるの?」。「 ああ」。「僕だったら、シェリー・オコナーのために少しもらって、熱烈な恋をさせるんだけどな」。「そりゃ、惚れ薬だよ」。ジェイクは、話題を変える。「マイク、父さんがいなくて寂しい?」。「時々、とっても。だけど、ずっとロブスター漁をしていた人間が、泳ぎ方も知らないなんてありかな?」。「海辺なんだから、いつだって練習できたハズだよね」(1枚目の写真)。すると、前方にティミーとタズが現われる。「ブルーワー、海藻、持って来たか?」。「父さんは、君には渡さない。会社に50万ドルで売る気だ」(2枚目の写真)。「誰もが知ってることなのに、なぜ認めん? お前の親父が、どうしようもない負け犬だってこと。いつもそうだったし、これからもそうだ。それに、もう一つ。お前も、大きくなったら、親父そっくりになるだろう」。この言葉に 頭に来たジェイクはティミーに飛びかかる。最初は、1つ年上のティミーが、ジェイクに跨って殴りつけていたが、急に胃に激痛が走り、地面に手をついたまま何もできなくなる(3枚目の写真、右端は逃げるジェイク) 。
  
  
  

ジェイクは、そのまま、エンジンの修理をしている父の所に行く。そして、「父さん、もう決めた?」と訊く。「何をだ?」(1枚目の写真)。「海藻を売るかどうか」。「今日は決めん」。「なぜ、今すぐできないの? 何か悪いことが起きる前に。いつだってその調子だ」。「悪いことなど起きん」。「起きるよ。知ってるくせに」。「なぜ、シャツが破れとる?」。「ケンカしたからだ」。「なぜ、そんなこと した?」。「ティミー・ブロックが、父さんは負け犬で、僕もそうなるって言ったからだ」。「生意気な口をきく、手に負えんガキが、何を言おうと構わん」。「もう うんざりだよ。僕は、うんざりなんだ… いろいろ言い訳するのは… 服や家… それに、父さんのことで」。「何て言った?」。「母ちゃんは、『父さんは負け犬じゃない』ってフリしてるけど、僕にはもうムリ。50万ドル手に入るんだよ。一度くらい、新しいズボン履いて学校に行きたいよ。ママだって、あんなバカげた仕事、やめられる。なのに、『考えとく』としか言わない。だから僕たち、いつも何も手に入らないんだ」(2枚目の写真)〔この部分のジェイクの演技は巧い〕。その日の夜、負け犬コーディは、マーサに 「ジェイクは正しいと思うか? 俺がしくじると思うか?」と訊く(3枚目の写真)。マーサは、「どんな結果になろうと、あなたは正しいと思うことしかしない。いつもそう」と、口を濁す。そのあと、電話が立て続けにかかってくる。最初は村長から。「海藻ワールド」のことを迫る村長に対するコーディの返事は、「今日はまだだよ、村長さん」。2つ目の電話はスターン部長から。「金持ちになる決心はつきましたか?」に対する返事は、「今日はまだです」。優柔不断で、自分では何一つ決断できない負け犬だ。
  
  
  

朝、困った顔をした両親が居間にいる。そこに入ってきたジェイクは、思わずTVの上を見る(1枚目の写真)。奇跡の海藻の入ったガラスの密閉容器はなくなっていた。ジェイクは、「『何か悪いことが起きる』って言ったろ」と、捨て台詞を残すと、家を出て行く。マーサは、「仕事に行かないと。シェリフを呼びなさいね」と断定調に言う。このくらい言わないと、夫は 迷うだけで何もしないからだ。コーディは、「もし、海藻のお金をもらってたら、君は幸福になってたか?」と尋ねる(2枚目の写真)。マーサは、「あなたと結婚した時、お金持ちになる望みは捨てた。愛されればいいと思った。確かに、ブロックの店のドレスは素敵だわ。それに、中古品店で見た真珠のイヤリングで 買いたかったものもあったけど。でも、私がいるだけで、あなたは満足すると思ったので」〔何と良く出来た奥さん。それとも諦めの境地?〕。村でただ一人のシェリフが パトカーの中で大好物のアイスカプチーノを飲んでいると、出動要請があり、コーディの家に向かう。シェリフは小屋にいるコーディに寄って行くと、「やあ、コーディ、急いで来たぞ」と声をかける。コーディは、直前に電気の供給が遮断されてイライラしていたので、自分で呼んでおいて 「今日はダメだ!」と失礼な発言。インディアンの血を引くシェリフ〔カナダのオナイダ族出身のグラハム・グリーンが演じている〕は、「海藻を見つけて欲しいのなら、今日始めた方がいいぞ」と穏やかに言う〔ここでも、アイスカプチーノを手に持っている〕。「悪かった、ネッド。ちょっとブチ切れてたもんで」。「海藻を盗んだかもしれない人物について、何か心当たりでも?」。「ああ、村中全員だ」(3枚目の写真)。
  
  
  

学校で、教師は、「今日の授業を始める前に、悪いお知らせがあります」と断ると、「ティミー・ブロックは胃癌の診断されました。今から、このカードを回しますから、皆さん一言書いてあげて下さい。辛い時に最も励まされることは、たくさんの友だちがいるんだと分かることです」。ジェイクの手元にカードが来た時(1枚目の写真)、彼は、どうしようかと迷った末、何も書かずに次の生徒に渡す。それを見たマイクは、“何て奴だ” という顔になる。一方、病院では、ティミーの両親が、医師から 「腫瘍は肝臓と肺に転移しています」〔肝転移、肺転移は血行性転移(胃壁の中の血管内に侵入)⇒京大医学部のサイトには、「手術では体の中にあるがんをすべて取り除くことは難しく、原則として抗がん剤治療が標準治療になります」と書いてあった〕。学校が終わってから、芝生の運動場を歩きながら、マイクは、「君はカードに何か書くべきだったんだ」と批判する。「何て? 『早く良くなれ』? 『会いたくて待ちきれない』?」。「ティミーは死ぬんだぞ。分かってるのか?」。「ああ。じゃあ、何て? 『さよなら』、か? 僕にとって、ティミーなんかどうだっていいんだ〔give a crap〕」。「ジェイク、君は、いつかホントの負け犬になるぞ」。そう言うと、愛想をつかしたマイクは去って行く。この言葉は、ジェイクの何かを変えた(2枚目の写真)。ジェイクがブロックの店の前を通りかかると、「追って通知するまで閉店」と貼り紙をしたドアから、ティミーの父親が出てくる。そして、車が前方を横切る(3枚目の写真)。悲しそうな父親の顔も、ジェイクの何かを変えた。
  
  
  

この映画で、一番ユーモラスな箇所。シェリフが村中の容疑者を順番に調べて行く。最初に行ったのがシンスプリント(脛痛症)のデールのところ。ロブスター・トラップをトラックから降ろしているデールの近くにアイスカプチーノを手にして座ると、何気なく話しかけながら、突然、脇に置いてあった小箱をデールのゴム長靴目がけて投げつけ、デールは右足を抱えて激痛に耐える(1枚目の写真、矢印)。これで、デールが海藻を盗んでいないことが分かる〔盗んでいたら、シンスプリントは治っている〕。シェリフが次に行ったのが 「便利屋」の兄弟のところ。アイスカプチーノを左手に、右手にお土産のドーナツを持って行って2人に渡す。2人の肥満は以前と同じで(2枚目の写真)、喜んでドーナツにかぶりつく。これで、2人も容疑者ではなくなる。3ヶ所目はバーバ。アイスカプチーノを手にして、バーバの 「3つ目の乳首」 がまだあることを確認する(3枚目の写真)。4ヶ所目は、コリーンの外反母趾。ここでもアイスカプチーノを手に持っている(4枚目の写真、カプチーノは足首の下)。5ヶ所目は、村長が立てた看板。アイスカプチーノをパトカーのルーフに置くと、『海藻ワールド』 の立て看板に 「取りやめ」 と貼ってあるのを確認(5枚目の写真)。村長も容疑者ではなくなる。
  
  
  
  
  

夜、電気が切られて真っ暗になった居間で、1本のロウソクの前に座ったコーディとマーサの会話。4分も続くが、このサイトの主旨とはズレるので、互いに一言ずつに要約すると、「マーサ、君は、俺にとって世界中で最も大事な存在だ」。「ありがとうコーディ」となる(写真)。
  

ウォルターの埋葬が終わると、いつものようにアイスカプチーノを持ったシェリフが、追いかけてくる(1枚目の写真)。そして、「どこに行けば海藻が見つかるか分かったと思う」と言う。シェリフから行き先を聞いたコーディは、「ホントに彼なのか?」と驚く。「リストにあって、チェックが済んでない唯一の被疑者だ」。「少しでも残ってるといいんだが」。「あんたが、海藻を取り戻したいと思っていたとは、驚きだな」。「いろいろ考えたんだが、あの海藻でできる最高のことを何かしたかった」。パトカーが着いた先は、勃起障害のモーティの家(2枚目の写真)。2階からは、歓喜のような叫び声が聞こえてくる。シェリフは、コーディを待たせておいて、一人で家に入って行く。しばらくして、手錠をかけられたモーティが玄関から出て来て、「ハレルヤ!」と歓喜の叫び(3枚目の写真、首から下げているのはブラジャー)。そして、「これほど価値のある奇跡があるとは!」と、嬉しそうに言う。コーディの前に来ると、「ごめんよ、コーディ。だが、わしの “きかん坊〔tinker〕” は45年間 使用可能〔out of commission〕だったんじゃ」と謝るが、「全部取ったわけじゃない。そのほとんどはまだTVの上にあるじゃないか」と弁解する。モーティがパトカーに入れられたあと、シェリフが相手役のテルマに質問すると、①モーティの言ったことは本当で、②少量の海藻をショット・グラス〔ウイスキーなどの強い酒用の一口グラス〕に入れて持って来た、と話す。この話を聞き、シェリフは、「2人目の犯人がいるようだな。村中の関係する全員を調べたら、すべて無罪だった。私の直感〔gut〕は、誰かが、どこか別の場所にガラス容器を隠していると言っている。あんたが空の容器を見つけたら、もう一つの奇跡を見ることになるだろうな」と言う(4枚目の写真、モーティとテルマは互いに手を振っている)。
  
  
  
  

盗んだのが村人でないとすれば、家族しかいない。マーサについては、前夜の話し合いで愛を再確認したばかりなので、疑わしきはジェイクのみ。そこで、パトカーに家まで送ってもらうと、コーディはさっそくジェイク捜しにかかるが、ジェイクの姿はない。しばらくして、ジェイクが家に入って来る様子が映る。ジェイクは、真っ直ぐ居間に向かうと、バッグから空になったガラス容器を取り出してTVの上に置く(1枚目の写真)。ジェイクが立ち上がると、恐らく “ジェイクが帰ってきたのを知って隠れて見ていた” 父がドアのところに立っている(2枚目の写真)。「盗ったのはお前だったか。どうしてだ、ジェイク? なぜ、こんなことをした? 何に使ったんだ?」。ジェイクは、軽く首を横に振り、何も言おうとしない。「そうか… 役に立つことだったらいいが」〔非常に寛容な言葉〕。「そう願ってる」(3枚目の写真)。
  
  
  

翌朝早く、コーディが家から出ると、そこにブロック夫妻が車でやってくる(1枚目の写真)。コーディ:「こんなトコまで来て、どうしたんだ」。ティミーの父:「ティミーの癌が消えた」。「そりゃ、おめでたいな」。そこに、ジェイクも加わる(2枚目の写真)。「医者は、奇跡だと言ってる。癌が消える前、ティミーはチョコレートミルクを一口飲んだのだが、その時 真っ白な光が現われた。そのことで、何か心当たりはないか、コーディ?」〔随分、失礼な訊き方〕。「悪いが、何も知らんね」〔“白い光” というだけで、海藻のお陰だと分かったハズなのに、なぜ否定するのだろう?〕。コーディは、横にいるジェイクに、「お前はどうだ?」と訊く。ジェイクも「知らない」と否定する(3枚目の写真)。ブロックは、それ以上追求せず車に戻る〔この部分が、観ていて何となく不可解、というか、満足感が湧かない。意地悪ティミーと、生意気な父親が、ただ単に奇跡の恩恵を受け、それを感謝すらしないとは…〕
  
  
  

最後のシーンは、コーディとジェイクが一緒にボートに乗ってCuckolds Rocksに行く(1枚目の写真、ボートの先端に見えるのはブイ)。コーディが、ロブスター・トラップのロープをたぐり寄せ始めると、ジェイクが、「僕に手伝わせて」と言って、ロープを一人で引っ張る(2枚目の写真)。トラップ本体は重いので、コーディが助けに入る。父が蓋を開けると、ジェイクは、「ここで、奇跡の海藻を見つけたの?」と訊く。「そうだ」。「まだ あるのかな?」。「さあな」。そして、「念のため、ずっと ここにトラップを置くべきかな?」と、ジェイクの意見を求める。ジェイクは、「北側の方がよく獲れるんじゃない? 僕が決めていいんなら、そっちの方にするよ」と、あっさりの奇跡の海藻を見捨て、コーディも 「じゃあ、そうするか」と応え、息子の肩に手を置く(3枚目の写真)。
  
  
  

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