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Esteros エステロス/旧友との再会

アルゼンチン映画 (2016)

ウルグアイとの国境にある人口4万の町リブレス(Paso de los Libres)に住む仲の良い2人の少年ヘロとマティの話。映画全体の24%にあたる部分が少年時代の描写に割かれている。彼らは、夏になると、ヘロの両親がエステロス・デル・イベラ(Esteros del Iberá)に所有している農園で一緒に過していた。そこは、広大な湿地帯にいろいろな生物のいる自然の楽園。2人の少年はのびのびと育ち、思春期を迎える年頃になっていた。この作品は、その少年期の「萌芽」と、10年後に再会した時の「開花」を描いたゲイ映画。幸いに、少年時代については「萌芽」に留まっているので、安心して紹介することができる。

広大な湿地の近くに立地した農園で何度も時を過したヘロとマティは、切っても切れないほど仲の良い親友になっていた。沼に行っては、水で遊び、動物に親しむ毎日のくり返し。そんな中で、ヘロは一足早く性に目覚め、近くにいる同世代の子がマティしかいないので、自然とマティに対し友情とは別な意味での関心を増していく。そして、一緒にシャワーを浴びた時や、一緒にベッドで寝た時に、局所に触ってみたくなる。マティは、渋々同意する形で相手になっていたが、父の仕事の都合でプラジルに移り住むことが決まると、最近様子のおかしいヘロと離れられて少しホッとすると同時に、永遠になるかもしれない別れに寂しくもなる。そして10年後、仕事の関係で、マティは出身地の町に戻ってくる。彼には女性の恋人もいる。そして、ある偶然から、ヘロに出会う… 少年時代の映像には、写真の左側に山吹色の帯を付ける(10年後の映像はの帯)。 

ヘロの少年時代を演じるのはBlas Finardi Niz、マティはJoaquín Parada。この映画を紹介したのは、Blas Finardi Nizが美少年だから。演技も、目立ち度もBlas Finardi Nizの方が遥かに優っている。声変わりや顔立ちからJoaquín Paradaの方が年上であろう。2人とも、大人になってからのヘロとマティに似ている少年が選ばれたと思われ、共に映画は初出演。次回作はない。


あらすじ

「ヘロ」こと ヘロニモと、「マティ」こと マティアスの2人は幼い頃からの友達。今も、マティはヘロの農園にお泊りで遊びに来ていて、シャンプー・スプレーで泡を掛け合い遊んでいる(1枚目の写真)。当然、2人ともパンツをはいている。そう思って見ると、罪のない子どもっぽい遊び。2人が際限なく続けていると、浴室のドアが開き、ヘロの母が、「用意できたの? カーニバルに間に合わないわよ」と急がせる(2枚目の写真)。2人がいる農園は、アルゼンチン最大のパラナ川中流にある世界第2の湿地帯エステロス・デル・イベラ〔保護区だけで1.3万平方キロ~長野県とほぼ同じ広さ〕にある。そして、カーニバルは遠いリブレスの町で行われている〔農園がイベラのどこにあるかは不明だが、町は100数十キロ南にある〕。急がせるのは当然かもしれない。2人の仲の良さは、リブレスでも発揮される。スプレーを持っていて互いに掛け合っていると、マティは友達につかまり〔普段は、リブレスに住んでいる〕、サンボードロモ〔サンバの施設〕に行かないかと誘われる。しかし、マティは「ヘロとヨット・クラブに行くよ」と言って断る。「サンボードロモの方が楽しいのに」。「ヘロと一緒の方がいい」。そう言うと、肩を組んで一緒に行く(3枚目の写真。左がヘロ、右がマティ)。画面は、大きな水面に変わる。そして、映画の題名「Esteros(沼沢地)=エステロス」が表示される。しかし、このエステロスは子供時代と大人になってからと、それぞれ1回ずつ登場するだけで、映画の内容とはほぼ無関係。題名が内容を反映していないケースの代表格だ。そこで、簡単な副題を付けることにした。
  

そして、10年後。マティは父と一緒に引っ越したブラジルからアルゼンチンの故郷の町リブレスに帰って来ている〔ずっと後で、「ロチの父さんのところで働き始めた」という台詞がある。そして、そのロチのアパートに同棲的に泊まっている〕。ある日、ロチが仮装パーティにゾンビの扮装で出ようと言い出し、そのために頼んだメーキャップアーチストが来ると伝える。マティは、恋人の言うことなので素直にOKし、2人でアーチストの来るのを待つ。すると、アパートにやって来たのはヘロだった。10年ぶりで、すっかり大きくなってはいるが、2人はすぐにお互いを識別した〔実際、よく似た俳優を使っている〕。ロチは、2人が知り合いであることに驚く。ヘロは、さっそくメイクにかかるが(1枚目の写真)、ヘロが快活なのに比べ、マティは何となく気詰まりだ(2枚目の写真)。その差は、10年前の “つれない”別かれ方を恥じていたのかもしれないし、ヘロと別れる直前のホモセクシャル的な友情を思い出したせいなのかもしれない。
 

映画は、再び10年前に戻る。この映画では、4回、過去のシーンが入るが、その中で最も長い(8分27秒)。2人の農園での生活ぶりがよく分かる楽しいシーンだ。2人は、ヘロの父が運転するピックアップトラックの荷台に乗っている〔リブレスからイベラに向かっている〕。何事にも前向きで好奇心いっぱいのヘロは、キャビンの真後ろに立ち、風を受けて楽しんでいる。そして、荷台の隅で丸くなっているマティに、「こっちに来いよ」と呼びかける。2人は並んで立ち、両手を拡げる(1枚目の写真)。道の片側にはエステロスの湿原が拡がっている。2人はトラックから降りると、手慣れた様子で農場の柵を開ける(2枚目の写真)。柵が開くと車は中に入るが停まってくれない。2人は柵を閉めると、全力で走って車に追いつき、荷台に飛びついて乗り込む。そして、再びキャビンの真後ろまで行くと、そのまま家の前に着くまで立っている(3枚目の写真)〔柵から かなりの距離がある〕
  

ヘロの到着に気付いた犬が吠え始める。ヘロはトラックから飛び降りると、真っ先に犬の元に駆けつけ、愛撫してやる。マティが、「こいつかい? 新しい犬?」と訊く。「うん。クリスマスに見つけたんだ」(1枚目の写真)「ウザい奴さ」。「雑種みたいだな」。「ああ、ショボイんだ」。その時、ヘロの父から、荷物を運ぶように頼まれる。2人はすぐに手助けする(2枚目の写真)。家に入った母が、窓の木のシャッターを上げて光を取り入れることから、父母も しばらくぶりにこの家に戻って来たらしい。マティはリュックから、ヘロが好きそうなビデオを3本取り出す。それを取り上げたヘロは(3枚目の写真)、1本目は「これ最悪」、2本目は何も言わずに返し、3本目だけ「これならバッチシ」と言う。マティは2本目を勧めるが、ヘロは「『バタリアン(The Return of the Living Dead)』〔3本目〕は最高のゾンビ映画だと反論。マティは、自分の意見が通らなかったので、すべて取り上げる。
  

2人は野原を越えて水辺に行く。最初は「水面石飛ばし」で遊ぶ。マティ:「ここには、アリゲーターはいないよな?」(1枚目の写真)。ヘロ:「アリゲーターも蛇もいるよ」。「冗談だろ?」。「ホント。だけど、みだりにイジくったから、魚もいなくなった」。マティが小便を始めると、「カピバラ〔大型の齧歯類〕がいるぞ」と声をかける。そして、泥をつかむと、「見たのか?」と寄ってきたマティに、「ほら、あそこだ。見てみろよ」とあらぬ方向を指す(2枚目の写真)。マティがそちらに気を取られていると、泥の塊をマティの首になすりつける。そこから2人の泥のぶつけ合いが始まる。マティはヘロの背中に押し込んで復讐する(3枚目の写真)。
  

泥まみれになった2人は、シャツを脱いで浅い沼の中に入って行く。そして、互いにズボンを投げ合って遊ぶ(1枚目の写真、空中をズボンが飛んでいる)。その後は、2人で沈めっこをしたり、水をかけ合う(2枚目の写真)。最後は、2人で水に浮いて安らかなひと時を楽しむ(3枚目の写真)。2人が如何に仲良しかを 改めて実感させられる。
  

そのうちに、いきなりスコールとなる。2人は沼から出て、服を着て家に戻ろうとするが、マティが泥につまづいて転ぶ。心配したヘロが走り寄ると、マティは死んだように動かない。ヘロがマティの心臓の音を確かめようとすると、死んだフリをしていたマティがゾンビのマネをして絡む。ヘロは「バカヤロ! 死ぬほど心配したんだぞ」と怒る(1枚目の写真)。家に戻った2人は、すぐに浴室に連れて行かれ、「こんな風にずぶ濡れになるなんて、小さな子みたいね。すぐシャワーを浴びなさい」と叱られる(2枚目の写真)。2人だけになったヘロとマティは裸になって一緒にシャワーを浴びる。そのうち、ヘロが下を向いてニヤニヤし、マティが「やめろよ」と笑いながら言うので、ヘロが触ってみたのであろう(3枚目の写真)。
  

仮装パーティの後、カーニバルの賑わいの中で、マティとロチは偶然ヘロと出会う。しかし、ヘロは用があると言って すぐにいなくなる。翌朝、マティは、ロチからヘロの住所を聞き、ゾンビの服を返しに行く。ヘロの家には、ゾンビのフィギュアの他(1枚目の写真、右端がゾンビ人形)、室内の壁にはいろいろな絵が貼ってある。その際の会話の一部。ヘロ:「ブラジルに、そのままいたんだな?」〔10年前に2人が別れたのは、マティの父親がブラジルで職に就いたから。マティはブラジルで大学を卒業した後、アルゼンチンに戻らず、ブラジルで就職した〕。マティ:「ああ、いい仕事に就けたから」〔会社に就職し、今は 新しい大豆の種の研究をしている→それと、ロチの父親との関連が不明〕。一方、ヘロは、コリエンテス(Corrientes)〔パラナ川中流の人口32万の中都市、エステロス・デル・イベラにも近い/ただし、故郷の町リブレスとはイベラを挟んで反対側〕で映画制作を学び、アニメーションと特殊効果の仕事を始めたと話す。そして、リブレスのダウンタウンに届けるものがあると言い、マティをピックアップトラックに乗せるが、その時の車は、10年前に子供だった2人が乗っていたものと同じ。当時でも中古だったので、今やポンコツ。ヘロは、ダウンタウンのオタクっぽい店に入って行き、若いオーナーにアクション・フィギュアを渡す。その時、オーナーが、マティを見て、「新しいボーイ・フレンドか?」と訊くので〔ヘロは「いいや、ただの友達さ」と答える〕、ヘロはゲイとして通っているのだろう。その後、2人は、オープン・カフェに座ってロチが来るのを待つ。そこでの会話の一部。マティ:「農園は、まだあるんだな?」。ヘロ:「ちょっと傷んだがな」。「すごい。庭もか?」。「完璧」。そして、今日 農園にいる母に物を届けに行くことになっていると話し、「いつ発つ?」と訊く〔どこに「発つ」のか? ロチの父はどこにいるのか?〕。「月曜、仕事に戻らないと」。そこに、ロチが現れる。ヘロは、「2人とも農園に来ないか? 両親が喜ぶ」と誘う。ロチは、田舎は趣味ではないので断る。そして、自分は女友達と用があるので、「2人で行ったら?」と勧める。ヘロも、「田舎で1日。君を見たら、両親が喜ぶぞ」と再度プッシュ。ロチも、「いつも、エステロスのこと話してるじゃない」と後押し。これで決まり。マティは、用があって席を立ち、ヘロとロチが残る。ここからが重要な会話。ロチ:「仲のいい友達だったの?」。ヘロ:「両親が。だから、僕ら、よく一緒に過した。特に夏休みには」。「マティアスは、いつも話すのよ。エステロス、農園、湿原、動物のこと。彼のお母さんが育ててた植物の名前まで覚えてるの」。「違うな。ガーデニング好きは、僕のママだ」。「それって… 農園は、あなたのご両親の物ってこと?」。「もちろん。僕ら、夏中そこで過ごしたんだ。マティアスも一緒にね」。「でも、マティアスは、あなたのこと一度も話さなかったわ」。「いかにも彼らしいな」(2枚目の写真)。このやりとりで、①マティは農園について嘘をついていた、②マティは一番の親友のことを隠していた、の2点が分かり、ロチの心に疑心暗鬼が生まれる。そして、その夜、ベッドの中で。ロチは、思い切った話題を持ち出す。「私が、最初にセックスした相手は、ボーイフレンドだった。みんな、私たちが結婚すると思ってた。でも、そうはならなかった」。「愛してたのか?」〔マティにも初耳の打ち明け話〕。「そうよ。彼って、ハンサムでインテリで、とても仲が良かったから。でも、何かが足りなかったの。だから、それで終わり」「私たちの関係も、ちょっと似てるなって思うことが時々あるの」(3枚目の写真)。そして、明日は、ヘロと行かずに、一日中ベッドで過さないかと誘う。しかし、マティは、「農園を見に行きたい」と断る〔破局の始まり〕
  

映画は、10年前に戻る。この3回目も、2回目と同様に重要なシーンが含まれる(6分22秒)。最初は、農園での夕食会。この夜は、マティの両親も招かれている。先のシーンで、大人になったヘロは、ロチに 両親が仲良しだったと話したが、この夕食の席での2人の父親を見る限り、お互い、とても友達になれるタイプではない。ヘロの父はお金のことなど考えない気のいい農園主。一方、マティの父は、エステロスを水田にした方が儲かると言い、金儲けのためにブラジルに出稼ぎに行くと言い出すような男。2人の会話がケンカ腰になりかけたので、ヘロとマティはテーブルをサンバのリズムで叩き始める。ヘロの母が息子と一緒に席を立ち、マティにも手を差し出す。3人は一緒に踊り出し、すぐにヘロとサティの2人で踊る(1枚目の写真)。しかし、それを見ているマティの父親は、嫌な顔をする。それに気付いたサティは途中で踊るのをやめる。相手を失ったヘロは、もう一度母と踊り始める。ぴったり息が合い、いかにも楽しそう。母が食事の支度でいなくなっても、ヘロは1人で踊っている。見かねたマティは、ヘロに飛びつき、体をぶつけ合う(3枚目の写真)。踊りではないので、マティの父親も嫌な顔をせず、「イベラ最後の農園主に乾杯」と発声〔この言葉から、この場所がエステロス・デル・イベラだと確定できる〕
  

いよいよ問題のシーン。その夜、ヘロの部屋の床にマットを敷いて寝ていたマティは、寒さに震えている。それに気付いたヘロは、「こっちへ来いよ」と声をかける(1枚目の写真)。マティはすぐにヘロのベッドに入る。最初は背を向けている。その背中を、ヘロは少しでも温めようと、手でゴシゴシ擦り(2枚目の写真)、息を吹きかける。それで暖かくなったのか、好意に嬉しくなったのか、マティはヘロの方に向きを変える。すると、ヘロの手が下の方に入って行き、「いいかい?」と訊く。マティは、「いいよ」と答える(3枚目の写真)。すべては毛布でカバーされているので何も見えないが、ヘロが肩を揺らし、マティが声を漏らし始める。2人にとって、これは初めての経験。だから、2人はゲイではなく、ただ単に性に目覚め始めた年頃になったことを示したいのであろう〔ヘロには、ホモセクシャルな性向があるのかも〕
  

翌朝、マティが目を覚ますと、ヘロはもういない。開いている窓から覗くと、ヘロは外にいた。そこでマティは起きた時の姿のまま窓から出て、ヘロの横に並んでベランダの腰壁にもたれる(1枚目の写真)。しばらくすると、ヘロが、「来いよ」と声をかけるので、2人でベランダの外を回り(2枚目の写真)、その先にあるハンモックまで行く。そして、2人は仲良くハンモックに横になる(3枚目の写真)。
  

マティは、10年ぶりにヘロの農園を訪れる。昔、ヘロと一緒に開けた柵に 感慨深げに寄りかかり(1枚目の写真)、ヘロからクラクションを鳴らされる〔車が、ピックアップトラックでないのは、マティがおんぼろ車を嫌い、ロチの女友達の車を借りたため〕。車が農園の前に着いた場面も、以前とよく似ている(2枚目の写真)〔木の大きさは、10年後でも変わっていない(CG処理もできた)〕
 

農園では ヘロの両親と会う予定になっていたが、今は2人だけ。ヘロは、マティに、①ロチは、農園がマティの家族の所有物だと思っていた、②ロチは、マティからエステロスのことはよく訊いたが ヘロのことは一度も聞かなかった、と言っていたと打ち明ける。それは、マティの「嘘と隠匿」に対する不満の表明だったのかもしれないが、マティは「そうか?」の一言しか返さない。その後、マティが部屋の中を見ていると、10年前にハンモックで2人で寝ていた時のクローズアップ写真が、飾ってある〔撮影したのはヘロの母〕。マティの記憶が蘇る。その時、ヘロが「散歩に行こう」と声をかける。2人は密林を抜け、沼地に出る。ヘロはマティをボートに乗せ、沼に漕ぎ出す。そして、ボートの上に寝転がって エステロスの雰囲気を満喫する〔多様な鳥の鳴き声が聞こえる〕。そして、ヘロが如何にこの沼の自然を愛してきたかを語る。「ここは僕だけのもの。誰も連れて来たことはない」。それを聞いたマティが上半身裸になって沼に入って歩き出す〔水深は膝くらい〕。ヘロもすぐに後を追う。そして、昔のように水を掛け合い、じゃれ合い、最後は、2人で水に浮いて安らかなひと時を楽しむ(1枚目の写真)〔10年前と似た構図〕。そして、マティの重要な言葉。「ここに来れなくて如何に寂しかったか、認識してなかった」。そして、さらに、「時々思うんだ。もし、あの時、そのままここにいたらどうなっていたかって」。その後、以前と同じようにスコールが来て、2人はびしょ濡れになって農園に戻る。その後の、相手を探るような会話はカットする。最後は、優柔不断で腰が引けていたマティの方からヘロにキスし、最後は熱烈なゲイ・セックスで終わる(2枚目の写真)。
 

それを暗示するのが、4回目で最後となる過去のシーン(2分10秒)。場面は、3回目のハンモックの続き。ヘロの母が写真を撮った後〔それが、さっき写真立てに入っていた〕、母がいなくなると、マティの方からヘロにキスをする(1枚目の写真)。びっくりしたヘロが、今度は自分からキスしようとすると(2枚目の)、マティはそれを避け、走って逃げていく(3枚目の写真、矢印)。この時点で、ヘロは知らなかったが、マティは、ブラジルに移住し、当分ヘロに会えなくなると分かっていた。だから、最後のプレゼントに、いつもは「受け」ていただけなのに、自分の方からキスしたのだろう。しかし、それはあくまでプレゼントであって、それ以上深入りする気もないので、すぐに逃げたのだろう。
  

2人は農園からリブレスに戻る。夜、マティは友達とダベっている。それを見たヘロは、マティと話そうと寄って行く(1枚目の写真)。しかし、以前と違い、マティはヘロが声をかけても、敢えて無視する。悲しくなったヘロは去って行く(2枚目の写真)。その後、マティが、人ゴミから離れて1人になると、ヘロは駆け寄って行き、「おい、どうしちゃったんだよ?」と訊く。返事がないので、胸をドンと突く。「ブラジルに行く。父さんが、そこで仕事を受けたんだ」(3枚目の写真)。ヘロはマティを抱こうとするが、マティは拒否する。怒ったヘロは、無言で去って行く。
  

翌朝マティが目を覚ますと、ヘロの両親はもう農園にいた〔リブレスの町からは遠いので、両親は昨夜遅くに着いていたのか? そし、そうなら、ヘロとマティは両親が家にいるのにセックスしたのか?〕。2人は挨拶に行く(1枚目の写真)。特に、10年ぶりのマティは歓迎される。しかし、会って数分もしないうちに、ヘロは、「昼までに町に行かないといけないから、もう出ないと」と言って、母をがっかりさせる。リブレスに向かう途中で、マティは車を停める。そして、「ヘロ、俺…」と言い出す。ヘロ:「分かってる。君には、あっちにガールフレンドがいる。人生もある。僕は、そんなのに付き合う気はない」。次のシーンは リブレスのロチのアパート。マティが階段をゆっくりと上がっていく。そして、ロチの部屋のドアを「いるかい?」とノックする。しかし、その後のシーンは、なぜか、アパートの階段に座って交される。マティは、ロチの部屋に入れてもらえなかったのだ。階段でも、2人は非常に気詰まりなのだが、なぜ そうなったのかは全く理解できない〔最初に、農園に行けと勧めたのはロチだった。確かに、その後、農園に行くのは止めて一緒にベッドで過そうと言い出し、マティが拒否したのは事実だが、戻って来た途端、こんなに冷たくなるものか?〕。マティが、宥めようと手で触れようとすると、「触らないで!」と強く拒絶。そして、「あなたに同情して欲しくない」。そして、三言目には もう、「行って〔Vai〕、マティアス」(2枚目の写真)。2人の仲はこれで終わり。ロチに捨てられたマティは、ダウンタウンにある店に向かう。そして、店に入って行くと、そこにいたヘロに強烈なキスをする(3枚目の写真)。
  

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