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Mid90s ミッド90ズ

アメリカ映画 (2018)

1990年代半ばのロサンゼルス郊外の貧しい地区。そこに住む5人のスケボー愛好者たちの日常を坦々と描いた作品。今から20年前という時代設定なので、最近の若者言葉ではないが、Fワードがこれでもかと思うほど飛び交う異様な世界だ。ストーリーの中心を担うのは、偶然5人目のメンバーになった13歳のスティーヴィー。それまでスケボーに触れたこともないのに、通りで偶然見かけて虜になる。それからの熱中度はすごい。何事にも積極的で、グループのマスコット的存在となるだけでなく、巧くなりたい執念から人気者にもなる。スティーヴィーをはじめ、5人の家庭環境はかなりひどい。だから5人はスケボーにのめり込む。その純粋さと、ドキュメンタリー・タッチが受けたのか、IMDbで7.4の高評価、権威ある米国映画批評会議(National Board of Review)で2018年の「Top Ten Independent Films」に選らばれている。日本人には、イマイチ、ピンと来ない面もあるが、それなりに新鮮な印象を与えてくれる。

変側的な母子家庭に育ったスティーヴィーは、本当か腹違いなのかよく分からない兄から、いつも見下されて育ってきた。そんな彼が、ある日目をとめたのはスケボー。さっそく、兄の「お古」を物々交換で手に入れ、乗ってみようとするがまるでダメ。見初めた店に行くと、店の裏で4人が練習していて、スティーヴィーは何とか仲間の端くれにしてもらう。それまで仲間の最年少だったルーベンは、何かと先輩風を吹かせ、自分の「お古」を40ドルで売ってやると持ちかける。小遣いゼロのスティーヴィーは、兄に相談し、兄は母の財布から80ドル盗み、山分けするよう提案し、盗み自体はスティーヴィーにさせる。罪の意識に咎めなから彼は40ドル盗み、ルーベンから「お古」を買う。その直後、4人で談笑しているのを聞いていたスティーヴィーは、4人の中のトップ・スケートボーダーのレイから変わった質問を受け、それにさらに変わった返事をしたことから、「サンバーン」というあだ名を頂戴する。これは、あだ名のないルーベンから嫉妬を買う。5人は、屋根の上で、隙間を跳び越す練習をしていて、ルーベンが怖くなって棄権した後、スティーヴィーは制止を振り切って挑戦し、失敗して落下する。頭にかなりのケガを負うが、その勇気に対し、レイは店で売っている新品のスケボーを進呈し、ルーベンの嫉妬は募る。5人の中で唯一パーティー大好き人間のファックシットのはからいで、4人はパーティーに参加する。ビールや大麻もあるパーティーだ。スティーヴィーは、そこにいた若い女性に気に入られ、初めての女性体験もする。酒と麻薬に母は激怒し、交際をやめろと命じるが、スティーヴィーは逆ギレして母に初めて反抗する。5人が、プロのスケートボーダーもいる人気スポットに出かけた時、レイのプロ崇拝の態度にファックシットは怒り、スティーヴィーとルーベンは大ゲンカする。グループが分断しかけたその夜、帰宅時の車が事故を起こし、スティーヴィーはひどいケガを負う。そのケガは、スティーヴィーのバラバラになった家庭だけでなく、5人の結束も固める結果となった。なお、この映画は、最近の映画では珍しく「1.3:1」という昔のビデオサイズを使用しているため、画像もそのサイズに従った。

主人公のスティーヴィーを演じたのは、サニー・ソリヤック(Sunny Suljic)。2005.8.10生まれなので撮影時は、恐らく12歳(映画の公開が2018.10.26。2ヶ月半で撮影→公開は無理)。ショートムービーやTVを除いても、この映画で7本目となるから、かなりのベテランだ。ただし、ほとんどが端役で、準主役は『The Unspoken』(2015)の1本のみ(左下の写真)。去年の秋に日本でも公開された「がっかり映画」の『ルイスと不思議の時計』(2018)にも出ていたが、やはり端役だった(右下の写真の左)。


あらすじ

映画が始まると、いきなり小さな家の廊下が映る。そして、右の部屋から少年が廊下にはじき飛ばされ、すぐ後から筋肉隆々の青年が襲いかかる。少年は 床に組み伏せられ、必死で抵抗しても叩き続けられる。少年は13歳のスティーヴィー、青年は兄。その後、スティーヴィーは、自分の部屋の全身鏡の前に立ち、負傷した左胸部のケガを見る(1枚目の写真、矢印)。かなり痛そうだ。別室から 兄と母が激しく怒鳴り合うのが聞こえてくるが、原因がこの虐待行為にあるのか、違うのかは 声がくぐもっていて分からない。次のシーンも、同じ廊下の映像。正面の部屋では、兄が、如何にもマッショ志向らしく腕立て伏せに熱中している。スティーヴィーが居間でコンピュータ・ゲームに熱中していると、兄が「俺様の部屋に入るんじゃないぞ、スティーヴィー」と叫んで、家を出て行く音が聞こえる。スティーヴィーは、すぐに居間を飛び出すと、兄の部屋のドアを恐る恐る開けてに中に入る。そこは広いワンルームで、如何にもオタクっぽく、意外なことに非常にきれいに整頓されている。スティーヴィーは、壁に整然と掛けられたMLBのキャップからフィリーズのキャップを大事そうに手に取り、被ってみる。兄に知られたらリンチものだ。兄は、Tシャツにもスニーカーにも凝っていて完璧な状態でコレクト展示してある。それだけではない。1990年代半ばという映画の設定年代で一番人気のあったヒップホップ・ミュージックの雑誌「The Source」も揃っている。そして棚一面にカセットが、これまた几帳面に並べてある。スティーヴィーは、兄の一番小さいダンベルを持ち上げてみる(2枚目の写真)。最後は、CDが並んでいる棚の前に立って、すべてのタイトルをメモる(3枚目の写真、矢印)。ここまでが、オープニング・クレジットと交互にはさまれる断片的な映像。
  
  
  

スティーヴィーは、母と兄と3人で安手の食堂に入っている。母は、「トッドには まだ電話してないの。カレ素敵だわ。すごく惹かれるの」とスティーヴィーに話しかける。13歳の息子に話すような内容ではないが、面と向かって言われので、スティーヴィーは 「そう」と返事をする。「ちょっと遊び人っぽいところがありそうだから、先に進む前に、ためらってるってトコ」。この一家に父親はいない。母の「男願望」は際限がなく、気分を害した兄はオレンジ・ジュースを注文する。母は、今度は兄に、「あたし、18歳の誕生日に、あんたに母乳を飲ませてたのよ。今、自分に赤ちゃんがいたらどう思う?」と話しかける。兄は呆れて返事もしない。スティーヴィーは新聞紙に包んだCDを取り上げると(1枚目の写真)、兄に、「これあげる。持ってないだろ」と渡す〔先日メモって、そこにないものを選んだ?〕。しかし、兄は礼も言わずに受け取り、乱暴に新聞紙を破るとケースを一瞬見てテーブルの上にポイと置き、その上に丸めた新聞紙を置く。感謝しているとは思えない。この家族は破綻している。別な日〔Tシャツが違う〕、スティーヴィーが自宅近くの歩道を自転車で走っていると、4車線道路の向かい側の歩道で数人のグループが、「Motor」という店の前でスケボーに乗っている(2枚目の写真)。すると、隣の店主が出てきて、「俺の店の前でたむろするんじゃない」と文句をつける。「何だよ、おっさん」。「お前らなんか怖くないぞ。俺は『砂漠の嵐作戦』〔1991年の第一次イラク戦争〕で戦ったんだ。この腐れガキども」。「店番でもしてろよ」。スティーヴィーは、その男が多勢に無勢で逃げ腰なのを見て思わず笑う(3枚目の写真)。これが、スティーヴィーとスケボー・グループとのファーストコンタクトとなる。
  
  
  

翌日〔Tシャツが違う〕、スティーヴィーは、思い切って店に入っていく(1枚目の写真)。ガラス戸を開けると、ヒップホップ・ミュージックで溢れている。店の奥では、ソファに3人が座ってTVでスケボーの競技を見ている(2枚目の写真、赤の矢印はスティーヴィー、黄色の矢印はTVで中継しているスケボー競技)。TVで コメンテイターが演技を見て、「むしろ」こうした方がいいと言ったのを聞いたフォース・グレード〔「4年生」の意味のあだ名〕が、「むしろ、『オヤジのチンコでも吸ってろ〔suck your dad's dick〕』って、コメントしたらどうだ? それとも、『オフクロでもクンニしてろ〔eat your mom out〕』とかさ」、と言う。それを聞いたレイ〔4人の中でスケボーが抜群に上手いので、仕切っている〕が、「それ何だ? ひどい。何てこと話すんだ」と言いつつ、ファックシット〔「くそすごい」の意味のあだ名〕に、「お前なら、『オヤジのチンコを吸う』か『オフクロをクンニする』か、どっちだ?」と訊く〔ファックシットは、お客への対応中〕。それを聞いたフォース・グレードは、ファックシットが答える前に、「お前なら、オヤジのチンコを吸うよな?」と言う。ファックシットは、「黙れ、フォース・グレード。俺なら、相手が誰だろうと、ヤクで眠らせちまうな」と言う〔彼は、ドラッグが好き〕。かくして聞くに堪えない会話は延々と続き、客は、「こんな店には二度と来ないからな」と文句を言う。ファックシット:「お前〔nigga〕ら、お客が嫌がってるぞ」。「俺達はいつもこんな変な話をしてるわけじゃない」。客が出て行った後、4人はパリで行われている競技の話に集中する。1人店に残ったスティーヴィーは、チラチラと振り返っては4人を窺っている(3枚目の写真)。
  
  
  

家に戻ったスティーヴィーは、スケボーがやってみたくなる。昔、兄がやっていたのを思い出し、古いスケボーを譲ってくれるように頼む。兄:「幾らある?」。「ゼロ」。「ディスクマンと交換だ」〔古くて時代遅れの使わなくなったスケボーと、ディスクマンの交換を要求するのは強欲〕。「ディスクマンは始終使ってる。ママが誕生日にくれた」(1枚目の写真)。兄は、スケボーを持って部屋から出て行こうとする。スティーヴィーは、「待って、ディスクマン以外なら、この部屋のもの何でもあげるから」と言ってカセットを5本差し出す。兄は、「お前は、ひどい音楽オンチだな」と文句を言うが、スケボーは置いていく。スティーヴィーは家の裏で練習を始めるが、基本的なテクニックを何も知らずに挑戦したため、最初は転んでばかり(2枚目の写真)。母に、「土曜の夜だから、映画を観ない〔映画館でなく、TVで〕?」と誘われても、練習を続ける(3枚目の写真)。
  
  
  

スティーヴィーは、恐らく、乗り方のコツでも訊こうと思い、スケボーを持って店を訪れる。しかし、店は開いているのに、中には誰もいない(1枚目の写真、矢印はスティーヴィー)。店の奥まで行き、誰かいないかとドアを開けると、その先は、屋外の練習場になっていた。スティーヴィーは、ドアの脇に腰を下ろし、スケボーを膝に乗せて練習を見ている。その時、1番下っ端で、先日も3人の会話を聞いているだけだった 少し年上の少年が寄ってきて、置いてあったポリタンクから水を飲み、「今日はまるでダメだ」とブツクサ。「クールだよ」。褒め言葉に、「ルーベンだ」と名乗る。「スティーヴィー」(2枚目の写真)。そこに、レイが来て、「水を寄こせ」とルーベンに言う。ルーベンが渡したポリタンクは空に近い。「お前、全部飲んじまったんか? 一杯にして来いよ」。ポリタンクを渡されたルーベンは、行きたくないので、「よお、スティーヴィー、一杯にして来い」と命令する。スティーヴィーは大喜びで受け取ると、ポリタンクを水で一杯にする(3枚目の写真)。
  
  
  

スティーヴィーが、それをレイに渡すと、「ありがとよ、ちっこいの」と言ってもらえたので、彼は、ドアの脇に腰を下ろすと、あこがれるようにニッコリする(1枚目の写真)。次のシーンでは、室内にルーベンとスティーヴィーの2人だけがいる。ルーベンがタバコを吸い始め、スティーヴィーにも箱とライターを渡す。スティーヴィーは、生まれて初めてなのに、慣れた風な手つきで吸い、思わず咳き込む。「吸ったことは?」。「あるけど、これ 違う銘柄だから」と負け惜しみ。そして、「ありがとう」と言う。それを訊いたルーベンは、「お前、ゲイか?」と訊く。「何で?」。「ありがとうなんて、ゲイしか言わないぞ」。「ごめん、知らなかった」。「いいか、これからはありがとなんて言うな、ゲイだと思われる」。「二度と言わないよ」。それから先は、手下が初めてできたルーベンの下らない自慢話が始まる。「俺はワル野郎で、お前はオバカなガキだ。俺を兄貴分だと思え。俺はタバコをやり、スケボーをやり、スケともヤル」。スティーヴィーは思わず、小声で「げっ」と呟く。「俺は人生を満喫してる。なのに、お前のそのひどい恐竜〔スケボーのデッキの絵〕はなんだ。そんなのは80年代のクソだぞ。俺も、昔、そんな奴で「やったぜ〔cowabunga〕!」って叫んだ。お前、トロすぎるぞ」(2枚目の写真、黄色の矢印はスティーヴィーのタバコ、赤の矢印は子供っぽいマンガの恐竜の絵のついたデッキ)。そして、「新しいボードにしないとな」と言う。「幾らするの?」。「さあな、120ドルくらいかな。俺の古いのを40ドルで売ってやる。お得だろ」。その時、急に、スティーヴィーが「今、何時?」と訊く。「さあな、8時くらいだろ」。「もう行かないと。そっちは門限とかはないの?」。「ないな。お袋が眠ったら帰る。明日来るな?」。「うん」。「40ドル持って?」。「たぶん」。「安値にしてやったんだぞ!」。「分かったよ。行かなくちゃ。そうする」。スティーヴィーは、途中のコンビニの裏のトイレに入ると、腕を洗い、口に洗剤を入れて洗い、頭から芳香スプレーを振りかけてタバコの臭いを消す(3枚目の写真)。スプレーはこっそりバッグに入れる。
  
  
  

家に駆け込んだスティーヴィーは、母に「遅くなってごめんなさい。二度としません」と謝るが(1枚目の写真)、母は「まだ7時半よ」と言っただけ。因みに、後ろに座っている兄が頭につけているのは、当時の大統領クリントンのリアルなマスク。次のシーン。いきなり、引き出しの中の20ドル札が何枚か映る。そして、兄が、「女々しくなるな〔Don't be a pussy〕」と言い、スティーヴィーは「正しいことじゃないよね」と及び腰。「お前が頼みに来たんだぞ。40ドル要るとか言って。ここには一杯ある。お前に40、俺に40、そこから抜き取れ」〔実に卑劣な兄だ。窃盗を発案し、弟に実行させ、自分の分まで確保する〕。スティーヴィーが踏み切れずにいると、兄は「このバカチビ」と言って出て行こうとする〔母に告げ口でもする気か?〕。スティーヴィーは、慌てて「やるよ」と言い、お札を取って40ドル抜き取る(2枚目の写真、矢印)。兄は、何も言わずにその40ドルを取り、さっさと出て行く。スティーヴィーは、自分の分の40ドルを鏡台の上に置くと、ヘアブラシをつかむ。そして、ズボンを下げて左腿(もも)を剥き出しにすると、自分を罰するように激しく擦(こす)る(3枚目の写真、赤い矢印はヘアブラシ、黄色の矢印は40ドル)。
  
  
  

スティーヴィーは、翌日さっそく店に行き、40ドルと交換にルーベンの「お古」をもらう(1枚目の写真、矢印は40ドル)。そのお金で、ルーベンはワンランク上等のボードが買える〔今まで、お金を貯めていた〕。その後、4人が店の奥のソファに座り、スティーヴィーがその前にあぐらをかいて座り、話しを聞く(2枚目の写真)。その中で、一番重要なのは、フォース・グレードがレイにした一つの質問。「黒人は日焼けする?」。「俺をからかってんのか?」。「本気で、純粋に知りたい。だから、暑い時はいつも考えてる。『彼には焼け止めクリームが要るんだろうか? 黒人用のローションってあるんだろうか?』って」。「お前、ホントの脳たりんだな。利口な奴かと思ってたのに、こんなアホだとは」。こう言うと、なぜかスティーヴィーに向かって、「お前さんはどうなんだ、チビ君? 黒人も日焼けするって知ってたか?」と訊く。この質問に、一番嫌な思いをしたのはルーベン。スティーヴィーが来て、自分にもやっと手下ができたと思っていたのに、一番お偉いレイ様から直々の質問だ。顔が嫉妬で歪む。スティーヴィーは、レイが待っているのに、なかなか答えない。やっと言ったかと思うと、「黒人って… 黒人って何〔What are black people〕?」という変なものだった。3人は思わずレイの顔を見るが、レイはその何が気に入ったのか、笑い出す。お調子者のファックシットは、「すげえ、チクショウ、サイコーだったな〔Fuck. Shit. That was dope〕!」と賛辞を贈る〔あだ名の由来〕。レイも、「サイコーだ。俺は気に入った」と追随する。そして、「じゃあ、みんな滑りに行くか?」と声をかける。そして、「お前も来るか、サンバーン〔日焼けの意味のあだ名〕?」と、スティーヴィーにも声をかける。ファックシットが、「サンバーン!」と歓声を上げる。みんなが笑うが、ルーベンだけは憮然としている。そして、大喜びのスティーヴィーに(3枚目の写真)、「いったい、あれ何だったんだ?」と訊くが、「知らないよ」と嬉しそうに答えられる〔最後にコメント: 黒人は本当に日焼けする。それにもかかわらず、日本皮膚科学会のホームページのQ&Aの「日焼け」のコーナーに、「黒人は元々大量のメラニンが皮膚にあり、日焼けしません」と、堂々と書いてある。何とまあ恥ずかしいことか〕
  
  
  

5人は、片側2車線の道路の中央に設けられた「左折専用レーン」を快適に滑り降りて行く。先頭を行くのはもちろんレイ、その次がファックシット、フォース・グレード。100メートルほど離れてルーベン、さらに数10メートル遅れて及び腰のスティーヴィーが最後尾(1枚目の写真)〔ルーベンが遅いのは、スティーヴィーを気遣っている?〕。レイが入っていったのは、学校の敷地。手前には高さ3メートルほどの金網のフェンスがあり、そこには、「月~金の7:30~4:00以外に許可なく立ち入った場合には、1000ドル以下の罰金か、6ヶ月以下の懲役の一方もしくは両方が科せられる」とのプレートが掲げてある。4人は平気でフェンスを登って反対側に行く。スティーヴィーは、あまりの高さにたじたじとなるが(2枚目の写真)、思い切って登ろうと、まずボードを投げ上げる。ところが、ボードは反対側に落ちず、てっぺんに引っかかる。その後、どうやってボードを回収したのかは分からないが、次のシーンでは、5人が舗装されたコートで自由にスケボーを楽しんでいる。一段落して、スタンドのイスに座ったスティーヴィーは、「どうして、あだ名のある人とない人がいるの?」とルーベンに尋ねる。あだ名のないルーベンには面白くない質問だ。「さあな。レイにはない。彼は一番クールだから」。「なぜ、ファックシットなの?」。「いつも、“Fuck. Shit. That was dope!” って叫ぶからさ」〔前の節でサンバーンの時に叫んだ言葉〕。「フォース・グレードは?」。「4年生みたいに細い〔smart〕からさ」〔アメリカで4年生といえば、小学生のこと。“smart” を「賢い」と訳すと、おかしなことになる〕。「あだ名で呼んでいいの?」。「俺は、一度もやったことない」。その後、全員が座っていると、学校の警備員から直ちに立ち去れと命じられるが、誰も従わないどころか、罵詈雑言を浴びせて一歩も譲らない。
  
  
  

5人は、その後、郡庁舎(もしくは、裁判所)の敷地に行く。そこは、多くのスケボー乗りが集る場所として知られていた。スティーヴィーは、着いてすぐ、「ここで滑ってもいいの?」とルーベンに訊く〔さっきは禁止だったから〕。「いいもんか。超ヤバいぞ。誰かが “5-O〔サツだ〕!” と叫んだら、とにかく逃げろ」「浮浪者が何人もいるだろ。奴らが吸うものを渡そうとしても、絶対吸うな。たぶんクラック〔コカインを精製した高純度の麻薬〕だ」。非常に危険な場所だが、高いテクニックで滑っている者もいる。それを見ているスティーヴィーは幸せそうだ(1枚目の写真)。やがて、座っているだけのルーベンから離れ、下手なりに、恥らうことなく練習を始める。彼のいいところは、滑ることを心から楽しんでいる点だ(2枚目の写真)。レイとファックシットは、麻薬の売人ではない浮浪者と話し込み、スケボーの楽しさを分からせようとする。その様子をフォース・グレードがビデオカメラで撮影している〔彼の趣味が映画作りだと初めて分かるシーン〕。その時、誰かが「5-O!」と叫び、全員が散り散りに逃げ出す。集っていた若者は100名以上なので、警官も5名ほどいる。スティーヴィーも警官に追われるが(3枚目の写真)、何とか捕まらずに済んだ。
  
  
  

家までバンで送ってもらったスティーヴィーは、コンビニのトイレが使えないので、庭の隅で、以前トイレから拝借してきたスプレーをかけてタバコの臭いを懸命に消す(1枚目の写真)。夜になってスティーヴィーがベッドでゴロゴロしていると、母に呼び出される。「スティーヴィー、あたしの部屋から80ドルがなくなったの。イアン〔兄〕がやったことは分かってる。あんたも一緒にやったそうね。どうなの?」(2枚目の写真)。兄も、後ろに立っている。スティーヴィーは、「やってない」と答える(3枚目の写真)。母は、「分かった」と言い、それ以上は問い詰めない〔兄が1人でやったことにされた〕。その後、スティーヴィーは家の裏で練習を始め、「オーリー」と呼ばれるジャンプへの挑戦の第一歩として、ノーズを浮かすことに始めて成功し、「やった!」と大喜び。しかし、真夜中になると、スティーヴィーの部屋に兄が忍び込み、母に嘘をついた制裁を受ける〔毛布の上から、袋叩き〕
  
  
  

翌日、5人は屋根の上にいる。2つの屋根の間には2メートルほどの空間が開いている。そこを、ジャンプして飛び越えようという企画だ。フォース・グレードは、最初から挑戦をあきらめ、撮影に専念する。最初に滑ったのはレイで、文句なく飛び越す。2番手はファックシット。彼もきれいに飛び越える(1枚目の写真)。レイから、「やれるか?」と訊かれたルーベンは、「うん」と答える。しかし、滑り始めると怖くなり、直前で急停止してしまう(2枚目の写真)。レイからは、「おい、どうした。何だ、怖気づいたのか?」とバカにされる。スティーヴィーは、「できるよ」と笑顔で慰めるが、ルーベンは「黙れ、オカマ野郎」と、意趣返し〔嫌な奴だ〕。この言葉を聞いたスティーヴィーの顔が変わる(3枚目の写真)。何が何でもやってやろうという負けん気が沸いてきたのだ。
  
  
  

レイは、スティーヴィーにはまだ無理だと分かっているので、「待て! 待て! スピードが遅すぎる!」と止めようとするが、スティーヴィーはそのまま落ちてしまう(1枚目の写真)。ファックシットは、「ファック、シット! 死んじまった!」と叫ぶ。3人は、下まで急行し、スティーヴィーが落ちたテーブルまで駆け寄る(2枚目の写真)〔ルーベンだけが走らずにスケボーに乗っている⇒彼が、真に心配していない証拠〕。ファックシット:「サンバーン、大丈夫か?」。その声で、スティーヴィーは目を開く。そして、テーブルの上に自分の力で座り込む。すると、頭の傷口から額に血が流れ落ちる。ファックシットはスティーヴィーのシャツを脱がせ、ターバンのように頭に巻きつける。ファックシット:「大丈夫か?」。「うん、何とか」。レイ:「とんでもない奴だな!」。それでも、スティーヴィーの顔には笑顔が浮かぶ。ファックシット:「サンバーンは、すげえ奴だ〔fucking insane〕!」〔“insane” は「正気ではない」を意味するが、「urban dictionary」では、6) very,very, very talented; 9) extreme, awesome, intense, kool with a k; 10) another term for cool and crazy. someone that does something really cool などの使い方が掲載されている〕。ファックシットは「サンバーン!」と讃える。ルーベンはますます面白くない。血が止まらず、スティーヴィーのシャツが真っ赤になる。レイは、ルーベンにも「シャツを脱げ」と命じる。「ヤだよ。これ、お気に入りなんだ」。「いいから脱ぐんだ!」。ルーベンは渋々脱ぐ。ルーベンのシャツをターバン状に巻いたスティーヴィーは、再び、ファックシットから、「サンバーン!」と持ち上げられる(3枚目の写真)。面白くないのは、シャツまで取られたルーベンただ1人。
  
  
  

人気の絶頂を味わったスティーヴィーだったが、家に戻ると、浮かれてはいられない。何と言って叱られるか分からないからだ(1枚目の写真)。傷の手当をしながら、母は、「これまで、何でも話し合ってきたじゃないの。なのに、今じゃ、あたしに内緒で付き合ってる。いったい、どういう子たちなの?」(2枚目の写真)「年上なの? ちゃんとした家庭なの〔スティーヴィーの家庭だって、母の浮気癖からメチャメチャだ〕? 誰なのよ?」と質問攻め(3枚目の写真)。スティーヴィーは「友だちだよ!」と言うと、席を蹴って立つ。
  
  
  

翌日、スティーヴィーが店を訪れると、ファックシットとレイから大歓迎を受ける(1枚目の写真)〔ルーベンの憮然とした顔が対照的〕。ファックシット:「ファック、シット、『トンでも御仁』のご到来だ!」。レイ:「頭の方はどうだ、ハチャメチャ坊主」。「大丈夫」。「そのボードじゃ、もうダメだな」。レイは、そう言うと、壁にかけてあったデッキを1枚取ると、こんなのに乗らんとな」と言いながら、目の前に突きつける。「お金ないんだ」。「分かってないな。いいか、こいつはお前のだ」(2枚目の写真)。ファックシット:「今の、聞き漏らすなよ」(3枚目の写真)。スティーヴィーは「マジなの!?」とデッキに飛び付く。
  
  
  

その言葉にすぐ反応したのがルーベン。「マジかよ」と言うと、頭に来て店を出て行ってしまう(1枚目の写真)。スティーヴィーは、「ありがとうって、言っても許してもらえる」と尋ねる。「何だと?」。「言いたいんだけど、ゲイだと思われたくないから」。「変わった奴だな。『ありがとう』はゲイなんかじゃない、ただの礼儀作法だ」〔ルーベンは嘘を教えたのか、彼自身が非常識なのか⇒たぶん後者〕。それを聞いたスティーヴィーは、「どうもありがとう」とお礼を述べる(2枚目の写真)。「いいってことよ」。レイは、デッキの表面に自らデッキテープを貼ってくれ、トラック〔デッキにタイヤを取りつけるための金具〕の固定からタイヤの取り付けまで全部一人でやってくれる。そして、完成版をスティーヴィーに手渡す(3枚目の写真)。
  
  
  

スティーヴィーが仲間と一緒にランチを食べている。ファックシットが目の前の歩道で「オーリー」をやった時、ボードが通りがかった男の足に当たる。ところが、その男とは、スティーヴィーの兄だった。ファックシットは、「お、ごめん〔My bad〕。大丈夫か〔You good〕?」と謝る。しかし、相手が、何も言わずじっと見つめているので〔実際は、スティーヴィーを見て茫然としていた〕、因縁でも付けられたかと思い、「何がしたいんだよ? おっ立ってるだけの腰抜け兄ちゃん」と侮蔑的に訊く。レイは、横に座っているスティーヴィーに、「あいつ、小便漏らしたに違いねぇ」と言う。そして、兄に向かって、「おい、白ん坊〔white boy〕、その金髪に言われっ放しかよ?」と侮蔑の言葉。さらし者にされて、何もせずに去って行く兄の姿を見て、スティーヴィーは複雑な気持ちでいっぱいだ(1枚目の写真)〔兄と仲が悪いので、兄だと指摘してトラブルから救わなかったことを後悔している。逆に、いつも威張ってるくせに やられっ放しなのを見て、情けないし恥ずかしい〕。家に戻ったスティーヴィー。母の部屋から、ズボンを履きながら出てきた男と遭う(2枚目の写真、矢印は開いたままの「社会の窓」)。母とセックスしてきたのだが、男はスティーヴィーの存在を無視している。だから、結婚する前提でのセックスではなく、単なる「ゆきずり」。その一件の後、兄弟は居間でコンピュータ・ゲームをしている。兄は、さっきの不始末を弁解する。「お前の仲間はホモだな。あいつを伸(の)してやってもよかったが、俺は一人だったからな。お前は、あんなチープな奴らと連(つる)んでてクールだと思ってんだろ?」。そして、スティーヴィーのスボンのポケットに隠そうともせずに突っ込んであるタバコの箱を見て、「今じゃ、タバコも吸うんだな?」〔兄は吸わない〕。「放っといてくれよ」。「ママは お前が生まれてくる前、いろんなことをやらかした。お前がチビだった頃と、俺がガキだった頃とは全く違ってた」。「どんな風に?」。「男どもが いつも出入りしてた。うるさかった」。「うるさいって?」。「ヤッてる時の音だ」。「Fuck Mom〔文字通りの意味だろう〕」(3枚目の写真)〔スティーヴィーは誰の子なんだろう? 兄が子供の頃、母のところに多くの男が出入りしていたということは、先夫とは離婚状態にあったことを意味している。だから、兄とスティーヴィーの父親が同じとは思えない〕
  
  
  

夜。5人はバスに乗っている。バスの中での会話は大きく分けて2つ。ルーベンが、いつもの「口だけ」で、「俺、全部の女たちとヤるぞ」と言うと、レイが「黙ってろ。お前には何もできん」と諌める。ファックシットは、「正直いって、今夜俺たちの一人でもヤれたら サプライズだ」と言って笑いを誘う。2つ目は、そのファックシットが、スティーヴィーとルーベンに錠剤を1錠ずつ渡したこと。レイは、何を渡したのか心配するが、ファックシットは、母親に医者に連れて行かれた時に出た薬だと説明する。病名はADD(注意欠陥障害)。スティーヴィーは、「これ、良くなかったの?」と心配して訊く(1枚目の写真、矢印は錠剤)。ファックシット:「お前が医者に行って薬をもらったら、『良くなかった』なんてことあるか?」〔ADDの薬の副作用は、錯感覚、感覚鈍麻、幻覚など。正常な人が飲むとどうなるかは不明〕。スティーヴィーは納得して飲む〔少なくとも、変な麻薬や覚醒剤ではない〕。ファックシットが連れて行った場所が、どういう所なのかはよく分からない〔彼はパーティ大好き人間〕。5人はなぜか最初、外で待機していて、1人で中に入って行ったファックシットが勝手知った感じで冷蔵庫を開け、中からビールビン4本を取り出し、家の外に出てくる。そして、レイ以外の3人にビンを投げる(2枚目の写真、矢印はスティーヴィーに向かって投げられたビン)。その後、全員が中に入るが、スティーヴィーは渡された大麻のパイプに火を点け、吸ってみる(3枚目の写真)。
  
  
  

それを見た、年上の女の子が寄ってきて、「吸ってもいい?」と訊く。スティーヴィーは、むせただけなので、すぐに渡す。「あんた、レイたちとずっと一緒なの?」。「2・3ヶ月。クールなんだ。ファックシットとレイはサイコーだよ。フォース・グレードもいいけど、あんまり話さない。映画ばっかりで。ルーベンとは仲良しだったけど、今じゃ嫌われてると思うんだ」。「なぜ?」。「分かんない。ファックシットとレイに気に入られてるからかも。だけど、2人ともホントにクールなんだ。僕は、クールじゃないけど」。「キュートなのね」(1枚目の写真)「あんた、猫っかぶりじゃなくて、ナチュラルで素敵」。「ありがとう。あなたも素敵だよ」。「女の子と出かけたことは?」。「あるよ」。「何したの?」。「話しただけ。僕、紳士なんだ」。彼女は、その初々しさが気に入る。そこで、手を引いて自分の部屋に連れて行く。キスをしてからお互い下着だけになり、再びキスを交わしたところで場面は終わる(2枚目の写真)。外に出てきたスティーヴィーに、ファックシットは「何があったか ちゃんと言えよ」とはやし立て、レイも「さあ、吐け」と言う。「僕の2本の指を ヴァギナに入れさせた」。全員が大笑い。「思ってたより、うんと深かった」。また爆笑(3枚目の写真)。「他には?」。「おちんちん、触られた」。レイ:「チビスケが、大人になったな」。ファックシット:「赤ちゃんチンポに触ったのか?」。一躍、その夜のスターになったまでは良かったが…
  
  
  

家に帰ってくると、大麻の影響がまだ残っているので、居間から見える庭先で大胆に放尿し、玄関からではなく居間の掃き出し窓を開けて中に入る。大きな音がしても、ちっとも気にしない。廊下に来たところで兄に見つかり、「何やってんだ?」と訊かれ、笑い出す。何を訊かれても、笑うだけ(1枚目の写真)。おまけに、話したと思ったら、「兄貴は、哀れな寂しいホモだ」と、とんでもない言葉。「今、何て言いやがった?」。「友だちなんかいないだろ。ヤッたこともないくせに」。そこまで言うと、ヤバいと気付いて逃げ出す。兄は激怒して後を追う。そして、スティーヴィーを捕まえると馬乗りになり、顔を殴り始める。その先、何度見ても分からないのは、兄が突然、自分のシャツで顔を覆って泣き始める部分(2枚目の写真)。反撃を受けた様子もないのに、なぜ殴るのをやめて泣き出したのか? その後、スティーヴィーは、自室に行くと、ゲームパッドのコードで自分の首を絞めようとする(3枚目の写真)。
  
  
  

翌朝、スティーヴィーは、母の運転するGMC のSUVで店まで連れて行かれる。スティーヴィーは、「ママ、やめて!」と必死だが、母は全力で抵抗する息子を引きずって店に入って行く。店に入るや、一番近くにいたファックシットに、「あんたの名前は?」と命令調で訊く。「ファックシット」。母は、唖然とする。「私の息子にアルコールを飲ませ、ドラッグまで与えて!」(1枚目の写真)〔ルーベンは、ニヤニヤして聞いている。スティーヴィーがいなくなれば、自分の身は安泰だと思っている〕。「息子に近寄らないで。あんた達とは違うの」。この時、フォース・グレードが、「指でナニしたから怒ってんのか?」と不適切な質問をスティーヴィーにする。母はスティーヴィーに「ナニしたの?」と訊くが、それを聞いたファックシットたちが変な笑い方をしたので、凡(およ)その察しはつく。母は、スティーヴィーに、「サヨナラいうのね。ここに来るのはこれが最後よ」と言うと、首根っこをつかんで店を出て行く。車に戻った母は、開口一番、「ギャングみたいな連中じゃないの!」と言うと、スティーヴィーは、「ナンてことしたんだよ!」と反撃に入る。「あいつら何者なの?」。「もう信用しないからな!」(2枚目の写真)。その後は、母が何を言っても、スティーヴィーは、「黙りやがれ〔Shut the fuck up〕!」と大声でわめくだけ(3枚目の写真。
  
  
  

次のシーンで、スティーヴィーは店の裏の練習場にいる。同じシャツを着ているので〔レイのシャツもさっきと同じ〕、怒鳴りまくって母の車から降りたとしか考えられない。スティーヴィーは、最初の時と同じようにドアの脇に腰を下ろし、悲しそうに座っている。すると、そこにレイが出てきて隣に座る(1枚目の写真)。「お袋さんは真面目だぞ」。「時々、ガマンできなくなるんだ」(2枚目の写真)。レイはスティーヴィーを諭す。「よく、今がサイアクだって思うコトあるだろ。だがな、もし、お前さんが誰か他のヤツの身になってみたら、代わりたいなんて絶対思わんぞ」。そして、順番に例をあげていく。フォース・グレードは、レイの知り合いの中では一番貧しくて、靴下を買う余裕もないくらい。ルーベンの母は、いつもラリっていて、子供達を叩いてばかり〔以前、「お袋が眠ったら帰る」と言ったのは、そのため〕。ファックシットは、パーティーに出て酔っ払うことだけが生き甲斐。レイは、3年前に交通事故で弟を亡くした。心にぽっかり穴が開いてしまった時、ファックシットがやってきてスケボーに誘ってくれ、それがレイを救ってくれた。「だから、出かけようぜ。こいよ」。2人は、いつかの「左折専用レーン」を揃って滑り降り、公園のような場所まで行く。辺りはもう真っ暗になっている。2人はそこで真夜中になるまで滑り〔スティーヴィーはぜんぜん上達しない〕、そのままそこで夜明けを迎える(3枚目の写真)。
  
  
  

別の日。5人は、スケボーの愛好者が集っている場所に行く。ファックシットは、次々と握手して回り、スティーヴィーはそれにぴったりくっついて握手する。ファックシットは外交的で明るく、知り合いも多い。スティーヴィーも、少しは顔が売れたかも(1枚目の写真)。次のシーンでは、スティーヴィーは1人になり、ファックシットが持っていたペットボトルを持って踊っている(2枚目の写真)。一方、ルーベンはつまらなそうな顔で壁際に座っている〔彼は、スケボーには興味がなく、レイたちの仲間の一員でいたいだけなのかも〕。スティーヴィーはファックシットとペットボトルを交代で飲んでいる(3枚目の写真)〔何を飲んでいるかは分からないが、少量のアルコールが入っているらしい。それを大量に飲むので、2人とも酔っ払っている〕
  
  
  

そのうち、レイは、2人のプロのスケートボーダーを見つけ、敬意を持って話しかける(1枚目の写真)。そこに、酔っ払ったファックシットが寄って行き、抱きついたり、髪を触ったりして陽気に挨拶したので、2人のプロは迷惑がる。それを見たレイは、「ちょっとのマだけ、どこか他のトコに行ってろ」とファックシットを追い払い、2人のプロには仲間が迷惑をかけたと平謝り。一方、ファックシットは疎外されたと思い面白くない(2枚目の写真)。スティーヴィーが滑っていると、ルーベンに腕が触れ、ルーベンが「気をつけろ」と言ったことから、言い争い、さらには、本格的なケンカに発展する(3枚目の写真)〔年下だが、スティーヴィーの方が強い〕。5人にとっては最悪の1日だった。
  
  
  

5人は、酔っ払ったファックシットが運転するバンに乗り込む。レイが、「ファックシット、みんなを家に連れてくだけでいい」と言うと、ファックシットは、「いいや、これからパーティーに行くんだ」と反対する。レイ:「みんなヘコんでるんだぞ」。「お前に、楽しみを台無しにされるもんか。お前だけプロに媚びって楽しんでたくせに」。こんな感じで言い争っているうち、ハンドル操作を誤り、バンは道の真ん中で横転してしまう(1枚目の写真)。窓際に座っていたスティーヴィーは、一番下になって気を失う(2枚目の写真)。シーンは変わり、救急車に乗せられたスティーヴィーが酸素マスクを付けられている(3枚目の写真)。
  
  
  

スティーヴィーは病院のベッドで横になっている(1枚目の写真)。横には、兄が付き添っている。兄は、持って来たオレンジ・ジュースを取り出すと、封を切ってスティーヴィーに渡し、もう一方の封も切る(2枚目の写真)。スティーヴィーは一口飲んで兄を見るが、何も言わない。兄も黙ったままだ。何となく気まずいような雰囲気はあるが、2人の間には休戦が成立したようだ。一方、母は、受付で用事を済ませ、待合室に行くと、そこには4人がソファを占領して寝ていた(3枚目の写真)。息子を事故に遭わせたのは許し難いが、心配して集っていてくれることに心を打たれた母は、レイを起こし、「息子に会いに行く気ある?」と尋ねる。
  
  
  

4人がスティーヴィーのベッドの周りに集っている(1枚目の写真)。レイに、「大丈夫か?」と訊かれたスティーヴィーは頷く(2枚目の写真)。「お前さんは、俺がこれまで見てきたうちで、誰よりひどい目に遭った。運が悪かったな」。誰もがバツが悪るそうな顔になる。そんな時、フォース・グレードが、「みんな、見てみないか?」と言い出し、手に持っていたビデオカメラをRCA端子でTVに接続する。それは、「mid90s」というタイトルで「A Fourth Grade Film」「A Strong Baby Production」製作の自作ビデオ映画だった。登場するのは5人。ビデオ映画の最後は、スティーヴィーの天衣無縫な笑顔で終わる(3枚目の写真)。
  
  
  

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