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The Other Me (TV) もうひとりの僕/クローンは優等生

アメリカ映画 (2000)

アンドリュー・ローレンス(Andrew Lawrence)が1人2役を演じるSF的なコメディ・ドラマ。少年のクローンの登場する映画は少なく、しかも、主演となると、本作と2015年の『Splitting Adam(アダムがいっぱい)』くらいしか思い当たらない。本作とアダムとの違いは、この映画ではクローンは1人しか登場しないことと、クローンは完全にコピーだという点。アダムの場合は、コピーが何人も登場し、コピーするたびに品質が落ちていく。もし、クローン人間があり得るとすれば、本作のようにDNAのすべてが等しくなる方がより現実的である。ただし、何らかの方法で全身のコピーを複写するような方法をとれば別だが、髪の毛のDNAから生化学的に作られたクローン人間がすぐに話したり読んだりすることはあり得ない。映画ならではのご愛嬌だ。1人2役は、クローンの場合、むしろ必然で、双子の兄弟が演じたらかえって不自然になる。例えば『トムとトーマス』で、一卵性双生児の兄弟を1人で演じ分けたアーロン・ジョンソンは、髪型や訛りを変えて2人の違いを強調している。それに対し、アンドリューは2人を同じ表情で演じていて、区別がほとんどつかない。クローンなので、逆にそこが もっともらしい。彼は、この演技でヤング・アーティスト・アワードのTV映画コメディ部門で、主演賞に輝いている。

中学1年〔ミドル・スクールなので、日本流では小学5-6年〕のウイルは、落ちこぼれの生徒。すべてに引っ込み思案で、成績は落第寸前。理科の自由研究の出来がB以上ないと進級できないと宣告される。帰宅すると、あまりのひどい成績に、夏休みには精神を叩き直す訓練キャンプに行かされることに。慌てたウイルは、雑誌の広告で見た「海の子犬」なるものを水槽で育てるキットを購入する。ところが、そのキットには、ねずみのクローンを作ることに成功した研究者が間違って落とした薬品が浸み込んでいた。水槽を、髪の毛のついた櫛でかき混ぜたことから、「海の子犬」の代わりにウイルのクローンが出来てしまう。彼は、話すことも読むこともできた上に、好奇心旺盛で、怖いもの知らずだった。ウイルは彼を自分の代わりに学校に行かせるが、そこでは、あっという間に人気者の優等生になってしまう。成績が急上昇したので、訓練キャンプ行きを免除されたウイルが、久し振りに学校に行ってみると、そこはまるで別世界だった…

アンドリュー・ローレンスは、現在でもTVを中心に活躍している中堅どころの俳優。5歳の頃からTVに出ているが、11-12歳の時に撮影された本作が出演12本目となる多作ぶりだが、本当の意味での主演は、本作のみ。1つ前に出た『マイケルとトミーの牧場日記』(1999)や、さらにその2つ前の『僕らの幸せ計画進行中』(1998)なども代表作と言える。


あらすじ

朝、中学校に通うウイル・ブラウニング。好きなヨーヨーで遊びながらの登校に、上級生からの「ヨーヨー坊やだぜ」「学校まで持って来るなんて信じられん」などという声が耳に入り、思わずヨーヨーを隠す(1枚目の写真)。気が小さくて、他人のことを気にし、目立たないようにすることに汲々とするタイプだ。唯一の友人はチャッキー。朝一番の話題は、今日渡される成績表のこと。ウイルは、「ウイル・ブラウニング法のすり抜け術に敵うものなんかないさ(I'll show you that the will browning method of sliding by just can't be beat)」と平然としている。ウイルがロッカーに付くと、こんなウイルにもお熱の女の子ヘザーが、わざわざロッカーの場所をウイルの近くに移して来て、学校のダンス・パーティーに誘う(2枚目の写真)。ウイルは、踊り方を知らないと言って断る。こんな美人なのに、なぜか付き合いたくないらしい。映画での順序は逆になるが、授業が終わってから仇敵スコッティーに軽く接触してしまい、怒鳴られるシーンがある(3枚目の写真)。ウイルから昼食代を巻き上げた時、それを直接先生に訴えられ、停学にされたことを根に持っているのだ。
  
  
  

少し戻って、成績表を渡されるシーン。先生は、生徒達に成績表を渡しながら、「理科の自由研究の期限は3週間ですよ」と念を押している。そして、ウイルの前に来ると、「あなたたちの何人かにとって、この自由研究は とても重要ですよ。最低でもBを取らなければ、来年も、このクラスで会うことになりますからね」と、直接名指しはしないものの、じっと顔を見ながら言う。渡された成績表を青い顔で見るウイル(1枚目の写真)。チャッキーから、「悪いのか?」と聞かれ、「まさか、大したことない」とは笑ったが…。帰宅し、夕食の時間になり、ウイルが「家族旅行には どこ行くの? 一緒に旅行するの大好き」と切り出すと、その話題を打ち消すように意地悪な姉が「私の成績表 見たい人いる?」と言い出す。話が弟の成績表に及ぶことを狙っての行動だ。姉の成績は抜群にいい。当然、ウイルも見せるよう要求される。渋々渡すウイル。それを受け取った両親の顔が急に曇る。「何かの間違いじゃないのか?」(2枚目の写真)。成績の悪いことも去ることながら、通信欄には「勉強に身が入っていない」「努力が足りない」などの言葉が並んでいる。父は、「選択の余地はないな、計画は変更だ(we have to go to plan B)」。そして、「キャンブ・スパルタカス」と言ってパンフレットを投げて寄こす。そのような名称のキャンプはないが、アメリカに数多く設けられた矯正用のBoot Campを指すのであろう。その種のCampでは、新兵訓練所(Boot Camp)と似たような厳しい訓練が課せられている。「そんな、お願い、これだけは嫌だよ。刑務所じゃないか」(3枚目の写真)。しかし、父は「議論の余地はない。成績に顕著な改善をなければ、この夏はキャンブ・スパルタカスに行くんだ」と一方的に通告する。
  
  
  

ウイルが絶望して寝室でヨーヨーをやっていると、床に落ちていた雑誌の広告が目に留まる。「自分だけの喜びを育てよう」「科学をやって、楽しもう!」の標語に、にっこりするウイル。郵送料込みで10.7ドルは格安だ。さっそくOcean Pups(海の子犬)社に申し込む。一方、Ocean Pups社の研究室では、怪しげな2人の科学者が、1匹のネズミに薬品をかけ、クローンを作る実験に成功し(1枚目の写真)、喜んでいる。祝杯をあげて実験室を出て行くが、その後で、逃げ出したネズミを追ったネコが、フラスコを転倒させ、クローン化する薬品ができ、それが床に落ち、その下の製品ラインのあった箱の1つに落ちてしまう。その箱がウイルに届けられる訳だが、箱の上に落ちただけなのに、どうやって中に浸透したかは不明。箱の中に入っていたのは、プラスチックの水槽と、海の子犬の粉末の入った小袋と取扱説明書。水温を68-75度(華氏)に設定し(2枚目の写真)、小袋を破って中の粉末を入れる。かき混ぜるものがないので櫛で混ぜるが、その時、櫛に付いていたウイルの髪の毛が反応して光る。説明書の記載内容と違い、すぐに反応が始まり、水槽からブクブクと泡が立ち、光とともに水が溢れ出し、遂には光の柱のようになって飛び出る(3枚目の写真)。怖くなったウイルは慌ててドアを閉め、Ocean Pups社に電話をかける。
  
  
  

部屋の中でドンという音がしたので、ウイルは、電話を置き、ドアに近付いていく。ドアの前に立ったウイル。ドアに付けられた鏡に自分の顔が映っている(1枚目の写真)。そして、そろそろとドアを開けると、そこにはもう1人の自分がいた(2枚目の写真)。体のあちこちから光が出ていて、当然服は着ていない。お互いに驚いて大声で叫び、ウイルはドアを閉める。心を落ち着かせたウイルは、もう一度ドアを開け、そこにいる もう1人の自分をつくづくと見てみる。首を左に向けると、相手もそれに倣うが〔実際には、首を右に向けている〕(3枚目の写真)。左手を上げれば、右手を上げる〔そうしないと、鏡に写ったようにならない〕。その後、編集の致命的なミスが1つある。それはクローンがジーンズをはいている姿が7秒ほど映る箇所。水槽から生まれたクローンなので全裸のハズだし、その直後にウイルがバスタオルを渡して腰に巻かせるシーンもある。ジーンズの上からバスタオル? ひどい編集ミスだ。
  
  
  

ウイルが「僕そっくりだ」と言うと、クローンが「僕?」と訊く。びっくりして「話せるのか?」と訊くと、「話せる?」とくり返す。ウイルはバックパックから厚い理科の教科書を取り出し、クローンの説明の部分を読み上げる。そして、「すごいや、理科はAだぞ、自分のクローンを作った!」と大喜び。教科書をウイルの手から取ったクローンは、ウイルが読んだ続きを読み上げる(1枚目の写真)。「読めるのか? サイコー」。そこに両親が帰宅する。ウイルは、「ちょっと下に行って、夕食をかっこんで来る(scarf some dinner)。その間ずっと、それ読んでろ。ここにいるんだ」と命じて出て行く。Ocean Pups社では、ウイルが何かのクローンを作ったのではないかと危惧した2人が、調査に行くことに決める。ウイルの部屋では、クローンが、リモコンをいじっているうちにTVがついてしまう。そこで映っていたディスコダンスを見ているうちに、真似て踊り出す(2枚目の写真)。番組が終わり、することもないので、クローゼットの上に置いてあった箱をうっかり開け、ハロウィーン用の怪物の面に驚いて叫ぶ。すると、それと波長が合ったように、夕食中のウイルも突然叫び声を上げてしまう。ウイルは急いで部屋に駆けつける。ウイルは、ネクタイは首には直接締めないと注意しながら(3枚目の写真)〔左がウイル〕、一緒に叫んでしまったことを打ち明ける。その後、本を読んでいるはずなのに、クローゼットで何をしていたかと責めると、「もう、読んじゃっちゃった」という返事。そこで、適当に質問すると、教科書に書いてある通りにすらすらと答える。「天才だ!」。
  
  
  

クローンは、「僕も、かっこんで来たい(I need to scarf)」と言い出す。「そうか、腹が空いたのか。何か持ってきてやる。すぐ戻るから、ここにいろ」。しかし、クローンも一緒についてきてしまう。そこから、キッチンにいる母、その隣の食堂にいる父と、ウイルとクローンが巻き起こすドタバタが結構面白い。ポイントは、ウイルが紫、クローン人が緑のTシャツを着ていること。2人が部屋を入れ替わるごとに、父や母の目に入る「ウイル」の服の色が変わり、両親が錯覚かと不思議がる(1・2枚目の写真)。2人は、何とか一緒にいる所を見られずに済んだ。部屋に戻り、母特製の飛び切り不味い健康食を喜んで食べるクローン。食べ終わってゲップが出てしまいびっくりする。あくびも出る。あくび→疲れる→大変だった→扁桃腺の手術と話が移り、クローンが扁桃腺について、すらすらと解説する。それを聞いたウイルは、「僕とそっくり、しゃべり方も。だけど頭脳はコンピュータだ」と言うが、クローンは「君の脳だって同じだよ。絶対さ。僕は君のクローンだもん」と否定する(3枚目の写真)。ここで、クローンに名前を付けることになり、「もう1人の僕」「ウイル2(Will Two)」から、これをひっくり返して→「Two Will(トゥー・ウイル)」→「Twoie(トゥーイ)」に決まった。その夜、Ocean Pups社の2人がウイルの家の前に着く。
  
  
  

翌日、ウイルたち一家は、施設に預けている祖父に会いに行く。それを聞かされて「家族っていいね」と言うトゥーイ。車を窓から見送ったトゥーイは、家族で楽しく日曜洗車をしている光景を見て何となく寂しくなり、「TVを見てろ」と言われたことなど忘れて、外へ出て行ってしまう。初めて外の空気に触れ、冒険に出かける気分で歩き出すトゥーイ。一方、施設では、祖父はTVの前に座り、自分だけの世界に閉じこもっている。息子とその妻が何を話しかけても返事をしない祖父。ウイルも「やあ、おじいちゃん」と作り笑いをするが、反応は一切なし(1枚目の写真)。ウイルが部屋に戻ると、トゥーイがどこにもいない。その頃、トゥーイは公園に行き、犬にフリスビーを投げて遊んでいる子供を見て、自分もやってみたくなり、「ねえ、僕にもやらせて」と頼む。やったのは、フリスビーを投げることではなく、走って行ってフリスビーを咥えて持ってくる犬の役だった(2枚目の写真)。怖がって逃げる子供。ウイルは、「波長」から、トゥーイが公園にいると感じ、自転車で公園に急行する。そして、トゥーイを呼びつけて、勝手に家を出たことを叱る。「僕には家族はないの?」と訊くトゥーイに、「ない。僕にはあるが、お前は唯のクローンだ」
  
  

ウイルはトゥーイをガレージに連れて行き、明日から自分の代わりに登校させてもバレないよう訓練を始める。歩き方、ヨーヨーの使い方(1枚目の写真)〔右がウイル〕、アルバムを見せながらの顔と名前と特徴の暗唱、ハイタッチの練習などだ。朝、学校に行く直前、「今、ママはキッチンにいる。横を通ったら、じゃあねと言って、僕のママにキスし、ドアから外に出る。『じゃあね、キス、外に出る』、いいな?」。「いいよ」。こうして下に降りて行ったトゥーイは、母が「朝食に、芽キャベツのマフィン作ったわよ」と話しかけても、「じゃあね、キス、外に出る」と言うだけ。姉が、呆れて「何 言ってんの?」と訊いても、「じゃあね、キス、外に出る」と言ってニコッと笑う(2枚目の写真)。これは、明らかなウイルの作戦ミス。
  
  

チャッキーと一緒に学校の入口まで来たトゥーイ。「ここって、すごく素敵そうだ。どうして僕、嫌いなんだろ?」と訊く。「そりゃあ、全科目落第寸前だからじゃないのか」。「やる気 でちゃうな」。そして、その言葉通り、もらった答案用紙にどんどん書いていくトゥーイ(1枚目の写真)。しかし、理科はともかく、その他の科目はどうやってカバーしたのだろう? 一方、ウイルは部屋にこもって、理想のゲーム三昧(2枚目の写真)。
  
  

ランチ・タイムになってチャッキーと一緒に座ったトゥーイ。1/6カットのピザを見て、「ピザ… だよね?」と訊く。「トマトソースとチーズを載せたパン生地を高温で焼く。時には、サラミやソーセージのような肉でトッピングする」。それを聞いたチャッキーは、今日の変人ぶりに呆れて説明を求める。トゥーイは「怒ってるね。僕たち、まだ友達?」と的外れの返事。それで話はうやむやに。ピザを一口食べたトゥーイは、あまりの美味しさに陶然とする(1枚目の写真)。「すっごく美味しい!」。「唯の冷凍ピザじゃないか」。「こんな、信じられないくらい美味しい物、食べたことない」。そう言って立ち上がると「冷凍ピザ・ロックだ!」と前置きし、一人で踊り始める。TVで見た振り付けそっくりだ。シーンと静まり返る食堂。1人の男の子がラジカセでロックを流し始めたので、トゥーイはテーブルに上がって踊り始める。それに合わせて、踊る人数がドンドン増え、最後には全員が踊り出す。ヘザーと踊っていると(2枚目の写真)、再びダンスに誘われる。今度は別人なので、「そこに、ピザある?」と訊き、「私が持ってくわ」との返事に、一緒に行くことを即OKする。そこに教師が登場、騒ぎを起こした首謀者として校長室まで連れて行かれる。そこに、後からスコッティーが別件で連れて来られる。トゥーイが横に座っているのに気付くと、「本物のお偉いブラウニング(Browning butt)と、こんなトコで会えるとはな。素敵なこって」〔buttには稀にawesomeの意味もある〕と嫌味たっぷりに話しかける。「そう? それはどうかな。これから超やばいんだって聞いたけど」。「いつか お前が一人になった時、俺が超やばい目に遭わせてやる」。「僕が停学にしたことを、まだ怒ってるんだね。でも、僕の昼食代を巻き上げたのは間違ってる。だけど、僕も怖がって先生なんかに言わず、直接君に言うべきだった。だって、恐れることは何もない、でしょ? ごめんね。勇気が足りなかった」。こう正面きって正論と謝罪を突きつけられると、スコッティーも困惑してしまう。そして、ここに呼ばれた原因が食堂で騒ぎを起こしたためだと聞き、さらに、「父さんいるんだろ?」と訊くと、「いるって言えるかどうか、はっきりとは分からない」と答えたので(3枚目の写真)、幼少の頃父親に出奔されたスコッティーは、仲間意識から、いい奴だと見直すことに。
  
  
  

帰宅したトゥーイ。ウイルに感想を訊かれ、「最高だったよ。友達も一杯できた。学校大好き。明日もまた行きたい」。この言葉に、ウイルは、「学期末まで毎日行っていいぞ」と恩着せがましく許す。そこにヘザーから電話がかかり、6年間逃げ続けた努力が1日でパーになったことを知る。次に現れたのは恐怖のスコッティー。仲良くなったので、忘れ物をわざわざ届けてくれたのだ。何があったか知らないウイルは、ヒヤヒヤするばかり。入れ替わりに帰宅した姉は、食堂でのダンスのことで上機嫌。これまた、ウイルには何のことやらさっぱり分からない。ドアを閉めようとして最後にやって来たのがOcean Pups社の2人。何だか怪しそうな様子なので(1枚目の写真)、何事もなかったと嘘を付いて、さっさと引き取ってもらう。男達がハイテク機械を満載したバンに乗るのを見たウイルは(2枚目の写真)〔左がウイル〕、トゥーイに、自分と一緒にいるところを2人に見られないように注意する。その後は、ウイルとトゥーイの毎日が簡単に紹介されるが、トゥーイがAプラスを取って両親に褒められている一方、ウイルは毎日同じゲームや漫画本を読むのに飽きてきた(3枚目の写真)。そうなると、自由に外で過せるトゥーイが変に妬ましくなる。それで、ついつい「僕は、ここで囚人みたいに暮らしてるのに」と筋違いの不満をぶつけてしまう。そして、トゥーイが、ショッピング・モールで友達が待ってると話すと、「お前はここにいろ。僕が行く。僕だって少しくらい楽しむ権利はある」と命じる。これには、さすがに、トゥーイも「どうして?」と訊く。「君は、1日中楽しんでるじゃない。仕事を全部引き受けてるのは僕だよ」。
  
  
  

言い争いの後、トゥーイはチャッキーと出かける(1枚目の写真)。そして、それを窓からウイルが羨ましげに見ている(2枚目の写真)。この2人が同時に存在する状態を、Ocean Pups社の2人が見てしまう。「ウイル・ブラウニングが2人いる」「自分のクローンを作ったんだ!」(3枚目の写真)。人間のクローンを作ったというのは、2人にとって全くの予想外だった。しかし、結果的に、クローン人間を手に入れて研究すれば、ハイパークローン人間を作れることに意見が一致。クローンの方を捕まえることが至上命題となった。
  
  
  

ウイルは、祖父への家族訪問に乗り気でなかったので、代わりにトゥーイを行かせる。「きっと好きになる。笑わしてくれるぞ」と嘘までついて。施設に行ったトゥーイは、祖父とTVの間に割り込んで、頬に優しく触れると、「年取るって、痛いの?」と心配そうに訊く。その言葉に感動した祖父は、「今日は、大丈夫だ」と言って微笑む。そんな祖父を久方見たことがない両親は大喜び(1枚目の写真)。帰宅したトゥーイを待っていたのは、ウイルの冷たい言葉。「何してた、遅いぞ。何かドジったんじゃないだろうな?」。「おじいちゃんのこと、君の言った通りだ。すごく楽しくて、いっぱい話せた」。「おじいちゃんは、誰とも話さない」。「僕と、話したよ」(2枚目の写真)〔左がウイル〕。そこに、ノックの音がして、両親が入って来る。今日の祖父訪問に感動したのだ。そして、成績も態度も「別の子みたいに」良い子になったから、Boot Campには行かなくていいと話す。心配になったウイルが、「もし、『新しい僕』が今だけだったら? もし、僕が、昔みたいに戻っちゃったら? それでも愛してくれる?」と訊くと、クローンによる本当の一時的な現象だとは知らない両親は、それも「新しいウイル」の優しさだと勘違いして、優しく抱きしめる(3枚目の写真)。
  
  
  

翌朝、調子に乗って、トゥーイの代わりに学校に行くことにしたウイル。「学校がどうなってるか、詳しく説明しとくべきなんじゃないか(maybe I should fill you in on what's going on in school)」と心配するトゥーイを笑い飛ばして学校に向かう。「あのクローンの奴、思い上がりやがって」。しかし、映画の最初、ヨーヨーで笑われたシーンと同じ場所で、今度は、男女の両方から、明るく声を掛けられる。目立たぬ名無しの生徒から、みんなに注目される生徒への変化に戸惑うウイル(1枚目の写真)。廊下では、前に落第を警告された先生から、部屋の整理を手伝ったことで感謝され、スコッティーからは、日曜の野球のバックネット裏〔最高の席〕の切符を手に入れたから一緒に行こうと誘われる(2枚目の写真)。ヘザーは、今夜のダンス・パーティは何時に会うかと訊いてくる。「できれば早目に行きたいの。そしたら、話したり いろいろできるでしょ」〔いろいろの中にはキスも含まれる〕(3枚目の写真)。あまりの変わり様に、ショックを受けるウイル。
  
  
  

帰宅したウイルの不機嫌そうな様子に、「怒ってるんだ」と呟くトゥーイ。ベッドにふて寝したウイルは、「お前は立派過ぎる。ホントに僕の遺伝子か?」と不満をぶつける。「完全に同じだよ」。「なら、なんでAが取れる? なんで おじいちゃんが話しかけた? どうやったら、僕には絶対起きないようなことが、起きるんだ? お前は僕だ。違うか?」。「もちろん、僕は君だよ。それ以上でも以下でもない」。「そうかい、だけど、みんなはお前の方がいいと思ってる」(1枚目の写真)。「違うよ。みんな、君がいいと思ってる。僕のことは誰も知らないから」。「どうして、そんなに違うんだ?」。「頑張る。そして、何も怖がらない」。「僕だって、怖がらない」。「君は、成績なんか気にしないフリをしてる。だけど、ホントは、うまく出来ないんじゃないかって恐れて、試してみようとしないんだ。それに、成績だけじゃない。僕は、踊りたくなったら、踊るんだ。みんなが笑っても気にしない」(2枚目の写真)〔右がウイル〕。「どうして、気にしないんだ?」。「なぜ気にするの? 誰も傷付けていないのに。僕は、僕らしくしてるだけ(I'm just being me)。それで、みんなに好かれたら、サイコー。もし、好かれなくても、友達になってくれそうな人は他に幾らでもいる」。なかなかいい台詞だ。
  
  

しかし、トゥーイの正論はウイルには通じない。「僕に分かってるのは、お前が僕の生活をめちゃくちゃにしたことだ」「僕の成績が ちょっと上がった時、さっさとモールにでも捨てちまうべきだった」。これは、あまりにもひどい言葉だ。しかし、トゥーイは大人しく、「今まで、考えてきたんだけど、僕はここにいるべきじゃない。これは君の家族で 僕のじゃない。もしよければ、ニューヨークへ行こうと思うんだ」と言い、「今夜 出かけるよ」と決意を述べる。ウイルは それを止めるどころか、ダンス・パーティで踊れないので、「行こうと思ってたけど、代わりにお前が行け。最後にもう一度、みんなと一緒に過すんだな」と、親切を装って見放す(1枚目の写真)〔手前がウイル、奥がトゥーイ〕。ダンス・パーティに行くことになったトゥーイは、母からちゃんとした服を着せてもらい、「あなたを見てると、初めてのダンスを思い出すわ」と言われる(2枚目の写真)。そして、正装で家から出て行くと、Ocean Pups社の2人は、こちらが本物のウイルだと思い込む。外に2人がいるのに気付き、トゥーイが何かされるのではと、こっそり近付いていったウイルは、重要な会話を聞いてしまう。「クローンが今夜これを飲まないと、朝には海の子犬の卵に戻ってしまう」「寿命を4週間にしたのはあんただ」。2人の間で、薬品の入った容器の奪い合いが始まる。その隙を突いて、ウイルが容器(矢印)を奪うと(3枚目の写真)、地の利を得て姿をくらます。2人は、本物のウイルからクローンの居場所を聞き出そうと、パーティ会場に向かう。
  
  
  

学校の体育館は、ダンス・パーティ用に華やかに変身していた。きらびやかさに驚くトゥーイ。「こんな…は初めてだ」は、トゥーイの口癖。待っていたヘザーがにっこり笑って大きなピザの箱を手渡す。トゥーイはピザを一口食べると、ヘザーと真っ先に踊り出す(1枚目の写真)。それを待っていたかのように、次々とみんなが踊りに加わる。1曲踊ったトゥーイは、ニューヨーク行きのバスの時間があるので、ヘザーに「すぐ戻るよ」(2枚目の写真)と言って出て行く。何となく元気がない。映画での順序は逆になるが、トゥーイは自分の様子を確かめにトイレに行くと、頬から光が出ている(3枚目の写真)。クローンとして誕生した時にも光が出ていたので、その逆行プロセスが始まったのだ。
  
  
  

トゥーイが会場を去ると同時に、別の入口からウイルが入ってくる。普段着のままだ。それを見つけたチャッキーが、「なんで着替えたんだ? それに、ものすごい早業だな」。「着替えてない。あれは僕なんかじゃない。僕のクローンだ」。それを聞いて、天下一品の冗談だと感心するチャッキー。ウイルは、「信じたくないだろうけど、ホントなんだ。だから、助けて欲しい」(1枚目の写真)。チャッキーは、まだ半信半疑だ。それは、当然だろう。会場の両側の入口からOcean Pups社の2人が入って来たのを見て、ウイルはダンスに紛れて逃げ出そうと考える。そこで、ヘザーから誘いがかかると、ヨーヨーと犬の散歩を組み合わせた新しいステップで踊り始める(2枚目の写真)。少しくらい下手でも、人気者の珍しいステップなので盛り上がる。男達が近付いてきたので、「もう行くけど、電話する」とヘザーに言い、キスして別れる(3枚目の写真)。6年も避けてきたのに、どうしてキスする気になったのかは分からない。
  
  
  

トゥーイは、バスターミナルに直行し、ニューヨーク行きのバスに乗ろうとしている(1枚目の写真)。一方、会場を抜け出したウイルは、Ocean Pups社の2人に頭からすっぽり袋を被せられ、実験材料のクローンとして どこかの倉庫に連行されてしまう。ウイルはイスに縛り付けられるが、「僕を、トゥーイと思ってないか? あんた達は、間違った方を連れて来たんだ。僕は本物のウイルだ」。こう言われて、2人は困ってしまう。例の薬品を、普通の人間に間違って飲ませたら、何が起きるか分からないからだ。しかも、その場合、クローンの方は確実に消えてなくなる。そこで、2人は、もう1人も捕まえてくることに決める(2枚目の写真)。2人がいなくなって、助けを求めていると、そこへ「波長」でウイルが危機にあることを知ったトゥーイが助けに現れる(3枚目の写真)。ウイルは、助けてくれたお返しに、バンの男達が持っている薬品を飲まないと海の子犬の卵に戻ってしまうと教える。トゥーイも、体調がおかしい原因に納得する。ウイル:「奴らから 取り戻さなくちゃ」。
  
  
  

ちょうど、そこに2人が車で戻って来る。シャッターからは逃げられないので、奥の物陰に隠れる2人。間もなく、トゥーイが捕まり、しかも顔が光っているため、クローンだと分かってしまうが、ウイルと協力して逃げ出すのに成功。しかし、シャッターから逃げ出そうとして、ウイルを先に生かせたトゥーイが再度捕まってしまう(1枚目の写真)。トイレの窓から倉庫に戻ったウイルは、2人に反撃し、薬を取り戻してトゥーイに飲ませる(2枚目の写真)。これで、トゥーイの寿命制限はなくなった。
  
  

そこに、トゥーイが呼んでおいたパトカーとウイルの家族が駆けつける。Ocean Pups社の2人は少年誘拐で逮捕される。一方、家族の方は、ウイルが2人いることに絶句(1枚目の写真)。ウイルは、理科の実習で、もう一人を作ったと打ち明け、今は庇ってくれと頼む。警官が、「常軌を逸した質問だと思いますが」と両親に前置きして、「君達は…」と訊き始めると、ウイルはすかさず、「…いとこです。そっくりのいとこ。僕はウイル、こっちは…」。トゥーイが引き取って「ギル。ベルギー人」。Ocean Pups社の男が、「クローンだよ。同一遺伝子の被験者だ!」「全部の細胞が同じだ!」と叫んでも、「お巡りさん、あの人たち、まともじゃないんです」「クローン? いとこですよ」(2枚目の写真)〔右がウイル〕。姉も、「二人は見分けがつかないの(Never could tell them apart)」と助け舟。
  
  

家に帰ったウイルは、家族を前に事情を説明する。そして、最後に、「でも 変なことに、彼が僕になってる間に、僕を変えたんだ」と付け加え、「ギルは、いていい?」と訊く。母が、「ギル、あなたの望みは?」と尋ねると、ギルの返事は、「家族」。この言葉ですべては決まった。母が2人の間に行き、「今日からあなたも家族よ、ギル」と言う(写真)〔ウイルは左〕。次に、姉が「ただ、お風呂の時間を倍にしないでね」と冗談を言い、最後に、夕食はピザで決まり。
  

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