トップページに戻る
  少年リスト   映画リスト(邦題順)   映画リスト(国別・原題)  映画リスト(年代順)

The Prince and the Pauper (TV) 王子と乞食

イギリス映画 (2000)

児童文学の中でも元も有名な作品の一つ、アメリカを代表する作家マーク・トウェイン(Mark Twain)の『王子と乞食』の映画化。過去に作られた映画では、1人の子役が王子と乞食を演じる場合と、双子が演じる場合が半々だが、本作は後者。王子エドワードに扮するのがジョナサン・ティミンズ(Jonathan Timmins)、乞食のトムがロバート・ティミンズ(Robert Timmins)。

時代は16世紀前半。テューダー朝で最もカリスマ的なヘンリー8世の唯一の跡継ぎとして生まれたエドワードが、偶然から貧民窟で生まれたトムと遊び心で入れ替わる。そころが、一旦宮殿を出たエドワードは戻れなくなり、たまたま知り合ったマイルズ・ヘンドンという放浪癖のある田舎貴族の嫡男と冒険の旅に出ざるをえなくなる。一方、宮殿に残ったトムは最初気が狂ったとみなされるが、慣れる間もなく王が死亡、偽者だと見抜いた伯父(摂政)により傀儡にされかける。結局、エドワードは、マイルズの手助けで無事戴冠式に間に合う。原作とやや違い、映画ではエドワードとトムのエピソードを交互に見せているので、あらすじの解説と写真も、2人が同時にいる場面を除き、2人セットで並べることにした。上がエドワード、下がトムである。

ジョナサンもロバートも、いかにもイギリス的な美少年だが(撮影当時12才)、ジョナサンの方が若干背が低く、より可愛く、役柄のせいか演技や表情も多彩で見ていて楽しい。TV映画とはいえ、脇役には一流どころが揃っている。


あらすじ

ロンドンの公開火刑場で、見物人から金を盗み損ねて商人を刺し殺してしまった親爺。それを見ていたトムが「目撃者」とされたことから、捕まえてずらかろうとするが、トムは必死で逃げた。トムが宮殿に近づいた時、王と王子を載せた馬車を入れるため門が開かれたが、その時トムは衛兵の目を掠めて中に入り込んでしまう。隠れているトムを見つけて話しかけるエドワード。「そなたは、上品に話すな」「空腹であろう?」。「失礼ですが、結構です」。
  
  

辞退するのも構わず、食堂にこっそり連れて行かれたトム。そこで質問攻めに遭う。王子も大人に囲まれて同年配の子供は物珍しいのだ。トムがどんな風に遊ぶか聞いているうちに、やってみたくなったエドワード。一方のトムも、失礼ながらと、きれいな服を着てみたいと話す。服を交換してみて、あまりに似ているのに驚いた王子は、「この機会を、楽しむのだ」「食べておれ。私が戻るまで」と言い残して、出て行ってしまう。
  

自由になったエドワードは、市内を物珍しげに歩き回り、トムの遊び仲間とも会うが変人扱いされ、りんごを食べようとして「お金は、お持ちで?」。「今、持ち合わせがない。明日、倍額払おう」と答え、「初めから、盗むつもりなんだろ」と追い払われてしまう。浮浪児も大変なのだ。一方のトム。王子が命じておいた山ほどの食事を前に、どうしていいか分からない。召使を全員追い払って手づかみで食べる。満腹となったところで、英国の大璽(国印)を使ってクルミを割ろうするのは原作の有名なエピソード。
  
  

エドワードは、市内にいるのも飽きて宮殿に戻ろうとするが、門番にはけんもほろろに追っ払われ、秘密の裏口も夜で閉まっていて困ってしまう。仕方なく、トムから漏れ聞いた住所に行くが、そこでトムの親爺に見つかり、逃げ込んだ酒場にいたマイルズ・ヘンドン(Aidan Quinn)に助けられる。一方のトムは、食堂に入ってきた従姉のお姫様に、自分は乞食だと打ち明けたため、宮廷内を噂が駆け巡り、さっそく国王(Alan Bates)に呼び出される。結局、「一時の病に過ぎぬ」という鶴の一声で終わるが、気が触れたと思われたまま。
  
  

酒場を逃げ出して安宿で目を覚ましたエドワード。手を洗おうと、いつもの癖で「私には、洗い水が必要だ」というが、マイルズは「給水栓は外に」の一言。一方、トムは豪華な天蓋付きベッドで目が覚める。ずらりと並んだ朝の当番役人。手を洗おうと、「給水栓まで行って、いいですか?」と恐る恐る尋ねると、「殿下、水を お持ちしました」。
  
  

マイルズは、エドワードの意に反して、放浪の旅を終えて許婚の女性と結婚しようと自分の館に連れていく。その途中、ある村で粗末な食事をする場面で、エドワードは、「いつの日か王になる。そちの功労は、報われるであろう」と言い、「そちは、私を信じるか?」の問いに、「もちろんです」と返事され、にこっと笑う。ただしその後、ならば、未来の国王の前で座ることは許されんとマイルズを叱咤し、侘びを容れて座ることを許す(有名な逸話)。一方、宮殿に押し込められたトムは、鎧を着たり、下働きの子供と剣術ごっこをするものの、あまり満足とはいえない。下手な剣さばきを疑わしげに見る伯父のハートフォード卿(Jonathan Hyde)。
  
  

その後に立ち寄った村で、エドワードは大変な目に遭う。豚泥棒と間違われて逮捕、裁判で「1シリング以上の盗みなら死刑」と宣告され愕然とする。幸い、豚の持ち主の女性が豚の値を下げてくれ、マイルズの気転で鞭打ちにもならずに済む(原作と少し違う)。トムは、宮殿の門から懐かしげに外を見ていて、絞首刑に連行されていく人間が、かつて自分の父が人を殺した際に罪をなすりつけた相手だと悟る。伯父に頼み込んで刑場に赴いたトムは、本人から「ジョン・カンティという泥棒です」と証言させ、刑の執行を停止させる。その後、宮殿に帰る場所の中で、王子がトムであることを確信した伯父から、「あなたが乱心された時、何と名乗られておられましたかな?」「トム、ではございませんか?」。青くなるトム。ほくそ笑む伯父。
  
  

マイルズは館に到着したが、そこで見たのは弟が自分の許婚をめとり、屋敷の主となっている、あまりの光景。弟は、父が死ぬ前に、兄が死んだという贋手紙を作り、爵位を盗んだのだ。怒って剣を突きつけるマイルズだが、弟の部下に「爵位詐称」で逮捕されてしまう。トムを襲った悲劇はもっと大きかった。ヘンリー8世が亡くなったのだ。
  
  

マイルズと王子は牢獄に入れられ、エドワードはそこで王の崩御を知る。悲しむと共に、「間違った少年が 戴冠する前にロンドンに行かねば」と指摘するが、マイルズは気違いの言うことなどと取り合わず、自分の不幸で頭が一杯だ。トムは、正体はバレた時、伯父からは、「これからは、言われた通りにしろ」「さもなくば、正体を暴露してやる」「お前の首は、城壁の槍を 飾る事になるぞ」と脅されていた。王が亡くなり伯父が摂政になると、税を引き上げるなど自分勝手なことを始め、勅令の署名をトムに迫る(原作では、こんな悪役ではない)。
  
  

マイルズ一行は、かつての修道院長の手引きで牢から逃れることができた。マイルズは、エドワードに向かって王様ごっこをしないなら連れてってやるというが、エドワードは、「私にはできぬ」「私は、英国国王なのだ」と言って一人でロンドンに向かう。エドワードが置いていった手紙が、ラテン語とフランス語で「私は、エドワード・チューダー…」と書いてあることを院長から教えられたマイルズは、エドワードを追う(原作と全く違う)。トムは宮殿から戴冠式のあるウェストミンスター大聖堂に馬車で向かう。
  
  

いよいよクライマックス。大聖堂で、戴冠を前に「私は、エドワード・チューダーではない」と言い出すトム。病気が再発したと、式を強行しようとする伯父。そこに真のエドワードが現われ、王位を請求する。怒り心頭の伯父に対し、エドワードは「父上は、そなたを 信用しなかった」と言い、それに対し、伯父が「それなら、あなたの父君は、わしを、摂政にしなければよかったのだ!」と言ってしまい、悪事が露呈してしまう。「許せ、トム。長く待たせたな」。「さあ、元のご身分に」。
  
  

王位についたエドワードが、初めての裁定を行う場面。マイルズの領地と爵位を盗んだ弟は国外追放になり、マイルズには王の前で座る特権が正式に認められた。
  

  J の先頭に戻る    の先頭に戻る            の先頭に戻る
     イギリス の先頭に戻る                 2000年代前半 の先頭に戻る

ページの先頭へ