アメリカ映画 (2019)
異種生命体による地球侵略の映画は山ほどあるが、13歳の少年が主役で、実際に世界を救ってしまうというありえない話は、この映画が初めて。評論家の中には、その「ありえなさ」を批判する向きもあるが、楽しければいいという観点に立てば、それなりに良くできている。二番煎じでないハラハラドキドキもあり、世界を救う方法にも無理はない。以前、『Battle: Los Angeles(世界侵略: ロサンゼルス決戦)』(2011)という映画を観たことがあるが、世界侵略にもかかわらず、ロサンゼルスでの戦闘ばかりダラダラと2時間近くも見せられ、呆れて腹が立った。そんな下らない映画の製作に7500万ドルが投じられたのに対し、この映画は、それから8年も経つのに僅か1570万ドルで製作された。CGが多用されているが、それほど手を抜いているとも思えない。基本的に子供しか出て来ないので、俳優の出演料が安いせいなのか? ところで、映画やTVの配信会社だったNetflixが、オリジナル作品(ドラマ)の製作に関わることになったのは、2015年から。その最初の作品『Beasts of No Nation(ビースト・オブ・ノー・ネーション)』は、ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞の候補となり、32の賞を獲得した。『The Meyerowitz Stories(マイヤーウィッツ家の人々)』(2017)はカンヌ国際映画祭でパルム・ドールを争い、その際、審査員長が「劇場公開される予定のない映画は、最高賞パルム・ドールのみならず、他のどんな賞を受賞するべきではないと考える」と発言して波紋を呼んだ。そして、『Roma(ROMA/ローマ)』(2018)はヴェネチア国際映画祭の金獅子賞、アカデミー賞の外国語映画賞・監督賞・撮影賞を受賞し、劇場公開もされた〔私は、嫌いだとずっと前に述べた〕。『リム・オブ・ザ・ワールド』は93番目の作品として2019年5月24日にオンライン公開された。世界を救うことになる4人は、①主演のジャック・ゴア(撮影時13歳)が演じるアレックス、②これが映画への初デビューとなるイタリア生まれのアレッシオ・スカルゾット(撮影時15歳)が演じるゲイブリエル、③最年長のベンジャミン・フローレスJr. (撮影時16歳)が演じる「観ていて不快感しか覚えない」ダリウシュ、④紅一点の日本生まれのミヤ・ケック(撮影時11歳)が演じる中国人のジェンジェン。ミヤ・ケックは日本人の両親の元、東京で生まれたが、アメリカ人のケック家の養子となった後、2015年からTVに主演するようになる。映画はこれが2本目。昔は、中国人が日本人の役をしていたものだが、中国の存在感が上がったことで、日本人が中国人の役をする時代になってしまった。寂しい気がする。また、ベンジャミン・フローレスJr.について、日本人の映画評の中で、「子供たちは13、14歳の設定のようです。卑猥なジョークや性に関するセリフ/シーンが多すぎます」とあるが、猥雑な言葉を用いるのは、16歳(高校生)のベンジャミン・フローレスJr.だけだし(台詞だけで「シーン」はない)、日本語字幕がわざと卑猥に訳している部分もある。この黒人子役は、それ以外にも、あらゆる社会的規範に反する行動を取り、先にチラと書いたように、見ていて不快感しか与えない。これまでに彼が出演した映画では、何れも下品な下劣な子供を、実年齢より幼く見えるように演じている。だから、この役に選ばれたのかもしれないが、「世界を救う」というテーマにしては、確かに不適切かつ邪魔な存在で、これは脚本のZack Stentzの明らかなミス。黒人に対しても失礼だと思う。Zack Stentzの脚本は、これ以外にも、偶然の上に偶然を重ねさせるような筋立てや、恣意的な選択が随所に見られ〔アメリカのスーパーヒーローものには多いが〕、レベルが高いとはとても言えない。本人は、『インデペンデンス・デイ』に遭遇した『グーニーズ』に、『スタンド・バイ・ミー』の味付けを、と言っているが、先輩の3作に対して失礼だ。
カリフォルニア州のベッグ・ベア湖畔のサマーキャンプ「Rim of the World(世界の縁)」には、異色の3人が参加する。1人は、宇宙オタクで少し前に父を火災で失ったアレックス、他の子と交わることが怖くて、自信欠乏症の少年。1人は、国内最大のメルセデス販売店のオーナー息子ダリウシュ、自信過剰、言葉汚く、性格最悪の少年。1人は、娘なんか要らないと思っている父親から逃げてきた中国人の少女ジェンジェン、何事にも積極的な少女。3人がキャンプに加わった日、ふとした偶然で、3人は勝手に山に入って行き、その間に地球はエイリアンの侵略を受け、キャンプは閉鎖される。一方、山に登った3人は、そこで年上のゲイブリエルと出会う。真面目で優しく、数字を扱うのが苦手なため、犯罪者の汚名を着せられ、少年院から逃げてきた3つ年上の少年。4人が湖に下りて行くと、空は褐色に染まり、最新鋭の空軍の戦闘機と、見たこともない飛行物体が空中戦を始める。褐色の空は、超高空の電離圏で核爆発があったため。お陰で、電気を使ったものは一切動かなくなる。4人がキャンプにいると、空から国際宇宙ステーションの帰還船が降りて来る。乗っていた少佐は、エイリアンの母船の座標を記録した貴重なキーをアレックスに託し、帰還船に張り付いてきたエイリアンに殺される。4人は、エイリアンに捕まりそうになるが、戦闘機のお陰で逃げることができ、少佐の遺志を継いで、大人にキーを渡そうと山を降りる。しかし、下界は、さらにひどい状況で、退避命令が出て、軍隊しかいない。しかも、アレックスがキーを託した小隊長は、すぐエイリアン機に攻撃を受け、キーは再びアレックスの手に。4人は、仕方なく、自分達で60キロ以上離れたNASAのジェット推進研究所までキーを届けることにする。キャンプで死んだかと思っていたエイリアンは、再生能力が高く、二度三度と4人を襲う。その度に4人は工夫して倒し、最後には目的地に辿り着く。しかし、キーを渡すはずの博士は既に死んでいた。連絡が取れた空軍の将軍も、相手が子供たちなのであきらめようとするが、アレックスは、自分達でやり遂げたいという強い意志を示し、将軍もそれを認めて、子供には難しい「戦略防衛構想」によるエイリアン母船の破壊プロセスを始動させることにする。4人は、改めて襲ってきたエイリアンの執念深い攻撃をかいくぐり、破壊プロセスの始動に成功し、エイリアンの母船を破壊し、地球を救う。この大冒険を経て、一番成長したのはアレックスで、決断力と勇気を兼ね備えた少年になり、ジェンジェンの愛を獲得した。
アレックスを演じるのはジャック・ゴア(Jack Gore)。2005年5月19日生まれ。映画のキャストが発表されたのは2018年6月なので、撮影はそれ以降。撮影時は、映画の設定と同じ13歳。前作の『Ideal Home(アイデアル・ホーム)』(2018)の時は11歳だったので2歳年上になる。演技も飛躍的に上手くなった。14歳になると急に顔が大人っぽくなるので、これが彼を観る最後のチャンスかも。ゲイブリエルを演じるのはアレッシオ・スカルゾット(Alessio Scalzotto)。2002年10月23日生まれ。撮影時は15か16歳。同じ年頃の時のディカプリオと似ている。映画の中で『レヴェナント:蘇えりし者』が引用されたのは、そのためか? イタリア生まれ。これが映画初出演。
あらすじ
映画は、宇宙もののSFに定番のスター・ウォーズ(EP4)風に始まる。巨大なエイリアンの母艦が頭上を通ると、その巨大な空間の内部に取り込まれた国際宇宙ステーションが映る。ステーションは、太陽電池アレイが一部破壊され、船外活動中の宇宙飛行士のヘルメットに穴が開いている。ステーションの中も、物が散乱して宙を舞っている。小さなモニターから、「くり返す、船など見えない」〔船=エイリアンの母船〕という声が聞こえ、それに対し、女性のコリンズ少佐は、「見えます。窓のすぐ外にいます。コルテスは死にました」。「座標を、JPL(ジェット推進研究所)のフィールディング博士に送れ」。しかし、キーボードから送った信号は博士には届かない(1枚目の写真)。「座標を暗号化キーに入れ、地上に降りて君自身でJPLに届けろ」。命令しているのは、映画の終盤に出てくるジョージ・コーリー将軍だ。少佐は、キーにデータを書き込み、首のチェーンネックレスに付ける。すると、ステーション内が真っ暗になり、エイリアンの咆哮が聞こえる。そこで画面が切り替わり、壁面に24個のモニターが並ぶ。そのほとんどが国際宇宙ステーション絡みのものなので、地上の指令センターかと思いきや、そこは13歳のオタク少年アレックスの部屋。母が入って来てカーテンを開けると、真っ暗だった部屋が明るくなる。アレックスは、「ママ、NASAが、固体燃料ロケットに使う新しいブースターのテストをしてる」〔伏線〕と言うが、母は、これからアレックスに行かせるキャンプの用意で忙しい。「忘れ物はないわよね? 日焼け止めは… ある」(2枚目の写真)。息子に、「行ける?」と訊く。「あと数分だけ」。「イスにばっかり座ってないで」。「姿勢のことが心配なら、このイス、エルゴノミクスなんだ。僕の脊椎真っ直ぐでしょ」。母は、「この画面の外には、広い世界が待ってるわ。心配しないで。お友だちだってできる」と励ますように言う(3枚目の写真)。アレックスは、机の上にあったルービックキューブを2つ持つと、仕方なく立ち上がる。
一方、犯罪的商取引で財をなした父親〔国内最大のメルセデスの販売代理店のオーナーだが、後で逮捕されたことが分かるので〕の元で、わがまま一杯に育ったロクでなしのダリウシュも、豪邸の玄関で父と別れている。「可愛い娘(こ)がいっぱいいるから、頑張ってこい〔knock 'em dead〕」。「キモいこと言うなよ」(1枚目の写真)。ダリウシュは写真にも映っているメルセデスG550〔日本での販売価格1600万円〕で、キャンプ地まで送ってもらう。一方、ロサンゼルス国際空港では、入国審査の係官が妙な2人連れに、「どういう関係だと言いました?」と質問している。明らかに白人の30代の男が「姪だよ。義理の妹」と答える。その左にいるのは、どうみても東アジア系の少女(ジェンジェン)だが、その男の配偶者が東アジアの女性なら、「義理の妹」の可能性はある。パスポートに印を押されて「入国」した直後、男は、ジェンジェンに金を要求する。ジェンジェンが1枚渡すと、「足りんな。もっとだ」と請求され、もう1枚渡す(2枚目の写真、矢印)。ジェンジェンは空港のタクシーに乗ると、1枚の広告用のパンフレットを運転手に見せる。それは、「Rim of the World(世界の縁)」というキャンプの広告だった。最後は、もう一度アレックス。母が運転する車は、ロス市内の渋滞でノロノロ運転。母は、「ママも、小さい頃、キャンプに行ったの」と話しかける。「聞いたよ」。「フローラと会ったのは、その時よ。すてきな人が一杯いたけど、彼女は最高だった」(3枚目の写真、ソバカスがよく分かる)。アレックスは、父の腕時計に触ってみる。「ホントに、パパの時計を付けて行きたいの?」。「ママ、大事にするから」。
アレックスと母は、キャンプの入口につく。ここにも、はっきりと、「Rim of the World(世界の縁)」と表示されている。映画の原題だ。「凄いじゃない。きれいなトコね」(1枚目の写真)。母は、アレックスを その気にさせようと必死だ。「みんな、あなたと同じくらいの年頃じゃない」。アレックスは、緊張して、ルービックキューブを放せない(2枚目の写真、矢印)。いきなり、声がかかる。「アレックス! 俺がリーダー、ローガンだ」。それは、おどけた感じの20代の黒人男性。「なあ、見回してみろよ、どれもこれも面白そうだろ。面白いの一号が ここにいるカールだ」。そこには、別の黒人がいる。「俺たちで、君に黒人の文化を教えてやる。見てろよ」。そう言うと、2人で手をパチンと何度も叩き、最後に親指でパチンし、「これが黒人の握手だ。真似するなよ。黒人専用だ」といい加減なことを教える。そこに、ダリウシュが到着。荷物を両手に持った運転手に、「ジャコビ、俺の服は 小売店みたいにちゃんと畳めよ。シワは嫌いだ」と 生意気に命令する。ローガンが、「小売店?」と訊くと、「金持ちだからさ。あんたには関係ない」と、またまた減らず口。ローガンは、生意気坊主は放っておいて、アレックスに仲間のミュージシャンを紹介する。「おい、アレックス、ちょっぴり踊ってみないか? ダンス、知ってるか?」。アレックスは、あまりのハイぶりに戸惑うばかり(3枚目の写真、ソバカスはほとんど見えない)。
建物の中に入ると、また、声がかかる。「君はアレックスだな! ようこそ、世界の縁の冒険キャンプに!」。今度は、30代の陽気な白人男性〔どうして、2人とも、アレックスだと分かったのだろう?〕。「ありがとう」。「ここで、登録したら、小屋の番号が決まる。そしたら、すぐに午後のアクティビティだ」。そのあと、この男性は、今年のミュージカルは『屋根の上のバイオリン弾き』だと言い、アレックスがテヴィエの役にぴったりだと言って困惑させる。アレックスは、登録の列に並ぶ。1人前にいたのがジェンジェン。アレックスは、彼女のバッグについていた空港の荷物タグに「SHA」とあるので、上海から来たと分かる。そこで、片言の中国語で、「Duìbùqǐ(对不起)」と声をかける。「すみません」という意味なのだが、日本語字幕では、「姫君」になっている。それは、英語字幕が、この短い一言に対し、「I offer greetings, my fair princess(どうぞ宜しく、わが美しき姫君)」という目茶目茶な訳になっているため。映画を観ていて、台詞が「変だ」と感じたら、それは必ず翻訳のミス。中国語で呼びかけられたジェンジェンは、振り向いてアレックスの顔を見る(1枚目の写真、矢印はタグ)。アレックスは、さらに、「我叫亚历克斯」(僕はアレックス)と言う。英語字幕は「I humbly submit my name, Alex(私めの名前は、アレックスです)」〔なぜ、“My name is Alex” としない?〕。ジェンジェンは何も言わずに前を向く。それを見た母は、「いい娘(こ)じゃないの」と、アレックスを励ます。受付の前にいたのは、またローガン。アレックスを見て、「よう、どこに行ってたんだ、ベイビー。覚えてるか、黒人の挨拶」と言って、アレックスの手をパチンと叩こうとする。「黒人専用だって、言ったでしょ?」。「テストしたんだ」。その先では、女性スタッフが子供たちのセルホンを回収している。ダリウシュにも、「それ、私の箱に入れてちょうだい〔Put it in my box〕」と言う〔箱には、「セルホン」と書いてある/“box”には大人の隠語でヴァギナの意味がある〕。ダリウシュが黙っていると、「取り出して、私の箱に入れるだけよ」とくり返す。ダリウシュは、「こんなにいっぱいの奴らの前で?」と訊く。「セルホン、箱に入れてもらえないの?」。これで、ダリウシュが如何に注意散漫で〔「セルホン」の文字に気付かない〕、セックスのことしか頭にないかが分かる。ただ、年齢が16歳と、他の子より年上なので、育ちの悪さを考えれば仕方がないのかも。登録を終えたアレックスは、母と別れなくてはならない。母は、「みんなの前であなたが恥ずかしい思いをする前に、さよなら言った方が良さそうね」と言うが、そのくせ、いつもの調子で歌い始める。「♪Ain't no mountain high enough(どんなに山が高くても構わない)」。アレックスは、「恥ずかしい思いをさせないって言ったじゃない」と言いながらも、母を失望させまいと、「♪Ain't no valley low enough(どんなに谷が深くても構わない)」と続ける。母:「♪Ain't no river wide enough(どんなに川が広くても構わない)」。最後は、2人で歌う。「♪To keep me from you(ずっとあなたを離さない)」〔マーヴィン・ゲイとタミー・テレルの歌(1967年)〕。これだけやれば、目立つこと この上ない。歌い終えると、母はアレックスを抱きしめる(2枚目の写真、暗いのでスバカスが目立つ)。母は、最後に、「愛してるわ」と言い、アレックスの額にキスする。その姿を大勢が呆れて見ていた(3枚目の写真)。これが、エイリアン映画でなく、キャンプ映画なら、アレックスは嘲笑と虐めの的になるところだ。
午後のアクティビティは、アレックスにとって最悪だった。彼は、重度の高所恐怖症。なのに、命綱1本で木の段を登らされる(1枚目の写真)。必死の思いで、てっぺんに辿り着くと、今度は、ロープにぶら下がって降りろと言われる。下を見たアレックスは目まいがする(2枚目の写真)。「目を閉じてろ。開けた時には向こう側に着いてる」と言われても、「できない」をくり返し、最後には、木の台の上にへたり込む。結局、もう一度木の段を降りることになる。段の下にいる無慈悲な担当者は、「これで、キャンプ・イチの臆病者は決まりだな」と言う(3枚目の写真)。アレックスは、順番を待っている子供たちの前を恥ずかしそうに歩いていくが、途中から逃げるように走り出す(4枚目の写真、矢印)〔高所恐怖症のシーンは、非常に大事な伏線〕。何度も書くが、これがキャンプ映画なら、アレックスの毎日が惨めの極みになることが確定する。
夕方になり、キャンプの管理人達が見ているTVからは、「NASAの発表では、再三の試みにもかかわらず国際宇宙ステーションと連絡がつかないそうです。しかし、その原因については公表されていません。搭乗中の3人の科学者に危険が及ぶ可能性についても、全力で通信の復旧に努めているとの回答しか得られない状況です」という音声が流れている。それに気付いた宇宙オタクのアレックスがドアの外で見ていると、木の段の下にいてアレックスに嫌味を言った男が、ドアを閉めてしまう。他の子供たちは、薄暗くなり始めた林の中を、ケミカルライトを持って走り回っている。アレックスは、ルービックキューブを回しながら歩いていたが、湖岸までくると、父を失った火事のことが頭を過ぎり、「アレックス」と父に呼ばれた気がして、肌身離さず持っている父とのツーショット写真を見る(1枚目の写真)。2人が寄りかかっているのは、父の愛車だったフォード・マスタング・マッハ1(1973年型)〔エンジンは4900ccから7000ccまで4種類あるが何れもV8/映画の中盤で重要な役を果たす〕。アレックスは、悲しい思い出を忘れようと、キャンプの外れにある橋に向かう。すると、反対側から橋を渡ってくるジェンジェンに気付く(2枚目の写真)。2人はそこで足をとめ、敢えて近づかず、欄干にもたれて空を見上げる。すると、流れ星が横切っていった(3枚目の写真)。2人は、何を願ったのだろう〔ジェンジェンについては、終盤で分かる〕?
翌朝、小屋から出てきたアレックスは、外に立っていたジェンジェンを見つけ、手を上げて挨拶するが反応はゼロ(1枚目の写真)。その後、子供たちはバスに乗せられ湖岸に向かう。しかし、カヌーでの川下りは かなり遅れることになった。前に川下りした子の1人がカヌーの中で大量に大便を漏らしたので、清掃に時間がかかるためだ(2枚目の写真)。ローガンが、「少しぐらい、いいじゃないか」言うが、担当の女性は、「恐ろしく大量なのよ。それに、流行性結膜炎の患者第1号〔Patient Zero〕になるのは、嫌なの」と、徹底的なクリーニングを要求する。その時、ダリウシュが、「ちょっと待てよ、カヌーだって? モーターボートだと思ってたぞ」と言い、エンジンの真似をする。この部分の日本語字幕は、「モーターボートがいい。おっぱいブルブル」。これは、意図的にセクシャライズした不適切な誤訳だ。待ち時間に、ジェンジェンは勝手に離れて行く。彼女のことが気になるアレックスはどうしょうか迷った挙句、後を追うことにする(3枚目の写真)。
ジェンジェンは湖を離れ、どんどん登って行く。アレックスが、「ジェンジェン、どこに行くつもり?」と声をかけても、振り向きもしない〔アレックスは、英語が分からないのかと思ってしまう〕。「こんな遠くまで来るべきじゃない。もう戻ろうよ」。アレックスは、どのくらい登ったか振り返る(1枚目の写真)。彼が、心配して後ろばかり見ているうちに、ジェンジェンの姿を見失ってしまう。そのジェンジェンは、高台まで登り、キャンプのパンフレットと見比べ、同じ地点に立ったことを確かめると(2枚目の写真)、急に笑顔になる。3枚目の写真は、参考までに、ロケ地のマンモス湖の同じ地点からの写真〔パンスレットと全く同じ〕。よほど有名なアングルらしく、同じ場所で撮った写真がネット上に溢れている。映画では、キャンプのあるのはビッグ・ベア湖になっているが、こちらは、こんなに美しくない。ならば最初からマンモス湖を舞台にすればいいようだが、ロスの北400キロにあって遠すぎる。さて、アレックスがジェンジェンを捜していると、母からセルホンに電話が入る。この時、電話で出ていたら、その後の展開は変わっていたかもしれない。しかし、木の陰から突然ダリウシュが現われ、アレックスは電話を取れない。アレックス:「こんなとこで、何してるの?」〔実際、観客だってそう思う。ここが湖岸の林の中なら分かるが、アレックスがいるのは湖からかなり登った地点。なぜ、ダリウシュがそこにいるのか全く理解できない。あまりにイージーで、ご都合主義的な脚本だ〕。ダリウシュ:「ただの、クソ〔deuce〕だ。そこでウンチしてきた。夕べから頭を出してたからな。あたり一面、緑から茶色に変えてやった」と言い、「ちょい話そうぜ」とアレックスに触ろうとする。アレックスは。汚い手で触られまいと必死(4枚目の写真)。ダリウシュ:「これから、エクスポージャー療法をやるぞ〔心的外傷後ストレス障害の治療法の一つ/ダリウシュはなぜこんな専門用語を知っているのか?/アレックスが木の段の上からロープで降りられなかったことに対する「親切」のつもり〕」。「不衛生だよ」。「恐怖を乗り越える手助けだ」。そう言うと、ダリウシュはアレックスを崖っぷちまで連れて行き、下を見るよう強要する。アレックスが嫌がって叫んでいると、「彼を放してやれ!」と言う声が聞こえ、2人とも振り返る(5枚目の写真)。そこには、年上の少年が立っていた。ダリウシュは、「山のホームレスなんか、消えちまえ。お前のなんか平気だぞ」と言うが、アレックスは助けを求める。「最後の警告だ」。この言葉とともに、ダリウシュは、アレックスを地面に突き倒すと、少年の前に立ちはだかり、「クラヴ・マガ〔イスラエル軍の格闘術〕を5年やったんだ、このバカめ」と大口を叩く。しかし、それは大げさな格好だけで、少年に一発でノックアウトされる。少年に助け起こされたアレックスは、お礼を言った上で、「君は誰?」と尋ねる。「僕は、ゲイブリエル」(6枚目の写真)。「この辺りに住んでるの?」。「まあな」〔ゲイブリエルがここにいるのも、とても無理にある設定。あり得ない偶然が重なり過ぎている〕。
そこに、ジェンジェンが合流し、起き上がったダリウシュがゲイブリエルに負け惜しみを言い始めた時〔ダリウシュ役のベンジャミン・フローレスJr.のわざとらしい演技は見ていられない〕、かなり上空で爆発音が響く。ゲイブリエル以外の3人の持っているセルホンが一斉に鳴り出す。緊急放送システムだ。「大都市圏の市民は直ちに退避せよ。何があっても、未知の飛行体には近づくな」という内容。アレックスは、「すぐ戻らないと。道分かる?」と3人に訊く。ゲイブリエルが案内しようとすると、ダリウシュが反対方向だと主張して歩き始めるが、誰も付いてこないので3人に従う。4人が湖岸に着くと、そこには、もう誰もいない。全員が、避難した後だった(1枚目の写真)。美しい自然の色彩はこれが最後。この直後、湖のはるか上空で爆発が起きる。こうしたことに詳しいアレックスは、「超高層大気〔電離圏、地上80キロ以上〕での核爆発みたいだ」と言う。3人はキャンプに電話しようとするが、セルホンが反応しない。そして、空の色が青からオレンジに変わる。その不気味さに4人は戸惑う。すると、3機のジェット機が湖上すれすれを飛んでいく(2枚目の写真、矢印は2機目)。ゲイブリエルは、「どうしよう、『インデペンデンス・デイ』だ」と言い、無知なダリウシュは、独立記念日(7月4日)のことだと思い、「今は、6月だぞ」と言う。ゲイブリエルは、「ただの火事かもしれない。もし、そうなら熊が出てくるから、逃げないと」と言う。ダリウシュは、「熊は嫌いだ。こんなトコでディカプリオになりなくない〔『レヴェナント:蘇えりし者』のこと〕」と言ったかと思うと、ゲイブリエルに「誰だってそうだ」と言われると、反撥心を起こし、「ヴェルナー・ヘルツォークに聞いてみろよ。グリズリーマンは、何年も熊と一緒に生きてたんだぞ。知らないだろ」〔ヴェルナー・ヘルツォークは『グリズリーマン』の監督〕と負け惜しみ。「映画のラストは見たのか?」と指摘され〔最後は熊に食べられる〕、ここでも口だけ人間だと分かる。アレックスは、「熊〔アメリカグマ〕は機会を狙ってる〔opportunistic〕肉食獣だ。原生林の中で夜を過すべきじゃない」と正論を言い、ようやく歩いてキャンプに向かう〔余分な会話が多すぎる〕。4人がキャンプに着くと、そこも無人だった。掲示板の下には、「みんな山から降りた。はぐれた子は911に連絡を」と殴り書きがしてある(3枚目の写真、矢印)。
4人は、本部のある建物に入り、固定電話から911にかけようとするが、こちらも動かない。電気も点かない。アレックスは、「きっとEMP(電磁気パルス)だ。超高層大気での核爆発でも起きるんだ。広範囲で電気製品が使えなくなる」と説明する。その時、近距離で大きな爆発音がする。4人が湖の近くまで走って行くと、最新鋭のF-22戦闘機(愛称ラプター)が、未確認物体と戦っていた〔ラプターは、電気を使っているのに、飛べるのだろうか?〕。4人は、すぐに逃げる(1枚目の写真、CGは幼稚だが、低予算の割には頑張っている)。形勢は、ラプターに不利だ。未確認物体の攻撃のあおりをくらって、4人は吹き飛ばされる(2枚目の写真)。交戦の最中に空から帰還用カプセルが降りてくる(3枚目の写真)。通常使われているソユーズのカプセルの場合、DMP(固体推進剤モーター)による逆噴射は地上1.1-0.8mで指示、0.7mで点火し、カプセルの速度を秒速1.5-2mに急減速させる(http://www.russianspaceweb.com/soyuz-landing.html)。だから、写真に映っているのは、現在まだ開発中のスペースX社の地上着陸型ドラゴン2宇宙船〔パラシュート型にすると、この後の展開に支障が出る〕。
帰還船は地面に激突し、4人は舞い上がった土砂に吹き飛ばされる。状態が落ち着くと、4人は帰還船に駆け寄る(1枚目の写真、矢印は再突入時の高熱で焼けたエイリアン、4人は気付かない)。脱出口が熱くて触れない。その時、ダリウシュが「誰か、水持ってるか?」と訊く。ジェンジェンが水筒を渡すと、ダリウシュは脱出口にはかけず自分で飲んでしまう〔脚本としてやり過ぎで、ちっとも面白くない〕。そのうち脱出口が吹っ飛び、中からコリンズ少佐が這い出てくる。「ここはどこ?」。アレックス:「ビック・ベア湖〔ロスの東約110キロ〕のキャンプだよ」。「座標が違ってた… パサデナ… フィールディング博士… JPL」。アレックス:「JPL? ジェット推進研究所。NASAの機関だよね」。少佐は、首からキーの付いたチェーンネックレスを外すと、アレックスに押し付ける。「キーを、JPLのフィールディング博士に届けて」(2枚目の写真、矢印はキー)「何もかも入ってる。エクスカリバーも。行きなさい!」〔エクスカリバー(アーサー王の剣の名前)は、終盤になって意味が分かる〕。その時、帰還船に張り付いていたエイリアンが復活し、動き始める(3枚目の写真、矢印)。少佐はエイリアンに殺され、4人はもう一度、本部のある建物に逃げ込む。その前に、アレックスは、エイリアンの背が割れ、そこから野犬のような小型エイリアンが出てくるのを見届ける。
4人は調理室に逃げ込み、エイリアン犬が中に入って来る。エイリアン犬はアレックスに迫るが(1枚目の写真)、別のところに隠れていたダリウシュが動いた弾みで、スプーンの入った缶が落ち、エイリアン犬はそちらに引き付けられ、最後は、大型のオーブン(Middleby-Marshall Oven)の中に飛び込んで、簡単には出られなくなる。しかし、代わりに、エイリアン本体が入って来る。4人は窓から逃げ出す。アレックスが窓のそばの壁に背をもたれて息をついていると、突然 横の壁に穴が開き、エイリアンの手が出てくる(2枚目の写真)〔合成のタイミングはよく合っている〕。アレックスはジェンジェンに助けられ、一緒に屋外トイレに逃げ込む。ゲイブリエルとダリウシュは建物の正面階段の下の空間に隠れる。板の隙間から覗いていたアレックスは、エイリアンの姿を見て思わず「あっ」と言ってしまい、エイリアンはトイレに向かってくる。「こっちへ来るよ。隠れないと」。冷静なジェンジェンが指差したのは、便器の2つついている床板(3枚目の写真、便器は汚れ、トイレット・ペーパーが転がっている)〔こんな原始的なトイレ、21世紀のサマーキャンプに存在するとは思えないが…〕。アレックスは、便器の穴から覗き、「こんなの糞便自殺だ。ヤだよ」と言うが、ジェンジェンは、板を便器ごと跳ね上げると、中に飛び込む。彼女は、両足に糞尿がついただけで済んだが、切羽詰まって飛ぶ降りたアレックスは、滑って尻餅をつく(4枚目の写真)。映画で、これほど汚いシーンにお目にかかることはない〔ただ、妙なのは、アレックスは全身が糞尿まみれになったハズなのに、一旦外に出た後は、何もなかったように振る舞い、ゲイブリエルとダリウシュが何も指摘しない点。これまでのダリウシュなら、「何て臭(くさ)いんだ」くらい言いそうなのに…〕。
ゲイブリエルは、2人を助けようと、階段の下から這い出ると(ダリウシュも、置いていかれたくなので付いて来る)、キッチンのオーブン用の煙突からエイリアン犬が飛び出てくる。2人は、帰還船に逃げ込む。一方、トイレに向かったエイリアンは、地上部分を吹っ飛ばすが、そこに、酔っ払って取り残された管理人が排尿に来ていた。そして、エイリアンにバラバラにされる。その間に、アレックス達はゲイブリエル達の後を追って帰還船に向かう。しかし、アレックス達が着いた時、ゲイブリエル達は帰還船の中にいて、外にはエイリアン犬が徘徊。アレックスは、再びエイリアン犬に襲われそうになる。帰還船の中で、ゲイブリエルが文句しか言わないダリウシュを壁に押し付けた時、スイッチが入り、着陸用のスーパー・ドラコが点火し、幸い、エイリアン犬を焼き殺す(1枚目の写真)〔これだけの高熱噴射のすぐそばにいて、アレックスが火傷しないのは あり得ない〕。役立たずのダリウシュが、それを自分の功績にしたのは言うまでもない。ゲイブリエル達が外に出て4人が揃うと、そこにエイリアンが向かってくる。エイリアンの方が速いので、4人はエイリアンに押し倒される。そして、不気味な管がダリウシュの口に挿入される(2枚目の写真)〔少佐や管理人は殺したのに、なぜダリウシュだけ違うのか?〕。管が引き抜かれた時、背後からラプターが飛来し、エイリアンを撃ち殺す(3枚目の写真、矢印はラプター)。
「美徳」と書かれた小屋の前に来るまで、ダリウシュは文句の言い続け。最後の言葉は、「あいつ、俺の口から舌を入れたんだぞ!」。アレックスは、「あれが舌だって どうして分かる? あいつらの生体構造は知られてないんだよ」と言う。「何が言いたい?」。「正直言って、あれが、雄のエイリアンだったら、頭蓋生殖器を持ってたっておかしくないんだ」(1枚目の写真)。「俺の口に入ったのが、あいつのチンボ!?」。ゲイブリエル:「みんな、落ち着くんだ」。「落ち着く? エイリアンのベビーをたくさん飲み込んだかもしれないんだぞ。それが子犬になったら、俺の胸から飛び出てくるんだ!」〔リドリー・スコットの『エイリアン』〕。アレックス:「ママを見つけないと。どうするか知ってるかも」。ダリウシュは、「もし、生きてたらな」と意地悪く言う。この言葉で、ケンカが始まる。ジェンジェンは、いきなり3人の頬を叩く。そして、「我々が為すことは、永遠の伝説となる〔What we do in life, echoes in eternity〕」と、人が変わったように宣言する(2枚目の写真)。さらに、「隊列を崩すな。我に続け。もし独りになって、緑の野に乗り入れ、太陽の光を浴びていれば、心配は要らぬ。そこはエリュシオンだ。もう死んでいる」〔『グラディエーター』で、将軍マキシマスが騎兵部隊にかける言葉。順番は入れ替わっている/『グラディエーター』のDVDの訳は最適ではないので変えてある〕。ダリウシュ:「あれって、グラディエーターか?」。ゲイブリエル:「彼女、英語 話せたのか?」。ジェンジェンは、先頭に立って「どんどん歩いて行く。アレックスは、「どこに行くの?」と尋ねる。ジェンジェンは、「宇宙飛行士は、このキーが…」と言って、アレックスのキーに触リ、「エイリアンを止めるって言ってた。だから、TRLに行かないと」。「JPLだよ。NASAの機関だ。パサデナの丘の上にある。パパと一緒にロボコンで一度行ったことがある」。「行き方知ってる?」。「GPSなしで? 多分ムリだよ。ここから70マイル〔112㎞〕以上あるんだ」。真っ先に反対したのは、もちろんダリウシュ。しかし、ジェンジェンは、「パサデナまで行く必要はないわ。山を降りて大人にキーを渡すだけでいい」と言う。因みに、この時の小屋には「勇気」と書いてある。結局、自転車で山を降りることに。小屋に置いてあった自転車の鍵を外す時、ゲイブリエルが 数字がうまく扱えない“算数障害(LDの一種)”だと分かる〔伏線〕。代わりにダリウシュが鍵を外し、いざ4人で出かけようとすると、アレックスが小屋の出口に立ったままでいる。「どうした?」。「一緒に行けない」(3枚目の写真)。「なんで?」。「自転車に乗れない」。
ゲイブリエルは、ダリウシュとジェンジェンに、アレックスを両側からサポートするよう指示する。ジェンジェンは、アレックスの腕に手を置き、「転倒させないわ」と言う。4人は往復2車線の車道真ん中に横一列に並ぶ。ダリウシュが左から、ジェンジェンが右からアレックスを支え、1つの塊になって自転車をこぐ。アレックスは、おっかなそうだが、下りの坂道なので何とか乗り続けることができる(1枚目の写真)。そのうち、2人が手を離しても、気付かず進み続ける。それを指摘されると、大喜びでサイクリングをエンジョイする(2枚目の写真)。かなりの距離を進み、アレックスが気を許して後ろに向かって話していると、カーブに気付かず、転落防止用のブロックにぶつかる。ケガはなかったが、アレックスが体を起こすと、見晴らしのきく高台からは、エイリアンの攻撃を受けて燃え上がる市街地が見える(3枚目の写真、右下にはJPLまでの距離68マイル〔109㎞〕が表示される/これが1回目であと3回ある)。この映像は明らかにおかしい。ビッグ・ベア湖から降りる道は18号線から330号線に入るのが最短で、行き着く先にある町はサンバーナーディーノ(San Bernardino)。小さな飛行場と工場群はあるが、あとは住宅地で、高層ビルは1棟もない。周辺にあるのも同じような町で都会ではない(4枚目のグーグル・マップ参照。○印が330号線の眺望点)。その頃、キャンプでは、一度は撃ち殺されたように見えたエイリアンが命を吹き返し、焼き焦げたエイリアン犬を見て復讐の咆哮をあげる。
4人は町まで降りてくると、ゲイブリエルの提案で警察署に向かう。街路は、恐らく航空機の落下で惨状を呈している(1枚目の写真)。ゲイブリエルは、ある事情があって警察署には入りたくないので、自転車を見張っていると言って3人だけに中に行かせる。3人が真っ暗な中を入って行くと、机の上にあった1枚の紙には、「緊急/強制避難/ロサンゼルス盆地で核兵器の使用許可される/一次指令/エイリアンの本拠地を発見せよ」と書いてある。アレックスが、誰かいないかと奥に進んで行くと、一番奥は監房になっている。そこ取り残された1人の男(ルー)が、アレックスに声をかける。「おい、怖がるな、こっちへ来い」(2枚目の写真、矢印はルーの手)。「鍵はあそこにある。渡してくれんか」。そこに、ダリウシュがやってきてルーに気付く。アレックスが「出して欲しがってる」と説明すると、ダリウシュは断固反対する。そこに、さらに、ジェンジェンも加わる。「どうしたの?」。質問はアレックスにしたのだが、ルーは、「奴ら、俺を放っておいて逃げやがった」と同情を誘うように話す。ダリウシュは、キーで世界を助ける方が先だと言い、可哀相だと思うジェンジェンに対し、「警察が、こいつを残して行ったのには絶対ワケがある。その判断は尊重すべきだ」と珍しく正論を言い、ジェンジェンは、「どんな人でも、このまま入れておくのは間違ってる」と、情に流された誤判断を主張する。ルーは、父親として息子を放っておけないと嘘を付き、“父に対して特別な思い”のあるアレックスは助ける方を選んでしまう(3枚目の写真)〔鍵を床に投げ、自分達が去ってから鍵を取るよう約束させる〕。
自転車に乗りながら、ジェンジェンが、「なぜ、あなたの時計、動いてるの?」とアレックスに訊くと、「機械式なんだ〔かすかに見える盤面のデザインから推定して、ブライトリングのナビタイマー(自動巻き)であろう/販売価格100万円以上→だから、映画の冒頭で、母が、「ホントに、パパの時計を付けて行きたいの?」と訊いた〕。パパのなんだ」。4人が交差点に差しかかると、いきなり3台の軍用車両と出会う〔軍用車はなぜ走ることができるのか?〕。4人は自転車を放り出すと、「助けて!」と車列の後に向かって叫ぶ。停まってくれないので がっかりしていると、後ろから迫って来た兵士の小隊に、「動くな!」と命じられる。4人は即座に両手を上げる(1枚目の写真)〔ビッグ・ベア湖から降りて数十キロ以内にこんな大きな町はな/この場所が、先ほどの警察署の近くなのか、あるいは、次に里程標が示されるサンガブリエル・バレーの近くなのかは一切分からない〕。4人が人間の子供に過ぎないと分かると、小隊長は、「君らは、何時間も前に退避すべきだった。戦争なんだぞ」と諌める。アレックスは、「僕たち、攻撃が始まった時、山の中にいました」と理由を説明した上で、「何が起きてるんですか? 攻撃は大規模なんですか?」と尋ねる。そこに、口出ししたのが、ダリウシュ。「国一番のメルセデスの販売代理店、大丈夫かな? パパがオーナーで、俺が跡継ぎなんだ」と、自分勝手なことを口走り、ジェンジェンから、「黙って!」と一喝される。小隊長:「私に言えるのは、ここにいたら危険だということだ。今すぐ、バスに乗りなさい。君らを避難所に連れて行く」。アレックスは、「ちょっと、待って。このキーをパサデナまで届けないと」と、一番大切なことを口にする(2枚目の写真、矢印はキー)。小隊長:「どこで手に入れた?」。「宇宙ステーションの飛行士が、渡してくれました」。ゲイブリエル:「JPLまで届けて欲しいって」。ダリウシュ:「そのキーで、エイリアンを止められる」。アレックス:「パサデナのJPLに行って、フィールディング博士に渡して」。小隊長:「JPLのフィールディング博士からのモールス信号は受信してる。このキーの発見は、最優先事項だった。ありがとう、君たち。これで、世界が救われるかもしれん。ちゃんと届けるからな」(3枚目の写真)。4人は、他の兵士からも、「よくやったな」と褒められてバスに乗る。
ゆっくりと動き出したバスの横を、小隊長が乗ったジープが追い抜いて行く。それを見たアレックスが、「ほら、あれだ〔There they go〕」と言う。ところが、この部分の日本語字幕は、「大尉だ」になっている。中国語字幕は、「他们出发了」。他の言語の字幕も、「大尉」とは一言も書いていない。小隊長の迷彩服に肩章はなかったので階級は不明だが、軍曹か少尉くらいなら小隊を指揮していてもおかしくないが、大尉と言うのは どこをどう間違えたのだろう? 小隊長のジープがバスを先導する形で前に割り込むと、ちょうど、エイリアンの戦闘機が攻めてきてジープが直撃を受け(1枚目の写真、矢印は敵機)、反転したジープがバスに衝突し、バスの中はめちゃめちゃになる。4人は非常用のドアを蹴破って外に逃げる。しかし、外も、敵味方が入り乱れての空中戦の真っ只中(2枚目の写真)。バスの前に回りこんだ4人は、ジープの下敷きになった小隊長を助け出そうとする。小隊長は、アレックスに、「君に任せる。私のことは放っておけ。これがキーだ。取るんだ。約束してくれ。何があってもやめないと。いいな。さあ行くんだ」と頼む(3枚目の写真、矢印はキー)。アレックスがキーを首にかけて逃げ出した直後、ジープは再度攻撃を受け小隊長もろとも爆発する(4枚目の写真)。
場面は変わり、「サンガブリエル・バレー(San Gabriel Velley)/JPLまで41マイル〔66㎞〕」と表示される(1枚目の写真)〔ロケ地はJPLの南南西18キロにある東1番通りの跨線橋(2枚目の写真は、Google mapのストリートビューで、近くの道路からの風景を撮ったもの)〕。丘の上の時は68マイルだったので、27マイル〔43㎞〕進んだことになる〔地図でSan Gabriel Velleyを調べると、JPLまで14マイル、丘の上から50マイル地点で合致しない/4人は走っているが、まさか、小隊と会った場所から何十キロも走ったはずはない。もし、ここが、小隊と会った場所のすぐ近くだとしたら、「距離」を表示するタイミングが間違っている→小隊と会った場所で出すべき〕。もう走れなくなると(3枚目の写真)、アレックスは、「このあと、どうなると思う?」と言った後で、「食料かな? 資源かな? それとも、水が枯渇したから襲ってきたのかな?」と、侵略の理由についても言及する。「なんで分かる?」。「たいていの映画じゃ、そうなってる。僕らが生き残る唯一の途は、フィールディング博士にキーを届けることだ。あの兵隊さんの代わりに」〔ここまで台詞を聞いていると、やはり、小隊と会った場所から4人はずっと走ってきたらしい。ということは、警察署でルーを逃がした場所と、小隊と遭遇した場所が20マイルほど離れているか、もしくは、警察署のあった場所自体がSan Gabriel Velleyということになる。こんなに拘るのは、この後の展開で不可思議な偶然(ルーとの再会)が起こるため〕。ダリウシュは、「あいつは死んだじゃないか。タフな海兵隊でも40フィート〔12m〕進んだだけで丸焼けになったのに、俺たちがどうやって40マイルも行けると思うんだ?」と反対する。しかし、アレックスは、「行かないと。任せられたんだ」(4枚目の写真)と主張する。ジェンジェンは、もうすぐ1日が暮れようとしているので、「まず、食べ物を見つけないと。どこにも行けないわ。睡眠だって取らないと」と現実的だ。
4人は、近くにあったゲイブリエルの家に泊まりに行く〔その前に、ゲイブリエルは、彼が山にいたのは、少年院から逃げ出したからだと、打ち明ける〕。家の中は、泥棒により略奪されている〔長期の異常現象の映画ではよくあるが、緊急退避命令が出たその日に荒らされるのは腑に落ちない〕。ダリウシュは、「ジャコビ〔キャンプまで送ってくれた運転手〕がここにいたらよかったのに」と言い、さっそく食料を漁りに行く。そのあと、4人が集まって話し合う。シーン①。話すのはダリウシュ。「お前ら、ダチがいないだろ。それが 如何にラッキーかって分かってるか? 俺みたいに 最高にクール〔pimp〕でい続けるって大変なんだぞ。いつもびしっと決めてないとダメだ。最高の車〔Tightest whip〕に、ベストの女の子〔Baddest chick〕。俺の友達は、みんな熊みたいだから、弱みを嗅ぎつけると首にがぶりだ。だから、ダイヤを首にはめてる」(1枚目の写真)。いい加減うんざりしたアレックスは、「ダリウシュって、ペルシャ語で、ウザイ奴って意味?」と訊く。「それって何だ?」。「君がママのお尻から産まれた時に、ママが叫んだ言葉さ」〔なぜ、ペルシャ語が出てきたのか分からないが、“Dariush(ダリウシュ)”は、あの偉大なダリウス一世と同じ。「確固たる善を保持する者」という意味〕。シーン②。話すのはゲイブリエル。「僕の父さんは、10歳の時に家を出てった。だから、僕は、母さんが働いてる食料品店の袋詰めを手伝って家計を助けた。ある日、母さんがレジを離れた時、僕が代わりにレジをやった。そしたら、ある客が、僕が誤魔化したって文句を言い始めたんだ。きっと、僕が、お釣を間違えたからだ。僕、数字を見ると、頭の中がこんがらがるから。書いてあればいいんだけど」(2枚面の写真)「でも、信じてくれなかったから、頭にきて、殴っちゃった。お客の鼻が折れ、母さんはクビになった。僕は少年院に送られ、母さんは一度も会いにきてくれなかった」。ジェンジェンは、「家族を選ぶことはできないが、いつだって新しい家族を作ることはできるわ」と言い、カメラを取り出して4人で写真を撮る(3枚目の写真)。
いざ寝る段になり、ゲイブリエルは、「彼女は1人でベッドを使う。それでいいな?」と言う。2人も賛成した時、寝間着に着替えたジェンジェンが寝室に入って来て、「あなたたちの1人と一緒に寝るわ」と提案する〔シングルベッドに3人寝るのは無理〕。それを聞いた3人は急いで隣の部屋に行き、相談する。当然、一番に手を上げたのはダリウシュ。「グループのために犠牲になってもいいぞ。経験も一番豊富だしな」。ゲイブリエルが、「経験って何が?」と牽制すると、「少年院のベッド友達がくれるリトアニアのミルクセーキ〔精液?〕よりいいぞ」と言い、アレックスが「リトアニアのミルクセーキって何?」と訊くと、「お前は知らなくていい」と言う。こういうエッチな奴は相応しくないと考えたゲイブリエルは、「アレックスを、ジェンジェンと一緒に寝かせよう」と提案する。ダリウシュ:「アレックスが嫌がるだろ」。アレックス:「そんなこと、言ってないよ」。ゲイブリエル:「2人には つながりがある」。アレックス:「あるの?」。ゲイブリエル:「だから、邪魔立てするな〔So don't be a cock-block/「セックスを止めるような奴になるな」の意味にもなり、ダリウシュはそう解釈した〕」。ダリウシュは、ゲイブリエルに「ああ、分かった。それでいい」と言い、アレックスには、「セックスは止めないぞ〔I won't block your cock/「楽しみは邪魔しない」の意味にもなり、アレックスはそう解釈した〕。自由にやれ」と言う。アレックス:「ありがとう」(1枚目の写真)。アレックスが、ジェンジェンと同じ赤い寝間着に着替えてベッドに恐る恐る横になると、ジェンジェンは、アレックスの手を握り、「あなたで良かった」と微笑む。しばらく経ち、アレックスとジェンジェンの仲良く寝ている姿(2枚目の写真)と、ダリウシュがゲイブリエルに重なり、凄まじいイビキをかいている姿(3枚目の写真)が連続して映される。
せっかくの睡眠は大きな爆発音で終わるとなる。慌てて飛び起きた4人は、家を忍び出る。干したままになった洗濯物の中に身を隠しながら進む。そこに、仮面をつけ、ショットガンを持った男たちが突如現われる(1枚目の写真)〔正直言って、この男たちは、誰もいるはずの場所で、真夜中になぜいるのだろう?〕。男の一人が、「こんなトコで何してる。エイリアンどもの真っ只中で?」と訊くが、逆に、同じことを脚本家に訊きたい。そこに現われたのが、ルー。「何たる奇遇だ〔Look what we found〕」というので、偶然会ったことになる。4人は、ルーが男達から守ってくれると喜んだが、その逆だった。ルーは、ばか丁寧に、「アレックス、それをお渡し願えますかな〔if you'd be so kind as to give me that〕?」と訊く。「それ」とは、キーのことだ。「これを?」。「そうだ」。「これは、エイリアンを倒せる唯一の手段だ」(2枚目の写真、矢印はキー)。「てことは、高く売れるってことだ。キーを寄こせ」。「イヤだ」。そう言うと、アレックスは、キーをシャツの下に入れる。「僕は、約束したんだ」。「キーを渡して立ち去れ」。ルーは大きなナイフを取り出す。「イヤなら、お前の首を切り落としてから、キーをもらうだけだ」。「信じてたのに」。「墓場は、俺を信じた奴らで一杯だ」。その時、4人を追いかけてきたエイリアンが、男達の1人を前足で串刺しにする。もう1人の男は、エイリアンに向かってショットガンを撃つが(3枚目の写真)、何の効果もない〔この場面は、はっきり言って不愉快だ。ルーとアレックスが、真夜中に、なぜ、ゲイブリエルのアパートの近くで会うのか? 合理的な説明は何一つできない。そして、エイリアンは、なぜ、ぴったり時間を合わせて、この場に到着したのか? ご都合主義の極致とも言える2つのシーンが重なり、開いた口がふさがらない〕。エイリアンがルーを処分している間に、4人は逃げる。しかし、ゲイブリエルだけは、水面に幕を敷いたプールの手前に陣取り、おびき寄せようと、ジェンジェンから投げてもらったケミカルライトを振る(4枚目の写真)。ゲイブリエルは、ライトを持ったまま幕の上を渡り、エイリアンをプールに落すことに成功する〔エイリアンは、こんな小さなプールに落ちただけでなぜ活動を停止するのか? 水に弱いのかもしれないが、それを示唆する伏線が全くないので、観ていて極めて不自然に感じる〕。
その後、場面はがらりと変わり、3回目の場所表示「ロス東部(East Los Angeles)/JPLまで12マイル〔19㎞〕」が入る(1枚目の写真、矢印は4人)。4人はそのまま丘を登り、ロスの都心部の見える位置までくる。歩きながら、ゲイブリエルは、「キャンプにいたのと同じエイリアンだ。殺したと思ってたのに」と言う。アレックスは、「あいつが、帰還船に張り付いて来たのなら、大気圏再突入の高熱〔ソユーズの場合1500℃〕でも生き残れる。ということは、細胞再生能力〔cellular regeneration abilities〕がもの凄く高いに違いない」と、専門的意見を述べる。ジェンジェンは、「英語で言ってよ」と言い、アレックスは、「ウルヴァリン〔治癒能力が高い〕みたいなものさ」と言い直す。ゲイブリエルが、「なぜ追ってくるのかな?」と問題を提起すると、ダリウシュが「犬のこと怒ってんじゃないか?」と言う〔「犬」とは、エイリアン犬のこと〕。アレックスの意見は違っていた。「多分、コリンズ〔少佐〕と、彼女が接触した全員を殺せと命令されてるんじゃないかな。僕らは、未処理物件〔loose ends〕ってワケだ」。ダリウシュは、“犬説”に拘る。ジェンジェンは、「そんなことどうだっていいじゃないの。これはコミコンじゃないのよ。あいつが、私たちを殺そうとしてて、私たちにはあいつを殺せない」と言い、アレックスは、「そうだ。とにかく先に進もう」と、無駄な会話はやめようと言う(2枚目の写真、4人の背後に見えるのはロス都心の超高層ビル群。ロケ地は、アンジェリーノ・ハイツ(Angelino Heights)。3枚目のグーグル・マップ参照。○印がアンジェリーノ・ハイツ、都心は約2キロ南にある〔JPLの南西16キロにあり、逆方向。映画の中でロスの都心が燃えているシーンがどうしても欲しかったので、地理的的関係を無視して入れたのだろう〕。アレックスのリーダーシップに対し、役立たずのダリウシュは、「お前にはうんざりした。ハンニバル・レクター〔『羊たちの沈黙』、ルーのこと〕を檻から出したのはお前じゃないか。お前のリーダーシップの特権なんか剥奪だ」と逆らう。アレックスは、そんな反論は無視し、突如、悟ったように早口で言う。「正しいことをしても、上手くいかないこともある。だからと言って、やる価値がないわけじゃない」(4枚目の写真)「今やっと意味が分かった」〔アレックスの父が残した言葉〕。そのあとの、ダリウシュとゲイブリエルの口論は聞くに堪えない。なぜなら、ダリウシュは、実は、自分は何もかも失い〔お金も家も店も〕、父は逮捕されたと話すのだが、急にそんなことを言われても、これまでのダリウシュの言動〔例えば、小隊長に、「パパがオーナーで、俺が跡継ぎなんだ」と威張って言う〕とあまりに食い違い過ぎ、信じ難い〔これも、お粗末な脚本のせい〕。その頃、プールでは、エイリアンが動き初めていた〔以前指摘したが、戦闘機に撃たれても半日で生き返ったのに、プールに入っただけで一晩中気絶するものなのか?〕。
4人は、丘を下りた所でショッピング・モールを見つける〔正面に書かれた「Blysian Mall」は、架空の存在〕。入口に向かう途中で、ダリウシュが「マクドナルドがあるといいな」と言いながら、中に入ると、「来いよ、グッチは1階だ」と言う〔いつも来ているモールなら、なぜ片方しか知らないのか? マックが好物なら、当然知っているはず/ゲイブリエルの小さな家は荒らされていたのに、この大きなモールは手付かずのまま。脚本は常に恣意的〕。ロビーに展示してあったスター・ウォーズのライトセーバーを手にしたダリウシュは、「これでエイリアンと戦ったらどうかな」と言い、「決着をつける時だ。今やマスターだ」とアレックスにセーバーを向けるが、アレックスは、「今こそ決着をつける時だ。今ではマスターだ」と台詞を訂正する(1枚目の写真)〔EP4のダースベイダーの有名な台詞の一部〕。「お前に彼女見つけてやらないとな。オタクはやめろ。スター・トレックのこと知りすぎ」と言い、「スター・ウォーズだ」と訂正される。ゲイブリエルは、ロビーに展示してあったアディダスのスポーツウェアを見て、「着替えよう」と提案する(2枚目の写真)。アレックスは、着替えを終えたジェンジェンの近くに行き、床に落ちているキャンプのパンフレットを見て、「それ、すごく大事にしてるね。こんなトコまで持ってくるなんて」と訊く。「私がこれを持ってきたんじゃない。これが私を導いたの」。その複雑な答えを聞き、アレックスは、「ところで、どうして家を出て来たの?」と尋ねる。「『父さんは男の子を望んでた』とだけ言っておくわ〔Let's just say〕」(3枚目の写真)。そう言うと、ジェンジェンはライターでパンフレットに火を点ける。「ジェンジェン何するの? それが導いてくれたんだろ?」。ジェンジェンは昨夜4人で撮った写真を取り出す(4枚目の写真)。「今は、これがあるから」〔アレックスがいるから、と言いたい〕。
4人がモールを出た時、アレックスは、「1973年型フォード・マスタング・マッハ1」と言う。「パパが、あれとそっくりなのに乗ってた」。ゲイブリエル:「それって、コンピュータなんか付いてないんだろ?」。ということは、今でも動くことを意味している。4人はモールで調達した自転車を放り出して車に向かう(1枚目の写真)。アレックスはさっそく運転席に乗り込むが(2枚目の写真)、笑顔は、マニュアル車だと分かると同時に消える。いざ、出発しようとするが、マニュアル車に乗ったことのないアレックスの運転で、車は、同じ場所をブレーキから白煙を上げながら回転するだけ。結局、なぜかジェンジェンが運転する(3枚目の写真)〔なぜ、11歳の中国人が大型のマニュアル車を運転できるのか?〕。
運転が順調に進んでいると、いきなりエイリアンが車のボンネットに飛び乗る〔プールで覚醒してから、ここまでどうやって跡を辿ったのか?7〕。エイリアンは頭をフロントガラスにぶつけるが、ヒビが入るだけで穴が開かない。そこで、前足を振り上げ(1枚目の写真)、ガラスを叩き割る。エイリアンはルーフにも穴をあけて、足を中に入れてくる。ジェンジェンは、ギアを操作して急加速すると、道路脇にあった屋根付きのバス停に突っ込み、エイリアンを振り落とそうとする(2枚目の写真)。エイリアンは一旦は落ちたが、すぐに追いつき、トランクに飛び乗り、今度はリアガラスを叩き割る。4人はいつ前足につかまれて車外に放り出されてもおかしくない。この危機一髪の時、車は偶然ダムの天端(上)に差しかかる。ジェンジェンは、「飛び降りて!」と叫ぶ。4人は4つのドアを開け、それぞれの方向に脱出する(3枚目の写真)。ジェンジェンが、ハンドルにどう細工したのかは不明だが、車は、転落防止用の欄干を突き破り、エイリアンと一緒にダムの下に落ちて行った(4枚目の写真)。ロケ地はハンセン(Hansen)ダム。市街地に囲まれた特異なダムだ〔JPLの西北西20キロにある(ロケ地と映画の地理的関係は一致しない)〕。
4人は、奇跡的に何のケガもなく脱出できたが、アレックスは、大事なキーがなくなっていることに気付く。「きっと、車の中だ」(1枚目の写真、矢印)。この時、ダリウシュが意外なことを言い出す。「キーを取りに行く」。ゲイブリエル:「あいつは死んでない。また生き返るぞ」。ダリウシュ:「だけど、キーがないと終わらないんだろ?」。ジェンジェン:「降りて行ったら死ぬわ」。アレックス:「そうだよ、一緒に行こう」。ダリウシュ:「それで、4人全員死ぬんか? お前、もっと賢いかと思ってたぞ」(2枚目の写真)「今度は、俺の番だ」〔今までのダリウシュの言動からして、この突然の心変わりは信じ難い〕。ダリウシュはダムの下まで降りて行く〔高さ30mのダムなどで、さほど難しくはない〕。車は上下逆さまになり、エイリアンの下半身を押し潰している。ダリウシュは車の中に潜り込み、運転席右のセンターコンソールに落ちていたキーを発見し、外に出ると、「あったぞ!」と叫ぶ(3枚目の写真、矢印はキー、すぐ後ろにエイリアンの頭)。しかし、エイリアンの頭が動き始める。それを見つけたダムの上の3人は、「後ろ!」と叫ぶが、ダリウシュには聞こえない。そのうち、エイリアンの前足が伸びてきて、ダリウシュの胸を引っ掻く。幸い、傷は深くなく、ダリウシュは逃げ出すことができた。
4回目で最後の場所表示「パサデナ(Pasadena)/JPLまで1.7マイル」(1枚目の写真、矢印は4人)。このコンクリートの水路は、実際にパサデナにあるアローヨ・セコ(Arroyo Seco)という水路とよく似ている〔JPLからの距離も同じ〕。アレックスとジェンジェンは、少し遅れて2人だけで話している。「さっきの運転すごかったね。僕はぜんぜんだった」。「あなたって、自分を信じてないのね」。「女の子って、勇敢さに惹かれるんだよね。僕にはカケラもないや」。ここで、ジェンジェンが中国語で話しかける。「可有些女孩觉得 善良吸引人 如果我们能活得下去 也许我们能一起去 看个电影什么的」〔ちゃんと、この通りに話している〕。敢えて、正誤チェックをかけたのは、2人が最初に出会ったシーンの「姫君」の字幕が、あまりに無責任だったから、ここでも何かやっているかもしれないと疑ったため。ジェンジェンは中国語でどう言ったか。訳せば、「女の子の中には、優しさに惹かれる子もいるわ。私たち、もし生き残れたら、一緒に映画でも観に行かない?」となる。しかし、英語字幕は、「My whole life I have been searching for love. When I saw you on the bridge, I knew you were the one. If you feel the same way, kiss me now and we will be together forever」となっている〔日本語字幕も、これに準じている〕。訳せば、「私、これまでずっと愛を探してきたわ。橋の上〔キャンプの最初の夕べ。確かに流れ星があった〕であなたを見た時、運命の人だと分かったの。あなたも同じ気持ちならキスして。そして、ずっと一緒にいましょう」。内容が、また全く違っている! 英語字幕を付けたのは、映画を製作した会社自身。ジェンジェンの中国語の台詞も、同じ会社の脚本家が指示したはず。どうして、このようなひどいことを平気でやるのだろう? 中国人以外の観客には分かるはずがないので、これは観客に対する悪質な欺瞞行為だ。さて、中国語で話しかけてから、ジェンジェンはアレックスの返事を期待して待つ(2枚目の写真)。しかし、アレックスの返事は、「ごめんね、僕の中国語 まだ初歩〔rudimentary〕なんだ」というもの。ジェンジェンが、「え?」と言うのは、“rudimentary”という難しい単語が分からなかったからだろう。アレックス:「何て言ったの?」。この言葉は理解できた。アレックスには、愛を打ち明けた中国語が理解できていなかった。そこで、ジェンジェンは笑ってから、アレックスの肩をポンと叩き、それ以上何も言わない。そして、正面にJPLの破壊された姿が見えてくる(4枚目の写真)。
建物内に入ったアレックスは、「プラズマ・ロケットのテストしてる。太陽の表面温度〔6000℃〕より高いんだ」と、さっそくオタクらしさを見せる〔伏線〕。建物の奥はケーブルが散乱し、火花が散り、天井灯が点いたり消えたりしている〔写真は、天井灯が点いている時のものを選ぶようにした〕。ジェンジェンがフィールディング博士を見つける。博士はずっと前に死んでいた(1枚目の写真)。モールス信号は、博士から出る血が、たまたま発信機の上に落ちていたせいだった〔丸1日たっても死体から出血が続いているのは、「急死の場合の流動性血液」のせいなのか?〕。これで、フィールディング博士にキーを届ければ問題は解決するという夢は崩壊した。全員が、がっくりする。打つ手は全くない。ダリウシュが、「終わった… 正直になろう… 俺たちいったい何なんだ?」と問いかける。アレックス:「オタク」(2枚目の写真)。ゲイブリエル:「犯罪者」(3枚目の写真)。ジェンジェン:「孤児」。ダリウシュ:「物笑い」。ダリウシュは、「俺、両親を捜しに行く」と言い、アレックスも、「僕も」と言うが、“孤児”のジェンジェンには行き先がない。そこで、ケミカルライトを折り、その場に座り込む。それを見たアレックスは、「何してるの?」と尋ねる。ジェンジェンは、微笑むだけで何も言わない。自然と、光の周りに4人が座る(4枚目の写真、矢印はシャンパンのビン)。シャンパンに気付いたダリウシュは、みんなで飲もうと思って取り上げるが、1969年と書いてあったので、「初めて飲むのに、せめて出来たてのじゃないとな」と言い、半世紀前の貴重なヴィンテージ物を放り投げる。
ダリウシュが投げたシャンパンは、偶然、何かのスイッチを入れ、メインスクリーンに画像が映る。アレックスが、「ここだよ! どうぞ」と叫ぶ。スクリーンの人物は、「お名前は、マム〔ma'am〕? どうぞ」と訊く〔アレックスの声を女性だと思った〕。「僕は アレックス」。「幾つだね?」。「13歳。もし訊いて構わなければ、あなたは誰ですか?」。「シャイアン・マウンテンの地下司令部のジョージ・コーリー将軍だ」(1枚目の写真)。「JPLの生存者はいるかね? フィールディング博士はいないか?」。「僕たち4人だけで、みんな死んでます。宇宙飛行士に頼まれたんです。死ぬ前に」。「コリンズ少佐かね?」。「キーをくれました。それから、エクスカリバーがどうとか」。「手元に暗号化キーがあるのか?」。「そうです。僕たち、どうすればいいんですか?」。将軍は、相手が子供達なので、何もできないとあきらめ、すぐに迎えをやると告げる。それを聞いたアレックスは、「イヤだ」と断る。そして、「僕は約束した。何が起ころうと止めるつもりはない。だから、助けてもらえれば、どんなことでもする。あきらめるために、はるばるここまで来たんじゃない。『これはいい、これはダメだ』と言われるのは、もうウンザリだ。南カリフォルニアの半分を、エイリアンをかわして旅して来た。誰の助けも借りてない」(2枚目の写真)「僕らだけでやり遂げたんだ」(3枚目の写真)「だから、いいか、僕らはもう子供じゃないんだ。これは最高の機会なんだ。将軍、もう一度訊きます。これを動かすには、どうしたらいいんですか?」〔この長い台詞は、非常にカッコいい。この映画の中で一番気に入った部分かも〕。
これで断るようなら、将軍にはなれなかったろう。将軍は、「よろしい。誰かが地下に降りて行き、非常用電源を起動する必要がある。順番通りに、正確に4秒間隔で。最も素早く、力のある子を…」。ジェンジェンが、「私がやる」と発言する。将軍:「失礼。今のは、女の子みたいに聞こえたが?」。ダウリッシュ:「そうだよ。エイリアンも彼女には敵わなかった」。「そうか。通気孔を通って侵入しなくてならん。帰りのドアは、電源が入るまで開かない」。「やるわ」。アレックスは、ジェンジェンを脇に連れて行き、「4秒のトコ、聞いてた?」と訊く。「ええ」。アレックスは、「時間が計るものがないと」と言って、父の時計を外して渡す。「大事にしてね」(1枚目の写真、矢印)「君も気をつけて」〔アレックスは、時計を非常に大切にしている〕。ジェンジェンは、「あなた、お父さんの誇りね」と言って、アレックスの頬にキスする(2枚目の写真)。その頃、ゲイブリエルは、将軍に、「僕たちは何するの? エクスカリバーって何?」と訊いている。「エクスカリバーは 冷戦時の防衛シスエムで、ロシアのミサイルを撃墜するのが目的だ」。アレックス:「核爆発励起型のX線レーザーを使うんでしょ。読んだことがある」〔冷戦時代は1947-91年を指す。1983年にレーガン大統領が発表したSDI(戦略防衛構想)では、人工衛星に配置されたX線レーザーによるソ連のICBM迎撃も想定されたが、実験は失敗に終わった〕〔最新のレーザー兵器の現状に関しては、2019年6月19日付けの https://fas.org/sgp/crs/weapons/R44175.pdf が詳しいが、その中に人工衛星から発射するタイプは含まれていない。配備されたとしても、2020年代以降とされている〕。「コリンズ少佐が託したキーには、エイリアンのマザーシップの座標が入っている。君たちは、最後の希望だ」「次に、屋上のパラボラ・アンテナの再調整が必要だ。それが終わったら、コンピュータを立ち上げ、コリンズ少佐が渡した座標をロードする。そうすれば、エクスカリバーが起動する」。ゲイブリエルはアンテナに行こうと立ち上がるが、アレックスは「僕が屋上に行く」と名乗り出る。ダウリッシュは、「なに言い出すんだ。高いトコ、怖いんだろ」と止めるが、アレックスは、「僕は、何もかも怖い。今度は僕の番だ。ジェンジェンに、時計を返してと言って」と言うと、行きかけて 振り返り、「もし僕が死んだら、愛してると伝えて」と付け加える(3枚目の写真)。
先ほどのシーンに続き、ダムで下半身を車に挟まれたエイリアンが、下半身を引きちぎり、その部分を再生させてJPLに向かう場面が短く挿入される。その先は、ジェンジェンとアレックスの行動が時間軸に沿って描かれるが、ここでは、まず、ジェンジェンの場面をまとめて紹介しよう。ジェンジェンはダクトの下端にある格子を脚で蹴って外し、格子と一緒に床に落下する(1枚目の写真、矢印は落下する方向)。幸い、ケガはなかった。次は、3つある電源のレバーを、時計を見ながら4秒ごとに下げていく(2枚目の写真、矢印はレバーの下げる方向)。これでゲイブリエルとダウリッシュのいる制御室に電源が入る。ジェンジェンは、制御室に戻ろうとエレベーターのドアを開けるが、中からエイリアン犬が飛び出してくる。エイリアン犬が、ケガをして動けないJPLの女性職員を襲っている隙にエレベーターに乗り込もうとし、それに気付いたエイリアン犬が、エレベーター内に突入する寸前にドアを閉め(3枚目の写真、矢印はエイリアン犬の大きく開けた口、その下に前足)、前足がちぎれてエレベーター内に残る。
アレックスが屋上まで出て見ると、パラボラは、高い鉄塔の先についていた(1枚目の写真、矢印の先の黒い点)。キャンプと違って命綱もないが、アレックスは思い切って塔を登り始める。その途中で、非常用電源が入り、制御室の監視カメラに、パラボラのすぐ近くまで登ったアレックスが映る。しかし、もう1台の監視カメラには、屋上に現れたエイリアンが映っていた。制御室にいた2人は、屋上にあるスピーカーを使って必死に危機を伝える。アレックスが、恐る恐る下を見ると、エイリアンが塔を登ってくる(2枚目の写真、矢印)。アレックスは、足で蹴飛ばしてパラボラの向きを変えようとする〔どの方向にするか、映画の中では教えてもらっていないが…/足で蹴るだけで、正確な調整ができるのか?〕。エイリアンが近づいた時、アンテナの向きが正しく変わり、ライトがレッドからグリーンになる。アレックスは、そのまま塔のてっぺんまで行き、エイリアンに捕まる寸前、塔を支えている3本のロープの1つに吊り下がって滑り降りる(3枚目の写真)。アレックスのシーンは、子供にできる範囲の限界に挑戦していて、結構ハラハラさせられる。
制御室での状況を振り返ろう。ジェンジェンが非常用電源を入れるのに成功した後、ゲイブリエルが将軍に指示されてモニターをONにすると、画面に「エクスカリバー」と表示される。次に、コリンズ少佐の暗号化キーを挿入する。データのアップロードが完了する。この後は、パラボラが衛星を向くまで待っていなくてはならない。危機一髪でアレックスが無事成功した後は、2つの起動キーを2人で同時に回す必要がある。ところが、ダウリッシュは、ダムでエイリアンに腹を切られたため、失神してしまう。将軍は、まず、2つの起動キーを金庫から出すように言い、「96322103」の順にボタンを押すよう指示するが、算数障害のゲイブリエルは何度やっても失敗する。幸い、一時気が付いたダウリッシュが、紙に数字を書いてくれたので、金庫が開き、起動キーを取り出すことができた。しかし、ダウリッシュはまた失神。そこに、エレベーターで上がってきたジェンジェンが合流する。2人はカードキーを差し込み、一緒に回そうと、「3、2、1」まで数えるが(1枚目の写真)、その時、アレックスを捕まえるのに失敗したエイリアンが、天井を破って侵入する(2枚目の写真、矢印)。2人が襲われる寸前、エイリアンと2人の間にルービックキューブが落ちてくる。エイリアンが振り向くと、そこにはアレックスがいた。アレックスは、「こっちへ来い、この野郎!」とワザと自分の方に エイリアンを呼び寄せる(3枚目の写真)。そして、2人に、「エクスカリバーを起動させたら、外で会おう」と言い残し、囮(おとり)になって逃げて行く。エイリアンがいなくなると、今度は、起動キーを同時に回すことに成功。地球軌道上の3つの人工衛星にも稼動を開始、命じられた方向に向きを変える。3基が狙う先はエイリアンの母船(4枚目の写真)。
アレックスが向かった先は、JPLに入った時に気付いていたプラズマ・ロケットのテスト室。アレックスは、ロケットの噴射装置をONにする(1枚目の写真)。エンジンが回り始め、噴射の準備が始まる。そしてエイリアンが部屋に入って来る。エイリアンが噴射口の前に来た時、アレックスは信号弾を撃ち込み、プラズマに点火させる。エイリアンは、すさまじいプラズマ噴射で壁に叩きつけられる(2枚目の写真、矢印はエイリアン)。6000℃の高熱でエイリアンも再生不可能なまでに燃え尽きる。噴射が止んでも、高熱で部屋自体が火事になる。アレックスは、昔、火事の時に、自らを犠牲にして救ってくれた父のことを思い出す。そして、父の声に導かれ(3枚目の写真)、炎の中に飛び込む。
ビルの屋上では、3人が、半ばあきらめながら、アレックスの無事を祈っている。そこにアレックスが煙の中から現れる。アレックスは「やった!」と叫び、3人は歓声をあげてアレックスに抱きつく。その時、上空で大きな爆発音が聞こえる。4人が見上げると(1枚目の写真)、エイリアンの母船が爆発している(2枚目の写真)。「やったな!」。「やったぞ!」。アレックスとジェンジェンは互いに微笑みあう。ジェンジェンは、「すごく勇敢だったわね」と言って、時計を返す。アレックスは、「ホントにそう思う?」と訊く。ジェンジェンは答えず、キスを待って目を閉じる。しかし、アレックスが物怖じして何もしないので、アレックスの襟をつかむと、力ずくでキスする(3枚目の写真)。映画は、4人が肩を組んで空を見上げ、雄叫びをあげるところで終わる。「僕ら、世界を救ったんだ!」。
その後、何枚かの写真が示される。最初は、アレックスが母と再会する場面(1枚目の写真)。2枚目は、エリザベス女王から4人がナイト爵位を授与される場面(2枚目の写真)、3枚目は、ゲイブリエルが男性と一緒にバンに乗っている場面〔よく分からないが、失踪した父が戻ってきたのだろうか? 母がいないのが気になるが…〕。4枚目は、4人の英雄の凱旋パレード(3枚目の写真)。5枚目はアレックスとジェンジェンが礼服を着て並んでいる場面(4枚目の写真)〔意味不明〕。最後の6枚目は、4人が巨大なスタジアムでロックの演奏をしている場面〔これも意味が分からない〕。ヒーローもののエンディングとしては、一番派手だ。何といっても、4人で世界を救ったのだから。途中で、気に食わないお粗末な筋書きは山ほどあったが、終わりがこのくらい「お目出度い」と、許してしまおうかという気になる。
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