ページの先頭へ

                                            トップページに戻る
少年リスト  映画(邦題)リスト  国別(原題)リスト  年代順リスト

Antboy アントボーイ

デンマーク映画 (2013)

2017年の7月、日本公開前にイタリア映画『Il ragazzo invisibile(インビジブル・スクワッド/悪の部隊と光の戦士)』(2014)を紹介した時に、少年がスーパーヒーローになる映画として、アメリカ映画『Sky High(スカイ・ハイ)』(2005)、デンマーク映画『Superbror(スーパーブラザー)』(2009、2015年10月に紹介済み)、インド映画『Zokkomon(ゾッコモン)』(2011)に加えて、今回紹介する『アントボーイ』3部作を書いておいたが、その後も、新しい追加はない。アメリカ映画『Shazam!(シャザム!)』(2019)は、少年でも変身後は大人の姿になってしまうので対象外だし、アメリカ映画『We Can Be Heroes(ヒーローキッズ)』(2020)は子供達の集団映画なので、スーパーヒーローではない。やはり、子供のスーパーヒーローになる映画は、違和感があってなかなか作られないのだろうか? そういう意味では、12歳、13歳、15歳のペレが、「フォーミカ・アケローニアという特殊な蟻に “ヘラクレス” のような力を与える何らかの改造〔遺伝子組換えとかゲノム編集という表現は使われていない〕を経て作られた蟻の最後の1匹」に噛まれてスーパーヒーローになるという筋書きは、何となく納得できるし、移動手段が、走るか自転車に乗るというのも子供らしくて面白い。映画の元になったのは、Kenneth Bøgh Andersenによって2007年に出版された3冊のアントボーイ・シリーズの本(下に表示)。原作を読んでいないので分からないが、映画ではペレの「蟻」らしいポイントは3つ。手から出る粘液質の物で壁を登れる、おしっこが強酸性で色々な物を溶かす、糖分が力の源泉となる。このうち、100%間違い。蟻が壁や天井を歩けるのは、足の鉤爪を引っかけるから。足先から出る分泌液の粘着性で壁や天井を歩くテントウムシと誤解している。半分正しい。蟻がお尻から分泌する蟻酸(攻撃用、寄生虫駆除)のpHレベルは最高で2なので酸性度は高い。ただし、ペレが学校の小便器におしっこをすると下部が解けて壊れるが、強酸はトイレの掃除に使われるくらいなので、壊れるわけがない。100%正しい。ペレは力を出すために常にチョコレートを携帯しているが、蟻はチョコレートが大好きだ。以上、特に、ペレのパワーの元となるに問題があるのは残念だが、あくまで子供用の映画と割り切って観ていれば、蟻らしさを持ったユニークなスーパーヒーローだと思えてくる。
なお、子供がスーパーヒーローになるという意味で、一番優れた映画は 『Kick-Ass(キック・アス)』(2010)だと思っている。撮影時11-12歳のクロエ・モレッツが演じるヒット・ガールは最高にカッコいいが、女の子なので 残念ながらこのサイトの対象にはならない。

映画の本編の長さが約1時間10分で、一つ一つのシーンがゆっくりと流れるので、写真でのあらすじ紹介は20節と非常に短い。最初に分かることは、ペレが クラスの中でも、虐められはしないが、誰にもあまり関心を持たれていない少年であること。彼が憧れているのは、アマンダ・ソーマスターというミドルロンの町にある唯一の大企業(医療・医薬メーカー)エキソファーム の社長の長女。もちろん、アマンダは、ペレのことなど眼中にない。物語は、ペレが、同じ学年のヒーローコミックオタクのウィルヘルムが上級生2人に虐められているのを助けようと、齧っていたリンゴを屋根の上からぶつけたところから始まる。ペレは2人に見つかって追いかけられ、逃げ込んだ先が、幽霊が出るという噂のゲムコーの家。そこの庭でペレは、特殊な蟻に噛みつかれて、その蟻の持っていた特殊な才能が体に入り込む。最初は、そのせいで起きる奇妙な出来事(物に粘着する手、凄い腕の力)に驚くが、それに興味を惹かれたのは、オタクのウィルヘルム。最初は相手にしなかったペレだが、大好きな縫いぐるみと遊んでいて部屋の壁をぶち抜いたことから、ウィルヘルムに助けを求める。ウィルヘルムは、さっそく、ペレの超能力を克明に調べ、彼が大好きなスーパーヒーローとして ペレが活躍できるようスーツとマスクを、オタクの腕を振るって作り上げる。ペレが名前を考案し、さっそく犯罪の撲滅に取りかかり、それがTVでも何度も流され、アントボーイは一躍子供たちの間で人気者になり、アマンダも憧れる〔誰も、それがペレだとは知らない〕。そんなある夜、恐ろしい格好をした化け物男が、アマンダを拉致し、妹のイーダがそれを見る。イーダは、アントボーイに助けてもらおうと一計を案じ、助けに現れたアントボーイのマスクの下半部から覗く顔の下半分から、それがペレだと気付く。そこから、ウィルヘルムにイーダを加えた3人組でのミランダ救出作戦が始まる…

ペレ・ノーマン役は、2000年8月6日生まれのオスカー・ディーツ(Oscar Dietz)。撮影は2012年10月からなので、撮影時は映画の設定と同じ12歳。これが映画初出演。3本の『アントマン』に出演した後は学業に専念し、2021年にTV Series『Kometernes jul』(24全エピソード)に4人の主役の1人として出演したが、その後は現在のところ何もない。12-13歳の時はちょっぴり小太りで、素顔の場合、スーパーヒーローとは思えない雰囲気だが、マスクを被ると それらしくなるから不思議だ。

あらすじ

最初にペレのナレーションが入る。「他の誰かになりたいと思ったことある? 特別な誰か。クラスの人気者やサッカーチームのスター。みんなにクールだと思われたり、少なくとも注目されてるような誰かに。僕は、そう思ってる」。そして、ペレが映る。「これが僕、ペレ・ノーマン。ごく普通の12歳の少年。僕に言わせりゃ、ちょっと平凡すぎる。多くのみんなは、普通でいいと思ってる。だけど、僕はもううんざり。僕には、何もないんだ。虐められるオタクですらない。それなら、注目ぐらいしてもらえるのに。僕はただのペレ。大きな蟻塚の中の小さな蟻。小さ過ぎて、見向きもされない」。次が、クラスでの風景。ヘッドホンを付けていたイーダが教師から注意を受けて外す。教師は引き続き、「皆さんには、私たちの町に影響を与えた人物について発表してもらいます」と言うが、イーダは 「ミドルロンにはそんな人いないわ」と発言する(1枚目の写真、矢印は外したヘッドホン)。「イーダ、そんなことないわ。あなたのお父さんは? エキソファームの社長さんでしょ? お姉さんと一緒に発表したら? アマンダ、いい考えだと思わない?」〔どうして、姉と妹が同じクラスにいるのだろう?〕。そう言うと、教師は 発表はペアで行うので、パートナーを選ぶよう指示する。クラス一番の美女のアマンダは、妹のイーダが好きではないらしく、後ろを振り向いて笑顔になる(2枚目の写真)。その視線の先にあったのがペレ。ペレは、自分が憧れのアマンダに選ばれたと思い込み、信じられない幸運に笑顔でアマンダを見て(3枚目の写真)、立ち上がろうとする。しかし、アマンダの目はペレなど見ておらず、彼の1つ後ろの席に座っている女生徒が立ち上がってアマンダの方に歩いて行く。それを見て、ペレはがっかりして座る〔このあと、“発表” や “パートナー” の話は二度と出て来ないので、このシーンのためだけの設定〕
  
  
  

放課後、ペレは、2階の屋上の隅の煉瓦壁にもたれかかり、一人寂しくリンゴで遊びながら無駄な時を過ごしている(1枚目の写真)。遠くでは、迎えにきた高級車にアマンダとイーダが乗り込むのが見える。ペレがリンゴを齧り始めると、誰かが虐められている声が聞こえるので、屋上の隅まで行って様子を窺う。すると、如何にも虐められそうな少年が、上級生2人にリュックの中身を校庭にぶちまけられ、「こいつ、コミックなんか一杯持ち歩いてるぞ」とからかわれる。それを見たペレは、齧ったリンゴを上級生の1人の頭に投げつける。ペレの姿は上級生には見えないので、「誰が投げやがった?」と見回し、その間に虐められた少年はコミックブックを回収する(2枚目の写真、矢印はヒーローコミックオタクのウィルヘルム)。ところが、ペレは 危ない場所に横たわっているのが教師に見つかり、「こら! そこに行くなと何度言わせるんだ!」と怒鳴られ、立ち上がる。そこで、上級生に誰がリンゴをぶつけたか知られてしまい、1人が 「ノーマン、きさまは もう終わりだ!」と叫ぶ。それからは、住宅街の道路の真ん中を必死に走って逃げるペレと、それを追う2人の悪辣同級生の競争(3枚目の写真)。ペレは走るのが早く、悪辣上級生は追いつけない〔この2人は、『アントボーイ 2』で、もっと悪役になる〕
  
  
  

ペレは、先に角を曲がり、茂った生垣の中に逃げ込む。2人が話しを交わす。「ゲムコー婆(ばばあ)の家へ入った? まさか」。「確かか?」。「俺も婆が怖い」。「ゾンビ魔女が怖いんか?」。「うるさいな。あっちを見てみるぞ」。ペレがその話を、じっと聞いている間に(1枚目の写真)、一匹の蟻が足から這い上がり始める。2人がいなくなると、ペレは 自分が逃げ込んだ場所を恐る恐る探索してみる。家が正面に見える位置まで来た時、蟻が首筋まで這い上がり(2枚目の写真)、噛みつく。ペレは痛くて蟻を手に取って見るが、すぐに気を失い、その場に倒れ込む(3枚目の写真)。しばらくすると、朦朧とした目に、誰かが歩いて目の前までやってくるのが見えるが、やがて完全に気を失う。辺りが真っ暗になり、足元に落ちた携帯の呼び出し音でペレは意識が戻る。ペレはゆっくりと歩いて自宅に向かう。母に 「どこにいたの?」と訊かれたので、「外で遊んでた。学校の友だちと」と嘘をつき、「夕食を食べて」と言われると、「お腹空いてない。ベッドに行くよ。お休みなさい」と言って部屋に行く。そして、リュックを床に落とすと、服を着たままベッドに倒れ込む。夜中に目が覚めたペレは、半分意識がない状態で1階のキッチンに行くと、冷蔵庫を開け、甘い物をむしゃぶるように食べ、再びベッドに倒れ込む。
  
  
  

朝になり目を覚ましたペレが、洗面の前まで行くと、口の周りにお菓子の食べかすがべっとり付いているのでびっくりする(1枚目の写真)。そのままキッチンに行くと、TVでは、昨夜エキソファームに強盗が入り、大量の蚤(ノミ)が盗まれたと現場中継をしていて、アマンダとイーダの父が、責任者として、普通の蚤なので安心するよう(後で分かるが)嘘を付いている。一方、ペレは、牛乳パックを掴んでシリアルにかけ終わり、パックをテーブルに置こうとして、糊で貼り付いたように手から離れないので困ってしまう(2枚目の写真)〔解説に書いたように、起こり得ない〕。左手で引っ張って剥がし取ると、今度は、左手から離れなくなってしまう。結局、父にパックを渡すことで取ってもらう。その時、母が、「砂糖がないわ。1袋買ったのに」と不思議がる。その直後、ペレがオレンジースの入ったガラスコップを掴んで10cm持ち上げたところで、ガラスが粉々に飛び散る(3枚目の写真)〔ペレの握力の強さを見せたかったのだろうが、①なぜ10cmに上がる前に割れなかった? ②なぜ紙パックは凹まなかった? という疑問が残る〕
  
  
  

学校に走って行ったペレは、廊下でも不安のあまり前を見ずに走っていたため、昨日虐められていた少年(ウィルヘルム)にぶつかる。ウィルヘルムは、リンゴをぶつけて助けてくれたのがペレだとは知らないので、「おい、気をつけろ!」と文句を言う。ペレは、廊下に落ちたコミックブックを拾うと、「ごめん。ドナルド・ダック落としたよ」と言って渡す。ウィルヘルムは、「ドナルド・ダック? バカじゃないのか? これはスパイダーマンだ」と言って、立ち去ろうとする。彼が後ろを向いた時、ペレはドアを開けようとして、ドアノブを周辺の木片ごと引き抜いてしまう(1枚目の写真)。振り返ってそれを見たウィルヘルムは、その凄い力にびっくりする(2枚目の写真)。その日は、ペレとウィルヘルムが参加する体育の授業があり、体育館での授業中もウィルヘルムはペレをじっと見ている。教師は、軍隊でマーシャルアーツが自分を「強固な戦闘マシン」に変えたと言い、ハイパートレーニング棒(樹脂棒の両端にラバーフォームの付いた長さ1.8mほどの棒)を使って、自分の相手をしてみようとする生徒を1人募る。ペレ以外の全員が手を上げる(3枚目の写真)。
  
  
  

意地悪な体育教師は、ペレを指名し、無理矢理相手をさせる。最初、ペレはやられっ放しになっていたが、「まるでやる気がない」と貶されたため、本気になってしまう。すると、教師が全力で叩き込んだ棒を平然と受け止め、教師が全力で押してもびくともしない(1枚目の写真)。それを見たウィルヘルムは、驚愕する。そして、その次の攻撃で、ペレは、棒の先端のラバーフォームで教師の体を一撃し(2枚目の写真)、教師は、体育館の端まで滑走させられる(3枚目の写真)。自分のやったことが怖くなったペレは、棒を投げ出して体育館から逃げ出す。
  
  
  

ペレが家に向かって歩いて行くと、ウィルヘルムが走って追いつき、「おい、あれどうやったんだ?」と熱心に訊く(1枚目の写真)。ペレが、気がない様子で、「何?」と訊くと、「カーステンさ。どうやって、あんなに強くなった? それにドアを壊したろ。どこから あんなパワーを手に入れた? 政府の秘密実験? 雷に打たれた? ミュータント? 放射能を持った蜘蛛に刺された?」。ペレはすべて否定する。それでも、ウィルヘルムは、「君がスーパーヒーローだって、誰にも言わないから」と言って、スーパーヒーローコミックを1冊渡し、ペレを羨ましがる。一方、ペレの方は、ウィルヘルムの聞きたくない話より、昨日侵入した家の前で、脚の悪い太った男が、たくさんの袋をトラックから降ろしているのに気を取られている。その男はペレを睨みつけるので、ペレは男が自分のことを嫌っている理由が分からない(2枚目の写真)。ペレはあの時朦朧としていたので、自分の前に現れたのかもしれない誰かの顔など識別できないので、「何なんだろう」というような顔で男を見ている(3枚目の写真)。ウィルヘルムは、自分を無視するペレに腹を立て、ペレを自分の方に向けさせると、「おい、自分がどれほどラッキーなのか、分かってんのか?!」と強弁するが、ペレは、「ほっといてよ」とすげなく言って去って行く。
  
  
  

家に帰り、ベッドに横になったペレは、クラスの集合写真を取り出して、憧れのアマンダを見てみる、そして、ウィルヘルムが渡したコミックを見ると、自分がスーパーヒーローになり、縫いぐるみのクマを敵の悪者にして、アマンダを奪われたり、救ったりするスーパーヒーローごっこを始める(1枚目の写真)。そして、殴ったり殴られたりするフリをしてじゃれ合っているうちに、クマを壁に押し付け、思いきり叩くと、握りこぶしが壁を突き破って、電気掃除機をかけている母の近くに飛び出る(2枚目の写真)〔掃除機の音が大きくても。母がなぜ気付かないのかは不思議〕。ペレが腕を壁から引き抜くと、腕はクマの人形も貫通していた(3枚目の写真、矢印)。それを見たペレは、自分が怖くなる。
  
  
  

翌日の放課後、ペレは校庭の隅でスーパーコミックを読んでいるウィルヘルムの前まで行くと、「アリなんだ」と打ち明ける。「アリにかまれた」。それを聞いたウィルヘルムは、「最高にぶっ飛んだ話だな」と大興奮。「助けてくれる?」。ウィルヘルムにとっては願ってもないことなので、「もちろんさ」と大喜び。さっそく、自転車を押して〔ペレが徒歩なので〕自宅に向かう。ウィルヘルムの部屋は、整理整頓が行き届いていて、スーパーヒーローのフィギュアが立派なガラス棚に10個飾られている。ウィルヘルムは、スーパーヒーローとしてのペレの能力と弱点を見つけるたいので、「君のパワーをテストするため、明日は学校をサボろう」とまで言う。ペレが、「アリの弱点は?」と訊くと、ウィルヘルムはさっそくパソコンで蟻について調べ始める。最初のサイトが、兵隊蟻の顎の強さに言及していたので、ウィルヘルムは、硬い表紙の本を1冊持って来て、「齧ってみて」と渡す。ペレは、如何にも硬そうな表紙なので躊躇するが、それでもウィルヘルムが強く主張すると、ペレは難なく本を噛み切り、自分でもびっくりする(1枚目の写真、矢印)。次は、「蟻は視力が弱く、嗅覚に頼っているので、非常に遠く離れた場所の匂いを認識できます」との解説を読み、ペレに目隠しさせ、チョコケーキ、青カビチーズで実験し、結果はYES。次のテストは飛行。ウィルヘルムが見たサイトには、「一部のオスは好条件下で飛行することができます」と書いてあるが、これはあまり正しくない。ナショナル・ジオグラフィーを始めとする色々なサイトでは、「アリが空に飛び立つのは、女王アリがさまざまなコロニーの雄と交尾し、自分たちの新しい巣を築くため」となっていて、常に飛べるわけではない。ペレは、背中と腕と脚の関節にクッションを付けさせられ、ヘルメットを被って2階から飛び降りるよう強いられるが(2枚目の写真、矢印)、そのまま垂直に落下。よくケガしなかったと不思議〔首の骨や足首を折ってたかも〕。そのあとは、ウィルヘルムがミシンで縫ったいろいろなコスチュームの試着。しかし、布を縫っただけでは、まともなコスチュームはできない。そこで、コスチュームのオーダーメイドのサイトにアクセスして注文。最後は、学校のトイレで。ペレが小便器にむけておしっこをすると、便器の下の樹脂の部分が解けて壊れてしまう(3枚目の写真)〔解説にも書いたが、蟻酸のpHレベルは最高で2。便器掃除用の強酸性洗剤も同程度なので、便器が壊れるハズがない。それに、これはペレが蟻に噛まれてから4日目。2日目(自宅と学校)、3日目(ウィリアムの家と自宅)では、なぜ同じことが起きなかった?〕
  
  
  

スーツは発注品〔複雑な突起や模様をどう注文した?〕だが、マスクはウィルヘルムが頭部模型〔ペレの頭部に合わせてどうやって作った?〕の上に、粘土を貼り付けて作った平坦な物〔それだけしか映画では映らない〕。後者から、どうやって強靭で触覚のあるマスクを作ったのかは永遠の謎。ウィルヘルムは、完成したコスチュームをペレの前で披露する(1枚目の写真)。2人は、ショッピングモール(?)の駐車場に行き、盗難事件が起きないか見張りながら、スーパーヒーローの名前を考える。ペレの最初の提案は、「Myremennesket(アントマン)は?」。「『助けて、ミリオンネンスクル』じゃ、バカみたいだ」。「Myremennesketの英語は?」。「アントマン。もういるよ」〔アントマンのスーツやマスクには、蟻らしさが微塵もないし、色も真っ黒どころか赤が基調。アントボーイのコスチュームの方が、遥かに優れている〕「それに、君は子供だろ」。「じゃあ、アントボーイ〔英語〕は?」(2枚目の写真)。「もっといいのが見つかるまで、それにしとこう」。かくして名前は決まるが、ちっとも犯罪が起きないので、ペレの代わりにウィルヘルムがキャンディーを買いに行く。そして、ペレが1人になった時、目の前で、買い物から帰って来た女性のバッグが男にひったくられる(3枚目の写真、矢印はバッグ)。ペレは、着ていたジャンバーを脱いでスーツ姿になると、男を追いかける。
  
  
  

男が駐車場の外で、盗んだ物を確認していると、そこにアントボーイが現われて、「盗んじゃダメだ」と声をかける。しかし、それが、変なコスチュームを着た小さな子供から発せられた言葉だと分かると、男は笑い出し、「マルディグラ〔告解火曜日〕の仮装パーティにでも行けよ」とバカにする(1枚目の写真)。ペレは、弱々しく、「学校に戻って勉強し直した方がいいよ。欠席なんかせずに」と注意するが、子供にそんなことを言われて腹を立てた男は、ペレに向かって行く。壁際に追い詰められたペレは、両手を壁に付けて這い上がり始める。どんどん高くまで上がるので(2枚目の写真)、男はびっくりする。男は怖くなって逃げ出し、ペレは飛び降りて男に襲い掛かる。そして、「お前は何なんだ?」と訊かれると、ペレは男を仰向けにして襟を掴むと(3枚目の写真)、「僕はアントボーイだ」と 力強く言う。女性の通報で駆け付けたパトカーに捕まった男は、アントボーイの名を言い、これが世間にその名が伝わった最初の事例となる。そこにウィルヘルムが戻ってきて、もうスーパーヒーローになったことに驚くが、ペレは、壁に登れたことを示そうと、近くの壁に登って見せようとするが、今度は手が貼り付かない。それを聞いたウィルヘルムは、ペレを部屋に連れて行くと、ミシンを使って、糖分補給用のチョコレートを入れておくベルトを作ってペレに装着させる。さらに、スマホを入れるホルスターと、耳に付ける受信装置も渡す。
  
  
  

TVでは、女性キャスターが 「一体誰なんでしょう? 昨日の朝、スーパーヒーローのコスチュームをまとった少年が、大破した車から男性を救出し、ミドルロンの住民の興味の的になっています」と話し、その直後に、アントボーイが車を放り投げるシーンが映る(1枚目の写真)。地元新聞 「ミドルロン・ニュース」の一面は、「アンボーイは誰?」。そして、次のTVニュースは、アントボーイが火災に遭った家から赤ちゃんを救い出す映像〔蟻と火災と何か関係が?〕。そして、TVの映像は誇らしげに その家の玄関に立つアントボーイに変わる(2枚目の写真、矢印は救い出した赤ちゃん)。ここで、ペレのナレーション。「生まれて初めて、僕は注目の的になった」。その次に映る「ミドルロン新聞」の一面の標題は、「女の子はアントボーイが大好き」(3枚目の写真)。そのあと、TVでは女の子たちへのインタビューが流れ、アントボーイの人形を持った女の子が、「すごくカッコいい!」「大好きよ!」などと叫ぶ。「僕はもう、ただのペレじゃない。アントボーイだ!」。学校には、「ミュージカル・アントボーイ」のポスターもあれば、アントボーイのコスプレの男の子まで現れる。
  
  
  

ある日の夜、アマンダが、アントボーイの写真をきれいに飾り立てていると、突然風が吹き込み、彼女が驚いて振り向くと、気味の悪いコスチュームをまとった太った男が立っていたので、悲鳴を上げる。それを聞いたイーダが駆け付けると、ちょうど、姉が怪物に連れ去られるところだった(1枚目の写真、矢印はアマンダ)。そこは、2階のベランダへの出口だったが、怪物は、アマンダを抱いたまま、空に向かって飛び上がって消える。残されたものは、地面に落ちていたアマンダのネックレスのみ。翌日の授業で、教師は、生徒達に アマンダとイーダが欠席だと知らせる。すると、外から、「誰が助けて! 落ちちゃう!」という叫び声が聞こえ、生徒達が窓を開けて外を見ると、何と、屋上のトイに少女がつかまっていた。さっそくアントボーイが壁を高速で這い上がって助けに行く(2枚目の写真、矢印)。ペレが少女を助けて屋根裏部屋に入れると、“少女” は人形だった。ペレが、何事かと人形を見下ろしていると、横の方で、「アントボーイ」と呼ぶ声がする。ペレが振り向くと、そこにいたのは、イーダ。彼女は、「アントボーイ、どうしても あなたに会う必要があったの」と弁解する。そして、ペレが近くまで行くと、スマホを取り出し、「今朝、父がこのビデオを受け取ったのよ」と言い、映像を再生する。「ソーマスター社長。俺は、お前の可愛い娘を預かってる。俺はロプン(蚤)だ。同じ発音の蚤と同じで、俺を駆除することはできん。だから、法に頼って時間を無駄にするな。要求は単純だ。印のついてない札で2000万クローネ〔2012年の約3億円〕用意しろ」(3枚目の写真)「そして、エキソファームの社長を辞任するんだ」。ペレは、「この男、誰?」と訊く。「知らないわ」。「お父さん、払えないの?」。「金持ちじゃない」。「彼女を助けるのは、スーパーヒーローの役目じゃなくて?」。それを聞いたペレは、うっかり失言をしてしまう。「分かった。心配しないで。僕とウィルヘルムで見つけ出すよ」。
  
  
  

この失言で、ペレは、ウィルヘルムの家までイーダを連れて行かざるをえなくなる。ウィルヘルムは、ペレの愚かさを咎めるが、イーダは 「何て子供っぽいの? 深刻な事態なのよ! あなたって、なんてケチな相棒なの」と、ウィルヘルムを非難する。この言葉で、今度は、ウィルヘルムを加えて、ロプンから送られてきたビデオを、パソコンで見る。映像には続きがあり、「お前には48時間やる。もう一度、娘に会いたいのなら、時間を有効に使え。さもないと、お前の代わりに娘の血を吸ってやる」という怖いもの(1枚目の写真)。ウィルヘルムは、援助の手を差し伸べることに疑問を呈するが、ペレは 「お父さんに敵はいた?」とイーダに尋ねる。「嫌ってる人は何人かいたわ」。「会社では、どんな薬を作ってるの?」。「ワクチン。でも、他にも研究を」。「どんな?」。「秘密なの。パパは、重病人を助けるためだと言ってた」。イーダは、地面に落ちていたアマンダのペンダントを持っていたが、ペレは、その匂いがアマンダのものだと気付く。ウィルヘルムは、ペレを自転車に乗せ、ペレは、ペンダントと同じ匂いがする方にウィルヘルムを誘導する(2枚目の写真、矢印)〔イーダは、別の自転車で同行する〕。そして、終着点は、以前、ペレが蟻に噛まれたゲムコーの家。ペレは、2人から、ゲムコーの婆にまつわる怖い話を聞かされるが、スーパーヒーローになってから備わった勇敢さで、以前やったように庭に入って行く。家の地下室に入って行くドアには厳重な南京錠がかかっていたが、おしっこをかけて溶かす〔強酸なら溶かすことは可能〕。半地下室は、雑木が茂る一種の温室になっていて、一部には、何かを研究するための道具類も置いてある。そして、一番奥にあった大きな幕の中に、2つのガラスの箱が置いてあり、その片方にアマンダが閉じ込められていた。ペレは、すぐに近くまで行き 話しかけるが、密閉度が高くて何も聞こえない(3枚目の写真)〔完全密閉で こんなに狭いと、CO2中毒で死亡するのでは?〕
  
  
  

すると変な音がして、ペレが何だろうとミランダから離れて移動すると、上から怪物がペレの目の前に降ってくる(1枚目の写真)。びっくりしたペレは、開いていたガラスの箱の中に押し入れられ、瞬間的に前面のガラスが滑り降りて来て(2枚目の写真、矢印の方向に落下)、完全に閉じ込められる。男(アルバート)は、「遂に会えたな」と言うと、なぜかソーマスター社長が如何に悪い人物だったかを話し始める。①アルバートは、エキソファームの生化学者で、画期的な研究をしていた。それは、フォーミカ・アケローニアという特殊な蟻を使った研究で、命に関わる病気を治療できる抗体を持っていた。②アルバートは末期癌の母に開発したヘラクレス血清を注射すると、腫瘍はどんどん小さくなった。③しかし、社長はなぜか予算の削減を始め、なぜかアルバートの研究が最初のターゲットとなり、解雇された。④なぜか母は死に、アルバートは復讐を誓い、吸血蚤を使い、自分の歩き辛い脚を直し、新たな力を与える別の血清を開発した。⑤こうして、ペレのように遺伝子改造されてロプンとなったアルバートは、ペレが砂糖がないと普通の人間に戻るように、新たな血を常に体に入れていないと普通の人間に戻ってしまう。というストーリーだった〔この話で、奇妙なのは 「なぜか」と書いたように、(a)癌も容易に治癒できる薬の開発を、製薬会社がなぜ一番に止めたのか? これは100%納得できない。(b)アルバートの母はなぜ死んだのか? ペレが一度アントマンになったら、そして、アルバートが一度ロプンなったら、元には戻らないのに、同じような血清を打ったのに、なぜ母だけ癌が再発して死んだのか? これも100%納得できない。(c)そもそも、アルバートはなぜペレにこんな話を打ち明けたのか? 特に、自分の欠点を話すことは致命的なので、これも100%納得できない〕。こうして、長い話が終わる頃、恐らくイーダが呼んだ警察が到着する。パトカーのサイレンの音を聞いたアルバートは、「また会おう」と言って姿を消し、家の前でパトカーと鉢合わせし(3枚目の写真、矢印)、そのまま蚤のように大ジャンプして森の中に消える。
  
  
  

ペレは、警察がガラス箱の鉄枠を機械で切断している間に、ロプンから与えられた恐怖について独白する。「僕のことなど気にも留めない人たちのために、なぜ命を危険にさらすんだ? 僕は、おっきくて強くて愛されたいと夢見ただけの、ちっぽけなアリにすぎなかった。そして、その夢は、今、終わっちゃった。僕は、ペレ・ノーマンに戻り、アントボーイのことなんか忘れよう」。その直後、ペレの部屋で、弱気になったペレと ウィルヘルムが口論になる。「アマンダを救えなかった」。「何言ってる。ロプンは逃走中で、アマンダは無事だったろ」。「僕がやったんじゃない。ロプンにまるで敵(かな)わななかった」(1枚目の写真)。「ロプンが逃走中である限り、僕らは止めるわけにはいかない」。「ロプンと戦いたいなら、君がアントボーイになれよ!」。ウィルヘルムは、「そりゃいい」と言うと、アントボーイのマスクを持ち去る。翌日、ペレが授業を受けていると、爆発音がして教室が揺れる。生徒達は悲鳴を上げて教室から逃げ出す(2枚目の写真、矢印はペレ、ワザと斜めに撮影している)。生徒達が逃げる廊下にも爆発が起きる。それを茫然と見ていたペレに、ウィルヘルムが駆け寄り、「ペレ、ロプンが学校を襲ってる」と助けを求めるが(3枚目の写真)、ペレは 「警察に任せりゃいい」と言うと、廊下を走って逃げて行く。
  
  
  

それを見たウィルヘルムは、何とかしなくちゃと決心し、学校の戸棚から殺虫剤のスプレーを2本持ち出すと、家から持って来たアントボーイのマスクを被り〔服はそのまま〕、廊下を恐る恐る歩いて行く。そして、戸棚に隠れていた小さな女の子に、逃げ出すよう指示する。すると、しばらくして壁をぶち破ってロプンが現われ、ウィルヘルムを実験室に連れ込む。校庭に逃れていたペレは、女の子が 「アントボーイが助けてくれた」と言いながら逃げ出してきたのを見て、ウィルヘルムのことが心配になり、再び校舎に入って行く。そして、次から次に、部屋を探すうち、ミュージカル用に作られたアントボーイのコスチュームが掛けてあるのを見つけ、本物ではないにしろ着込む。そして、ロプンがウィルヘルムをアントボーイと勘違いして恫喝している所に入って行くと、「スーパーヴィラン〔アメコミの悪役キャラクター〕の欠点を知ってるか? 奴らは話し過ぎるんだ」と言い(1枚目の写真、矢印はウィルヘルム)、ロプンは相手が間違っていたことを知り、ウィルヘルムのマスクを外すと、ウィルヘルムは、「あんたは、これまで会った中で最も愚かな天才だ」とニヤニヤし、ペレは 「失敗だったな、ゲムコー」と強気の発言。ロプンは、ウィルヘルムを逃げられないように掴む。ペレは 「友だちを放せ! さもないとノミなんか駆除してやるぞ!」と怒鳴る(2枚目の写真)。しかし、ミュージカルのコスチュームにはチョコレートは入っていない。朝から何も糖分を摂取していないペレは、一方的にやられるが、廊下にあった自販機で甘いジュースを飲むと力が戻り、それを見たロプンは、ウィルヘルムを連れたまま森に向かってジャンプする(3枚目の写真)〔こんな図体の大きなロプンが、なぜアントボーイから逃げるのだろう?〕
  
  
  

ペレは、校庭の脇に停めてあった自転車の盗難防止用の鎖を歯で噛みちぎると、その自転車で森に向かう。道路の脇にウィルヘルムの眼鏡が落ちていたので、ペレはその匂いを頼りに森の中に入って行き、ウィルヘルムが口にテープを貼られ、木に縛り付けられている場所まで駆け付ける(1枚目の写真)。しかし、それはロプンが仕掛けた罠で、すぐに、空から、「アントボーイ」と呼ぶ声が聞こえる。「お前のアキレス腱は砂糖への渇望だと思っていたが、お前の弱点は人間どもだ」。その声と共に、ロプンがペレとウィルヘルムの間に飛び降りてくると、ペレを遥か遠くに突き飛ばし、ウィルヘルムは逃げ出す。ペレは気絶していたが、ウィルヘルムからのスマホで意識を取り戻す。そして、ロプンが近づいてくるのを感じて、「考えがある」と伝える〔この時点で、内容は分からない〕。ロプンは、窪みの中にうつ伏せに倒れているアントボーイを見つけると、そこに飛び降りて、マスクを手に取る〔そこにあったのは、マスクとマントのみ〕。すると、「ゲムコー」と呼ぶ声が聞こえたので、ロプンが顔を上げると、数十メートル先に、マスクなしで、黒スーツのみのペレが立っていた(2枚目の写真は、ペレから見たロプン)。ロプンは、「この蟻んこ。哀れなチビの弱虫のために、そんなに危険を冒(おか)したいか?」。「『哀れなチビの弱虫』は、僕の友だちだ」。「無限の力を持っているのに、友情に何の意味がある?」〔ロプンは、なぜアントボーイを嫌っているのかがまず分からないし、この先、彼をどうしたいのかも分からない。さっさと殺したいのなら、「無限の力を持っているのに、友情に何の意味がある?」などと言う必要はない。この表現には、アントボーイを仲間にしたいような下心さえ感じさせ、観客をミスディレクトする〕。「ロプン、お前は思ってるほど強くない。かかって来いよ、害虫め」。こうした長い会話の間に、ウィルヘルムがこっそりロプンの背後から近づく。カメラが映すのは、ノミ男の力を源となる血液を供給するプラスチックの管(3枚目の写真、矢印)。この直後、ウィルヘルムは気付かれないように、管を外し、血は垂れ流しとなる〔これが、「考えがある」の内容〕
  
  
  

ペレはチョコレートを食べて力を付けると(1枚目の写真)、血を失って力も消えたゲムコーを思い切り突き飛ばして、幹に激突させる。ゲムコーは何とか立ち上がろうとするが、元に戻った悪い脚では うまく歩けない(2枚目の写真)。ペレは、「ゲムコー、自分の弱点は知ってるだろ? 血のタンクは空で、助けてくれる友だちもいない。負けたんだ。あきらめろ」と呼びかける。それでも、ゲムコーは、「やなこった」と、脚をひきずってペレに近づいてくる。ペレはゲムコーを頭上に担ぎ上げると、「アリは自分の体重の50倍もの物を持ち上げられるって知ってたか?」と言い(3枚目の写真)、ゲムコーを投げ捨て、彼は勢い余って、斜面を転がり落ちて行き、幹にぶつかって気絶する。この場面は、ゲムコーが、アマンダ誘拐と学校襲撃の罪で逮捕されるTVニュースで終わる。インタビューを受けたソーマスター社長は、「我らがアントボーイ、本当にありがとう!」と感謝の言葉を捧げる〔しかし、この社長が、ゲムコーが言っていたような悪漢なら、正義の味方のスーパーヒーローらしくない〕
  
  
  

その夜、アマンダが鏡の前に座って口紅を塗っていると、アントボーイが入ってきて、「これからは窓を閉めておかないと。用心のためにね」と注意する。それを見たアマンダは、笑顔になり、アントボーイの前に行くと、「来て欲しかったわ。お礼を言いたくて」と言い、キスしてもらえるように、目を閉じて唇を突き出す(1枚目の写真)。以前は、アマンダに憧れていたペレだったが、「イーダいる?」と訊く。その言葉に、アマンダは衝撃を受けて、「イーダ?!」と訊く。ペレは、「ここに来たのは、君にこれを返すためさ」と、ネックレスを渡す。アマンダは、再度、「イーダ?!」と訊き、ペレは、「君の妹の」と答える。アマンダの声があまりに大きかったので、イーダが 「何なの?」と現れる。アマンダは 「お客よ」とすげなく言って、さっさと部屋を出て行く。イーダは、仲間の1人なので、「ここで、何してるの?」と訊く。「手伝ってくれたお礼を言いに」。「それを言うべきなのは、私の方よ。あなたって、すごくカッコいいわ。ペレ・ノーマン」(2枚目の写真)。自分が誰だか知られていないと思ったペレはびっくりする。イーダは、「私が知らないと思ってたの? 気付かない方が変なのよ。心配しないで。誰にも言わない」。そうは言われても、バレてしまった衝撃は大きく、ペレは早々に立ち去ろうとする。すると、イーダは、「ペレ、待って。友だちになれない?」と声をかけ、それを聞いたペレは笑顔になり、「じゃあ、また明日ね、イーダ」と言ってベランダから消える(3枚目の写真)。映画の最後は、翌日、ペレとウィルヘルムとイーダの3人が揃って出かけ(4枚目の写真)、ペレの 「嬉しいことに、僕一人で世界を救うことはできない」という言葉で終わる。
  
  
  
  

   の先頭に戻る              の先頭に戻る
 デンマーク の先頭に戻る          2010年代前半 の先頭に戻る