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Antboy 3 アントボーイ 3

デンマーク映画 (2016)

アントボーイ 3』に関する情報はほとんどない。困ったことにデンマーク語の字幕も存在しない。興行収入も、前2作の半分以下なので、あまり評価されなかったせいかもしれない。確かに3作の中では、アントボーイの銅像があり得ないほどひどい、新しいヒーローの正体があまりに非現実的、❸ エキソファーム社のCEOが唯一の悪役だがあまりに安っぽい、など評価を受けにくい面が多い。それでも、『アントボーイ』シリーズ3作の最後を飾るという意味では、ラストは静かで、無理なく、気持ちよく終わっていて、スーパーヒーロー物のラストとしては最高に近い(ハリウッドのようなギラギラ感が全くない)。

高校最後の夏休みとなり、ペレとイーダとは、秋からの進学に同じ全寮制の学校を選んだ。それほど、2人の仲は親密となっていた。全寮制の学校はミドルロンの町にはなく、そこに進学するということは、ペレが3年間続けてきたミドルロンの守護者をやめることにもなり、そのことはウィルヘルムにも打ち明けられないでいた。そのころ、ミドルロンとその周辺の町に、新たなスーパーヒーローらしき存在が現われた。本人が名乗らないので、“名もなきヒーロー” と呼ぶしかない不思議な存在で、アントボーイと競い、凌駕しようと努めているようにも見える。世間の評価や人気度も高く、アントボーイは嫉妬さえ覚える。それは、アントボーイの貢献に感謝して建てられた銅像のあまりにひどい出来栄えが、嘲笑の対象となったことで加速される。そして、同じ頃、3年前にアントボーイの活躍で精神病院の独房に収監されたロプンことゲムコーが、医師の判断で早々と解放され帰宅したことも、ペレにショックを与えた。ここで、映画の雰囲気ががらりと変わり、エキソファームの新CEOが妄想的で邪悪な発想から、兵器に転用できる外骨格ロボットの開発がうまく進まないので、兵士を強靭化できるヘラクレス血清に目を付け、ゲムコーを熱心に会社に迎え入れようとする。CEOの嘘の目的を信じて入社したゲムコーだったが、最初の血清を作り上げた時、CEOの本当の目的を知ってしまい、即座に退社する。しかし、“名もなきヒーロー” はCEOの悪事に最初から注意を払っていて、ゲムコーを助けるが、対抗意識があり、しかも、ゲムコーを疑いの目で見ているペレは、なかなか真相に気付かない。その間にも、ペレとイーダが新学校へ出発する日は近づいてくる…

ペレ・ノーマン役のオスカー・ディーツ(Oscar Dietz)は、『アントボーイ 2』の時より2歳年上の15歳になっている。以前の2作と違い、背が伸び、何となくスーパーヒーローっぽくなった。逆に、“アント(蟻)” らしい弱さがなくなり、1と2の方が、他に例のないスーパーヒーローで、面白かったとも言える。

あらすじ

ミドルロン・ラジオのモーニング放送で目が覚めたペレは、“2年前にフーリェによってバラバラにされたテディベア” を何とか元に戻した “15歳にしては珍しい愛玩人形” に対し、「お早う、テディ」と声をかけると、ニコニコしながら歯を磨き始める(1枚目の写真)。そして、観客に向かってナレーションが入る。「君たちが何を考えてるかぐらい分かるぞ。『あのニヤニヤしてるバカは誰だ?』 だろ。僕はペレ・ノーマン。ミドルロン高校の9年生〔義務教育最後の年。日本で言えば中学3年生〕だと みんな思ってる。犯罪者をやっつけるスーパーヒーローのアントボーイだと知ってる人もいるけど」。ペレがキッチンに下りて行くと、両親が朝食中〔これほど存在感のない両親も珍しい〕。その時、TVの朝のニュースで、アナウンサーが 「3年前に現れたスーパーヒーローのアントボーイのお陰で、ミドルロンの犯罪率は急速に減少しました。そこで、町は、アントボーイの功績を讃えるため、エキソファームと提携して銅像を建てることにしました」と話す(2枚目の写真)。それを聞いた父は、「銅像だと? 税金の無駄使いだ」とひどいことを言うが、母は、「アントボーイのミドルロンへの貢献からして当然だわ」とまともな意見を述べ、ペレも 「そうだね」と笑顔で応える(3枚目の写真)。
  
  
  

ペレはさっそくイーダの家に行き、壁を登って窓まで行くと、中で髪を梳いているイーダを見て笑顔になる。すると、下の庭でペレを見つけた犬が吠え始め、何事かとイーダが窓を開けたので、ペレはそのまま落下。幸い花壇の真ん中だったので、ケガをせずに済んだ。イーダが、「ドアから入ればいいのに」と言うと、ペレは、「僕の銅像のこと聞いた?」と訊き、イーダも笑顔になる。その後、2人は公園でデートし、アイスクリーム・スタンドで2個買うが、買ったばかりのアイスクリームを落として泣いている小さな子を見たペレは、また食べてない自分のアイスクリームをその子に譲る。それを見たイーダは、「私のを一緒に食べる?」と訊き、ペレは、「どんな味?」と訊き返す。「イチゴとルバーブ。試したい?」。ペレは、アイスクリームを受け取ると舐めてみて返す(2枚目の写真、矢印)〔2人の親密度が分かる〕。その直後、イーダは 「寄宿学校から連絡あった?」とペレに訊く。「ううん、まだ。君は?」。「今日、手紙が来たわ」。「どんな?」。「単なる情報。二学期に一緒にスキーに行けるわ。両親なしで」。その時、ウィルヘルムから電話が入り、後で掛け直すことにする。イーダは、「寄宿学校のこと、彼に話した?」と訊く。「ううん、まだ」(3枚目の写真)〔2人は、アントボーイがミドルロンからいなくなることを、ウィルヘルムに内緒にしていた〕
  
  
  

ウィルヘルムがペレの部屋にやってきて、時計と、警察無線の傍聴を兼ねた腕バンドを渡す。そして、緊急時には、側面を2回押せば、お互いに連絡も取れると教える。その時、ウィルヘルムのスマホにマリアの写真が送られてくる。ウィルヘルムと仲良くなったマリアはドイツに行ってしまい、フーリェがアントボーイを助けることが できなくなっている。ペレは、「ミドルロンには、もうスーパーヒーローは要らないよ。イーダは、寄宿学校に行く。僕、いろいろ考えたんだけど、彼女と一緒に行くことに決めたんだ」と、遂に打ち明ける(1枚目の写真)。ウィルヘルムは、「何だって?」と愕然とする。「イーダと一緒に参観日に行ってみたら、すごく面白かった。映画や写真を撮ったり、いろんな作業室もあるし、カヤックやフェンシングだってやれる上に、ガラス吹きまでできるんだ」。これに対し、ウィルヘルムも意外なことを言い出す。そして、「僕も、寄宿学校に行くんだ。入学資格はすごく厳しい」(2枚目の写真)「僕、もう行くぞ。勉強しないと」と言うと、出て行ってしまう。
  
  

しばらくすると、ウィルヘルムにもらったばかりの腕バンドに、警察無線で強盗が倉庫を襲っているという情報が入る(1枚目の写真)。ペレが、しばらく使うのをやめようと思っていたアントボーイのコスチュームを付けて倉庫に行くと、3人の泥棒がバンに中国製の商品を詰め込んでいた。そこにアントボーイが登場して、チョコレートを齧る。ペレが、3人を捕まえる前に、愚かな行為について ある意味無駄口を叩いていると(2枚目の写真)、急に倉庫の天井灯がすべて消え、ウィール〔輪〕に青いLEDの付いたスケボーだけがどこからとなくボスの前まで滑ってきて、ボスの背後を黒い影が連続宙返りで横切って行く。泥棒が何事かと慄いていると、1人がいきなり黒い人物にキックされて倒れる。そして、2人目と3人目も。そして、音声合成された声で、「アントボーイ、君は遅すぎる」と批判する(3枚目の写真、矢印は倒された泥棒)。「これからは、私の番だ」。「君は誰?」。返事はない。ペレは、匂いを嗅ぎ、「汗とレモン?」と、嗅いだことのない匂いに驚く。部屋に戻ったペレが、パソコンをつけると、「アントボーイは、未知の犯罪と闘うヒーローから挑戦を受けているようです。昨夜、名もなきヒーローが、ミドルロン、ヴィンメイルストロープ、ハッセルブーロフでの犯罪を阻止しました」と、ニュースを流している。
  
  
  

ここで、場面は一変し、3人の委員(精神科医)の前に連れて来られたゲムコーに対し、3年前に、窃盗、領空侵犯、誘拐、エキソファームのCEOに対する恐喝、ミドルロンの市有財産に与えた多大な損害の罪で精神病院に入院されられた状況を述べた後で、委員会が開催された理由は、ゲムコーの退院を検討するためだと告げる〔誘拐と中学校の破壊の罪が精神障害によるものと判断され、その強制入院が僅か3年で許されるとは信じ難い/そもそも、『アントボーイ 2』で、ゲムコーが入れられていた監獄が治療のための施設とはとても思えなかった〕。委員から、アントボーイについて、「入院させられた当時と同じように、彼に対して今も激しい憎しみを抱いているかね?」と訊かれたゲムコーは(1枚目の写真、矢印はゲムコー)、「エキソファームの解雇と、母の死に対する悲しみが私を道に迷わせました。今では、ひどく後悔しています。それに。私はアントボーイを憎んでいません。それどころか、ロプンが誰かをひどく傷つける前に私を止めてくれた彼に感謝しています。アントボーイがいなかったら、私が更生することはなかったと思います、博士」と、模範的な回答で退院を勝ち取る〔採決を待つ間、足元に寄って来た蟻をゲムコーがこっそり踏み潰すので、“アントボーイ憎し” は変わらない〕。退院したゲムコーが足を少し引きずりながら道路まで出て行くと〔入院させられていた場所の外観は、病院とはとても思えない奇妙な場所〕、停まっていた黒いリムジンのドアが開く。ゲムコーがドアの前まで歩いて行くと、エキソファームのCEOが会いたがっていると告げられる。ゲムコーが 「ソーマスター氏には、興味がないと伝えて下さい」と答えると、彼はもうCEOではないと言われたので、車に乗り込む。そして、車がエキソファームの本社ビルの前に着くと、セキュリティの責任者が出迎える(2枚目の写真)。彼はゲムコーのことを博士と呼び、「CEOがお持ちです」と告げる。その様子を、茂みの中から、“名もなきヒーロー” が窺っている。ゲムコーを待っていたのは、アリシア・デュフォルテという女性。2人はエレベーターに乗り、その際ゲムコーがソーマスターのことを尋ねると、アリシアは 彼女の父がエキソファームを買収したと話す。アリシアはゲムコーを地下の研究施設まで連れて行き、開発中の外骨格ロボットを見せ、障害者が再び自由に行動できるようにするため、あるいは、被災地の救助隊の活動力を増すためだと説明し、実演してみせる(3枚目の写真、①ゲムコー、②アリシア、③外骨格ロボットを装着した男)。この実演の時、アリシアのスマホに着信があり、それが原因となって、ロボットが暴走を始める。この失敗のあと、アリシアは、ゲムコーに多くの人を救うため、蚤に力を与えたヘラクレス血清を作って欲しいと頼み、断ったゲムコーに再検討を要請する。
  
  
  

そして、アントボーイの銅像の除幕式の日。集まったオタク少年少女の間では、アントボーイよりも、“名もなきヒーロー” の方が話題となっていて、ペレは面白くない。それでも、アリシアが現われ〔なぜ、市長が来ないのだろう?〕、アントボーイを称賛すると、一緒にいたペレとイーダは微笑む(1枚目の写真)。しかし、幕が取られると、そこに現れたのは、アントボーイとは似ても似つかぬ怪物(2枚目の写真)。2023年10月24日、ウィーン市は、アルプスから清涼な飲料水を市内に送るパイプラインHochquellen-Leitungの完成150 周年を祝って、Helmut-Zilk公園の入り口に、GELATIN がデザインした「WirWasser(私たちの水)」という噴水を180万ユーロかけて作った(3枚目の写真)。最初は、「これは芸術なのか、それとも消えてなくなるものなのか?」程度だったが、「笑いもの」「オーストリアで最も醜い噴水」となり、11月に入り、「世界最悪の噴水」「醜悪は邪悪だ」というような強い表現も現われ、遂に、日本の11月11日のYAHOO!ニュースのトップにも「2.9億円の『醜い』噴水に批判殺到 ウィーン」として登場した。何となく このアントボーイ像とよく似ている。アリシアは、「芸術には多様な表現があります」と誤魔化したが、出席者は笑い出し、ペレは悲しくなる(4枚目の写真)。
  
  
  
  

ペレは、ウィルヘルムに電話をかけて相談しようとするが、ちっとも出てくれないので、外で歩いているのを見つけて話しかけるが、「忙しい」と言われてしまう(1枚目の写真)。ペレは、“名もなきヒーロー” が誰なのか見つけないといけないと言うが、ウィルヘルムは相手にしない。ペレの心配は、イーダと一緒に町を出て行くので、そこに得体の知れないヒーローを残していくのが心配だから。ウィルヘルムは、ペレが奇妙な匂いと言ったので、どんな風に奇妙かと訊き、「汗とレモン」と言われると、「じゃあ、君の嗅覚で探せばいい」としか言ってくれない。そこで、ペレは、汗を求めてジムの男達の匂いを嗅いだり、公園でスケボーをやっている連中の匂いを嗅いだり、レモンを求めて運動中の女子の更衣室に入って行って匂いを嗅いだりするが、手がかりが全くつかめない。そのうちに、部屋のボードは集めた情報で一杯になる(2枚目の写真)。
  
  

ペレは、TVのニュースで、ゲムコーが強制入院から解放されたことを知り、びっくりする(1枚目の写真)。さっそく、ゲムコーの家に行くが、家の前では大勢の人々が退院反対のプラカードを掲げて、間違った判断に怒りを顕わにしている。ミランダは、自分の拉致・監禁について、TVのレポーターに、「あの人は狂ってるわ。永遠に閉じ込められるべきよ」と反対意見を述べる。そこに現れたゲムコーは、警官に守られる形で家の中に逃げ込むが(2枚目の写真、矢印はゲムコー)、アマンダをはじめ多くの人が、ゲムコーに向かってトマトを投げつける。ゲムコーが奥まで来ると、アントボーイが姿を見せ、「トマトだけで、運が良かったな」と、冷たい声で言う。かつての敵を前にしたゲムコーは、「何の用だ?」と訊く。「ロプンが、邪悪な計画を持ってないか確かめに来た」。「俺の名前はアルバート・ゲムコーだ。ロプンはもう存在しない。俺は、お前が奴を入れた暗い独房に、奴が死ねばいいと思って置き去りにしてきた。俺は、奴と、お前のどちらにも、二度と会いたくない。俺は、元の俺に戻った。医者はそう言った」。「医者は騙せたかもしれないが、僕は騙されないぞ。どうしてエキソファームに行ったんだ?」。「お前には関係ない。しつこい蟻め」。この時、トマトがゲムコーの顔に当たる。ゲムコーは、外に向かって、「やめんか! なんで俺にかまうんだ?!」と怒鳴る。ペレは、「監視してるからな、ロプン」と言い残して消える(3枚目の写真)。
  
  
  

ペレは、来週月曜から始まる新しい学校のことでイーダの部屋にいる。イーダが、持って行くべき物の話をしていると(1枚目の写真)、TVが 「アントボーイ像は、ミドルロンの市民の間で不人気なことが分かりました。市民グループは、恥さらしだとして、銅像の撤去を求める署名運動を始めました」と伝え、老若男女を問わず反対する市民へのインタビューを流す〔不思議なことに、「アントボーイに対して失礼だ」との意見はなく、①あまりにお粗末、②“名もなきヒーロー” の像の方がいい、の2つに分かれる〕。それを悲しそうに見ているペレに、イーダは、「他の人の意見なんてどうだっていいじゃない。あなたのことを批判してる訳じゃなし」と慰めるが、ペレは 「でも僕の像だから」と不満を洩らす(2枚目の写真)〔“名もなきヒーロー” と比べられたから?〕。「バカな像だってことは確かよ。でも、TVで文句言ってた連中には何もできない。それより月曜からのことを考えましょ。ワクワクしない?」。「うん。素敵だと思う」。その直後、腕バンドに、銅像が悪戯されているとの通報が入る。ペレは アントボーイの姿になって像の前に行くと、1人の男が、像に白いスプレーをかけている。ペレは、「それは醜いと思うけど、器物破損は犯罪だよ」と注意する(3枚目の写真)。男は、「来たのが君で良かった」と言う。「どういうこと?」。「“名もなきヒーロー” かと思った」。「僕より、彼の方が怖いの?」。「そんな意味で言ったんじゃない、アントボーイ。君の方が遥かに凄い。だけど、奴は素早くて、凶暴な戦士で、どこからともなく現れ、防弾スーツを着てる。奴が、人間なのかロボットなのかすら分からない」。この言葉で、ペレは 「僕の気が変わる前に、いなくなれ」と言って、男の去らせる。すると、エキソファームで緊急事態との通報が腕バンドに入る。
  
  
  

アントボーイは、自転車でエキソファームに向かう。ペレが息をきらして建物の入口まで来た時、玄関のガラスを突き破って “名もなきヒーロー” が現われ、続いて、びっこを引きながらゲムコーが出てくる。“名もなきヒーロー” は、「アントボーイ、また会ったな」と言う(1枚目の写真)。ペレは、「何を企んでるか知らないけど、それも今日で終わりだ」と言う。“名もなきヒーロー” は、「手を引くんだな、アントボーイ。ケガをしなくて済むぞ。それとも、トラブルを探してるのか、好奇心坊や?」とバカにする。2人は戦いを始め、アントボーイが “名もなきヒーロー” を突き飛ばした時に、小さな装置が落ちる。“名もなきヒーロー” は、白煙の出るボールを床に投げつけ、ゲムコーと共に姿を消す。ペレは、“名もなきヒーロー” が落としていった装置を見てみる(2枚目の写真、矢印)。そして、中で何が起きたか調べようと、エキソファームの中に入って行く。すると、CEOのアリシアと一緒にいたセキュリティの責任者が、アントボーイを見て、いきなり、「なぜ、あいつらを捕まえなかった!? 逃がしおって! このチビのバカたれが!」と怒鳴りつける〔セキュリティの責任者なら、自らが追うべき。外で何があったかも確かめずに、スーパーヒーローを怒鳴り付けるなんてあり得ないので、この脚本はいただけない〕。アリシアは、「あんたの部下が裏切ったのは、アントボーイのせいじゃないでしょ」と責任者を叱ると、アントボーイに、笑顔で 「来てくれてありがとう」と声をかける。ペレは 「なぜ、ゲムコーを追いかけたの?」と訊く。アリシアは 「奴が侵入して、何千人もの命を救うヘラクレス血清を盗んだからよ。私が、あいつを信じて、二度目のチャンスを与えたの」と説明する(3枚目の写真)。「もし、あいつが飲んだら、またロプンになるよ」。「そうなの。だから、助けてもらえる? 私、ミドルロン、そして全人類が あなたの助けを必要としているの。奴がロプンになる前に、何とか止めないと」。
  
  
  

ペレは、さっそくゲムコーの家に行き、以前閉じ込められたり、イーダが死にそうになった “雑木が茂る一種の温室” に入って行く。そして、「出て来い、ロプン。ここにいるんだろ」と呼びかける。すると、ゲムコーの声が響き渡る。2人の間で敵意に満ちた会話が交わされた後、遂に、ゲムコーが姿を見せる(1枚目の写真)。それに気付いたペレは、「ヘラクレス血清はどこだ?」と訊く。ゲムコーは、黄緑色の液体の入ったガラス瓶を出して見せる。「僕に渡せ」。「これ1個しかない。作り方は、この頭に中にしか存在しない」と、頭を指差す。そして、「俺は、力を取り戻すために血清を盗ったんじゃない。悪人の手に渡らないよう、取り上げたんだ」と、エキソファームから持ってきた理由を説明する。「エキソファームで何があったんだ?」。ここで、映像は、エキソファームの地下の研究室に変わり、ゲムコーが先ほど取り出した黄緑色の液体の入ったガラス瓶を見ている。「俺は、ヘラクレスを再度作り、CEOに知らせようとした」(2枚目の写真、矢印)「だが、それから、見てはならぬものを見てしまった」。映像は、CEOに報告に行ったゲムコーが、CEOの部屋のガラスの入ったドアの前で中を見ているシーンに変わる。部屋の壁には、巨大なTVがあり、そこにアリシアの父が映っている。父は 「我々の顧客は苛立っておるぞ、アリシア。バラカス将軍は、兵士用に1000着のエキソスーツを注文した。なぜ、まだ届いておらんのだ?」と叱る(3枚目の写真)。アリシアは、「スーツには些細な不具合があります。それに、予想していたよりも高額になります」と弁解する。「幾らだ?」。「1体当たり300万です」。「デンマーク・クローネで?」。「ユーロです」〔当時の約4億円、1000着なら4000億円〕。父は、「だが、それじゃ、あまりに高額過ぎる! わしは破滅する!」と怒り心頭になる。アリシアは、「いいえ、大丈夫、破滅などしません。私は、エキソスーツよりずっと良い物を手に入れました。私たちの顧客は喜ぶでしょう。顧客の兵士は無敵になります」。このあと、アリシアは、ゲムコーを雇用したこと。ゲムコーにはヘラクレス血清で世界を救うと嘘を付いた。実際には、ヘラクレス血清で安価に、無敵の兵士を作ることができると打ち明け、父を喜ばせる。TV会議が終わると、そこに怒り心頭のゲムコーが入って来て、ヘラクレス血清は渡さないと強く主張する。アリシアはセキュリティの責任者を呼び、ヘラクレス血清を持って来るよう命じる。2人が研究室に行く途中で、“名もなきヒーロー” が現われる。ゲムコーは、アントボーイに、「“名もなきヒーロー” がいなかったら、俺はあそこから生きて逃げだせなかったろう」と、話をしめくくる。
  
  
  

家に帰ったペレは、さっそく “名もなきヒーロー” が落としていった装置にUSBを差し込む(1枚目の写真、矢印)。すると、ゲムコーがアリシアに迫った時の映像が映し出される。その内容は、先ほどゲムコーが話した通りだった。そこで、ペレはウィルヘルムを呼んで映像を見てもらう(2枚目の写真、矢印)。そして、映像が本当だったら、どうすればいいか、ウィルヘルムに尋ねる。ウィルヘルムは、「1人のスーパーヴィラン(アリシア)に対して、2人のスーパーヒーロー(“名もなきヒーロー” とアントボーイ)」と言うが、ペレは、固定観念から抜け出せず、スーパーヴィランがロプンだと思っている。ウィルヘルムは 「ゲムコーじゃない。人は変わることができる」と言うが、ペレは 「彼は信用できない」の一点張り。ウィルヘルムは 「“名もなきヒーロー” はエキソファームの悪だくみを暴いた。君は、これ以上何が欲しいんだ?」と呆れる。「もし、これが罠だったら?」。この、ある意味 自意識過剰の発言に対し、ウィルヘルムは 「今後は、犯罪取り締まりは “名もなきヒーロー” に任せたらどうだ? 君は、アントボーイを続けたくないみたいだ」とまで言う。ペレは、「そんなこと言ってないよ」と言ったものの(3枚目の写真)、「でも、僕には他にもやりたいことがある」とも言う。「つまり、一時、休むってことか?」。「君だって、学校に行くだろ?」。その返事は、意外なものだった。「いいや、行かない。じゃあな、ペレ」と言うと、ウィルヘルムは自らの連絡用腕バンドをペレの前に置くと、部屋から出て行く。
  
  
  

アリシアは、セキュリティの責任者に、ゲムコーを連れてくるように命じるが、無能な責任者は、家じゅう探してもいなかったと報告する。それを聞いたアリシアは、自分でやるしかないと決め、未完成の外骨格ロボットを装着し、その上から白いコートを羽織り、中折れ帽を被って男に化け、黒眼鏡をかけて町に行き、停車していた車を市役所に投げつけて建物を破壊する。そこに、いち早く駆け付けた “名もなきヒーロー” は、一目でそれがアリシアだと見抜く。そこに、一足遅れてアントボーイも現れる。それを見た “名もなきヒーロー” は 「会えて嬉しい」と言うが、ペレは 「ここは、僕に任せた方がいい。アマチュアには危険すぎる」と言い、相手は 「分かった。勝手にしろ」と言い返し、口喧嘩が始まる。それを聞いてイライラしたアリシアは、2人に向かって 「今すぐ ゲムコーとヘラクレス血清を渡しなさい。でないと、この町を破壊する」と命令する(1枚目の写真、矢印は2人のヒーロー)。アントボーイが、「お前に、この町を破壊させるもんか。ここは、僕の町だ」と言うと、アリシアは近くに設置してあったアントボーイの銅像を、台座ごと持ち上げると、それをアントボーイに向かって投げつける(2枚目の写真、矢印は銅像)。銅像はアントボーイを直撃し、アントボーイは一時意識を失う。“名もなきヒーロー” が、「大丈夫か、ペレ?」と呼びかけても反応がない。そこで、“名もなきヒーロー” は一人でアリシアと戦い始める。その頃、ようやくアントボーイの意識が戻る。“名もなきヒーロー” はアリシアに蹴りを入れようとして脚を掴まれ、一撃で骨を折られる(3枚目の写真)。それを見たペレは、「ダメだ。もうやめて」と頼む。眼鏡を外したアリシアは、「ゲムコーを連れて来なさい。でないと、町を破壊する。あんた次第よ」と言い、去って行く。
  
  
  

痛さに我慢できなくなった “名もなきヒーロー” がマスクを外すと、何とそれはウィルヘルムだった(1枚目の写真)。一番びっくりしたのは、もちろんペレ。ウィルヘルムは直ちに病院に搬送され、次のシーンでは、病院の廊下にペレとイーダが座っている。そして、ペレは一人で病室に入って行く。膝蓋骨〔大腿骨の前面にある皿状の骨〕が砕けて石膏で固定された左脚が痛々しいウィルヘルムは、ペレに 「自転車から落ちたって、ママに言ってくれた?」と訊き(2枚目の写真)、ペレは 「うん」と答える。そして、「僕、君だと気付くべきだった」と反省する。ウィルヘルム:「僕のスーツには、アンモニアとレモンを混ぜた匂いを出すカプセルが付けてある」。ペレ:「汗とレモンだ」。「そのお陰で僕の匂いが邪魔されたから、君には分からなかったんだ」。「なぜ、秘密にしようとしたの?」。「君の助手であり続けるのに嫌気がさしたんだ。そして、自分自身を試してみたかった。スーパーヒーローになれるかどうか」。ここで、紹介の順序は入れ替わるが、ウィルヘルムがどうやって “名もなきヒーロー” になる訓練を話した後で、ペレは名前があった方がいいと勧め、英語の「サイドキック」を提案する(3枚目の写真)。“sidekick” の第一次的意味は相棒だが、かなり前に紹介した『Sidekicks(サイドキックス)』のように、格闘技で、横向きに脚を蹴り上げるという意味もある。ここでは、そちらを意味する名称。しかし、動けなくなったウィルヘルムにとって名前などどうでもよく、ペレには、イーダと一緒に寄宿学校に行き、エキソファームからできるだけ遠くに離れるように勧める。
  
  
  

次の3枚の写真は、ペレがウィルヘルムに名前を付ける前に、彼がどうやって “名もなきヒーロー” になったかを話した時に紹介された多くの短い映像の一部。彼は、色々な手段で、弱々しかった肉体を鍛え(1枚目の写真)、マスクなどのコスチュームを作り(2枚目の写真)、スケボーの練習を積んだ(3枚目の写真)。“汗とレモン” と “音声合成された声” は、ペレに自分だと感ずかせないための工夫。入学資格の厳しい寄宿学校に行くと言ったのは、勉強に時間を取られてペレと会う時間がないと思えせるための嘘。
  
  
  

エキソファームのCEO室では、アリシアがTV会議で父に世界征服を目指す手順を語り、娘の異常さに気付いた父と縁を切って悪の道へと突き進む。ペレは、寄宿学校に行く日になったのに、大変なことが勃発してしまい、どうしようかと迷っている。イーダが、父の車のトランクに荷物を入れようとしているところにペレが現われ、イーダは笑顔になるが(1枚目の写真)、ペレの顔を見て 「来ないのね?」と気付く。ペレは、「アリシアが誰かを傷付けないよう、僕はここに留まり、あいつを止めないと」と決意を述べる。2人は抱き合い(2枚目の写真)、イーダは 「気をつけてね。向こうで待ってるわ」と、ペレの決断を受け入れる。
  
  

ゲムコーに助けを求めるしかないと悟ったペレは、アントボーイの姿でゲムコーの家に行く。その時、玄関からゲムコーが足を引きずりながら出て来るが、家の前にエキソファームの車が乗りつけ、セキュリティの責任者が手下を連れて飛び出て来ると、ゲムコーを拘束する(1枚目の写真)。その瞬間、車の屋根にアントボーイが飛び降りる(2枚目の写真)。次の場面では、エキソファームのエレベーターの前に アントボーイが現われる。彼は、ゲムコーのコートを着て、ゲムコーのように太り、頭から袋を被せられた男を拘束して連れている。そして、アリシアに、ゲムコーを連れて来たと告げる。アリシアの許可が下り、アントボーイは男を連れてエレベーターで地下に降り、満足そうなアリシアの前まで連れてくる(3枚目の写真、矢印)。しかし、アリシアが袋を取ると、中にいたのはセキュリティの責任者だった〔だから、責任者役に太った俳優を選んだ〕。怒ったアリシアは、「彼を捕まえて」と叫んで逃げるが(4枚目の写真)、警備員などアントボーイの敵ではない。そこに、外骨格ロボットを装着した 怒りに燃えたアリシアが現われる。
  
  
  
  

一方、アントボーイの作戦を聞き、それに賛同したゲムコーは、ウィルヘルムの病室に入って行く。そして、床に落ちて身動きの取れないウィルヘルムに向かって、「この注射器には、ヘラクレス血清の濃縮液が入っている。数分以内に、効果が出る。アントボーイが、俺をここに送り込んだ。彼には計画があるが、俺たちの助けが必要だ。俺はアントボーイが憎い。だが、デュフォルテ〔アリシア〕の方が それ以上に憎い。今、あの女を止められるのは、嫌なチビ蟻だけだ」と言うと(1枚目の写真、矢印)、ヘラクレス血清をウィルヘルムに注射する。一方、エキソファームの地下では、アントボーイが消火器のような白い煙をアリシアに吹きかけ、彼女がひるむ隙にエレベーターに逃げ込む。エレベーターの反応が遅く、アリシアもエレベーターに入ってしまう。病院では、ヘラクレス血清によって、砕かれた膝蓋骨が元に戻ったウィルヘルムと、相変わらず脚の悪いゲムコーが病院の廊下に出て行く(2枚目の写真)。3枚目の写真は、少し順番が入れ替わるが、ゲムコーによってエキソファーム社の前まで連れて来られたウィルヘルムが、今やサイドキックになったコスチュームを着ているところ。
  
  
  

エレベーターの中では、機械が壊れるといけないので、アリシアはアントボーイを押さえつけていただけだったが、エレベーターが屋上に着くと、アントボーイは打ち壊されたドアと一緒に、外に吹き飛ばされる。アリシアは、殺してやるという顔で、エレベーターから出て来る(1枚目の写真)。アントボーイはひたすら逃げる。そして、サイドキックがマスクを被った時には、アントボーイは屋上の縁まで来て、計画通りゲムコーとウィルヘルムが来ていることを確認しホッとする。アリシアに 「私から逃げられると思ってるの?」と訊かれたペレは、振り返ると、「逃げるつもりなんかない」と答える(2枚目の写真)。そして、「待ってるんだ」と言う。「何を?」。下では、ゲムコーが、「やれ」とサイドキックに言う。彼は、ヘラクレス血清で得た超能力を使い、屋上目がけて飛んで行く(3枚目の写真)。ペレは、「何を?」の質問に対し、「加勢」と答える。
  
  
  

そして、その言葉と同時に、サイドキックが手すりの遥か上を飛び越えて、アリシアの横に着地する(1枚目の写真、矢印)。アリシアは、振り向くと、「“名もなきヒーロー”?」と訊く。「名前はある。サイドキックだ」。「何てバカげた名前なの」。サイドキックは、先に脚を折られた時と同じように、アリシアに向かって飛び蹴りで攻撃。ヘラクレス血清で力が増しているので、前のように一方的にやられずに互角に戦うが、掴まれて首を絞められる。そこに、アントボーイが割って入り、サイドキックを助ける(2枚目の写真)。アントボーイの力の方が弱いので、アリシアに捉まり、壁に投げ飛ばされて、床に横たわる。アリシアは、倒れたアントボーイに向かうが(3枚目の写真)、立ち上がったサイドキックが呼び止め、自分の方におびき寄せる。
  
  
  

その時、アントボーイのイアホンにゲムコーの声が入る。「アントボーイ」〔ゲムコーはスマホを使って連絡しているが、どうやって連絡先が分かったのだろう?〕。「ゲムコー、あの女、強過ぎるよ」。「考えてる」。「じゃあ、邪魔しないでよ」。「『邪魔』、そう それだ。ロボットの制御システムは、他の信号からのどんな妨害にも対処できない。受信機は首のすぐ近くにある。オフにすれば、制御不能にさせられる」。ペレは、サイドキックを襲おうとしているアリシアの背中の装置から蓋を外す(1枚目の写真、矢印)。ペレは、ウィルヘルムに変な信号を送るよう頼み、ウィルヘルムは実行すると、アリシアは踊り始め、それを見て2人は笑う(2枚目の写真)。次のシーンでは、いきなり、警官4名に連行されたアリシアが建物から降りて来て、報道陣がそれを映している(3枚目の写真)。説明は一切ないが、恐らくゲムコーが警察にすべてを話し、駆け付けた警察が、外骨格ロボットを証拠として押収し、アリシアを逮捕・連行したのであろう。
  
  
  

そこには、なぜかイーダも来ていて、アントボーイを見つけると、走り寄って抱き着き、キスをする(1枚目の写真)。ペレは、「みんなが見てるよ」と言ったので、イーダは立ち去る。代わりにやって来たのは報道陣。ペレは、ゲムコーの名誉を回復させようと、「ゲムコーがいなかったら、僕たちにはアリシア・デュフォルテを止めることはできなかった。彼にはすごく感謝しないと。それに彼だけじゃない」(2枚目の写真)。その時、屋上からサイドキックが飛び降りてくる。記者たちは、「“名もなきヒーロー” だ」と言うと、一斉にサイドキックの方に走って行く。それを木の影からみていたゲムコーに、ペレは笑顔を見せる。ゲムコーがいなくなっても、ペレはそのまま孤高のヒーローとして立ち続ける(3枚目の写真、背後は、サイドキックの周りに集まった報道陣)。
  
  
  

それから間もなくして、ペレとウィルヘルムがゲムコーの家を訪れる。ゲムコーが、「このような栄誉を受けるとは、どういう風の吹き回しかな?」と、皮肉交じりに訊く。ペレは、「町を離れる前に、さよならを言いに来ただけだよ」と答える(1枚目の写真)。「どこへ?」。「寄宿学校」。「アントボーイはどうなる? 誰が町を守るんだ?」。すぐにウィルヘルムが、「アントボーイが戻るまで、サイドキックがミドルロンの面倒を見るから、心配ないよ」と応じる。ゲムコーは、ペレに、「エキソファームの前で、君が話したことを聞いた」と言うと、ペレは、「あなたにとって、再挑戦のチャンスだ」と言うが、ゲムコーは 「君にはあるだろうが、俺にそれがあるとは思えないな。この町は、俺がやったことを絶対許してくれん」と答える。ペレ:「エキソファームの新しいCEOには、イーダのパパが返り咲いた」。ウィルヘルム:「最初にすべきことは、アルバート・ゲムコーをチームに戻すことさ」。ゲムコー:「これは驚いた。数日前なら、俺は、ソーマスターなんかとは二度と一緒に働かないと誓ってたろう。今度は、俺たち2人にとって新たな始まりになるかもしれんな」。ペレ:「僕たち全員にとってだよ」。すると、後ろで赤い光が放たれ、フーリェが姿を見せ、「遅刻しても、来ないよりマシ」と言う。その姿を見たウィルヘルムは、「マリア」と言って抱き着く(2枚目の写真)。マリアは、これからミドルトンに住むことになると打ち明ける。ペレを迎えに来た車のクラクションが聞こえたので、ゲムコーは、「君が発つ前に、是非とも見せておきたいものがある」と言い、地下に造られた空間に3人をいざなう。正面には、中央にアントボーイ、右にロプン、左にサイドキックのコスチュームが飾ってある。ゲムコーは 「スーパーヒーローには秘密の本部が必要だと聞いたことがある。蟻塚へようこそ」と言う(3枚目の写真)。そして、「ペレ、君がいない間、俺たちがミドルロンを守ってやる」。4人は、色違いの同じ腕バンドをはめた手で拳を合わせる(4枚目の写真)。
  
  
  
  

ゲムコーの家の前ではイーダの父の車が待っている。ペレは、まずゲムコーとしっかり握手し、マリアと抱き合い、最後にウィルヘルムと固く抱き合う(1枚目の写真)。後部座席に乗ったペレは、イーダと笑顔を交わす(2・3枚目の写真)。車が動き始めると、残された3人が並んでペレを見送る(4枚目の写真)。
  
  
  
  

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