オランダ (2014)
日本ではほとんど知られていないオランダならではの「建設村競争」を、それに参加する小学生の最終年度の2人に焦点を当てて描いた作品。「珍しいテーマの作品」という点では、文句なしに最上位に属する。あまりに珍しくて、理解できないといけないので、「建設村競争」についてと、主人公2人の友情に亀裂を生じさせてしまったオランダの「小学校の卒業時に将来が決まってしまう試験制度」について、以下に概説しよう。
オランダの伝統的な小学生の「建設村競争」を、 小屋の高さを競う大会に変更して映画化したもの。「建設村競争」とは、ヒュッテンバウドルプ(Huttenbouwdorp)または、映画の題名のバウドルプ(Bouwdorp)と呼ばれる、オランダのバーシススホール(Basisschool、小学校)の夏休み(7~8月)の最後の1週間に開催される年中行事。発端は1950年に開催されたヨンゲンスドルプ(Jongensdorp、男の子の村)で、1970年頃には全国的に行われるようになっていた(大都市では地区単位、地方では町単位)。映画と違い、実際には外観のデザイン性、オリジナリティ、安全性などが評価の対象となっている。小屋の骨組みとなる針葉樹の角材や、地元の木材販売店(Houthandel)や建築会社からの寄付、壁や床用の木製パレットは、建設会社、物流企業、農家、あるいはスーパーマーケットなどからの寄付で賄われる。解体後は、巨大なキャンプファイヤー(Vreugdevuur)として燃やしていたが、最近は環境への配慮からでリサイクル処理される。
2013年は、2月のCitoテストの最後の年。このテストは、バーシススホールの8年生(日本の小学6年生)の2月に3日間にわたって実施されるもので、その点数が、中等教育の進学先を決める上で極めて強い拘束力を持ち、8年生の担任教師がテストの結果から3つのコースの何れに進学するかを決めていた。3つのコースとは、①中高一貫教育の大学進学コース(VWO):全体の15~20%〔ヒムナシウム(Gymnasium)が4〜5%、アテネウム(Atheneum)が11〜15%〕、②高校までの高等一般教育コース(HAVO):20〜25%、③中学までの中等職業準備教育コース(VMBO):45~50%。裕福なホワイトカラーの1人息子のバスはVMBO、労働者階級出身のジギーはVWOのヒムナシウム。また、8年生の最後に行われるアブシャイトミュージカル(Afscheidsmusical、さよならミュージカル)で、ジギーに主役が割り振られる一方で、バスは端役で多数の中の1人に過ぎない。こうした「現実」が、いつも2人で仲良く挑んできた最後のバウドルプに大きな影響を与えるのが映画のテ-マ。実際には、ホワイトカラー(高学歴・高所得)の家庭の子供がVMBOに行く割合は10〜15%で、それは事前に家庭教師を付けてレベルアップさせるから。それでもVMBOになった場合は、私立の全寮制・少人数制学校に転校させることが多く、子供の自主性に任す事例は稀。そして、現実のアブシャイトミュージカルは、全員に必ず印象的な出番があるように設計されたシナリオのため、映画のようなことは起きない。最後に、実際の建設村は、高さを競うものでもない。したがって、映画の緊張感は、あくまで脚本上の創作。
バス役はユリアン・ラス(Julian Ras)。2001年4月24日生まれ。2013年の6月の撮影なので、撮影時は映画と同じバーシススホールの8年生。彼は、『Bouwdorp』で主役を演じたあと、バスと同じようにVMBOコースに行く。そして、『Dummie de Mummie』(2014)、『Dummie de Mummie en de Sfinx van Shakaba』(2015)、『Dummie de Mummie en de tombe van Achnetoet』(2017)の「ダミー・デ・マミー」シリーズの3作で主演を演じた他に、『Hotel de Grote L』(2017)でも主演しシュリンゲル国際映画祭(ドイツ)最優秀主演男優賞を受賞するなど、少年期に映画・TVで活躍する。2020年代に入っても俳優として活躍を続けているが、TVシリーズへの出演がメイン。一方のジギー役はケイス・ニューウェルフ(Kees Nieuwerf)。生年月日は不詳。しかし、恐らくユリアン・ラスと同じバーシススホールの8年生であったと思われる。映画出演は、この1本のみ。彼がその後どのコースに進学したのは不明だが、2025年6月に行われた第35回巡回演劇祭「De Parade」や12月に行われたアムステルダム演劇舞踊アカデミーで公開された30分間のオリジナル作品の3本のうちの『Wij, die vuur maakten』に出演したこと、及び、2026年にユトレヒト芸術大学〔HAVOレベル〕の演劇学科(Hogeschool voor de Kunsten Utrecht - Theater)に在籍していることしか分からない。いずれにせよ、映画の「バスがVMBO、ジギーがVWO」ではないにせよ、何となく両者は似ている。学業よりも子役俳優に走ったJulian Rasの将来の活躍と、ジギーほどの成績ではなくても、高等職業教育に属する芸術大学で頑張っているKees Nieuwerfに声援を送りたい。
あらすじ
仮装したバスとジギーが、競技の開催前に、事前に運ばれてきた角材や木製パレットの中から、一番使えそうな木の角材を盗みに行く。そして、2人で1本の角材を持って、隠し場所まで運ぶ行動をくり返す(1枚目の写真)。かなり本数が貯まった隠し場所で、ジギーが「何本になった?」と訊き、本数を数えたバスが「13本と答える」(2枚目の写真)。「2階分はあるな」。高さを競うので、それでは足りない、そこで14本目を運んでいる時、競技の準備中のスタッフのそばを通った時(3枚目の写真)、気付かれてしまい、2人は角材を放り出して逃げ出す。スタッフはしつこく森の中まで追ってくるが、2人は逃げ切る。スタッフが見つけたのは、ジギーが落としていったインディ・ジョーンズみたいな帽子だけ。スタッフは、「みんな! 冗談にもほどがある! ここは、とても危険な場所なんだ!」と強い調子で警告すると立ち去る。木の上に隠れていたバスは、ジギーに、「彼、僕たちだって気付いたかな?」と訊く(4枚目の写真)。ジギーは、「当たり前だろ」と冗談を言い、2人は笑う。「君の帽子、残念だったね」。「取り返すさ」。

バスの一家3人は、ギリーの家の庭の中のテーブルで簡単な食事をするのが習慣になっている。バスの父は、携帯でバスとギリーの写真を撮ると(1枚目の写真)、ギリーの父に「この子たち、切っても切れない仲だな」と言う。2人の関係が、崩壊し始めるのはこの直後から。バスの父が、「なあバス、これを見ろよ」と言い、ジギーが9月から使う教科書を見せる。アレクサンドロス大王のシンタグマ(16×16人の重武装した兵士の陣型)のページが映り、父は 「すごいだろ! 2000年前からもうこんなことをやっていたんだ。私もこれを習ったこと覚えてるよ」と言う〔これは、ヒムナシウム(Gymnasium)の教科書。父は、自分もヒムナシウムに行ったことを強調している〕。一方。ジギーの父は、「ア・ヴィスタ、ヴォサ… いや違うな」と、ラテン語の真似をすると、「丸暗記だったからな」と当時を振り返る。そして、バスの父親の最悪の一言。「お前がヒムナシウムに行けないのは本当に残念だ。行ければラテン語も学べたのに」と言う〔解説に書いたように、こんなことを言うくらいなら、彼はバスのために事前に援助すべきだった〕。それを聞いたバスは、「パパ」と小さな声で不満を漏らす。ジギーの父は、オランダ人なら誰でも知っている有名なラテン語の格言 「Si vis pacem, para bellum(汝平和を欲さば、戦への備えをせよ、4世紀の古代ローマの軍事学者ウェゲティウスが残した普遍的な教え)」を口にして、さっきの失言を挽回しようとする」。それを聞いたジギーが、「Als je vrede wil, bereid je dan voor op oorlog.」とオランダ語で言うと、バスの父は 「信じられん! 彼には語学の才能があるんだ」と驚き、それを聞いたバスは、不機嫌な顔になり、父から離れて一番端の席に座る(2枚目の写真)。そこに、ジギーの弟のフリンが来て、座っているバスの肩に手をかけ、顔を近づけながら、親しげに「バース」と言う。バスは、「ノー(ドイツ語のNein)」と断固拒否。フリンが「僕が何を頼もうとしてるのか、聞きもしないくせに!」と言うと、「何を言おうとノーだ」。そこで、フリンはジギーに同じように声を掛けるが、「ノー」の一言で断られる。相手は兄なので、「お願い、みんなで一番高い小屋を作ればいいじゃん!」と頼む。「弟と一緒に小屋を作るハズないだろ。お前は自分のグループを作るんだ」(3枚目の写真)。「お兄ちゃんたち毎年優勝してるじゃないか!」。「僕たち来年は参加しないから、お前たちが優勝できるだろ」。ジギーの母が弟に賛成すると、ジギーは 「ママ、今年は最後の夏なんだ。だから、どうしても2人だけでやりたいんだ」と言い、バスも 「僕たち、いつも一緒にやってるから」とジギーに賛成する。

学校の授業はもう終わっているので(7・8月)、学校に行ったジギーは、盗んだ角材を使った5階建ての塔の設計をしている(1枚目の写真)。一方、ジギーの斜め向かいに座ったバスは、ドアの向こうに見えるエリナをじっと見ている。そして目が合ってエリナがニッコリすると(2枚目の写真)、顔がほころぶ(3枚目の写真)。その時、ジギーが声を掛ける。「エリナも参加するんだよね?」。「何に?」。「小屋建て競争に。彼女、昨日そう言ってたよ」。「いつそんなこと言ったの?」。「リハーサル中。彼女、リンデ、ソフィー、それとあと1人と一緒に出るんだ」。アブシャイトミュージカル(Afscheidsmusical、さよならミュージカル)の指導係が、ジギーを呼びに来て、ジギーがいなくなった後、指導係は、バスに 「何もかも、もう意味がないって思っているのは分かっている。それでも、あと少しだけ頑張ってくれ」と声をかける。

次は、アブシャイトミュージカルのリハーサル。ジギーが、主役の教授、バスが好きなエリナがその相手役。本当なら、よりハンサムなバスが主役を演じるべきなのに、ジギーが選ばれたのはヒムナシウムに進学するからなのか? 歌詞は、「♪教授、教授、今日は何を発明しているの。教授、教授、これで新聞に載れますよ」などと続き、指導係は、「もっと大きな声で」「親しみを込めて」とか注意する。その間、バスは、他の端役たちと一緒に、舞台の裏で書き割りを作らされたり(1枚目の写真)、背景パネルを書かされている。指導係は、ジギーの演技について、「いいか、このシーンのテーマは愛なんだ。ジギー、君はとことん恋に落ちてるんだ。このロボット〔エリナの役は教授が作ったロボット〕の腕に。しっかりやれ」と注意する。エリナに対しても、「お互いを見つめ合うんだ。エリナ、君も恋してるんだ!」と注意する。その結果、ジギーがエリナの腕〔ロボットの腕〕に沿ってキスするフリをする「小学生には相応しくなく」振る付けを、指導係は熱心に指導する(2枚目の写真)。指導係の言葉を聞いたバスは、エリナが何をしているのか心配になり、体を反らして、舞台の方を見る(3枚目の写真、手に持っているのはウサギの書き割りの耳の部分)。その後、バスとジギーの悲しい会話が入る。バス:「そもそも、なんでそんなラテン語(Latijns)なんて必要なんだい?」。ジギーの返事は素っ気ない。「ラテン語(Latijn)だよ。『s』はつかない」。「誰もそんな言葉話してないだろ。ギリシャ語だけやった方がいいんじゃないか?」。「やるのは古代ギリシャ語だ。誰もそんな言葉話してないだろ」〔この、バカにしたようなジギーの口調にバスは苛立つ〕 。

次の重要なシーン。書き割り作りの用がなくなったバスが、エリナのことが心配で窓からこっそり覗いている(1枚目の写真、もう本番が近いので、劇の衣装を着ている)。すると、後ろから、「おい、バス」と言う声が聞こえる(2枚目の写真、矢印は転がって来たサッカーボール)。バスが振り向くと、「そのボール、投げてくれよ」と言われる。バスはボールを蹴って渡す〔演劇場は2m以上の石垣上に建っていて、サッカーをしている子供たちは、その下の広場で遊んでいる〕。ボールを受け取ったのは、バスと同じ端役のジェフリー。その横には、レオンもいる。ジェフリーは 「一緒にやらないか?」と訊く。バスは何も言わず、首も振らないが、肩をわずかにすくめる。この動きを、消極的なOKをとらえたジェフリーは、「じゃあ、君は僕らの仲間だ」と言う(3枚目の写真)。それでも、バスが名残惜し気に後ろを振り返ったので、「それとも、あの『教授〔ジギー〕』と一緒に衣装でも作ってたいのか?」。こう言われたので、バスは崖を飛び降りて、7-8人と一緒にボールを蹴り始める。まさか、これが、小屋作りチームへの勧誘だったとは気付かずに。

いよいよ、学校で開かれたアブシャイトミュージカルの日、父兄を前に劇は最後の合唱となり、全員で、「ロボットだって人間だって、本物の愛があれば、みんなの心は温かくなるんだ」と歌う(1枚目の写真)。ただし、例外が3人。誰にも見えないほどの隅で、骸骨の服を着たジェフリー、レオンとバスは、マイクを手に「ブーブーブー」と言い(2枚目の写真、矢印はバス )、歌が続いている間は目立たなかったが、歌が終わっても、ジェフリーが「ブーー」と10秒近く続けたので、全員が何事かと見る。バスが父兄席の方を見ると、1人だけバスを見た父が、何事かを吐き捨てるように言うのが見えたので、バスの顔が曇る(3枚目の写真、矢印は、まだ「ブー」の時の口をしているジェフリー)。

場面は、すぐ楽屋に変わり、博士のままの衣装のジギーが、バスに向かって、「どうしてあんなことしたんだ? 僕、歌ってただけじゃないか! どんなに難しかったか知ってるのか? せっかくのファイナルを台無しにするなんて」と責める。それを、バスは、睨むような顔で聞いていると(1枚目の写真)、「そんなことしてない」と否定する〔最後に10秒近く邪魔したのはジェフリー1人〕。「やったよ。ちゃんと聞いた」。そこに、ジェフリーとレオンが入ってくる。レオンはジギーに、「よお、チビ教授(professortje)! 上手だったな」と皮肉るように言うと(2枚目の写真)、今度はジェフリーが、ジギーを指差しながら、レオンに向かって、「こいつ、びっくりしてたの見たか?」 と言うと、「傑作だ」の直後に「ブー」と口を鳴らしてバスの横に座る。ジギーが、不安そうに 「バース?」と言うと、ジェフリーは、ジギーの真似をして、「ごめんよ、バス、僕、君なしじゃ生きられない。排便に問題があるんだ」とからかい、また 「ブー」をくり返す。それを聞いて笑い出したバスを見て、ジギーは立ち去る。家に帰ったジギーは、ベッドに横になる。悲しそうな顔を見て、母が 「楽しくない気持ち、よく分かるわ。でもね、バスにとっても、それほど楽しい一日じゃなかったのかもよ?」と慰める。しかし、成績がいいだけで、心が伴わないジギーは、「どういうこと?」 と訊く。「いいこと、あなたが主役だったから、みんな、あなたに拍手を送ったのよ。だから、バスは見捨てられたような気持ちになったのかもね」。「そんなの、俺のせいじゃない」。「ええ、もちろんよ。でも、バスの気持ちも分かるでしょ?」。「全然」。「全然? ほんの少しでも?」。「全然」。「ほんのちょっぴりですら?」。「全然だよ。僕、小屋作り大会には行かないから」。「もちろん行くわよ。明日は今日じゃない。またいつも通り、2人で一緒に小屋作りに行かないと。これが最後なんでしょ? 思いっきり楽しまなきゃ損よ」。

いよいよ、小屋作り大会の当日。バスは、朝早く起き、会場への入口の鉄扉の中央最先端にいる。その後ろで、ジェフリーが、恐らくバスが見たこともない大人びた少年エドと仲良く話している。エドは、「おい、見ろよ。中にはただのハンマーしか持ってねえ奴らもいるな。あんなの、ここでは使いもんにならないのに」と話し、ジェフリーは、隣にいた女の子にネールハンマー〔片側が打撃面、もう片側が釘抜きになったハンマー〕を渡す。バスの少し後ろには、エリナのチームもいる。鉄扉の内側から大会の責任者と、サポート係が現われ、子供たちに 「お早う」と声をかける。バスは、鉄の棒を掴むと、体を上下させて喜びを体現する(1枚目の写真、矢印)。責任者は、「君たち、準備はいいか?」。「はーい!」。「私はそんなこと、これっぽちも信じない。もう一度訊くぞ。ホントに準備はいいか?」。「はーい!」。ジギーが着いた時には、開門ぎりぎりだったので、列の遥か後方にいる(2枚目の写真、矢印)。「よくやった! いよいよ、君たちが待ち望んでいた瞬間が始まるぞ。寝て待ち、立って待ったゲートが、ついに開く」。「開け! 開け! 開け!」。責任者は鉄扉の鍵を取り出して見せる(3枚目の写真、矢印)。「10, 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1」。鉄扉が開くと、子供たちは、一斉に走り始める。ジギーは転んでしまい、最初から埃だらけになる。

会場に入ったジギーが、木製パレットを運びながら、「やあ、バス」と声をかける。そして、笑顔で、「ここ、いい場所だね。去年よりいいよ」と声をかける。しかし、振り向いたバスは笑顔ではなかった。すると、そこに、エドがジェフリーとレオンを従えてやってくると、笑顔で、「やあ、教授」と言って、ジギーの肩に手を置き、レオンに「こいつの名前は?」と訊く。レオンが 「言わんか」と催促したので、ジギーは 「ジギー」とだけ言う。エドは、「お前、俺たちに加わりたいんか、ギモい奴」。ジギーが、「僕、ホントは…」と言いかけても、ジェフリーがジギーの木製パレットを蹴って穴を開け、「おい教授、こんなの持ってきたのか? 冗談だろガリ便野郎、見ろよこれ。俺たちが、こんな踏み抜けて落ちちまうような穴だらけのパレットで小屋を作ると思ったんか」と貶すと、エドは「もちろん、入れてやってもいいが、実力を証明してもらわんとな」(1枚目の写真)「それがルールだ。新入りは全員だ。分かるだろ?」。そして、ジギーは草むらに連れて行かれ、エドが、コップにコーラを入れる(2枚目の写真)。「コップ一杯のおいしいコーラ」。そう言うと、手の中に隠していたミミズを取り出し(3枚目に写真)、コーラの中に入れる。「他のチームを探したっていいんだぞ。そこなら自由に参加させてくれる。だがな、ここ『F.C.コーラ』には… ルールがあるんだ」〔F.C.レアル・マドリードのように、格式わざとF.C.を付けただけ〕。ジェフリー:「そうだ、ルールはルールだ。コーラを一気に飲めよ」。エド:「俺には、どうすることもできん。俺が考えたルールじゃないしな」。レオン:「さあ、飲めよ」。ジギーはもちろん躊躇する。エド:「ああ、お前ベジタリアンなんだな。みんな、行こうぜ。こいつベジタリアンだ」。ジギー以外は立ち上がり、去ろうとする。ジギーは、「ちょっと待って、待てよ。いま飲むから」と言う。みんなが戻って来ると、ジギーはミミズ入りのコーラを一気に飲み干す。エドとジェフリーは、気持ち悪そうな顔で、「おえっ!」と口を押える。ジギーは、「じゃあ、次はバスだ。気持ち悪いぞ」と主張する。ジェフリー:「そんなことするはずない」。ジギー:「バスだって新入りだろ!」。エド:「お前、本当にあのミミズ飲み込んだんだな、マジか! やっぱりお前は狂ってたな。何て気持ち悪い奴だ!」。ジギーは、あまりの出来事に、「バス!」と言うが、彼は何も言わない。レオン:「あのミミズ、ウンチの中でうごめいてたやつだぞ。それをお前は食ったんだ! マジかよ!」。ジギー:「僕はやったんだぞ、バス!」。エド:「おい、うまかったか? チビ教授」。ジギー:「僕はちゃんとやったんだ!」。 エド:「そうかい。じゃあお前は森の中でミミズでも食ってろ。みんな、行くぞ。あいつマジでイカれてるからな!」。ジギーが、最後に「バス!」と呼んでも、彼は振り向いただけで(4枚目の写真)、3人の悪ガキのあとを追って行く 。

ジギーは、弟のフリンのチームのところに来て、しゃがみ込むと、腕を組んで悩む。周辺では、顔は見えないが、話し声が聞こえてくる。ロニー:「ジギーがチームに入れば、優勝できるかもしれない」。一番幼いマッツ:「それってすごくクールだね! 去年も優勝したんだよね?」。フリン:「うん、その前の年もだよ」。ロニー:「今年もだ!」。アーロン:「そう思う?」。ロニー:「去年も優勝しただろ。今年も優勝するのは当然だ」。こうした声を聞いたフリンは、ジギーに、「ジギー、兄ちゃんも入れるんだ。ジギー!」と声をかける(1枚目の写真)。「兄ちゃんがいれば、一番高い砦を建てられるよね? OKしてよ」。遂に、ジギーは決断し、「OK」と言う。下では、2人がもめている。ロニー:「これでバッチリ固定されてるよ」。アーロン:「君はそう思ってるだろうけど、ほら、こうやって寄りかかったら…」。ロニー:「それなら寄りかからなきゃいい」。アーロン:「誰だって寄りかかるだろ! 何かを取ろうとする時も、何かを見ようとする時も寄りかかる。とにかく誰だって寄りかかる!」。ロニー:「寄りかかるの、君だけだろ」。アーロン:「僕は絶対 寄りかかったりしない」。ロニー:「さっき寄りかかるって言ったばっかりじゃないか」(2枚目の写真)。それからしばらくして、ジギーは4人を集め、自分で描いた 4階の塔の図を見せる(3枚目の写真の下部2枚)。そして、「もしもっと高くしたいなら、ここの旗のところに滑車を作ればいい。そうすれば、手渡しで上まで持ち上げなくてすむ。それに、すべての階の両側にちゃんと筋交いを入れてあるだから、これならどこまでも高くしていけるから、絶対8メートルまでいける!」(3枚目の写真の上部1枚)。非常に長い写真を使用したのは、如何にいい加減な編集かを示しため。3枚目の写真の下部2枚で、下から順に、2m、4m、6mと描いてある。1階ごとに2mだ。ということは、旗が左端に付いている階の下部だけで高さ8m、旗の位置は高さ10m。だから、彼が書き足した上部の黒いX印(2階分)の頂部の高さは、14mとなる。しかし、彼は、「絶対8メートルまでいける!」と、既に達成している高さを「8」という手描き数字で示している。いくらなんでも ひどすぎると思ったので、告発する形で紹介した 。

バスが、エリナの「女の子チーム」に行き、「やあ」と声をかける。エリナは笑顔で「あら、バス」と言うと、作業をやめて地面まで降りてくる。バスは、ネールハンマーをエリナに向かって差し出し、「あの、これ、使っていいよ」と言う(1枚目の写真、矢印)。「どうも」と言ってエリナがハンマーを受け取ると、バスは「それと、僕… 君が他に何か必要なものがあったら… いつでも言ってよ。僕、何でも用意できるから」と、遠慮しがちに言う。「どうも」。「僕、いろいろできるんだ。ブランコとか、窓とか。滑り台とかね」。エレナ:「はいはい、私たちを手伝ってくれるのね」。「うん」。「私達が女の子だからでしょ、きっと」。「そうだよ!」。ジギーにとって幸せなひと時。しかし、その日の作業を終えて家に帰ったジギーは、居間ので、テーブルで両親の斜め横に座らされ、集中攻撃を浴びる。父:「あんな風に友達をいじめるなんて、ちっとも楽しくないだろ。お前たち大の親友じゃないか!」。バス:「悪いことなんてしてないよ」(2枚目の写真)。父:「なら、どうしてジギーのママが電話かけてきたんだ?」。母:「あなたたち、一緒にやるって言ってたじゃない」。父:「お前たちは、いつも一緒だった」。母:「本当に残念だわ」。父:「それで、あいつらは誰なんだ? お前の次の学校の連中か?」。母:「あなた、後悔してないの?」。父:「あいつら、ブーブーやってた連中か? そんなに楽しいのか?」。バス:「うん、すっごく楽しいよ」。父:「コーラでいっぱいの冷蔵庫って何なんだ? そんなことは許されん。文句を言われるぞ」。バス:「これからも、ジギーとは付き合えるよ」。父:「おや、そうか? お前は、同じ学校に行けないんだぞ」。バス:「あんなくだらない学校が何だって言うんだよ? 全然関係ないだろ!」。父:「それで、大きな差がつくんだ」〔そんなこと言うくらいなら、なぜ家庭教師をつけて勉強させなかった?〕。バスは怒って立ち上がる:「僕は、ジギーの学校には絶対行けない!! 僕には無理なんだ!! 受け入れてよ、僕にはできないんだ!!」と叫ぶと、テーブルをバンと叩き、居間から出て行く。ここから翌日。ジギーの母からの通報で、大会の関係者が、エドやジェフリーの作業場を見に来て、隠された電線の先にある小型の冷蔵庫を見つける。男性:「これは何だ?」(3枚目の写真)。女性:「その上、コーラまで。こんなことは絶対許されないのよ! 電気の不正使用なんて」(4枚目の写真、左の矢印は冷蔵庫、右の矢印はコンセント)。男性:「誰がこんなことをした? 誰がやった?」。女性:「4人全員ね」。男性:「もしまた母親から電話がかかってきて… 誰かが虐められているという苦情があったら…」。女性:「厳罰処分を覚悟なさい」。男性:「その通り! 厳罰処分だぞ!」。そう言うと、2人で冷蔵庫と電線を持って立ち去る。

会場のテントの中でジギーが一人で図面を描いていると、そこにエリナが来て、「いつもバスと一緒にやってたよね?」と訊く。ジギー:「うん… でもさ… 今年は弟が勝ちたいって言うから、手伝ってるんだ」。エリナ:「ケンカでもしたの?」。ジギー:「ううん、別に」。そこに、エリナのチームの女の子2人が加わり、ジギーの顔に、自分たちと同じような黒い線を描く。ジギーが女の子たちと走り回って遊んでいて、ふと見上げると(1枚目の写真)、その横の高い小屋のてっぺんからバスが睨んでいる(2枚目の写真)。ジギーはすぐに立ち去るが、その行く手にジェフリーが現われ、「教授」と威嚇する。逃げようと右を見るとレオン、左を見るとエドとバスがいる。4人は、ゆっくりとジギーに近づいていき、取り囲む(3枚目の写真)。最初に口を開いたのはエド。にやりとしながら、「ミミズ食い教授」と言う。次に、レオンが、「ミミズ食い教授。だってあいつ、あのミミズ食べちゃったもんな」と笑顔で言う。エドは、バスの首を掴んでジギーの目の前に出すと、「バスから聞いた話だと、お前はダチについてお袋にいろんなことを話してるそうだな」と言う。ジギー:「だから何?」。エド:「ナメてんじゃねえぞ」。ジギー:「勝手に言えば!」。エド:「お前みたいなクズを何て言うか知ってんのか?」。ジェフリーが後ろから、「チクリ(Klikken)」と囁く。レオン:「チクリ魔(Klikspaan)教授」。ジギー:「だったらバスだってチクリ魔だ。僕らのことを君たちに全部話したんだろ?」。エド:「それがどういうことか分かってんのか? バスは、俺たちの仲間だ」。レオン:「分った?」。エドはコーラの缶を開け 一口飲んだ後で、残りをジギーのズボンの前を引っ張って中に流し込む。エドは、「ここで起きたことは…」と言って ジギーの頬を軽く3度叩き、「ここだけの秘密だ、いけ好かない野郎」と言うと ジギーの頬をつまみ、頬を また軽く3度叩く〔What Happens in Vegas, Stays in Vegasの言い換え〕。3人は去り、バスも、「裏切り者」と言って去る。

翌朝、大会の責任者が、水泳の格好をして、青いシートをプールに見立てて簡単なショーをやっている。大半の参加者が集まって見ているので、その中には、バスもジギーもエリナもいる。ジギーがアブシャイトミュージカルで親しくなったエリナを見ていると、バスが小銭を数えているのに気付く(1枚目の写真、矢印)。バスが会場内のアイスクリーム屋で、赤と緑のアイスキャンディーを買うのを見ると、エリナに渡すのを邪魔しようと、先にエリナに声をかける。そして、バスが両手に1本ずつアイスキャンディーを持って戻って来ると、「やあ、バス、何て偶然なんだ。エリナと僕、ちょうどアイスクリームを食べに行こうとしていたところなんだ。一緒にどう?」と声を掛ける(2・3枚目の写真)。そして、「ああ、もう持ってるんだ。自分で2個も食べるの? それとも、新しい友達にあげるの?」と言うと、エリナの肩に手を置き、バスに向かって、“ザマ見ろ” とばかりにニヤっとして見せる(4枚目の写真)。バスはジギーを睨みつける(5枚目の写真)。

競技が始まると、ジギーは、弟フリンのチームを、“盗んだ角材の隠し場所” まで連れて行く。高い塔を作るのにぴったりの角材を見て全員が驚く。ジギーは、3人で2本を運ぶよう指示する(1枚目の写真)。良心的なフリンは、「ジグ、これっていいの? つまり、なんでここにこんな角材があるの?」と訊く(2枚目の写真)。「僕がここに置いたんだ」。「だけど、バスと一緒にね」。「お前、一番高い小屋が欲しかったんだろ?」。こう言って弟を黙らせると、ジギー自ら一緒に角材を運ぶ(3枚目の写真)。

その日の作業が終わった頃、バスの一家3人は、映画の冒頭と同じように、ジギーの家の庭で食事会が開かれる。しかし、嫌々付いてきたバスは、玄関から中に入りたがらない(1枚目の写真、矢印)。母は、「さあ、バス、何年も前からやってるじゃないの」と言うと、無理やる手を引っ張ってドアから中に入れると、「私たちは、あなたたちが一度ケンカしたくらいで、今さらやめるつもりは絶対にありません」と言い聞かせると、ドアを閉める。そして、「私たちと一緒にいたくないなら、あんたたち2人だけ、庭の反対側に座ってればいいじゃないの」と突き放す。結局、バスはいつもの定番の席に座り、ジギーと顔を合わせないよう横を向いている(2枚目の写真)。濃いピンクの半袖シャツを着たバスの父は、うっすら髭の生えたジギーの父と、ソーセージのことで熱心に話し合う(3枚目の写真)。その直後、ジギーの父が急に、「ところで、お前たち、小屋建て競争の方はどうなんだい?」と言い始める。「今年、フリンたちは一番高い小屋を作るんだよな?」。バスの父:「いいぞフリン! いいグループなのかい?」。フリン:「ジギーと、他の何人かです」。バスの父:「そうか? バスのやつが言ってた。やるな!」。ジギーの父:「な、最高だろ?」。バスの父:「最高だ」。ここで、ジギーの母が口を出す。「そう? 本当にそれでいいの? もしよければ、今起きていることについて話し合わない?」。ジギーの父:「おいおい、あいつらはそんなの望んでないだろ?」。ジギーの母:「少しは話し合ってもいいんじゃない?」。ジギーの父:「何をだ? ちょっとした小競り合いや取っ組み合いなんて、俺だって昔はよくやったさ! 誰でも一度はケンカするだろ? おい、お前ら、もう解決したんだろ? そうだろ、フリン」。フリアは何も言わない。バスの母:「でも、あの子たち自身が気に病んでいるなら、ちゃんと…」。バスの父:「楽しくやろう! 友達同士なんだ! 友達同士なら許し合える、違うか?」。そう言うと、バスを見て、「どうなんだ?」「バス?」と訊くが、バスは何も言わない。代わりに、ジギーが、「僕たち、仲直りしました」と嘘を付く。バスの父:「ほら、見たか!」。ジギー:「今はどっちが一番高い小屋を建てるか、それが問題なんです」(4・5枚目の写真)。バスの父:「バス、聞いたか? それにしてもジギー、賢く解決したな」。こうして、何も解決しないまま、楽天的な父2人と、心配している母2人のシーンは終わる。

翌日、小屋建て競争が始まる前にジギーと一緒に角材13本がなくなっていることに気付いたバスは、フリンのチームの小屋まで行くと、2階にいたジギーに向かって、「ジギー、その角材は僕のだ! 分かってるだろ」と叫ぶ。ジギーは、「君のものであるのと同じくらい、僕のものでもあるよ」と答える。バス:「僕の方が君より多く隠したんだ。返せよ!」(1枚目の写真、矢印は角材)。ジギー:「見つけたもん勝ち、それがルールだろ」。バス:「へえ、そうなんだ。だったら、この小屋をめちゃくちゃにぶっ壊してやるからな」。そう言うと、手で木製パレットや木の板を剥がそうとするが、釘で打ち付けてあるのでびくともしない。それを見て、ジギーはからかうように笑う(2枚目の写真)。怒ったバスは地面に落ちていた細い角材をつかむと、それで小屋を叩き始める(3枚目の写真、矢印)。すると、そこに大会を管理する側の女性の係員が飛んで来て、やめるよう指示する。バスは、さっそく、「僕の角材盗んだんだ。上質で、あんなにたくさんあったのに」と訴える。係員は、「小屋の子供たち、今すぐ出て来なさい」と命じ、ジギーたちが出てくると、「本当なの? 君たち、あの角材盗んだの?」と訊く。ジギーは、「僕たちが、見つけました」と嘘をつく。バスは、「そんなの嘘だ! この嘘つき!」と怒鳴り、係員は「落ち着いて」とバスを静かにさせ、「君たち、ちゃんと真面目に答えなさい。その角材、彼の小屋から持ってきたの?」と訊く。ジギーは、「森の中で見つけたんです」と、ある意味、半分本当のことを言う〔ジギーも協力した〕。それに対し、バスは、「そうだよ、僕がそこに置いておいたんだから」と、半分嘘をまじえる〔ジギーも協力した〕(4枚目の写真)。それを聞いた係員は、「でも、森に木材を置いてはいけないはずでしょ!」と、規則に違反したことを問題視する。バスが、言い淀んでいると、係員は全員に、「君たち、森に木材を置いてはいけません。小屋建て競争の会場はここ、この広場なの。森の中じゃない。それがルールでしょ? 分かる?」と注意する。バスは、「はい」と言い、ジギーも、「はい、分かりました」と言うが、係員は “盗まれた” 角材については何も言わず、バスに向かって、「あなたはあっちでお水でも飲んできなさい。頭を冷やしにね」と言っただけ。

2人ともいなくなると、フリンは、「こんなの、戦争になっちゃうよ、ジギー」と、心配する(1枚目の写真)。ジギーは、「まさか、そんなわけないだろ。補強しなきゃ。あいつは戻ってくる」と言うと、他の3人に、「よし、みんな! ここのドアは閉めて。ここはとにかく頑丈にしなきゃダメだ。あいつは絶対にまた来る。その時は他の連中も連れてくるぞ」と言う。それでもフリンは、「でも、僕たちは一番高い小屋を作るんじゃなかったの? 一番頑丈な小屋じゃなくて」と反対する。しかし、年上のジギーの指示なので、ロニーは、「あいつらは戻ってくるよ、フリン。何かしなきゃダメだ。だろ?」と言いい、もうフリンのチームではなくなっている。ジギーは、「よし、みんな。全部にバリケードを築くんだ、急げ。壁も二重にする。それから秘密のトンネルもだ」と指示し(2枚目の写真)、高さ競争から離脱する。チームの中で孤立したフリンは、一番てっぺんまで登ると、悲しそうに下の4人〔せっかく “盗んだ” 角材を使って補強している〕を見下ろしている(3枚目の写真)。

手作りの凧を持ったエリナが「ねえ、バス!」と呼びかける。バスが立ち上がると、エリナが駆け寄り、「うまく飛ばないの」と言う。バスが、「凧、持ってたの?」と訊くと、笑顔で「ええ、自分で作ったの」と言う。バスも笑顔で「面白いね」と言う。エリナは、「はい、これ持ってて」と言って凧をバスに渡す。そして、「3で上に投げてね、いい?」と言うと(1枚目の写真)、バスから離れるように走りながら 「1、2」と数え、「3」でバスは凧を離す。すると、エドナが走るのに合わせて凧も飛んで行き、それを見たバスは笑顔になる(2枚目の写真)。エドナは、「ありがとう!」と声をかける。

そこに、ジェフリーとレオンが走って来て、木陰の向こうにいるジギーとフリンを指差す(1枚目の写真)。見られていると気付いたジギーは、自転車を急いで外し、「やっほー、バイバーイ!」と言って走り出す。フリンは急いで後を追う。少し遅れるが、3人も自転車に乗って2人を追いかける。「あそこにいるぞ! 捕まえろ!」。2枚目の写真で、先頭の紺色の服がジギー、薄緑の服がフリン、赤いに服がジェフリー、灰色の服がバス。途中で、ジギーはフリンを別の路地に逃がし、自分一人捕まる。自転車の前と後ろをジェフリーとレオンに捕まれて動けなくなったジギーに、歩いてバスが寄ってくると、すぐ近くまで顔を近づけ、「何か言うことは?」と訊く。ジギーが何も言わないので、ジェフリーが 「彼はお前の友達なんだろ、違うんか?」と言うと、ジギーは「くそくらえ!」と怒鳴る。バスは、顔を近づけ、「ミミズ食い教授」と言う(3枚目の写真)。それを聞いたレオンが、「ミミズ食い教授か。何度聞いても最高だな」とからかうと、バスは「黙ってて、レオン」と言い、ジギーに向かって 「で? 僕は君の友達なんだろ? それとも違うのか?」と訊く。それに対し、ジギーは足でバスを蹴り、怒ったバスは、ジギーをすぐ後ろ鉄扉に押し付け、ジェフリーはバスに 「やっちまえバス、やるんだ!」と煽る。ジギーは、バスに向かって「そんな勇気なんかないさ」と言い、バスは「やめろ」と言う。それでもジギーが「やれよ」と言うと、バスは「やめろ!」と怒鳴る。それに対し、ジギーは「臆病者」と罵る。怒ったバスは、ジギーの体を掴むと、自転車ごと鉄扉に叩き付ける(4枚目の写真)。思ったより強烈だったので、3人は、ジギーが何とか立ち上がり、自転車を牽いて歩き去るのをじっと見ている。

夜になり、バスが玄関から入って来るシーン(1枚目の写真)〔ジギーの家の “狭い廊下の先のドア” とは違う、“格差の違い” が確認できる〕。ジギーはそのままモダンな居間に入って行き、ノートパソコンで仕事をしている父に、「今晩は」と声をかける(2枚目の写真)〔ジギーの旧式の家との違いがよく分かる〕。バス:「ママはいないの?」。父:「ああ、出かけてる」。「そう…」。「調子はどうだ?」。「まあまあ」。「あの子たちとはどうなんだ? レオンとジェフリー」。「まあ…」。「小屋は高く作れそうなのか?」。「かなりね」。ここで、バスは思い切って訊いてみる。「パパ?」。「何だ?」。「僕なんかより、別の子の方が良かった?」。「何だと? 何を言い出すんだ!」。「もっと頭のいい子だよ」。「おい、バス。一体何を言っているんだ? もっと頭のいい子だと? だけど、そんなことは… それは全く的外れだ!」(3枚目の写真)「私が、お前のことを嬉しく思っていないとでも思うのか?」。「時々ね」。父は、「いいか、そんなことは絶対にない。断じて違う」と言うと、立ち上がり、ジギーを抱き締めながら、「お前は私の可愛い息子だ。お前以外に考えられない。ああ、バス… そんな風に思っていたのか?」と言う〔何度も書くが、ならなぜ、VWOに行けるよう、①家庭教師をつける、②担任に頼み込む、③私学に入れる、などの努力をしなかった→脚本の矛盾〕。

一方、バスタブに入っているジギーは、バスに押し倒された時の傷をじっと見つめている(1枚目の写真)。そして、母が浴室に入って来ると、見つからないよう湯の中に入れる。母は、タオルを置きながら、「ジギー、うまくいってる?」と訊く。ジギーはそれには答えず、「今日の夕食、何?」と訊く。「決めてないわ。もしかして、お米〔ライスターフェル〕とか?」(2枚目の写真)。母は、そう言うと、話題を変える。「あのね… バスは、自分を見失っているのかもね。一度謝ってみたら?」。「僕から?!」。「そうよ」。「でも、あっちが悪いんだ」(3枚目の写真)。「じゃあ、あなたが正しいのね。それって、いいことじゃないの」。

そして、翌日、小屋建て競争の状況が分かる唯一のシーン(1枚目の写真)。エリナがバスのチームの小屋まで来ると、「ハロー! バス、話があるの!」と大きな声で小屋に向かって言う。そると、上から紐で吊るしたバケツが下りてくる。エリナが中に入っている紙を見ると、そこには、「女の子、立ち入り禁止」と書いてある。そこで、エリナは、「バース!」と呼ぶ。すると、壁の一部が開き、中からレオンが、「字も読めんのか?」と言う。「バスに用があるの」。「女の子、立ち入り禁止って、そこにも貼ってあるだろ」。そこで、悪童なんか放っておいて、エリナは、また「バース!」と呼ぶ。すると、バスが、「レオン、そこにいて」と言うと、別の出入り口が開き、バスが外に出てくる。すると、エリナは、ネールハンマーを出し、「これ、もういらない」と言う(2枚目の写真)。すると、上部の開口部が開き、ジェフリーがからかう時に使う口笛(狼藉笛)を吹く。そして、ネールハンマーを渡して立ち去るエリナを見て、エドが、「ああ、バス、もうあなたなんか好きじゃないわ」と、女の子の声を真似て、“振られたバス” を冷やかす〔そもそもバスがなぜこんなチームの一員になったかも理解できないし、こんな扱いを受けても出て行かないのかも全く理解できない〕。バスは、「ちょっと待ってよ」「待って!」とエリナの後を追う。すると、足を止めて振り向いたエリナは、「私が知らないとでも思ったの? あなたたちがジギーを傷つけたって、みんな知ってるわよ」(3枚目の写真)「どうして、あんなことしたの? あいつらと一緒にいるから? あなたは優しい人だと思ってた。でも全然違った」と批判する。「だけど、そんなつもりじゃなかったんだ」。「あら、そうなの?」。「僕は参加したくなかった」。「2人は友達だったんでしょ?」。「うん」。「だったら、どうして!」と言うと、今度は本当に去って行く。どこまでも悪タレのエドは、「うわー、バス、大嫌い!」と、また真似をする。

場面は変わり、必要な部品を配布する場所に、フリンが釘をもらいに来る。そして、戻って行くフリンの後をレオンがつける。一方、バスはジギーに会いに行く。バスは、頑丈に守られた小屋の壁の隙間からジギーに話しかける。「話したいんだ。できたらだけど」(1枚目の写真)「本当だよ、ジグ。ただ話したいだけ」。横にいたロニーが、「罠に決まってる。君が外に出た瞬間、あいつら全員で襲ってくるよ」と止めるが、ジギーは、「彼は一人だよ、ロニー」と言って外に出て行く。バスは 「まだ痛む?」と訊き、ジギーは 「大丈夫」と答える。「バカなことしちゃった。マジでごめんね」。「うん」(2枚目の写真)。「いい小屋だね」。「もしこの構造を去年使ってたら、きっと2倍の高さになってたよ」。「そう思う?」。「たぶんね」。良好な関係が生まれようとした時、アーロンが走ってくる。「ジギー! ジギー! フリンが捕まった!」。「誰に?」。「あいつらだよ。フリンを無理やりつかまえて、小屋に引きずり込んだんだ」。ジギーは、「バス?」と訊く。バスは 「ジギー、僕は何もしてない!」と事実を述べる。アーロン:「フリンが釘を取りに行った時に、あいつらに捕まったんだ」。バス:「ジギー、僕は知らなかったんだ!」(3枚目の写真)。しかし、ジギーにはもうバスのことが信じられなくなっていた。「バス! どうしてこんなことできるんだ!」。「ジギー! ジギー、誓うよ、僕は…」。しかし、そこにいた4人全員に叩かれそうになり、バスは逃げ出す。

全員がバスを追いかけ。バスは、エドの小屋の3階にある入口〔梯子が掛っている〕から何とか逃げ込む(1枚目の写真、矢印)。中にいたジェフリーとレオンが大急ぎで開口部を閉ざす。ジェフリーは、バスに 「俺たちうまくやったぞ。あいつ一人で歩いてたから、捕まえて閉じ込めてやった。マジで人質だ」と言い、レオンも 「俺たち、人質取ったんだ」と自慢する。そして、下にいるジギーたちに向かって、2人は 「あいつには会えないぞ」「さあ、ほら、どう思うんだ、生意気ヤロー。ここには入れんぞ」とイビる。拉致されたフリンは、小屋の一番上から 「ジギー! ジギー!」と叫ぶ。それを聞いたバスは、上に登って行く。そして、奥から出て来たエドに、「君、何してんだよ?」と非難するように訊く。エドは、「どうだ、やったぜ。マジでクールだろ!」と自慢する。バスは、そのまま奥の小部屋に入って行き、「フリン!」と声をかける。一方、エドは、下から 「開けろ!」と怒鳴ったジギーに、「おい、教授。弟にミミズを食わせてやるぞ」と言って笑い、バスに対しては、「おい、そのままにしとけよ。長い角材を渡すまで、こいつは返さんからな。あれは俺たちのモンなんだろ?」と言う(2枚目の写真)。そして、ジギーに向かって 「いいか、あの長い角材全部と交換だ。じゃなきゃ、あいつはここだ。どっちか選べ、弟か、長い角材か」と告げる。これを聞いたジギーには、選択肢はない。仕方なくフリンの小屋に戻ると、打ち付けた角材を剥がし始める。アーロンに、「これからどうするの?」と訊かれると、ジギーは 「角材はF.C.コーラに渡す。それから戦争だ」と言う。それを聞いたロニーは、「そうだ、戦争だ」と仲間2人に言う。一方、エドの小屋の最上部の奥の小部屋では、フリンを守るようにバスが付き添う。その際、バスが腕に書いた「F.C.コーラ」を隠したのを見たフリンは、「このチーム、好きじゃなくなったの? 僕、いつ解放されるの?」と訊く。バスは、2つ目の質問にだけ答える。「ジギーが角材を返したら」。2人が、板の隙間から、フリンの小屋を見ると、ジギーが小屋のてっぺんの角材を外している(3枚目の写真)。それ見たフリンは、「僕たち、もう勝てないね」とがっかりする。「そんなの分かんないだろ?」。「分かるよ。筋交いがなくなったから、二度と元には戻らない」。

しばらくすると、ジギーたちが角材を持って来る(1枚目の写真、矢印)。エドたち3人は下まで降りて、小屋から外に出る。エド:「お、いいな。最高の角材じゃねえか」。ジェフリー:「頑丈だし、小屋をさらに高くするのにちょうどいい。ズルした罰だ」。レオン:「悪知恵教授」。そして、レオンが角材を取ろうとすると、ジギーが足で角材を下に踏んで戻し、「フリンが先だ」と言う。エドは、「気をつけろよ、チビ教授、痛い目を見るぞ」と脅し、ジギーは 「フリンと角材の交換だ。それが約束だろ」と主張する(2枚目の写真)。エドは、「お前、このチームのルール、何もわかっちゃいねえな。ミミズのこと忘れたか?」と、無視しようとするが、ジギーが 「同時交換だ」と強く言うと、仕方なく 「奴を連れて来い!」と命じる。バスが、フリンを連れて小屋から出てくる。そして、フリンを渡す時、ジギーの耳元で、「何もされてないよ。僕がずっと一緒にいたから」と囁く(3枚目の写真)。それに対し、ジギーは 「戦争だ」と小声で言うと、エドに向かって、「戦争だ!」と叫ぶ。エドは、笑いながらジェフリーに 「あいつ何て言った? 戦争だと? 俺がビビるとでも?」と言い、レオンは 「戦争だ、戦争だ」とバカにする。ジギーは、「明日だ。映画の間、森で」(4枚目の写真)「来ない奴は臆病者だ。コーラ野郎全員来いよ」と言う(5枚目の写真)。ジェフリーとレオンは、ジギーたちに向かって、「お前ら終わりだ、ガキども! 終わりだ!」「お前ら全員破滅だ、ガキども!」と罵倒する。ジギーたちが去った後で、ジェフリーが 「この角材、どうする?」とエドに訊くと、彼は 「放っとけ。明日は戦争だ」と言う。

ジギーが自宅の作業小屋で木工旋盤を使って直径2センチくらいの木の枝の先端を鋭く削っている(1枚目の写真、矢印)。そこに、突然 父が入って来る。「お前何してんだ?」と言う。返事はないが、父は、置いてあった尖った木の枝を1本取り上げると、「なるほどな。俺たちも昔よくやった。ナイフだっだが。おお、尖ってるな! この方が断然いい! こうしたらどうだ… ここと、ここに、切込みを入れる… そうすりゃソーセージがしっかり固定される。ロールパンでも焼くのか? 俺たちも昔よくやったよ。森の中で、でかいキャンプファイヤーをしてな」(2枚目の写真)「ま、バカげた行為で、結構危険だった。だから、今のうちに楽しんでおけ。来年は、棒を回す必要なんかなくなるから。お前は、もっと別のことで忙しくなるだろう。まだ先だけどな。いずれはやらないと。ああ、俺もお前になりたいよ」と言う。父が出て行った後で、すべての木の枝の加工が終わると、ジギーは森へ行く。次のシーンは、チームの3人を森に呼んだジギーが〔なぜか、フリンがいない〕、「マッツ、引っ張って」と指示する。マッツが紐を引くと、先端の尖った20本以上の枝が行く手を塞ぐ(3枚目の写真、左端の赤いヘルメットがマッツ)。それを見たロニーは、「すごい!」と驚く。ジギーは、次に、「そのまま下ろして」とマッツに言い、枝が再び地面に並ぶと、3人に 「上に葉っぱを被せるんだ」と指示する。

アナウンス係の男性が、ブランコに寂し気に乗っていたバスの横を通った時、「おい!」と言うと、地面の草の中から何かを拾い、「ポケットから2ユーロ・コイン落としてないか?」と訊く。バスは首を横に振るが、男性は、「おいおい、ポケットから落ちたの見たぞ。ほら… アイスキャンディーでも買って誰かを喜ばしたらどうだ?」と言い、2 ユーロ・コインを渡す。バスはそのお金で赤と緑のアイスキャンディーを買い、エリナの小屋に行く。そして、「アイスキャンディーあるよ。食べる?」と声をかける。エリナは降りて来て、アイスキャンディーを受け取る。バスは自分の緑のアイスキャンディーを2つに割り、1本を差し出す。エリナも、赤のアイスキャンディーを2つに割り、緑と交換する(1枚目の写真)。夕方になり、映画会が近づく。会場の中では、ロニーがアーロンに、「彼、どこ?」と訊き、アーロンは 「いないな」と答える。それを聞いたロニーは、ジギーに、「バス、ここにいないよ」と言う。その頃、エリナの小屋の上で、バスは、エリナに 「映画が始まるよ」と言っている。エリナが 「行きたいの?」の聞くと、バスは肩をすくめ、「君は?」と訊き返す。エリナも肩をすくめる。そこで、バスは、置いてあった猿のぬいぐるみを手に取ると、「これ、君のモンキー?」と訊く。「ええ」。「面白いね。僕も小さなモンキー、持ってたんだ。コムチェって名の。いつもすごくいい匂いがしてた。だから、絶対に洗わせなかったんだ」(2枚目の写真)。しばらくして、バスが 「そろそろ行く?」と訊くと、エリナはバスの頬に軽くキスし(3枚目の写真)、2人とも笑顔になる。

バスとエリナは、映画の臨時会場内に入ると、それぞれのチームの場所に別れる。「行かなくちゃ」。「じゃあね」。バスがチームの所まで行くと、バスに乱暴に掴まれ、「お前 やっと来たな。どこにいたんだ? こっそり逃げ出したのかと思ったぞ。もしそうだったら、お前をボコボコにしてたろうな。だが、ちゃんと来た。ちゃんとな!」と あげつらう。解放されたバスは、レオンの隣〔末席〕に座る。ジェフリーは、「おい、バッシー、これ見てみろよ」と、“頭の悪いワルが思いつきそうな下らない武器” を見せる。一方。フリンのチームでは、フリンがジギーに、「行かないで。とにかく行かないで」と頼んでいる。「もう手遅れだよ」。「そんなことない。映画を見てようよ」。「フリン、あいつらはお前の小屋をめちゃくちゃにしたんだ。角材を盗み、お前を捕まえた。そんなの絶対変じゃないか!」。「僕は一番高い小屋が欲しかっただけだよ」。「僕たちには秘密兵器がある。お前は来なくていいんだ」。映画が始まると、2つのチームは会場から出て行く。フリンは、管理者のトレーラーハウスに行き、入口で声をかけるが、誰も気づかない。そこにエリナが駆け付ける。フリンは、「ケンカが始まっちゃうよ。どうして来てくれないの?」と言って、呼び続ける。一方、両方のチームのメンバーは、顔に白や黒を塗り、“戦争” の準備に余念がない。ジギーの策略は、尖った枝で作った “柵” の前に、懐中電灯を置き、そこにエドたちを呼び寄せること。フリンとエリナは 埒(らち)が明かないので、森へと向かう。懐中電灯の所まで行ったエドは、「ここには誰もいないぞ」と不審がる。ジェフリーは 「俺たちをここに誘い出したんか? このクソッタレの懐中電灯め」と言って懐中電灯を蹴飛ばす。バスは 「誰も、来てない。怖気づいて来なかったんだ。これで終わりだね」と言うが、エドは 「何だと!? 終わりだと?」と、その発想自体を問題視する。バス:「うん。戦いたくなかったんだろ? なら、僕たちの勝ちだよ。それでいいんじゃない?」。ジェフリー:「おいおい、バス。これ、苦労して作ったんだぞ」。バス:「もう十分だよ。引き返して、このまま終わりにしよう」。ここで、バスの態度に我慢できなくなったエドが、「おい、何言ってんだ! 今さらビビって引き下がる気か? あのミミズ食い野郎が怖いんか?」と疑う。バスは 「違うよ」と否定するが、エドは 「やっぱりだな。お前はただの臆病者だ。あのミミズ食い野郎と同じだ」と断定する。バス:「いい加減にしてよ!」。エドは 「お前こそちゃんとしろ、この弱虫!」と言ってバスの胸を押す。バスは強く押し返す。「やい、何する気だ?」。ここで、事態の鎮静化のため、レオンが、「あいつらをやっつけるんじゃなかったのかよ!?」と言い、ジェフリーは 「小屋に行って捕まえよう」と言う。これを聞いたバスは、「僕は もう抜ける」と言って歩き始めるが、それが契機となって、“柵” が一気に立ち上がる(1枚目の写真)。エド:「何だ、これは?!」。すると、背後で、ジギーが 「わぁーおー!」と叫ぶ。他の子も、同じように叫んで姿を現す。エドは両手で鎖を持つと、「お嬢ちゃんたち… コスプレでもしてんのか?」と、バカにする。双方は睨み合う(2・3枚目の写真)〔睨みながら、位置を変えていくので、何のために “柵” があるのか全く分からない〕。エドは、「やっちまえ」と言って、バスをジギーに向かって押し出す。ジギーは、「戦えよ、バス! 戦え!」と叫ぶ。バスは 「ジギー、落ち着けよ」と宥めるが(4枚目の写真)、ジギーは 「さあ、来い!」としか言わない。バス:「ジギー、僕はこんなのイヤだ!」。しかし、4対4の戦闘が始まってしまう。

ジギーとバスは、地面に転がって戦い、最初はバスがジギーの上に乗るが、最後には逆転し、ジギーがバスの首を絞め、「降参って言え。ほら、言うんだ」と攻める(1枚目の写真)。「言えってば」。「降参」。その時、フリンの悲鳴が響き渡る。真っ先にバスが駆け付ける。そして、「ジギー、彼の脚… 刺さっちゃって抜けない」と深刻な状況を伝える。ジギーは、自分が先端を尖らせた枝が弟を傷付けたのを見て呆然とする(2枚目の写真、矢印)。バスとエリナがフリンの肩を持ち上げ、ジギーが脚を持ち、トレーラーハウスまで運ぶ。ジギーとバスは、外に出て来た係員によってトレーラーハウスに運ばれるフリンを見ている(3枚目の写真)。消耗したジギーが去った後、代わりにエリナが横に来る。家に戻ったジギーは居間のソファに倒れ込む。しばらくすると、母が横に座り、父も来る(4枚目の写真)。

最終日。子供たちが作った小屋が、次々とロープで引き倒されていく(1・2枚目の写真)。それが終わると、表彰式。管理者が、「紳士淑女の皆様、少年少女の皆様。ついにこの時がやってきました。最も高い小屋の勝者は、高さ7メートル80センチの小屋を作ったチーム・スロッデルフォース〔だらしないキツネ〕です」と言い、チームの4人が立ち上がって喜ぶ(3枚目の写真)。

ジギーと、傷口に包帯を巻き、ウォーキングポールを両手で持ったフリンが、丘の上に座ってそれを見ている。ジギー:「勝てなかった。本当にごめん」(1枚目の写真)。フリン:「それ、もう100回も言ったよ」。「うん。でも、本当にそう思ってるんだ」。「来年は僕が絶対に勝つもんね。お兄ちゃんは、もういないけど」。その夜、木材が集められてできた大きな焚き火の周りを 参加した少年少女たちが取り巻いている。バスがジギーに、インディ・ジョーンズみたいな帽子〔映画の最初に、ジギーが被っていて、2人で角材を盗んでいる時に見つかり、逃げる時に落としてしまった帽子。大会の管理者が以来被っていた(1つ前の節の3枚目の写真)〕を渡す。ジギー:「まさか! 僕の帽子だ」。バス:「パクったんだ。彼がトイレに入っている隙に」。ジギーはその帽子を、「ほら」と言って、バスの頭に被せる。「君にあげる」。「いいの?」(2枚目の写真)。最後の場面は、炎の向こうのバスとジギー(3枚目の写真)。
