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M (Beyond the Wasteland) 壊滅した世界を超えて

北マケドニア映画 (2023)

化け物映画は山ほどあるが、北マケドニア映画は滅多にないので、今回の「最近の8映画の紹介」の中に入れることにした。この映画に対する評は思ったよりたくさん(10件以上)あるが、どの評も、ネタバレ禁止をいいことに、肝心な情報を教えてくれない。監督のインタビューも見つからない。「なぜマルコは誰も来ない森の中にいるのか?」。映画を観ていて分かるのはこの1点だけ。答えは、人類を襲った化け物から遠く離れていられるから。しかし、「なぜ、ミコはマルコの近くに、同じように孤立して住んでいるのか?」。もうこの疑問には答えられない。しかし、一番の疑問は、普通の人が化け物になるのは、化け物に噛まれたり、爪などで引っかかれて傷付けられるからなのだが〔恐らくウイルス感染〕、誰が何の目的で人類をこのような危機に陥れたのかという点? 宇宙人か? 新型コロナのような自然のウイルスの突然変異か? それとも特定の国家の策略か? この問い以上に謎なのが、マルコの左腕にあるの字にも見える “感染を防ぐ何らかの医学的措置” の跡。彼は9歳くらいで、赤ちゃん時代をどうやって過ごしたかはわからないが、少なくとも記憶に残る期間中はずっと森の奥深くで父と一緒に過ごしている。の効果がそれだけ絶大なら、何も森の奥に隠れる必要なんかないハズだ。だから、この映画の論理的な部分は、すべて闇に包まれていて、最後まで明かされることはない。どの批評家も褒めているのは、主役のマルコを務める子役の演技力。会話そのものはゼロに近いので、その自然な表情の変化は、確かに一見に値する。それに、化け物映画で9歳くらいの子が主役になった例は、極めて稀であろう。残念ながら、このくらいしか書くことがない。なお、翻訳に当たっては、英語字幕には少し問題があったので、ロシア語の字幕を100%使用した。

主役のマルコを演じたのは、マテイ・シヴァコフ(Matej Sivakov)。これが映画初出演。年齢も含めて詳しいことは何も分からない。

あらすじ

映画は、黒地のまま、主人公のマルコの言葉から始まる。「ぼくは木の葉の子。ぼくの知らない外の世界から隠された魔法の森の奥深くに住んでる」。そして、照明もない暗い室内で、立っているマルコと、イスに座った父が向かい合っている映像に変わる(1枚目の写真)。父が、横に置いてあったライフル銃に弾を込めていると、マルコが拳銃を持ってくる。そして、父はライフル銃を持って森に出て行く。中に残ったマルコが拳銃を持ったまま眠ってしまうと、「森は広大だ。お前を飲み込むだろう」という父の声が聞こえ、夢の中で、マルコは 森の中のシダで覆われた斜面を掻き分けるように歩く(2枚目の写真、矢印はマルコ)。夢はさらに続き、「息子よ、森の外の世界に何があるのか知るのは、お前は まだ早過ぎる」言う父に向かって、マルコが何度も「父ちゃん」と言い(3枚目の写真)、体をドンドンと叩いていると…

バンバンと、鉄のドアを叩く音でマルコは目が覚める。そして、厳重にロックされた鉄のドアを開け、父を中に入れる(1枚目の写真)。父は、「鹿だ。次はうまくいく」と言ってライフル銃を置くと、マルコが拳銃の使い方をちゃんと練習していたか確認のため、撃つまでの操作をさせるが(2枚目の写真、矢印は拳銃)、巧くできない。失敗して恥ずかしがるマルコを睨みつけた父は、シャツを脱ぐと上半身裸になり、部屋の隅に置いてあるマットレスの上に座り込むと、手錠の一方を左手首にはめ、もう片方をマットレスの横の壁に 斜めに固定された鉄パイプに固定する(3枚目の写真、矢印は手錠)。そして、手錠の鍵をマルコのベッドに向かって投げる。

映画は、深い森の俯瞰撮影のあと、マルコと父が住んでいる、鉄でできた住処を映す(1枚目の写真)。そして、住処の周りに張り巡らされた “不審者の接近を音で知らせるための金具付きワイヤー”(2枚目の写真)や、住処の周りに置かれた “不審者が踏んだら釘が突き刺さって動けなくする罠”(3枚目の写真、矢印)が映る。

一方、マルコは『ДЕТЕТО од ЛИСJА(木の葉の子)』という絵本を、中にいる時はいつも見ている(1枚目の写真)。マルコが外に出る機会は、水を汲みに幾つかの水筒を持って渓流に行く時だけ。そんな時には、ヘッドホンをはめて音楽を聴くのが好き(2枚目の写真)。時々、自分の左手の手首にある “” の形をしたマークを見て(3枚目の写真、矢印)、「は苔だ〔„“ означува мов/英語でも is for oss〕」。「霧магла/ist〕だ」。「魔法магија/agic〕だ」。「マルコарко/arko〕だ」と言って、楽しむ。その後、ヘッドホンを外し、近くの木の幹に、拾った石でMを彫っていると、いきなり、後ろから父に乱暴に口を手でふさがれる(4枚目の写真)〔びっくりして叫ばないように〕。そして、「お前は何も聞いとらん。いつも耳をすませ。いつもだぞ。そして音を立てるな。そうすれば森と一体になれる。森は外の世界からお前を守ってくれる。悪魔に不意を突かれるような真似をさせてはならん」と注意する。住処に戻っても、注意は続く。「お前はまだ小さくて弱い。もし、森を離れたら、死んで土くれになるだろう」「俺がお前に何て教えた? お前の本に何て書いてある? いつの日か、木の葉の子は強くなるだろう。そしたら、森はお前を解放するだろう。お前が探す妖精を見つけられるように」。そして、マルコは、『木の葉の子』を見ながら、声を上げて読む。「魔法の森は ぼくを守ってくれる。妖精のことをぼくにささやいてくる。ぼくの木の葉に呪文で命を吹き込んでくれる美しい妖精だ。でも、妖精は近くにいない。すっと前に去ってしまった。そして、遠く離れた神秘的な場所、石の谷に隠れている」。

ある日、マルコは、行ってはならない遠くまで行き、古いキャンピングカーが捨てられているのに気付く(1枚目の写真)。その日は、そのまま住処まで戻り、父が、ジャガイモとニンジンを使って料理をするのを手伝う。そして、『木の葉の子』を開くと、中に小さなキャンピングカーを描く。そして、翌日、マルコは再びキャンピングカーの所まで行き、今度はドアが開かないか試してみるが開かない。そこで、車の真後ろに行き、リアウィンドウをこじ開け(2枚目の写真)、窓から中に入り込む。すると、見たこともないロボットの人形が置いてあったので取り上げると、「やあ、やあ、新しい友達みつけたぞ」と英語で言う。「どこか、遠くまで行こう」。その時、奥で音がしたので、恐ろしくなったマルコは、ロボットを元の場所に戻すと、窓の方に下がる。すると、暗いので分からないが、自分より大きい人影が こっちに向かって歩いてくる。すると、今度は、玩具の自動車が、床を走って来て、マルコの足にぶつかる。暗闇の中から出て来たマルコより大きい子は、ロボットを取り上げると、マルコに近寄り、“あげる” とでも言うように、マルコに向けて差し出す(3枚目の写真)。そして、にっこりと笑顔になる(4枚目の写真)。マルコはロボットを受け取る。マルコは、代わりに、持っていたヘッドホンを相手の耳にかけ、音楽を聴かせる。

次のシーンでは、2人は暗い車内から明るい森の中に行き、ロボットと玩具の自動車を使って遊ぶ(1・2枚目の写真)。2人とも、これまでずっと1人だったので、友達ができて実に楽しそうだ。マルコは、「ぼくマルコ。君は?」と自己紹介して訊く。「ミコ」。「君の名前もから始まるんだね。ぼくの手にはが付いてるんだ」。そう言って、ミコに見せる。「マルコのだ」と言うと、地面に落ちていた燃えた木切れのような物を拾うと、ミコの手にもと書き、「君にもが付いたね」。ここで、マルコは話題を変える。「君、悪い奴ら見たことある? ぼく、一度もないんだ。父ちゃんは、奴らは森が怖いんだって言ってた。森が君を入れたってことは、君は悪魔じゃないんだ」(3枚目の写真)。ミコは、「ぼく、いい子」と言って、また満面の笑みを見せる(4枚目の写真)〔ミコはダウン症候群〕。その頃、住処では、古い無線機から聞こえてくる一人の男の体験談に、父が聞き入っている。「俺は、この目で見たんだ。みんな、それと知らずに境界を越えて行った。すぐに噛みつかれ、大災厄が起きた。体に入った血が、みんなを化け物に変えた。誰一人 助からなかった」。

マルコは、ロボットをもらってミコと別れる。マルコが住処に向かって斜面を登っていると、背後で異様な気配を感じる(1枚目の写真、矢印)。マルコが、逃げようとすると、「お待ち!」と声がかかり、マルコが草の間にしゃがんで振り向くと、父と同じくらい汚い格好をした女性がライフル銃を構えている(2枚目の写真)。女性は、逃げようとするマルコに向かって、「私はここにいる。これ以上近づく気はない。君も一歩も動くな」と注意した上で、「ミコがくれたのか?」と訊く。マルコが、何も言わないので、「聞こえてるだろ。それとも、リスに耳を食べられたのか?」と皮肉る。それを聞いたマルコは、耳が食べられてないか耳に触る。それを見てにやりとした女性は、「森の男は 君の父さんか?」と訊く。マルコは僅かに頷く。「まだ他に誰かいる? お母さんは?」。マルコが肯定も否定もしないので、きっと他に誰もいないと思う。すると、またマルコが逃げ出そうとしたので、「待って。プレゼントだよ」と言い、白い袋に入った物(3枚目の写真、矢印)を投げる。マルコは、最後に、チラと笑顔を見せて立ち去る。

しかし、女性が銃を収めてキャンピングカーの方に戻って行くのを見ると、マルコは隠れて引き返す。そして、キャンピングカーの前で、女性がミコを抱き締めるのを見る(1枚目の写真、矢印)。今まで、厳しい一方の父にそんなことをされたことなど一度もなかったマルコは、羨ましくもあり、まだ見ぬ母に会いたいとも思う。そう思いながら、ゆっくりはしていられないので、住処に向かって帰るが、ロボットは持ち帰れないので隠し、女性からもらったヘーゼルナッツは袋から出して服の下をめくり、その中に入れる。住処の前まで来ると、父は  「どこに行ってた? 渓流まで探しにいったがいなかったぞ」と訊くが、マルコは黙っている(2枚目の写真、矢印)。「聞こえなかったのか? つんぼになったのか?」。そこまでは静かに訊いていた父だが、最後には、「どこをほっつき歩いてたんだ?!!」と怒鳴る。びっくりしたマルコが服から手を放すと、ヘーゼルナッツが10数個地面に落ちる。木の実を拾っていたことでマルコを許したのか、次のシーンでは父が薪を割り、マルコが割った木を積んでいる。しばらくすると、父のそばに寄って行くと、前に立って 手を父の背中に回して緩く抱く(3枚目の写真)。そんなことをされたことのない父は驚き、すぐにマルコを手で放す。夜になり、マルコが絵本を見ながら 「は母ちゃんだ〔„“значи мама/ is for mom〕」の例を追加する。

翌日、マルコはミコの母に再開し、1回目の時と違い、逃げようとはせず、その中に、まだ見ぬ母の片鱗を感じている(1・2枚目の写真)。マルコが夕方、住処に戻ると父はまだ帰っていない。マルコは、壁のでっぱりの上に置いてある母の写真を見たり、無線機から流れている音声を聴いたりしている。「すべての新生児は…。権力者どもは、理解しようとすらしない。その報いは、奴らの身に降りかかるだろう。血の犠牲は、狂気的な怒りに行き着いてしまった。やつらは、辞めるべきだ」。父が帰って来て、いつもなら2人で静かに夕食の時間を過ごす時間なのだが、その日、マルコは食べようとしない。父が、「食べろ」「どうした?」と言うと、「ぼくに 母ちゃんいるの?」と訊く(3枚目の写真)。昨日、抱き着かれたのに続き、今までにない行為なので、どうしていいか分からない父は、「もう寝ろ」としか言えない。マルコは絵本を見ながら、「魔法の森は、ぼくが一人ぼっちだって知り、慰めようとして、『君は特別なんだよ』とささやく。でも、特別だったら、似たような子を見つけるのは難しくなる。ぼく、特別になんかなりたくない」と囁く。

翌日マルコが、森の中で見つけたキノコを父に渡していると、銃声が響き渡る。今までなかったことなので、父は驚くとともに危機感を感じ、マルコに 「戻れ」と命じる。マルコは父を振り返りながら戻って行く(1枚目の写真)。父は、銃声のした方に向かって歩いて行く。マルコは、住処には戻らず、こっそり父の後を付ける。すると、さらに3発の銃声が聞こえる。マルコが葉陰から覗くと、ミコの母が、右腕上部から大量の血を流して地面に片膝をついている(2枚目の写真、矢印)、すると、そこに父が現われ、ライフル銃で射殺する(3枚目の写真)。それを見て衝撃を受けたマルコは全速で走って逃げる。

その夜、父は、酒をカブ飲みする。すると、遠くから喚き声のようなものが聞こえる。すると、父は、「あいつら、すぐそこまで来やがった。なぜここに来たんだ。俺のすべてを奪っておきながら。あの子が欲しいのか? お前〔妻〕は、守ると約束したのに俺を捨てた。俺は、あの子を守り抜く。何があっても渡さん。絶対に離さんぞ。何があってもだ」と、半分酔っ払い、酒瓶を何かに投げつけながらブツブツ言い続ける。そして、いつも通リ、手に手錠をはめると眠ってしまう。マルコは、父が一度こっそり見ていたタブレットを隠し場所から取り出すと、住処のドアの外に持って行き、スイッチを入れて見てみる。前半は、母の膨れたお腹の中にマルコが入っていた頃の、父と母と小さな姉の3人が庭で楽しく遊んでいる動画。後半は、何かの凶事で恐怖に満ちた母の顔だけが映り(1枚目の写真)、「マルコ… あなたを置いていくしかないの。とても愛してるわ。あなたのお父さんは…」というメッセージで切れる。その動画の中には、父が何度も 「イリーナ!」と呼ぶ声も入っている。マルコは、父が、壁のパイプに繋ぎ忘れた手錠をはめると、壁に置いてある母の写真を手に取り(2枚目の写真、矢印)、拳銃と絵本と一緒にリュックに入れ、ドアを開けっ放しにして出て行く(3枚目の写真)。

そして、夜の森を歩き、明け方にはミコのキャピングカーに辿り着く。そして、壁を叩き、「ミコ、ドアを開けて!」と呼ぶ。ミコがドアを開けると、マルコは中に入る。同じ頃、目を覚ました父は、起きようとしても手錠がパイプに付いているので動けない。キャピングカーでは、マルコがミコに靴を履かせ、外出用の服を着せる。そして、テーブルの上に置いてあった食料の缶詰を、すべてリュックに入れる(1枚目の写真、矢印)。ミコが、「母ちゃん、どこ?」と訊くと、「シカ狩りをしてる」と嘘を付く。父は、パイプの端を壁から引き抜き、手錠をパイプから外す〔鍵がないので、手首からは外れない〕。そして、マルコのベッドに寝た様子がないことや、タブレットが放り出してあることから、何があったのか気付く。父はライフル銃をつかむと、すぐに探しに出かける。そして、キャンピングカーまで行くが、中はもぬけの殻だった。その頃、マルコはミコの手を引いて森の中を歩いている。ミコは、「マルコ、待って」「母ちゃんに会いたい」と言い出す。本当のことを教えた方がいいと思ったマルコは、「君の母ちゃんは、もういない」(2枚目の写真)「ぼくの父さんは悪い奴だ。君の母ちゃんを土に変えちゃった」と話す。それを聞いたミコは、今や母の代わりになったマルコに抱き着く(3枚目の写真)。父は、森の中で、「マルコ!」と何度も呼ぶが、どこにいるのか分からない。

マルコは、渓流に沿って下って行く。すると、枝の折れる音が何度もする。父が言っていた邪悪なものかもしれないと思ったマルコは、走って逃げ出し、森を抜けると林道に出る。すると、遠くの方に車が1台停まっているのが見え、背後からは追うような音が響く(1枚目の写真)。2人は車まで走って行き、バンのリアドアから中に入るとドアを閉める。しばらくすると、道路側の窓ガラスを、髪の毛が伸び放題の何人かの黒い影がドンドンと叩き、2人を恐怖に陥れる(2枚目の写真)。すると、凄まじい音がして、黒い影がいなくなると、リアドアが開き、手に斧を持った父が現われる。そして、マルコを外に引っ張り出す。父は、「ケガはないか?」と訊き、両手や首の周りを調べる。何もなくて安心した父がミコを見ていると、マルコは車の周囲に斧で殺された3人が横たわっているのを見て恐怖に慄く(3枚目の写真)。

遠くで、また怪物らしき音がしたので、父は、バンの中にあったマルコのリュックを背負うと、斧をふるう時に地面に置いておいたライフル銃を持つと、安全のためミコを入れたままリアドアを閉める。そして、「ミコ!」と叫ぶマルコを無理矢理引っ張って森の中に入って行く。嫌がるマルコを静かにさせようと、父は、「これで分かったか? 奴らはみんな邪悪なんだ!」と言うが(1枚目の写真)、マルコは 「父さんも邪悪だ! あいつらと同じだ! ミコの母ちゃんを殺した!」と怒鳴る(2枚目の写真)。「それは違う」。「見てたんだ。ぼくの母ちゃんも殺したの?」。「何だと? いいか、マルコ。お前の母さんは…」。「ぼく見たんだ。母ちゃんはあんたを怖がってた」。「何たる たわ言だ。行くぞ」。「イヤだ!」。父は、マリコを腕をつかんで大きな木の根元に置き、「隠れてろ。ここで待ってるんだ」と言うと、バンの方に向かって降りて行く。そして、バンの周りにいて、自分の方に向かって歩いてくる化け物を、次々と撃ち殺していく(3枚目の写真)。

一方、木の根元に隠されたマルコにも、1人の化け物が向かって行く(1枚目の写真)。下では、バンの周りの化け物を全員撃ち殺した父が、リアドアを開ける。マルコは、リュックから拳銃を持ち出すと、何とか撃てるようしようと必死で銃を操作する。そして、どんどん近づいて来る化け物に銃を向けると、恐ろしいので、目をつむったまま発砲する(2枚目の写真)。下では、その発砲音を聞いた父が急いで林道を走っていると、森から、新たな化け物が飛びかかってきたので〔ライフル銃は使えない〕、何とか倒してマルコの方に向かう。父がマルコの前まで行くと、マルコは呆然としていて、その前に化け物が倒れている。そこで、さっそくマルコに傷がないか確かめた上で、「行くぞ。下は無事だ」と言う。そう言いながら、父がふと自分の右手に目をやると、手から血が出ている(3枚目の写真、矢印)。そこで、すぐに倒木に打ち込まれた鉄に自分の手錠をはめ、動けないようにする。

父は、「俺は、あの子の母さんを殺してない。彼女は噛まれたんだ。生きていたら、奴らみたいな化け物になるところだった。俺は、彼女を救ったんだ」と、初めて事実を明かす。マルコは、住処から盗み出した母の写真を取り出して、「母ちゃんも、同じように救ったの? もう土になっちゃったの?」と訊く。恐らく本当はそうなのであろうが、父は、「いいや。母さんは妖精、白衣の妖精だ。白衣の妖精は、死ぬことはないし、邪悪になることもない」と嘘をつく。それを聞いたマルコは、父がミコの母を殺した訳ではなく、自分の母も生きていると信じ、父に抱き着いて、「父さん、家に帰ろう」と言う(1枚目の写真)。しかし、父は、血が出ているということは、化け物に裂かれたからなので、自分も直に化け物になってしまうと悟っているので、マルコの体を自分から離す。そして、「俺は、お前に何を教えた?」と訊き、「いつの日か…」と、出だしを口にする。マルコがその後を続ける。「木の葉の子は強くなり、自分の妖精を見つけるだろう」。「そうだ、“自分の妖精” だ」。すると、父の体に異変が起こり、急に変な動きが始まる。それを見た父は、「いかん!  逃げろ! 見るんじゃない!」と叫ぶ。マルコは泣きながら下の道に向かって降りて行く(2枚目の写真)。マルコがミコと手をつないで一緒に歩いていると、化け物になる前に自殺しようとライフル銃を発砲した音が聞こえ、マルコは父の死を悟る(3枚目の写真)。その日の夜、何もかもが怖くなったマルコは、ミコに 「君、〔化け物に〕変わったりしないよね?」と訊く。「しない。母ちゃんが、しないって言った。ぼく、他の子と違う」。「どんな子なの?」。「君と同じ」〔後で、使われる言葉〕

2人は、岩が堆積した奇妙な場所を超え(1枚目の写真)、再び森に戻ると、渓流で水を掛け合って遊ぶ(2枚目の写真)。森の中を進む2人のバックグラウンドに、マルコの独白が流れる。「ぼくは、ただひたすら走り続けた。振り返らず、立ち止まらずに。こんな言葉がこだまとなってぼくのところに届いた。『石の谷まで行きなさい。そこで、君は自分の妖精を見つけるだろう。ただし、常に人間には警戒なさい。このことは、決して忘れてはいけない。君なら何でもできる。勇敢であれ。くじけるんじゃない。そうすれば、いつか、君は妖精を見つけるだろう』。2人は、遂に森から出て、草原と舗装道路が見える場所まで到達する(3枚目の写真)。

恐らく、丸1日以上かかったと思うが、2人は線路に沿って歩いている。すると、線路際に一軒の家が建っていて、その前に大きなパラソルが置いてあり、その下で1人の男性が眠っている(1枚目の写真)。男性が持っているラジオからは、「私の心は打ち砕かれ、恐怖の中で生きていた。人々〔化け物のこと〕がもがき苦しみ、苛まれるのをただ見守っていた。自分たちの塀や家を補強しようと試みた者たちもいた。彼らは、『助けてくれ』とやってくる人々〔化け物から逃げて来る避難民〕と、身を守るため激しく戦った。その時、欺きのベールが剥がれ落ち、真実が開示された。ウイルスだ。ウイルスの活性化だ。私の子供たちは…」と、男の声が聞こえてくる。ここで、眠っていた男性は目が覚め、2人を見て。「子供たちだ」と驚く。マルコは、持って来た缶詰がなくなって久しいので、「ぼくたち、お腹が空いてるんだ」と話しかける。「君たち、どこに行くんだ?」。「石の谷。母ちゃんが、そこにいるんだ」。男性は、「連れて行ってあげたいけど、ここを離れるわけにはいかないんだ」と言い、家族3人が中にいると話す。しかし、その言葉を聞くと、家の中では大きな音がして、これまで見てきた邪悪な怪物の腕が窓の鉄格子をつかむ(2枚目の写真)〔映画の中で、唯一はっきりと映る場面〕。親切な男性は2人に食べ物を与え、2人は線路の上に座って食べる。男性は、「坊やたちは、正常に見えるね。希望があるってことか?」と言うが(3枚目の写真)、マルコには答えようがない。

2人は、打ち捨てられた操車場に来て、面白半分に機関車に乗り、いろんなボタンを押しているうちに、警笛が大きな音で鳴り響き、2人をびっくりさせる。その後、2人は線路に捨てられた箱をひっくり返しては、何かないか探すが、何も見つからない(1枚目の写真)。その後、放置された列車の、少しだけ開いた扉から中を見ようとすると、中から2・3人の手が出てきてマルコを捕まえようとしたので、慌てて逃げる(2枚目の写真、矢印は手や、人影)。すると、先程鳴らした警笛に気付いたのか、ライフル銃を構えた2人の男が駆けつけ(3枚目の写真、矢印は あとで何度も出て来る善人)、2人をバンに乗せて自分たちの根城まで連行する。

2人は、窓のほとんどが、木の板か、幕で覆われた薄暗い本拠地の建物に連れて行かれる(1枚目の写真、矢印は左からマルコ、ミナ、ボス)。ハゲ男のボスは、後で一種の狂人だと分かるが、マルコが、自ら 「ぼくの名前はマルコです」と、正常な少年ぶりを発揮しても無視し、部下に命じて建物の外に放り出す(2枚目の写真)。それに対し、ダウン症のミナは善良そのものなので、ボスは、「天使のように清らかだ。天使ならは感染することはない」と言い、マルコについては 「例外だ。もしかしたら、例外は彼一人だけかも。希望。一縷の希望。そんなものは必要ない。明日だ〔処刑〕」と断定する。狂ったボスに対し、善人の部下は、外に追い出されたマルコに、「あいつは、お前の兄弟か?」と訊く。「ううん」。「どうして、一緒にいるんだ?」。「彼は独りきり、ぼくも独りきり。でも、ぼくの母ちゃんが守ってくれる。2人とも。母ちゃんは妖精なんだ」と答える。狂ったボスは、無線で、敗残者の見解を発信する(一部省略)。「我々の子供たちが感染したとき、子供たちは何の説明もなしに殺害された。私は “覚醒” した。ウイルスは “覚醒” をもたらすのだ。今や我々の敵は、旧体制の忘れ去られた残骸に過ぎない。絶望が彼らを、“覚醒” に対する不条理で無意味な戦いへと駆り立てている。彼らは戦いに敗れ続けており、我々の同志は日に日に増えている。自然は、我々を変える方法を思いついたのだ。いかにして我々を “覚醒” させ、地球を救うか。すべての新生児がウイルスに感染している。これは、至高の存在から送られた啓示だ。我々の時代が終わったことは明白だ。我々は、子供のいない世界を受け入れなければならない。どうか我々に加わらんことを」。つまり、何もせず、負けを認めろという敗残者のたわ言だ。

ボスのやり方に賛同しない善人の部下は、夜のうちにマルコを逃がすことにする(1枚目の写真、矢印はリュック)。マルコは、「ミコを連れて行きたい」と言うが、ボスのお気に入りまで逃がしたら、何をされるか分からないので、マルコに、「行け。走れ」と小声で命じる。しかし、そんなことに従うマルコではない。善人がいなくなると、マルコは本拠地の建物の中に忍び込み、ミコの口を押えて起こす。そして、2人で脱出する。翌日、2人が舗装道路を走って行く姿が短く映る(2枚目の写真)。一方、悪の本拠地では、狂気のボスの前に立たされた善人が、「希望」と呟く。そして、ボスに拳銃で撃たれて殺される(3枚目の写真、左の矢印は善人、右の矢印は狂気のボス)。

走り続けてくたびれたミコは、「水、欲しい」「のど、乾いた」「水、飲みたい」と訴える。マルコは 「いい加減にしろよ」と一旦は怒るが、友達の頼みなので、階段の下にミコを座らせ、「水、探してきてあげる」と言う。問題は、この階段。これは、2人が誰もいない野原ではなく、人里近くにいることを意味している。実際、階段の先には、荒れ果てた広場があり、その向こうには8階建てのアパートが建っている。マルコは初めて見る巨大な構造物に驚くが、水を探して中に入って行く。荒れ果てた建物の中には誰もいない。置いてあったスーツケースの中に、可愛い恐竜の絵を描いた子供用のシャツを見つけたマルコは、それを手にして、水を探し続ける。すると、放置してあった2ℓ入りのペットボトルの中に液体が半分ほど残っている。マルコは、それが水で、飲めるものかどうか試しに飲んでみる。結局、マルコは、新たに見つけ運動靴を履き、恐竜柄のシャツを着ると、ペットボトルを持ってミコのところに戻ることにする。そして、6階のベランダに出てみると、ミコが 「マルコ」と呼ぶ声が聞こえる。ミルコが下を覗くと、昨日のボスが、部下を2人連れてミコの方に寄って行くのが見える(2枚目の写真、下の矢印がミコ、その上が狂ったボス)。部下は、ミコをボスの前に跪かせ、「奴〔マルコ〕は逃げました」と言うが、ボスは 「建物の中を探す」と言う。そして、拳銃を取り出して装填してミコの頭に向けると、「息子よ、残念だった」と言う(3枚目の写真、矢印は拳銃)。なぜ殺そうとするのだろう?  “一縷の希望〔マルコ〕” などと一緒に逃げたから?  そんなことをしたミコは、もう “天使のように清らか” ではなかったから?

その時、ドローンがいきなり飛んで来て停止する。その高度は 6階にいるマルコより若干高く、位置はミコのほぼ真上(1枚目の写真、左の矢印はマルコ、右の矢印はドローン)。その音に驚いて見上げたボスは、どこかに敵がいると確信して部下と共に拳銃を構える。マルコは、急いで階下に向かう。すると、機関銃の音が響き渡り、ボスと2人の部下は即座に射殺される〔ミコは両手で耳を押さえる〕。マルコが2階まで降りて来て様子を窺っていると、まるで軍人のような服装をした2人の男が機関銃を構えてミコの近くまでやって来る(2枚目の写真、矢印は死んだボス)〔顔の部分の隔離がいい加減なので(透明アクリルで半分覆っているだけ)、完全に密閉した政府軍の軍人ではないでは〕。アクリルの覆いを上げると、2人とも白髪の老人だと分かる。2人のうちの上官が、ドローンに戻るよう手で指示する。マルコは立ち上がって、姿を現わそうか止めようか迷うが、それを見たミコは、首を少しだけ横に振って止めるよう合図する。マルコは隠れようとした時に音を立ててしまい、上官が調査に向かう。マルコが殺されると心配したミコは、ボスの拳銃を拾うと、上官に向けて 「ボン」と言うが(3枚目の写真)、それに対する上官の反応は反射的で、ミコに向かって機関銃を連射する。驚いてミルコが顔を出して見ると、無残にもミコは大量の弾を受けて死んでいた。唯一の友を失ったマルコは悲しみに沈み(4枚目の写真)、自分の早まった行動で子供を殺してしまった上官は悔やみつつ立ち去る。

マルコが歩いていく背後には、誰もいない場所がいろいろと映る。そして、マルコの独白が流れる。「『道中で出会う者には用心しろ』。父さんの声が聞こえる。悪い風は、怪物を残していくだけだ。それは邪悪で、恐ろしく、憎悪に満ちや奴らだ。悪い風は、ぼくのような子を憎む。ぼくを土にしようとしている。だって、ぼくは特別だから」。マルコは、みんなが逃げて行って放置された車が乱雑に残る場所に行く(1枚目の写真、矢印はマルコ)。マルコは、バンの開いたドアに座り、ミコの形見のロボットを手にしながら、絵本を見る。マルコの頭の中で昔の記憶が蘇る。ミコが 「マルコ!」 と叫び、ロボットが 「新しい友達みつけたぞ」 と言う。マルコの独白:「ぼくの葉が枯れ始めた。ぼくには、石の谷が見つけられない。ぼくは木の葉の子。そして、ぼくはとっても怖い」。父が死んだ夜のマルコとミコの会話が聞こえてくる。「君、変わったりしないよね?」。「しない。母ちゃんが、しないって言った。ぼく、他の子と違う」。「どんな子なの?」。「ぼく、優しい〔ミコがロボットをくれた時の言葉〕。 君と同じ」。ミコを失って一人きりになった寂しさが頂点に達し、マルコは大声を張り上げる(2枚目の写真)。そのあと、さらに、「母ちゃんに会いたい」〔マルコから母が死んだと教えられた時のミコの言葉〕。 君と同じ」とミコの言葉が頭をよぎる。マルコが駐車場の端まで行くと、眼下に廃墟と化した首都スコピエが拡がっている(3枚目の写真)。

次のシーンでは、マルコはもう街の中。そこも外と同じで、何もかもが放棄されて汚い(1枚目の写真)。マルコの独白:「石の谷はどこにもない。葉は枯れていく。恐ろしい叫び声が響き渡る。葉の子の宿敵、邪悪な風だ。邪悪な風はぶつかろうとする」。大勢の化け物と化した市民が歩いて行く(2枚目の写真)。「葉の子は、石と石の間から漏れる光を見た。そして、最後の力を振り絞って、その間に飛び込む」。マルコは停まったままの車の下に隠れる(3枚目の写真)。「風は、葉の子に手が出せない。静けさが戻る。葉の子の森は沈黙し、遠くに行ってしまった。葉の子が森と話すことは、もうなかった」。

マルコは、「病院」という表示を見て、中に入って行く。そして、幾つ目かのドアを開けて中に入ると、窓の前に、女性が背を向けてじっと立っている(1枚目の写真)。マルコは、それが母に違いないと思い、近寄って行くと、背中から抱き締める(2枚目の写真)。しかし、それは母ではなく、抱き着いていたマルコの手を持ち上げると、歯で噛みつく。びっくりしたマルコが手を放すと、左手が噛まれて血が出ている(3枚目の写真、矢印)。マルコは、自分も父と同じように邪悪な風に負けたと思い、ドアを閉めて出て行くと、悲しみに打ちひしがれる(4枚目の写真)。

マルコは、尋ね人の写真がいっぱい貼ってある掲示板のある建物の中へと向かう(1枚目の写真、矢印)。マルコが建物の奥まで入って行くと、中央の空間に映し出された電子映像の男性〔首相?〕が、恐らく国民に向かって呼びかける。「委員会は、奴らを難民と呼んでいる。しかし、真実は、人道委員会は恥知らずにも嘘をついているのだ。これは難民などではなく、あからさまな侵略だ。我々の文化、社会、家庭、世界に対する侵略だ。誰も認めたがらないが、恐ろしい脅威が差し迫っている。奴らは、我々の子供たちの未来を含め、あらゆることに影響を及ぼしている。子供たちに起きたことに対し、深い遺憾の意を表したい。これは侵略だ。国境が攻撃を受けた。我々は最終的な解決策を見つけなければならない。我々は暴力には暴力をもって対抗すべきだ。汚らわしき簒奪者どもは、我々の正義の使命にどれほどの力が秘められているか想像もできないであろう!〔以前のいろいろな情報にあった「ウイルス」という言葉がどこにもない。正確に何が起きたのか、これまで一度も紹介していない映画にとって、最後にちゃんとした説明があると思っていたのに、この演説は混迷度を増すばかりで何の役にも立たない〕。マルコのいる奥の部屋の周囲には、化け物どもが集まって来る(2枚目の写真、矢印は化け物)。マルコは、化け物の荒れ狂う音があまりにうるさいので、ヘッドホンをはめて、音楽の音を大きくする。そして、こう囁く。「父さんは、ぼくがあの森を離れても、決して見捨てないと言っていたね。なら、どうすれば ぼくの妖精を見つけられるか、教えてくれる?」と訊く。すると、政府軍の兵士が、化け物目がけて銃撃を開始し、弾丸が雨のように浴びせられる(3枚目の写真、矢印は弾丸)。マルコの独白:「石の塔が轟音を上げる。壁もだ。足元の床が震え出す。そして突然、そよ風が吹いた。しかし、それは “邪悪な風” ではなく、春の花々の香りに満ちた、軽やかで優しい “そよ風” だった」。

銃声が止んだのでマルコはヘッドホンを外す。マルコの独白:「すべてが止んだ。金色(こんじき)の光の中に、ぼくの妖精が立っていた。太陽よりも明るく輝きながら」。マルコの正面にいた女性将校は、「撃ち方やめ!」と命じる。兵士の報告と司令部の応答が続く中、将校はマルコの前まで来ると、「やあ、金髪君」と声をかける。「私のフィリップも、君にそっくりだった」。しかし、将校が目線を下げ、シャツの白い部分に付いた赤い血と、噛まれた手を見ると、「ごめんね、坊や。これは、君のためなんだ」と言いつつ、右手でベルトの拳銃を外す。装填音を聞いたマルコの独白:「『ねえ、坊や、どうしたの?』と、妖精は優しく尋ねた」。そして、「 森はもうなくなっちゃった。ぼくは一人ぼっちだよ」と囁くと、マルコは女性将校の肩に両手を置く。後ろにいる兵士から、「中尉!」と声がかかり、全員がいつでも撃てるよう装填する。マルコは、そのまま中尉に抱き着く(1枚目の写真)。中尉は、子供を放すよう依頼する兵士に対し、「どのみち感染してしまうから」と返事をする。マルコは中尉から離れると、「妖精は悲しそうにつぶやいた。『確かに森はなくなったわ。でも、君は私を見つけた』」という独白の後、左手をまっすぐ中尉の顔に向けて伸ばす。そして、「ぼくの名前はマルコです」と言い、を指して、「はマルコです〔„М“ е кратенка за Марко〕」と言う。中尉は素早くを目にすると、ゴーグルを外し、さらに、戦闘用ヘルメットも外す。そして、「たった一人なの?」と笑顔で訊き、心配する兵たちには、「彼にはマークがある!」と知らせる。それを聞いた兵士は無線で、「全部隊へ、増援が必要です」と連絡する。中尉は、マルコの左手を持つと、の形の突起が明確に分かる(2枚目の写真、左の矢印が、右の矢印は噛まれた傷)。マルコは、「ぼくの妖精になってくれます?」と尋ねる(3枚目の写真)。中尉は、「一緒に行きましょう、マルコ」と声をかけ、兵士は、「至急、輸送手段が必要です」と要請する。「さあ、来て」。マルコの独白:「その時、妖精は微笑んだ。『さあ、私と一緒に来なさい、坊や。あなたはもう二度と、ひとりぼっちにはならない』。ぼくの葉は再び青々となり、生命力に満ち溢れる。『ぼくはもう二度と、ひとりぼっちじゃない』。ぼくはそう繰り返すと、周りの世界がしだいに虹色の光の中に溶け込んでいく間、ぼくの優しい妖精にしっかりつかまっていた」(4枚目の写真)「ぼくの名前はマルコ。木の葉の子です。ぼくは自分の妖精を見つけました」。この独白で映画は終わる。いったいこののマークは何なのだろう? 軍の対応を見ると、このマークのある少年は極めて稀な感じがする。BCG予防接種の副反応でできる腫れのように、人類の化け物化を防ぐための特殊な抗体を体内に入れた証拠なのだろうか? でも、そんな子が、なぜ父親と2人だけで、孤立した森の中に放置されていたのだろう? 先ほどの演説といい、この映画のラストは、観客の疑問には一切応えてくれない。

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