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Paws P.I. ピーターとマディソンとペットの探偵団

アメリカ映画 (2018)

この映画の批評は過酷を極めている。その最大の原因は、登場する3匹の犬と1羽のオウムの間で交わされる会話。人間には聞こえない、一種のテレパシーにようなものと解釈するしかないが、そのセルフの量は、何と、人間の登場人物の会話よりも多い! しかも、それらの会話が、実際にピーターの探偵に役に立ったのは僅か2回。あとは、ただのどうでもいい会話が、長々と続く。しかも、テレパシーなので、口が動くわけでもなく、相手の顔を見るわけでもない。要は、ただ犬やオウムが画面一杯にただ単に映り、そこに声優の声が流れるだけ。あまりにも安易で、はっきり言って “どうしようもないお粗末さ”。それが、極低評価の最大の理由。それに加えて、主人公の父のコナーは、元・私立探偵だったとは思えない、ただの抜け作。これでは、信憑性が映画のそこにも存在しない。おバカな2人のロクデナシの用心棒も、あまりにもおバカすぎ、いくら子供向き映画にせよ、ひど過ぎる。それにもかかわらず、このサイトで取り上げたのは、ひとえに、主人公のピーターが可愛かったから。彼をサポートする女の子のマディスンも、最近の映画にしては自己主張がなく、ピーターのことが心から好きな様子が伝わって来て、それなりに観ていて気持ちがいい〔女性蔑視という意味ではなく〕

実際の本編約80分のうち、半分は動物同士の無意味なつまらない会話に費やされているので、メインのストーリーは約40分。なので、内容は非常に簡単で、子供向きということもあって分かりやすい。主人公のピーターの父コナーは、1年前に妻を亡くしてから私立探偵としてやっていけなくなり、無職のままピーターと一緒に毎日無意味な生活を送っている。そんな父を見たピーターは、家のガレージを使って探偵業務を再開することを提案し、父もその気になる。住んでいるのは小さな町なのだが、すぐに1人の客が現われる。それは、町一番の富豪だったサリーの姪の娘のキャサリン。彼女は、生前サリーから全財産を贈ると言われていたのに、伯父のフォレストが別の遺言書を提出し、全財産を奪ってしまった。キャサリンは、それは絶対に変なので、コナーに調査を依頼したのだった。しかし、コナーはフォレスト邸を訪れ、そこに暴力的な護衛が2人いたので、調査を辞退する。しかし、ピーターは、なさけない父に代わって調べてやろうと、友達のマディスンと一緒に深夜に侵入するが、警報存置が作動して逃げ出す。その侵入は、コナーのせいにされる。その疑いを晴らすべく、ピーターとマディスンは、翌日の深夜もう一度侵入し、今度は見事にすべてを解決する。情けないコナーは、何の役にも立たなかったが、それでも依頼人のキャサリンといい仲になる。

主役のピーターを演じるのは、ニール・ジェニス(Neal Genys)。生年不明。2014年以来、ショートムービーや普通の映画、TVドラマにも出ているが、映画とTVドラマは、1つを除き、名前すら表示されない。この映画が初の本格的出演で、かつ主役。この映画のあとに出連作はない。学業を重んじたのか?

あらすじ

台詞を重視しない紹介のため、主要な登場人物を紹介しておこう。主役は11歳のピーター。彼をサポートしてくれるのが、同年かそれ以下の少女マディスン。ピーターは、母を1年前に亡くし、そのショックで、父は元々冴えない私立探偵を廃業して、オフィスや車を売って生活費に充てている。この紹介では基本的に無視したが、ピーターは雄犬のジャクスンと、オウムのピーボディを飼っていて、マディスンは少し年配の雌犬クリオを飼っている。この3匹の動物は、いつも互いに話し合っている。吠えても、鳴いてもいないので、テレパシーとしか言いようがない。そのため、最近の映画で、犬などがCGで口を動かしてしゃべる場面があるが、この映画ではそうしたことは一切なくただ、動物が映り、声優の声が流れるだけ。評論家のほとんどは、こうしたスチュエーションを非常に低く評価している。それに、2匹と1羽の “会話” は、ピーターやマディスンの会話よりも多いくらいで、それが映画をますますダメにしている。そこで、先に断ったように、この紹介ではこうした “会話” や、その結果(たいしたことは何も起こらない)はすべて無視して、ストーリーのみを追っておき、重要な台詞のみ紹介する。

映画は、スケートボード広場で練習していたピーターがジャクスンと一緒に家に戻るシーンから始まる。その時、最低なのは、ジャクソンが四つ脚のままスケボーに乗って行くシーン。ただ乗っているだけなのに、スケボーは動いている。ジャクソンが脚で地面を蹴るのは映らない。だから、スタッフが押したスケボーの上に乗っているシーンを短く映し、後は、ピーターが足で蹴るシーンばかり。いくら子供向きでも、視聴者をバカにしている。ピーターがキッチンに行くと、父のコナーが、毎日同じサンドイッチを作って待っている。ピーターが席に着くと、父の機嫌が悪い。その原因について、医犬とオウムが長々と話し合う。ピーターは、「ねえ、パパ、どうしていつも僕がスケートボード広場に行くのを嫌がるの?」と訊く(1枚目の写真)。その質問と父の態度についても、犬とオウムは長々と話し合う(2枚目の写真、矢印)〔お互い、父とピーターの方を向いているので、読唇術でもなく、テレパシーであることが分かる〕。ここだけ、“会話” の最後だけ書くと、「ピーターはママを恋しがってる」。「ピーボディ、その通りだ」。父は、「そのことは、議論したくない」と返事を拒否するが、ピーターは、「あれやってると、心の整理がつくんだ」と言い、父は、「たまには息子に会いたいだけさ」と返事を誤魔化す〔本当の会話はもっと長い〕。ピーターが、今週だけで4度目のピーナッツバターとジャムのサンドイッチにげんなりしていると、そこに、ピーターの友達のマディスンが入って来て、「何かする?」と訊く(3枚目の写真、矢印はクリオ)。コナーはサンドイッチを勧めると、マディスンは喜んで食べる。
  
  
  

ピーターとマディスンは、居間でTVゲームに熱中する。マディスンに、「最近、ずっとスケートボード広場にいるのね?」と訊かれたピーターは、「スライド〔足の力を使ってスケボーを進行方向に対して垂直に押し出し、ウィールでスライドさせるトリック〕の練習中なんだ」と答える。その直後、マディスンは 「お父さんは残念だったね」と、言ってはならないことを言ってしまう。「何のこと?」。「お仕事のことじゃない」。「僕のパパは町一番の私立探偵じゃないか」。「そうだけど、ママが言うには、お父さんはオフィスを閉鎖して、すべて引き払ったそうよ」。「そんな話、聞いてないよ」(1枚目の写真)。マディスンは 「ごめんね、ピーター。あなた、知ってると思ったの」と謝ると、早々に引き揚げる。ピーターは、いつもより早く自分の部屋に行き、ベッドに座り込むと、父に向かって、「マディスンは、パパが廃業したって言ったよ。どうして僕に話してくれなかったの?」と不満をぶつける(2枚目の写真)。父は、「話すべきだった。仕事がもたついてね。たぶん、パパは 心ここにあらずだったんだ。ママが いつも支えてくれてたから」と弁解する。ピーターは、「パパ、気を取り直して、立ち上がり、笑い飛ばせばいいんだ。ママならきっとそう言うよ」。父に褒められたピーターは、ガレージに事務所を開くことを提案する(3枚目の写真)〔負債を払うため車を売ってしまったので、ガレージは空〕
  
  
  

翌朝は、母が亡くなって1年目の追悼儀礼で、叔母夫妻と一緒にお墓に行ったので〔車がないので往復とも乗せてもらった〕、ガレージに取りかかるのは、その後。2人は、雑然と物が置いてあるガレージに入って行く(1枚目の写真)。2人で協力して、まだ明るいうちにガレージを何とか事務所らしく見えるようにすると、父は、パソコンを置いたデスクの正面に 「コナー・ウィリアムズ/私立探偵」と刻字された銘板〔閉鎖した事務所から回収してきた物〕を置くと、「ガレージ改造事務所としちゃ、悪くないな」と喜ぶ(2枚目の写真)。ピーターは、「パパ、これは一時的。すぐ、普通の事務所に戻れるよ」と笑顔で言う(3枚目の写真)。
  
  
  

父コナーは、配布用のチラシをピーターに見せる(1枚目の写真、矢印)。その紙には、「コナー・ウィリアムズ/私立探偵/仕事を再開/(顔写真)/小さな町、合衆国/盗難、家族問題、労働災害等」〔なぜ、詳しい住所が書かれていないのか? → これでは、誰もガレージが事務所だとは思わない〕と書かれている。しかし、コナーはそれ以上何もしなかったので、オウムのピーボディが趾(あし)でキーボードを操作し、パソコンの画面にコナーが作ったチラシを出すと、それをプリンターで大量に印刷。それを配るのは犬のジャクスンの役目(2枚目の写真、矢印はチラシ)。「小さな町」中にチラシをバラまいた結果、1人の女性がガレージの前に現れる。やる気のまるでない “ダメ男” のコナーは、ガレージのソファで眠っていて、彼女が閉まったままのスイングアップドアを3回目に叩いてようやく目が覚め、Yシャツをズボンの中にも入れずに スイングアップドアを上げる(3枚目の写真、矢印はチラシ)。コナーを訪れたのは、キャサリン・ワーシントンという獣医。大伯母のサリー(90歳代)が最近死亡し、遺言が伯父フォレスト・ワーシントンによって捏造され、遺産のすべてが奪われたと訴える。そして、サリーは、亡くなる前に、遺言書を邸宅の中に隠したと、キャサリンに話したと打ち明け、それを探し出して陰謀を暴くよう依頼する。
  
  
  

父がキャサリンと話しているのを、ガレージの家側のドアの反対側から見ていたピーターが、女性がいなくなってからすぐに中に入り、「あれ、誰だったの?」と訊くと、父は、自分では何もしなかったくせに、「新しいお客さんだ」と自慢する。ピーターは、「ほらね、パパ、事態は好転するって言ったでしょ」と言う(1枚目の写真)。「お前の言った通りだった、相棒」。そう言うと、仕事着〔濃いカラーシャツの上にジャンバー〕に着替えると、自転車でフォレスト・ワーシントンの豪邸に向かう。フォレストの邸宅には、如何にも悪者らしく、2人のゴロツキが見張りとして中に常駐して、コナーがキャサリンの用で来たと言うまでは、入れてくれなかった。コナーは2階にある書斎に連れて行かれが、そこでは、フォレストがサリーの真正遺言書を隠した本〔中を繰り抜いて箱状にしたもの〕を本棚に入れるところだった(2枚目の写真、矢印)。コナーが、キャサリンからサリーの遺言の件で調べるよう依頼されて来たと告げると、フォレストは、①サリーは死の直前 正気ではなく、②遺言書の捏造などなく、③調査などすぐに中止すべきだと言う。それを受けて、コナーは2人のゴロツキに邸宅から追い出される(3枚目の写真)。
  
  
  

フォレストが言ったことを真に受けたコナーは、ガレージに戻ると、すぐにキャサリンに電話をかけ(1枚目の写真、矢印はピーターと犬)、説明するから来て欲しいと頼む。仕事中だったキャサリンが、わざわざ車でガレージまで来ると、コナーは、「フォレスト氏は、私を書斎に連れて行き、この件は取り下げるべきだと言いました。その時、私は本棚に “物を隠すことができる偽の本” があるのを見たんです。サリーさんは、そこに遺書を隠したと思いますか?」と言う。「そうかも」。「でも、問題は、それを見つけようとしても 中には入れないんです。申し訳ありませんが、この件は取り下げるしかありません」〔何という情けない私立探偵。これでは失業して当然〕。コナーは、キャサリンに謝罪して別れる。ダメ父は、ガレージの中に戻ると、ソファの上で待っていたピーターに、「この件は、パパには手に負えん」と言って、部屋に入ってしまい、ピーターは呆れる(2枚目の写真)。こんなことでは、パパはまた失業するので、ピーターは 「何とかしなきゃ」と言って立ち上がる。それに応えるように、オウムがパソコンでフォレスト・ワーシントンについてのヘラルド新聞のサイトにアクセスする。記事のタイトルは、「フォレストは来年から始まる建設解体工事向けて、古い建物を取り壊す予定」というもの〔彼は、市長や議員に賄賂を渡し、自分の住んでいる町を、自分の思い通りに変えようとしている悪い不動産業者で、その必要な資金にサリーの遺産を使おうとしている〕。「その遺言書を見つけないと。書斎のどこかにあるハズだ。でも、もう少し人手が要るな」。そう言うと、マディスンに電話をかける。「助けが要るんだ」「10時〔夜の〕に会おう」。
  
  
  

マディスンは、自転車のカゴに雌犬のクリオを乗せてやってくる。そこからは、ピーターはいつも通りスケートボードに乗り、犬とオウムを連れてフォレスト邸に向かう。邸宅の前の木立の陰で、マディスンは、もっともな質問をする。「どうやって、あのお屋敷に忍び込むつもりなの?」。それを聞いたピーターは(2枚目の写真)、「心配しないで。プランがある」と言うが、実際には、何も考えていなかった。そこで、2匹の犬とオウムは何か良い策がないか話し合うが、何も出て来ない。そこに現れたのが、大伯母のサリーに飼われていて、今や半ば放置されているロスコーという雄犬。ロスコーは、今の飼い主が嫌いだったのと、雌犬のクリオに好いて欲しかったので、通用口は施錠されていないと教える。それを聞いた雄犬のジャクスンが通用口に向かって走って行き、ピーターが後を追い、マディスンもそれについて行く。ピーターが通用口に行くと、ドアがすんなり開いたので、懐中電灯で照らしながらマディスンと一緒に中に入って行く(2枚目の写真)。しかし、1階の通路を歩いていると、警報装置が作動して赤いランプが点滅し、警報音が鳴り出す。2人のゴロツキが2階から飛び出て来るが、ピーターとマディスンとジャクスンは、気付かれる前に通用口から逃げ出す。そこで、2人のゴロツキが拳銃を持って玄関から出て来ても、誰もいない(3枚目の写真)。しかし、間抜けなゴロツキは、その日の昼間に邸宅を訪れたコナーのせいだと思い込み、すぐに警察に知らせる。一方、マディスンは、夜の10時に呼び出されたと思ったら、他の家への侵入が目的だったので、「ピーター、あなたのプランにはうんざりよ。いつも失敗ばかりで、今夜は最悪。もうやらない」と言うと、ピーターを残して自分の家に入って行く(4枚目の写真)。
  
  
  
  

翌朝、さっそく2人の刑事ハリス(男性)とブラウン(女性)がコナーを訪れ、ハリスが、「昨夜、ワーシントン邸で起きた不法侵入事件について、幾つか質問があります」と言い、ブラウンが、「昨夜、午後6時と7時の間、どこにいましたか?」と質問する〔この質問は、2つ前の節でピーターがマディスンに電話をかけて、「10時に会おう(See you in ten)」と言っていたことと完全に矛盾する〕。それに対し、コナーは1人で夕食を作っている最中で、息子は友達と遊んでいたと話す〔ピーターとマディスンが通りをワーシントン邸に向かっていた時、深夜で辺りはひっそりとしていて、6~7時ということはあり得ない(午後10時以降に間違いはない)〕。ハリスは、「ウィリアムズさん、私たちには あなたがその時ワーシントン邸にいたと主張する目撃証言があります」と言う(1枚目の写真)〔2人のゴロツキは、警報装置が作動したことは知っているが、誰も見ていない〕。コナーは、反論するが、ハリスは、「反論の証拠がない以上、もう少し尋問したいので警察署まで同行願いたい」と言う。そこで、コナーはピーターを呼び、そのことを伝え、「戻って来るまで1時間だけここにいてくれ」と頼み、OKをもらう(2枚目の写真)〔なぜ、1時間で終わると言えるのだろうか?〕。コナーが外出用の着替えをしている間、2人の刑事は家の外に出る。ハリスが護送用にわざわざパトカーを呼んだことに対し、ブラウンは、そこまでする必要があるのか疑問を呈する〔ブラウンが、ハリスの言動に疑問を抱かせるきっかけとなる〕。その時点では、ハリスはコナーが有罪だと断言していたが、いざ警察署に戻り、フォレスト・ワーシントンから告訴しないという電話が入ると、彼には近づかないようにと警告した上で(3枚目の写真)、解放する。コナーが署を出て行くと、ハリスはフォレストに電話をかけ、「彼はこれ以上あなたに迷惑をかけないでしょう」「もちろんです。私たちにできることは何でも致します、フォレストさん」と丁寧に報告する〔彼は、方々から多額の賄賂をもらっている悪徳刑事〕
  
  
  

キャサリンが、自営の動物病院で暇そうな受付の女性と話していると、TVでレポーターが、「私は、昨夜遅く、ワージントン氏の留守中にフォレスト・ワーシントン邸に侵入したと告発されているコナー・ウィリアムズの家の前に立っています」と、生中継の映像が入る(1枚目の写真)〔①「昨夜遅く」なので、10時以降が正しい、②フォレストはコナーを告訴しないと言ったのに、なぜ「告発された」と言い、呼び捨てにし、家の前まで押しかけたのか? 名誉棄損に当たらないのか? 非常に不自然〕。これを見たキャサリンは、昨日コナーは、「申し訳ありませんが、この件は取り下げるしかありません」と言っていたのに、まだ調べてくれていると思い込む。一方、ピーターがガレージの前でスケートボードの練習をしていると、そこに、マディスンが自転車でやって来る。ピーターが 「何だい?」と訊くと、キャサリンは 「あなたのパパのニュース見たわ。どうするつもり?」と訊く〔無垢の人に罪を被せてしまった〕。「さあ。悪いことしちゃった」(2枚目の写真)。「ここに来たのは、あなたを助けるため。別のプランを考えて。遺言書を手に入れて、あなたのパパの無実を晴らさないと」(3枚目の写真)。「僕を助けてくれるの?」。「そうよ。それが友だちってもんよ、ピーター。お互い助け合わないと」。「マディスン、僕を信じてくれてありがとう」(4枚目の写真)。
  
  
  
  

ピーターとマディスンが また居間でTVゲームをしていると、玄関のチャイムが鳴り、そこには3つのTV局のレポーターがマイクを用意して待っていた〔何度も書くが、告発もされていない人の家に3社も押しかけるのは、いくら子供向き映画でも、あまりに脚本がひどすぎる〕。コナーは、ドアをバタンと閉める。コナーが居間まで来ると、またチャイムが鳴る。ドアを開けると、TV局の姿はどこにもなく〔そんなに早く消えることができる?〕、そこにいたのはキャサリン。「ここで何してるの?」。「あなたが逮捕されたってTVで言ってたから、無事かどうか確かめたかったの」。「逮捕なんかされてない」。「すべて私のせい。あなたに助けを求めるべきじゃなかった」。ピーターとマディスンは、仲良さそうな声を聞いたので、玄関が見えるところまで走って見に行く。「あの女(ひと)、誰?」。「僕たちが館に押し入った理由は、あの女(ひと)のせいなんだ」(2枚目の写真)。「きれいな女(ひと)ね」。「うん、そうだね」。「あなたのパパも、そう思ってるわ」。「そんなことないよ」。コナーとキャサリンはしばらく話し合ってから別れるが、その後、父が戻ってくると、ピーターは、「ねえ、パパ、あの女(ひと) とってもクールだね。また会えると思う?」と訊く(3枚目の写真)。「そうは思わんな。何でだ?」。「別に、言ってみただけ」。
  
  
  

これ以上、コナーに迷惑はかけられないので、キャサリンは自ら伯父の邸宅に出向く。玄関に出てきたゴロツキのモリスが、伯父は留守だと嘘を付いて追い返そうとするが、キャサリンは、「どうだっていい」と言って中に入って行く。すると、今度は、ゴロツキのクライドが行く手を阻むが、キャサリンは膝で睾丸を蹴り上げてクライドを床に転倒させる(1枚目の写真、矢印)。すると、そこにフォレストが大伯母の遺言書の入った本を持って現われると、①この邸宅は古いから取り壊す、②この町の警官や政治家はすべて思いのままに操れる、と言った後で、真正の遺言書を本の形の箱から取り出し(2枚目の写真、矢印)、嫌味に読み上げる。「私は自宅とその家財道具、周辺の土地のすべてを姪の娘キャサリンに遺します」。そして、「誰もこれを見れないとはサリーも可哀想に」と嘲るように言うと、3日後に館の解体工事が始まると告げ、クライドに命じてキャサリンを2階の寝室に監禁する(3枚目の写真)〔部屋の鍵は外側から差し込んだまま〕
  
  
  

夜になり、ピーターとマディスンは、ピーターの部屋の床で古典的なゲームをしている〔かなり時間は遅いように見えるだが、コナーは一体どこにいるのだろう? そして、小さな女の子が夜遅くまで息子の部屋で遊んでいても、帰宅させないのだろうか?〕。ピーターは、ゲームを止めて、「プランを考えないと」と言い出す。「何としてでも、パパの潔白を証明するんだ。僕の直感じゃ、ワーシントンさんは まだ遺言書を持ってる」(1枚目の写真)。これに対し、マディスンは、「警報装置を作動させずに、どうやって中に入るの?」と訊く。「迂回しよう。あとは、装備品と迷彩服だ」。「ただの真っ黒がいいわ」。ピーターは、装備品を入れたダンボール箱を部屋に持って来て、2人で開ける。中には、おもちゃのアーチェリー、双眼鏡、ウォーキートーキー、ロープなどが入っている(2枚目の写真、矢印はアーチェリー・セット)。2人は、どこで手に入れたのかは分からないが、真っ黒で動きやすい上着をまとい、フェイスペイントをし、ヘルメットを被ると、ガレージのスイングアップドアを上げる(3枚目の写真)〔コナーは気付かないのだろうか?〕
  
  
  

ピーターとマディスンと動物たちは、昨夜と同じようにワーシントン邸に向かう。以前より早かったのか、ゴロツキ2人がカード・ゲームをしているのが1階の窓から見える。ピーターとマディスンは、以前と同じように通用口から忍び込むと、ゴロツキ2人がカード・ゲームをしている部屋の方を、廊下から窺う(1枚目の写真)〔部屋は、左側にある〕。2人は、開け放たれた両開きのドアの前を通って階段に向かうが、ピーターが階段の脇に積んであった本に気付かずにぶつかり、6冊の本が床に崩れ落ち、大きな音を立てる。ゴロツキは、二手に分かれて子供たちを捕まえることにする。階段を上って行ってピーターを追いかけたのはモリス。そのモリスに向かって、ピーターはアーチェリーで攻撃し(2枚目の写真、矢印)、玩具の矢が胸に当たったモリスは階段から落ちて床に倒れる(3枚目の写真)。
  
  
  

ピーターは、キャサリンの助けを求める声のするドアまで行くと、「来たよ。大丈夫? 誰なの?」と声をかける。「キャサリン・ワーシントンよ」。「やあ、キャサリン。僕だよ、ピーター。コナーの息子。出してあげる」。鍵が付いたままなので、鍵は簡単に解除でき、ドアが開くと、ピーターは 「誰が、あなたをそこに閉じ込めたの?」と訊く。「伯父よ」。すると、館の中が騒がしいので、携帯で警察に電話しながらフォレストが部屋から出て来たので、ピーターはびっくりして廊下の先を見る(1枚目の写真)。相手も、姪とピーターに気付き、携帯を離すと、「キャサリン、何やってるんだ?!」と叫ぶ。ピーターは、そこまで一緒に連れて来た犬のジャクスンに、「あいつをやっつけろ!」と命じる。ジャクスンは、フォレストの足にわざとぶつかってバランスを崩させ、フォレストは寝室に倒れて行く(2枚目の写真、黄色の矢印はジャクスンの尻尾、空色の矢印は転倒方向)。一方、クライドに追われたマディスンは、突き当りの部屋にたくさん並んでいたクロッケーマレット〔一種の木杭〕を1本取り上げると(3枚目の写真、矢印)、それでクライドの陰部を叩き、相手が苦しんでいる間に、入って来たドアから逃げ出す。
  
  
  

一時気を失っていたモリスが意識を取り戻したので、ピーターとキャサリンは階段を下りられなくなる。そこで、ピーターが上から皿を落としてモリスを再び気絶させる。2人は階段を駆け降りる。キャサリンは書斎に行き、本棚に入っていた偽の本を取り出し(1枚目の写真、矢印)、中に真正な遺言書のあることを確かめ、書斎から出て行く。モリスは再度意識を取り戻し、そこにマディスンが走ってきたので、捕まえようとする。マディスンは、体を縮め跪いてモリスの足の間を滑り抜け(2枚目の写真、ピンクの矢印)、起き上がったモリスに、追って来たクライドがぶつかって2人とも気絶する。3人と2匹は玄関のドアの前で集結すると、館から逃げ出そうとするが(3枚目の写真)…
  
  
  

最後に残ったマディスンが、気絶したゴロツキ2人に向かって、「次回は、子供を過小評価しないこと」と、余計なことを言ってしまったので、意識を取り戻して追って来たフォレストに捕まってしまう。そして、フォレストは、開いたままの玄関から、「キャサリン、待つんだ」と呼びかける。キャサリンが振り返ると、マディスンを人質にしたフォレストは、「遺言書を寄こせ」と要求する(1枚目の写真)。マディスンに何をされるか分からないので、キャサリンは仕方なく遺言書を渡し、マディスンを引き取るが、その際、マディスンは恨みを込めてフォレストの左下肢を蹴飛ばす。3人が逃げようとすると、その前に立ちはだかったのが、夜中に携帯で呼ばれた悪徳刑事のハリス。「止まれ。君たち全員、逮捕する」と言う。それに対し、キャサリンは、「あなた、何を言ってるの? 逮捕しなくちゃいけないのは伯父の方よ」と反論する。そこに、大勢の同僚を連れてやってきたのが、かつてハリスと一緒にコナーを連れに来たブラウン刑事。その場でハリスを逮捕する(2枚目の写真、ブラウンは右端)。動転したハリスが逮捕理由を訊くと、「収賄罪」。ブラウンは、次にフォレストを、「警官、市議会議員に対する贈賄罪」で逮捕し(3枚目の写真)、彼が持っていた遺言書をキャサリンに渡す〔日本なら、遺言書の偽造は有印私文書偽造罪に相当する〕。そこに、なぜ気付いたのか全く分からないが、コナーが自転車で〔今ごろ〕やって来て、「大丈夫か? どうした?」と訊く。ピーターは、「パパ、僕たち、遺言書の紛失事件を解決したよ」と告げ、キャサリンも、2人に加え、なぜか動物達の貢献を含めて讃える(4枚目の写真)〔コナーは、どう見ても、私立探偵には向いていない〕
  
  
  
  

真正の遺言書により、すべてを引き継いだキャサリンは、フォレストが一時占有していた大伯母サリーの邸宅を、動物病院として開院する〔「ケイティ(キャサリンの愛称)の動物病院、兼、動物が決して追い返されない避難所」と書いてある〕。玄関にいるのは、キャサリンと、貢献度ゼロのコナー。最高の貢献をしてピーターとマディスンは脇に追いやられている(1枚目の写真)。マディスンはピーターの活躍を祝って、犬の好きな骨の形の木枠に「ピーター・A・ウィリアムズ/私立探偵/別名 PAWS P.I.」とカラフルな文字が貼られた物をプレゼントする(2枚目の写真)。そこに、ようやくキャサリンとコナーが寄ってきてピーターを称賛する(3枚目の写真)。未婚のキャサリンは、妻を亡くして1年目のコナーと結婚する可能性を示唆して映画は終わる。
  
  
  

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