ページの先頭へ

                                            トップページに戻る
少年リスト  映画(邦題)リスト  国別(原題)リスト  年代順リスト

Sky Kids スカイ・キッズ

アメリカ映画 (2008)

この映画に関する詳細な情報は、残念ながらウィキペディア以外、どこにもない。それによれば、製作・監督・脚本を兼ねたRocco DeVilliersは、これほどの大規模な撮影にもかかわらず、アメリカ映画としては信じられないほどの低予算(240万ドル)で取り組み、製作に7年を要したと書かれている。確かに、2008年に多くの映画祭で上映された際の、主役の少年2人の写真(下の右側)は、映画の出演時とは全く違っている。下の左の写真は、カイル役のReiley McClendonが、TVドラマ『Everwood』の第2シーズンの第3話(2003年9月29日放映)の際の映像。この映画とほぼ同じ年齢だと推測できる。ということは、この映画の撮影は、2003年頃に行われたのであろう。映画祭での公開の5年前に相当する。ウィキペディアには、さらに、製作が終わると、この映画は、大手スタジオや配給会社に売り渡そうとしたが失敗し、2008年になって各地の映画祭で上映され21の賞に輝いたが、結局、映画館で公開されることはなく、DVDで販売されただけに終わったと書かれている。映画祭での上映時の題名は、『The Flyboys』。DVDでの発売時には、『Sky Kids』に変更された。実際に観てみて、この映画は、ハリウッドの凡作や、アメコミの大作映画の不出来なものと比べると、遥かに良く出来ていて、21の受賞も納得できる。なぜ、どの会社も配給しなかったのか? 担当者が余程凡人揃いだったのか? 不思議でならない。

映画の主人公は2人。引っ越して来たばかりの母子家庭のカイルと、叔父から飛行機の操縦法をこっそり教えてもらっているジェイソン。2人は、カイルの転校後最初の授業で、ジェイソンが虐めに遭ったのを助けたことで友達になる。カイルは、さっそく、ジェイソンの叔父のエドの操縦する飛行機に乗せてもらい、生まれて初めて空を飛ぶ。次の日、飛行場に行った2人は、格納庫に入っている双発機にこっそり乗り込むが、予想に反して、いきなりパイロットが現われ、飛行機は荷物室に隠れた2人を乗せてラスベガス空港に飛ぶ。そこで、大きなバッグが2つ積み込まれるが、荷物室には小さな黒の革鞄がこっそり置かれる。そして、飛行機は離陸し、2人は単調なので眠ってしまう。お腹が空いて目が覚めたカイルが、食べ物でも入っていないかと黒の革鞄を開けてみると、中には作動中の時限爆弾が入っている。びっくりして荷物室から出ると、機体のドアがなくなっていて、操縦席はもぬけの殻。誰かが大きなバッグが2つを盗み、爆弾を仕掛け、パラシュートで脱出したのだ。飛行機は、単調な砂漠地帯から、山岳地帯に入り、山頂にぶつかりそうになるが、ジェイソンが何とか衝突を回避し、燃料が底を尽きそうなので、眼下に見えた道路に不時着しようとする。しかし、道路には結構走行車両が多く、飛行機の進行方向と同じ向きに走る自動車は、後ろから接近する飛行機に気付かないので、着陸は大変な冒険だった。2人は、翌日、飛行機の持ち主で、ラスベガスのカジノの売り上げ金を盗まれたマフィアのボスの家に連れて行かれる。このボスは、他の映画のボスと違い、信じられないほど子供に優しいボスで〔名前がアンジェロ、イタリア語の天使〕、2人を気さくにもてなし、どんな願いでも叶えてやると言う〔もちろん、犯人を見ていないかを訊いた後で〕。2人は、ボスの弟とその手下によって家に送られるが、実はこの弟と手下が真犯人で、手下の失態から車内で真実がバレてしまう。手下は、2人を殺そうとし、弟はそれを止めさせようとして射殺される。2人は必死に逃げるが、カイルが捕まり、ジェイソンは15分以内に飛行場まで来るよう脅迫される。手下は、盗んだ大金を持ってメキシコに逃げることが目的なので、飛行場に行くと、カイルを人質にして、エドにパイロットになるよう強要し、ぎりぎり間に合ったジェイソンを乗せて飛び立つ。飛行機の燃料はすぐに乏しくなったので、エドは給油のための着陸を要求するが、手下は、パラシュートで降りるから高度を上げるよう要求する。手下が飛び降りようとした時、カイルの口撃に怒った手下はカイルを飛行機から突き落とそうとし、それを契機に、機内で、エドと手下が争い始め、結果的に、カイルは飛行機から落ち、エドはカイルを救おうと、パラシュートを手下から奪い、ジェイソンを連れて飛行から飛び降りる。その先の、空中での3人の行動は、手に汗握るアクション場面。最後は、ハッピーエンド。訳は、英語字幕が間違いだらけで全く役に立たなかったため、①オランダ語字幕8割、②ポルトガル語字幕1割、③ヒヤリング1割で行った。

カイル役は、ライリー・マクレンドン(Reiley McClendon)。1990年3月11日生まれ。上記のように、2008年の映画なので、普通にカウントすると、撮影時17-18歳になってしまうが、2003年のTVドラマと同じ顔なので、それなら12-13歳。1998年から2021年まで俳優として活躍。ほとんどがTVドラマ。ジェイソン役は、ジェシー・ジェームズ(Jesse James)。 1989年9月14日生まれ。ライリーより半年年上なので、撮影時13-14歳。1997年から2021年まで俳優として活躍。ほとんどがTVドラマ。

あらすじ

映画は、朝、転校先の中学校に向かうカイルを モーテルのドアの所で抱きしめて別れる母(小さな町のカフェ・レストランのウェイトレスの制服を着ている)の場面から始まる(1枚目の写真)。中学の3年生のクラスでは、理科の実習の発表が行われようとしている。全員が、家で作ってきた実験模型を机の上に置いている。女性教師は、本来なら、生徒達に課題を出した時には話すべきことを、今になって言っている。「皆さん いいですか、この発表は、理科の最終成績の50%を占めます」。ここまで教師が言った時、学年一の不良のリックとその手下は、授業中にもかかわらず立ってニヤニヤ笑っている。しかし、教師が、「バッテリー式ライトや重曹を使った火山があれば…」と言ってところで、リックは自分が持って来た “火山”、手下は “バッテリー式ライト” を見て困った顔になる(2枚目の写真、矢印)。最後に教師は 「…2年生に戻ってもらいます」と言い、生徒達から笑い声が起きるが、2人がどういう顔をしたかは映らない。それは、その時、ドアが開いてカイルが教室に入って来たから。教師に 「何の用?」と訊かれたカイルは、「新入りです」と言って、転校の際に渡された紙を見せる(3枚目の写真)。教師は 「ようこそ」と言って紙を受け取ると、カイルの氏名を言って生徒達に紹介し、「どこから来たの?」と訊く。「いろんな所」。教師は空いた机に座らせる。
  
  
  

教師は、「昨日はシンディで終わったから、今日はジェイソンから始めましょう」と言うが、先ほどの “注意事項” は、不良のリックとその手下がニヤニヤしたことから、昨日は言及しなかったことになり、教師としての適切性が問われる。ジェイソンは、複雑な実験装置を持って誇らしげに立ち上がると、教壇に行こうとするが、リックが通路に足を出し、結果として、ジェイソンは実験装置を持ったまま前のめりに転倒する(1枚目の写真、矢印)。それを見て一番大きな声を笑ったのはリック。教師は、笑うのを止めさせ、ジェイソンの前に体を屈めて、「何があったの?」と訊く。ジェイソンを後ろ振り向いてリックの怖そうな顔を見ると、「つまずきました」と嘘をつく。それを聞いたカイルは、「彼がやった」と言う。教師が訊き直すと、リックを指差し 「彼が、つまずかせた」と真相を告げる(2枚目の写真)。立ち上がった教師が、「そうなの?」とリックに訊くと、当然 「No」。教師は、今度はジェイソンに尋ねる。ジェイソンはもう一度リックを見た後、下を向いて 「Yes」と答える。リックは 「嘘だ!」と否定するが、教師は問答無用で校長室に行かせる。リックは、ジェイソンのそばを通りながら、「お前は、もうおしまいだ」と小声で言う。
  
  
  

その日の授業が終わると、ジェイソンは廊下にリックがいないことを確かめて校舎から外に出るが、そこには、リックと2人の手下がいて、ジェイソンはすぐに手下に両手を後ろから掴まれ、リックの前に連れて行かれる。リックは 「2週間の停学だ。親爺にどうされると思う? これだ!」と言うと、ジェイソンの腹部を強く殴る。ジェイソンは何とか立ち上がり、これで終わりだろうと、逃げるようとする。しかし、リックは 「おい、まだ終わってないぞ」と言うと、ジェイソンの体をつかむと手下に向かって押し、手下がリックに押し戻すと、今度は地面に投げ倒して足で蹴る(1枚目の写真)。そこに、人込みを押し分けてカイルが現われると、リックの顔を思い切り殴り、彼は鼻血を出して地面に倒れる。黒服の手下がカイルを後ろから掴み、もう1人の手下が殴ろうとすると(2枚目の写真)、カイルは掴まれたまま とっさにパンチを避け、パンチは黒服の手下の顔に当る。黒服から逃れたカイルは、黒服の股を膝蹴りし、さらに頭髪を掴んで引きずり倒す。もう1人は、顎と頭部を2発殴られてダウン。すると、リックが立ち上がって襲いかかろうとするが、ジェイソンが 「カイル、気を付けて!」と叫んだので、振り向いて、リックの顔にもう一度強い一発。これでリックは完全にダウン(3枚目の写真)。カイルはすぐに消える。



カイルが自転車でゆっくりモーテルに向かっていると、後ろからジェイソンが追い着き、「やあ」と笑顔で呼びかけ、「僕、ジェイソン・マッキンタイヤー」と名乗るが、カイルは表情一つ変えず 自転車を漕ぎ続ける。一旦止まったジェイソンは、もう一度カイルに追い着くと、「ねえ、どこで格闘を習ったの?」と笑顔で訊くが、今度はカイルが止まってしまう。ジェイソンは 三度目の正直で、自転車を180度回転させてカイルのところまで戻ると、カイルは初めて口をきく。「何の用だ?」。「ありがとうと言おうと。それに、できれば友だちになれないかと思って」(1枚目の写真)。カイルは 「あんな奴らに、バカにされるな」と言い、カイルが 「分ってるけど…」と生半可に返事すると、カイルは 「奴の鼻、折れたと思うな」と言う。それを聞いたジェイソンが 「ホント?」と笑顔で訊くと、カイルは初めて笑顔になり、「そうさ」と答える(2枚目の写真)。そのあと、2人は、表通りの歩道を アイスクリームを食べながら話しながら歩く。その中で、カイルは、シカゴで生まれ、サン・アントニオやデンバーにいたこと、そして、父はどこかに消えていなくなったと話す(3枚目の写真)。
  
  
  

平和なひと時は、1960年代の真っ赤なシボレーが現われると、吹っ飛んでしまう。それを運転していたのは、リックの兄ジャック。車が2人の前で停まると、運転席から “耳から鼻へのタッセルリングチェーン” を付けたヤクザなジャックが降りてくる(1枚目の写真)〔助手席から出て来たのが誰なのかは不明。後部座席にはリック〕。ジャックはタバコを咥えたままカイルの前まで来ると、タバコを捨てて足で踏みつける。それに対抗するように、カイルはコーン入りアイスクリームを捨てて足で踏みつける。ジャックは、笑顔で 「新顔か?」と訊き、カイルは 厳しい顔のままで 「情けない弟の兄貴か?」と訊く。「お前たちが、他のガキとぐるになって、弟を殴ったそうだな」。「違うんじゃないかな」。「弟がウソつきだと言うんか?」。「ああ、絶対だ」。ジャックはカイルの胸ぐらを掴むと顔を寄せ、「聞くんだ、クソガキ。この町の誰もが知ってることを教えてやる。俺の弟を殴っていいのは俺だけだ。分かったな?」。こんな脅しに屈するようなカイルではない。カイルは乗っていた自転車を勢いよく前方に突っ込みながら持ち上げ、ジャックの陰部を強打する(2枚目の写真、矢印の方向)。カイルは、苦しんでいるジャックのタッセルリングチェーンを掴むと(3枚目の写真、矢印はタッセルリングチェーン)、顔からもぎ取り〔鼻の一部が切断される〕、再度陰部を足で蹴る。ジャックが頭を車体にぶつけて苦しんでいると、もう1人の男がジェイソンに飛びかかろうとするが、素早く自転車で逃げたのでボール箱に突っ込んだだけ。カイルは自転車を180度回転させて、その力でジェイソンの顔を叩きつけ、タッセルリングチェーンの金具で、ジェイソンが大切にしてる車に傷を付けて行く(4枚目の写真、矢印はタッセルリングチェーン)。ジャックは 「No!」と叫び、カイルはジャックの顔にタッセルリングチェーンを投げつけて、自転車で逃げる。
  
  
  
  

これまで町一番のならず者として威張ってきたのに、弟と同じ年齢の少年なんかに こてんぱんにやられたことで頭にきたジャックは、車に乗るとカイルを追いかける。ジェイソンはすぐにカイルと合流し、町に来たばかりで道を知らないカイルの先導役となる(1枚目の写真)。ジェイソンは、自転車しか通れない狭い小道に逃げ込むので、ジャックは 先回りしようとメチャメチャな運転をし、同乗の2人から止められるが、聞く耳を持たない。2人が公道に出たところで追い着きそうになるが、正面からトラックが来て、2人はすぐに右折(2枚目の写真)。ジャックは車を急停止させ、助手席の手下を下ろして走って追わせると、トラックの手前バックするしかない。2人は、自転車のまま、カイルの母が働いているカフェ・レストランの厨房から入って店内を走り抜ける(3枚目の写真、矢印)。手下も乱暴に店内を走って追う。店から出て道路に出ると、再び赤い車が姿を見せ、他の車同士を事故に遭わせて無理矢理左折し、2人を追う。店から出て来た手下が、道路に飛び出て乗せろと手を振るが、ジャックは無視して走ってくるので、手下は轢かれそうになり、慌てて飛びのく。
  
  
  

小さな町なので、すぐに町外れになり、カイルが 「これからどこに?」と訊くと、ジェイソンは 「ジャンプの傾斜台」と答える。「何だって?」。「水路を飛び越すための台だよ。誰も試したことがないんだ。スピードを上げないと、渡れない!」。ジャックの車は手前の崖で停車し、ジャックとリックが、2人とも水路に落ちて死ぬことを祈る中、2人はジャンプ用の30度の傾斜路をから飛び出て宙を舞い(1枚目の写真)、対岸の草地に投げ出される。それをジャックとリックは口惜しそうに見ている(2枚目の写真)。カイルとジェイソンは、「やったぞ!」「捕まえてみろよ!」と、ジャックとリックを愚弄し(3枚目の写真)、ジャックは、「あのガキども、殺してやる」と誓う。因みに、傾斜路を含めた水路の様子は、4つ先の節の1枚目の写真にはっきり写っている。
  
  
  

この危険な体験を乗り切ったことで、これまで誰も友達がいなかったジェイソンと、引っ越して来たばかりで誰も知らないカイルとは、息がぴったりあった友達になる。ジェイソンは、カイルを 独身の叔父が働いている小型機専用の飛行場に連れて行く〔職員は数名〕。ジェイソンが小さな格納庫に入って行くと、叔父のエドは単発複葉の小型機の調整をしている。ジェイソンが、「やあ、エド叔父さん」と声をかけると、「よお、相棒、何かトラブってるか?」と訊く。「ううん」。ジェイソンは冷蔵庫を開け、コーラの缶をカイルに投げる(1枚目の写真、矢印)。甥が珍しく一人ではないのを見て、「友だちか?」と訊く。「カイルだよ、転校生なんだ」。叔父は 「やあ、カイル」と歓迎する。カイルは、「これ、おじさんの飛行機?」と訊く。「いいや。飛行機、好きか?」。「どうかな…」。「どうかな?」。「乗ったことないから」(2枚目の写真)。それを聞いたエドは、調整の終わった単発複葉機の前の座席に、子供なので2人を押し込め、カイルに初の飛行体験をさせる。カイルは 「すごいや。いつも飛んでるの?」とジェイソンに訊く(3枚目の写真)。ジェイソンは 「時々だよ。ママが許してくれない。飛行機嫌いだから」と答える。ジェイソンは、祖父が第二次大戦で戦闘機に乗っていて17機を撃墜したヒーローだったと話す。そして、後部座席に腕を回して合図し、カイルに 「しかっりつかまってろ」と叫ぶ。「なんで?」。飛行機は上下逆さまになり、子供達2人はそのスリルに歓声を上げる。
  
  
  

エドは小型トラックで2人をジェイソンの家まで送る。その頃には、外は真っ暗になっていた。家の前に着くと、荷台に乗せた2人の自転車を下ろす。その時、カイルが、「トーマスさんありがとう」と言うと、「エドと呼べよ」と友達扱いする(1枚目の写真)。そして、2人に、飛行機に乗ったことは黙っているよう注意する。カイルが 「明日も行っていい?」と訊くと、「学校はどうする?」と訊く〔これは変な質問で、学校は今日もあった〕。ジェイソンは、「明日は学校休みなんだ」と嘘をつく。「ホントか?」。「先生の会議で」。「じゃあ、朝7時に飛行場で会おう」。「そんなに早く?」。「それなら、少し飛んでから、学校に間に合うだろ」と、エドは嘘をつかれても、好意的に対処する。玄関で待っていた母に、ジェイソンはカイルを紹介する。こんなことは初めてなので、カイルは家族と一緒に夕食を食べる〔カイルの母は遅番なので、家に帰っても1人で食べないといけない〕。ジェイソンの家は、ある程度の大きさがあるのに、食堂のテーブルは狭い。父親は、食べていた市販のカップ食品の裏を見て、「消費期限を2ヶ月過ぎてるぞ」と嫌な顔をする。しかし、妻は 「カビが生えてなきゃ、たぶん大丈夫よ」と、あまりにもいい加減な返事。それを聞いた夫は、匂いを嗅いでみて、平気でスプーンで皿に入れる。こっちもすごくいい加減。この母親は、すべてに厳しくて、まだ幼い次女が、ストローで飲み物にブクブクと空気を入れていると厳しく叱り、姉が下品な言葉を使うと、これもすぐに叱る。後の場面で、ジェイソンもしっかり叱られるので、叱ったり怒ったりするのが生き甲斐の嫌な女性。しかし、さすがに、自分の子ではないカイルが、「鶏肉を食べてもいいですか?」と訊くと、「ええ、もも肉は手づかみでね。コーンもあるわよ」と親切に言い、さっそくカイルは、自宅では食べられない暖かい夕食を楽しむ(2枚目の写真、矢印)。食事が終わると、ジェイソンは2階にいる祖父のところに夕食を運んで行き、カイルも同行する。祖父はベッドに寝ていて、ほとんど動けず、口もきけない。壁には勲章が6個飾ってある。最後に、カイルは、ジェイソンも同行して、彼の母に車で家まで送ってもらう。しかし、安モーテルで暮らしていると知られたくないカイルは、他人の家の前で降ろしてもらう。そして、ジェイソンと明日の朝、水路で会うことにして別れる(3枚目の写真)。
  
  
  

翌早朝、2人は、昨日ジャックから逃げる時に使った水路をジャンプで越すための傾斜台で待ち合わせる(1枚目の写真、矢印)。ジェイソンは 少し遅れてやって来たカイルに、連絡用にとウォーキートーキー〔バッテリーを電源とするトランシーバー〕を渡す。敵がいないのに危険な傾斜台を使うのはバカげているので、2人は一般道を使って飛行場に向かう。着いたのが早過ぎたからなのか、エドが現われなかったのか、2人は、10mも離れていないのにウォーキートーキーを使って話し合い、外に停めてある単発単葉機の中を、ジェイソンがカイルに見せて説明する(2枚目の写真)。カイルが 「操縦って難しいの?」と訊くと、ジェイソンは 「ううん。エドが教えてくれる。いつでもOKなんだ」と自慢する。そして、もっとすごい飛行機を見せてやると言い、格納庫の中に、壁の鉄板の留めが外れている所から侵入すると、中にあったツイン・ビーチ〔ビーチクラフト モデル18/ビーチ・エアクラフト社が開発したレシプロ軽双発輸送機〕をカイルに見せる(3枚目の写真)。
  
  
  

ドアが開けっ放しになっていたので、ジェイソンはドアに向かう。カイルは、「そんなことしていいの?」と訊くが、「オーナーはラスベガスに住んでる。ここに来たことなんかない」と言い。ドアから頭を入れて中を覗く。「カッコいいだろ?」(1枚目の写真)。「キャンピングカーみたい」。「さあ、入ろう」。ジェイソンはコックピットまで入って行き、左側に座り、カイルが左側に座る。ジェイソンは操縦桿に触ると、カイルが 「やめろよ」と不安がるが、ジェイソンは 「落ち着けよ。何してるかくらい分ってる」と自信たっぷり。「動かしちゃダメだ」。「分ってるって」。ジェイソンはカールに操縦桿を動かして、補助翼が上がるところを見せる。すると、突然、2人の顔に眩しい光が当たり、びっくりする(2枚目の写真)。原因は、格納庫のシャッターが上がり始めたため。2人の男の脚も見える。それを見ただけで、エドではないと分かったジェイソンは 真っ先に操縦席から逃げ出し、カイルもすぐ後を追う。ジェイソンが窓から見ると、2人の男が機体の横を歩いている。ドアから出ると見つかるので、2人はドアの奥にある荷物室に逃げ込む(3枚目の写真、矢印はドア)。すぐに、ジェイソンはウォーキートーキーを忘れてきたことに気付き〔伏線〕、取りに行こうとするが、カイルに止められる。ジェイソンは、2人がすぐに出て行くに違いないと期待するが、その期待は、プロペラが回り始めたことで、無惨に砕かれる。
  
  
  

すぐに飛行機は飛び立ち、砂漠に近い乾燥地の上をずっと飛び続け、かなりの時間が経過。機体のショックで 2人が荷物室の小さな窓から見ると、飛行機は大きな空港に着陸して滑走路を走っていた(1枚目の写真、場所は 背景のピラミッド〔ルクソール・ホテル&カジノ〕やエンパイアステートビルから ラスベガスだとすぐ分かる)。飛行機が空港の片隅に停まると、待っていた真っ黒なSUVがすぐに乗りつけ、そこから4人が降り、うち2人は大きなバッグ〔後で、カジノの売上金が入っていたことが分かる〕を持っている(2枚目の写真、矢印)。積み込みが終わると、SUVはすぐに離れる。飛行機のプロペラは回ったままだ。すると、荷物室のドアが突然開き、男の手が伸びて、小さな革バッグを荷物室の中に入れ(3枚目の写真)、すぐにドアを閉める。時間的経過は不明だが、飛行機は向きをかけて移動を始め、ラスベガス空港を離陸し、再び砂漠に近い乾燥地の上を飛ぶ。
  
  
  

2人は、狭くて薄暗い空間の中で次第に眠くなる(1枚目の写真)。カイルは ふと目を覚ますと、いつまでも眠ってはいられないので、ジェイソンを起こす。ジェイソンはトイレに行きたくなり、カイルはお腹が減っている。カイルは、「何か食べ物あるか?」と訊き、空港で男が荷物室に入れた黒革鞄の中に、何か食べ物が入っていないか開けてみる。すると、中に入っていたのは、赤いランプが点滅する作動中の時限爆弾だった(2枚目の写真)。恐怖に凍り付いたカイルは、「ジェイソン、こっちへ」と声をかける(3枚目の写真)。中を覗いたジェイソンに、「これって、アレだよな?」。ジェイソンも、恐怖に固まって頷く。
  
  
  

2人が慌てて荷物室から出て見ると、機体のドアがなくなっているので びっくりする(1枚目の写真)。そして、客席には誰もいない。カイル:「みんな、どこに行ったんだ?」(2枚目の写真)。ジェイソン:「パイロットに知らせなきゃ」(3枚目の写真、矢印はなくなったドア)。しかし、2人がコックピットまで行くと、パイロットもいない。カイルは、ジェイソンに 「操縦しろよ」と言い、ジェイソンは 「どうやって?」と弱気な発言。「『何してるかくらい分ってる』って言ったじゃないか」。「操縦パネル すごく大きいし、計器がいっぱいある。(単発単葉機とは)ぜんぜん違うんだ」。「だけど、飛ばさないと、死んじゃうぞ」。「爆弾は?」。「君は飛ばせ。爆弾は僕が何とかする」。操縦席に座ったジェイソンは、「僕には無理だ」と言うと、頭にヘッドセットを付け、「メーデー」と叫ぶだけ。カイルも、何を思ったのか、爆弾の入った鞄を操縦席まで持って来る。操縦以外のことでは頭の働くジェイソンは、直ちに機外に投げ捨てるようカイルに指示する。
  
  
  

カイルは、ドアのあった開口部から鞄を捨てる(1枚目の写真、矢印)。カイルが操縦席に戻ると、ジェイソンは操縦せずに、「急いで、お願い助けて。SOS。誰かいる? 僕の声、聞こえないの? 何とか言ってよ」と叫んでいるだけ(2枚目の写真)。一方、落下した爆弾は、大きな納屋に落下して大爆発を起こす(3枚目の写真)。放出が 数分遅れていたら、飛行機が爆発して2人とも死んでいただろう。
  
  
  

ジェイソンは無線に必死で、飛行機の前方などみていなかったが、カイルは、操縦席の窓から、間近に迫ってくる山が見える(1枚目の写真)。そこで、「山に向かってるぞ。ジェイソン、何とかしろ」と警告する。ジェイソンは、その言葉で、初めて危機的状況を悟る。カイル:「どうする?」。ジェイソン:「上げないと」。そう言うと、初めて操縦桿を握る。飛行機はどんどん岩山に近づいて行くので、カイルも、「上げろ! 早く!」と必死だ。ジェイソンが思い切り操縦桿を手前に引くと、飛行機は急に斜めになり、カイルはコックピットから開口部近くまで転がる。結果的に飛行機は急上昇し、ぎりぎり間に合って山頂を越える(2枚目の写真、矢印)。カイルの悲鳴で、ジェイソンは思い切り操縦桿を押し戻し、飛行機は急降下を始める。飛行機が逆の斜めになったので、カイルはコックピットに転がり込む。ジェイソンは、カイルを右側の操縦席に座らせ、一緒に操縦桿を動かすように指示し、何とか機体の安定を保とうとする。その努力は奇跡的に成功するが、ジェイソンは燃料がほとんどゼロに近づいていることに気付く。カイルは右側の窓から下を見るが何もない。ジェイソンのいる左側の窓からは、道路が1本見える(3枚目の写真、矢印)。それしか選択肢はないので、ジェイソンはそこに着陸することに決める。
  
  
  

最初にしたことは、機体を道路の方向に一致させること。何とかそれに成功して、カイルが 「次は?」と訊くと、「知らない」。カイルが 「エドは 着陸前に何してた?」と訊いても、「覚えてない」。「エドは、どのボタンを押した?」。「着陸装置だ。そう書かれたボタンを探して」。カイルは赤くて小さいレバーを見つけて下げると、車輪が出る。「次は?」。「フラップを下げないと」。今度もカイルがフラップと書かれた赤くて小さいレバーを下げると、フラップが出る。カイルは、「僕たち、飛行機を飛ばしてる」と喜ぶ。飛行機の高度が下がるにつれ、着陸しようとしている道路に、結構多くの車が走っていることが分かる。「車が多過ぎる」。「きっと僕たちに気付いてくれる」。「僕ら早過ぎる」。「分ってるって」。飛行機は、車すれすれまで高度を下げる。最初の頃は、まさか着陸すると思わないので、どの車も避けてくれない。しかし、超低空飛行が続くと、車はどんどん横の草地に逃げてくれる。ここから、3枚連続した写真。ジェイソンは覚悟して着地を試みる(1枚目の写真、反対車線の車はみんな避けている)。片方の車輪が路面に着いたが、前を行く1台の車がどいてくれない(2枚目の写真、矢印)〔一本道なので、ドライバーはバックミラーなど見ていない〕。このままいくと車にぶつかるので、カイルは 「クラクションを!」と叫ぶが〔この言葉が面白い〕、飛行機にクラクションはついていない。そこで、仕方なく、ジェイソンはもう一度離陸して、バカな車の上を通り越し(3枚目の写真、矢印)、車の前に再着地するが、正面から、避けてくれない意地悪トラックが走って来たので、再離陸。ここまでのシーンは、よく撮影したなと感心させられる〔この映画の予算は、僅か250万ドル。撮影は恐らく2003年頃なので、当時の約3億円。アメリカ映画でこんな少額ではCGは使えない〕
  
  
  

その直後に三度目の着地。飛行機は滑走を初めて離陸できなくなったので、前方の避けない車に近づくと、飛行機を道路から右の草原に出して停まらせる(1枚目の写真)。奇跡的に無事着陸に成功した時の2人の顔が2・3枚目の写真。ここまでが映画の前半。上映時間ではまだ40%。ここから後半が始まるが、後半でも、内容が全く異なり、しかも、ハラハラ度が同程度のクライマックスが待ち受けている。この映画の製作・監督・脚本を兼ねたRocco DeVilliersには脱帽するしかない。
  
  
  

カイルの母がウェイトレスとして働いているカフェ・レストランに、エドがやってきて、コーヒーを何杯も注文していると、TVで飛行機の不時着ニュースが報じられる。ちょうどレポーターが、「何があったの?」と訊き、カイルが 「爆弾を見つけてパイロットに警告しようとしたら、飛行機には誰も乗ってなくて」と、異常事態を話している(1枚目の写真)。それを見た母は 「私の息子だわ」と言い、エドは 「僕のいとこだ」と言い(2枚目の写真)、お互い顔を見合わせる。同じシーンは、ジェイソンの家でも姉と妹がTVを見ていて、すぐ母に教える。その時TVではジェイソンが 「カイルが助けてくれたから、山を越えて飛ばすことができた」と話している。次にTVを見ているのは、あとで所有者だとわかるマフィアのボス、アンジェロ。その時TVでは警官が 「2人がやったことは不可能に近いことです」と語っている。ボスの後ろでは、巨大な手下が、「だいしたガキどもだ」と言い、もう一人の小柄な方が、「機内には約400万ドル〔当時の約5億円弱〕が。今週のカジノの売り上げです。それが消えやした」と言う。ボスは 「やった奴を見つけろ。弟に電話しろ。機体を取り戻す。やった奴は全員殺す。あのガキどもと話したい」と指示する。最後にバーでTVを見ているのは、ボスの弟シルヴィオと、そのバカな相棒のレニー(4枚目の写真)。シルヴィオは 「信じられん」と言い、レニーは 「どうする?」と訊く。シルヴィオはバーから出ると、すぐ兄のアンジェロに電話する。シルヴィオは 「ミスっちまった。レニーと俺は飲みに行き、飛行機に乗り遅れた。今、ニュースを見た。いったいどうなってる? 犯人は? 俺にできることは?」と、如何にも無関係を装って話す。ボス:「こっちに来てくれ」。2人は事件の真犯人なので、兄に会いに行くというシルビオの決断に、レニーは大反対するが、相手の方が格上なので仕方なく車に乗り込む。
  
  
  
  

カイルとジェイソンは、夕方になって家に帰されるが、その時の母親の反応は2人で大きく違う。カイルの母は、息子を優しく抱きしめたが、ジェイソンの母は手に持っていた丸めた新聞紙で、息子を叩き、自宅監禁を命じる。エドは、「今度からは、双発機を飛ばす前にレッスンを受けろ」と冗談を言う。ここで変なのは、カイルの泊っているモーテルがツインベッドルームなこと。もちろん母子だから、それが当然なのだが、後のシーンでは、ダブルベッドの部屋に替わっている〔単純なミス〕。翌日、学校では、転校したばかりのカイルも、有名になったので みんなに声をかけられ、これまで無視されてきたジェイソンにも、女の子が話しかける。校舎から出たジェイソンが、カイルに 「転校して2日目で、みんな君のこと知ってる」と言うと、カイルは 「僕たちTVや新聞に出てるもんな。『Flyboy』って呼んでる。何人かにサインまで頼まれた」と嬉しそうに話す(1枚目の写真)〔解説で述べたように、『The Flyboys』は、当初、映画祭で21もの賞に輝いた時の題名〕。しかし、2人が顔を上げて正面を見ると、前方で待っていたのは、ジャックとその手下(2枚目の写真)。2人は、この悪漢から必死に逃げたことをすっかり忘れていた。そこで、どうしたらいいか迷っていると、2人の背後にアンジェロの2人の手下がぬっと現われる。そして 「カイルとジェイソンだな?」と声をかけ、特別捜査官〔FBI〕だと名乗り、「いつくか質問したいから、一緒に来て欲しい」と言う(3枚目の写真)。2人が乗ったのは、黒塗りのキャデラック・ドゥビル。車も素敵だし、ジャックから逃れられる最高の機会なので、2人はジャックに笑顔で手を振って乗り込む。
  
  
  

2人は豪華な車内で 命拾いしたことを喜ぶが(1枚目の写真)、結構長いこと車に乗せられ、「ビールかコーラが飲みたければ、冷蔵庫から出せばいい」と言われたことで〔FBIが少年にビールを勧めるハズがないし、そもそも、FBIが冷蔵庫付きの高級車を使うハズがない〕、ジェイソンが小声で、「FBIがキャデラックを運転するとは思えない」と囁く。そして、車は、1軒の広大な豪邸の前で停まる(2枚目の写真)。後部座席のドアを開けた黒服は、2人に降りるよう命じ、門の前に立ったジェイソンが、「これ誰の家?」と訊くと、「アンジェロ・エスポジートさんだ。飛行機を救ってくれたことに感謝したいそうだ」と言う。2人が中に入って行くと、監視塔には見張りが立っていて、黒塗りのヘリまであり、邸宅正面の2階のテラスには、武装した男がじっと見ているので、新たな危機感を覚える。玄関から中に入ると、階段を降りて来た男が、小柄な方の黒服に 「ボスが話したいそうだ」と言い、巨大な方の黒服には 「サル、子供たちをダンジョン〔地下牢〕に連れて行け」と指示する。カイルは、「ダンジョン?」と驚くが、サルは 「心配するな、ここじゃ、地下室をそう呼んでる」と言って安心させる。2人が連れて行かれた先は、素敵な地下のゲーム室だった(3枚目の写真)。サルは、「どれで遊んでもいいぞ。バーには、旨いサンドイッチがあるし、冷蔵庫にはスナックやソフトドリックが入ってる。気楽にやってろ。エスポジートさんはじきに降りてみえる」と言い、2人は笑顔になる。
  
  
  

ダンジョンの右側の壁には、2種類のトイガンが上段に4個、下段に5個並んでいる。2人はそのうちの下段のトイガンを手に取ると(1枚目の写真)、2人でプラスチック弾を撃ち合いながら遊ぶ(2枚目の写真、矢印)。このダンジョンには、警察の取調室のようなマジックミラーが付いた大きな鏡があり、そこからボスのアンジェロが 楽しそうに遊ぶ2人の姿を満足そうに見ている。そこに、シルヴィオが連れて来られ、アンジェロは遊んでいる2人を、昔の自分とシルヴィオに例える。ボスは、近年疎遠になっているシルヴィオが、今回の盗難事件の犯人だと確信しているが、弟が好きなので、何とか昔のように仲良くなれないかと、シルヴィオが多額の借金をしていた “ひろし” という人物に代わりに返金して弟を自由にしてやったと話す。それを聞いたシルヴィオは、反省し、昔の親しかった頃の思い出を兄に話す。シルヴィオの涙を見た兄は、弟を許して抱き締めると、弟を食事に行かせ、自分はダンジョンに入って行く。そして、上段の大きなトイガンを2つ手に取ると、子供のように2人に向けて弾を発射する。2人は相手がボスだとは思わず、真剣に応戦する。そして、最後には、ボスをインフレータブルソファ〔空気だけで膨らませる丸いソファ〕の上に追い詰め、上に被さるように乗る。そこに、小柄な方の手下がやって来て、「助けが要りますか、ボス?」と訊く。ボスが、「多分な。近くにいろ」と言うと、カイルがプラスチック弾を手下の目と目の間に命中させ、それを見たボスが笑い出し、2人も笑う(3枚目の写真)。ボス:「目と目の間に命中だ」。手下:「見込みがありますな」。ボスは、イスに座ると、射撃の腕を褒め 「楽しかったか?」と訊き、ジェイソンは 「すっごく」と答える。
  
  
  

そのあとの会話で、この部屋が、2人と同じくらいの年齢だが、ボストンで母と暮らしている息子の部屋だと分かる。さらに、アンジェロは、飛行機を救ってくれたことに対するお礼を言い、「君たちに何か特別な物をあげたいから、ここに来てもらったんだ。いいか、何でも好きなものを言うといい」(3枚目の写真)「だが、慌てずに、注意深く考えろ。何でも叶えてやる。すごいだろ?」と言って、2人を驚かせる。そのあと、アンジェロは、一番訊きたかったことを口にする。「君たちが考えてる間、幾つか質問していいかな?」。「もちろん」。「警察は犯人を割り出せなかったから、こちらで探すしかない。なんせ大事なものが盗まれたんだからな」。ジェイソン:「鞄2つでしょ?」。カイル:「何が入ってたの?」。「俺にとって個人的にとても大切な物だ。機内にいた奴らを見たか?」。2人がどう答えたのかは分からない。映画の場面は、シルヴィオとレニーが待機していた場所に変わり、そこに、アンジェロが カイルとジェイソンの肩に腕をかけてやってくると、弟に2人を紹介する(3枚目の写真)。その時、レビーはバレると怖いので顔をなるべく見せないよう下を向く。しかし、アンジェロは手下のサルに、2人にアイスクリームを食べさせるようにと指示して去らせると、弟に、2人が何も見ていなかったと話し、2人を家に送り届けるよう指示する。一番ホッとしたのはレニー。
  
  
  

2人は、ダンジョンで遊んでいたトイガンの他にも、お菓子を一杯もらう(1枚目の写真)。アンジェロが、最後に 「ここに来たことは内緒にしよう。いいかな?」と訊き、2人はOKする。「欲しい物は決まったか?」。「まだ」。「決まったら、電話してくれ」と言い、名刺を渡し 「何でもいいからな」と念を押す。2人は、最高に満足してアンジェロと別れる。アンジェロは、2人を送って行く弟に、「子供たちを届けたら、レニーを捨てろ。ここに戻って来て、2人だけで食事をしよう」と指示する。シルヴィオが運転する車の中で、後部座席の2人が、もらった新しいお菓子を食べようとすると、それを、助手席のレニーがさもしいところを見せて、1個奪って食べ始める。ジェイソンは、「アンジェロは、犯人を捕まえると思う?」とシルヴィオに訊く。返事は、「さあ、どうかな」。カイルは、お尻のポケットに入っていたウォーキートーキーを取り出すと、「(犯人を)捕まえたら、どうするのかな?」と言う。レニーは、一番嫌いな話題なので、 「もういいから、寝てろ」と言う。カイルは、ウォーキートーキーをジェイソンに見せ、「君が持ってたらな」と残念がる。ジェイソンは 「片方は、犯人が持ってるに違いない」と言い、犯人を脅そうと、ウォーキートーキーをカイルから取り上げ、「おい、アンジェロがお前たちを追ってるぞ」と話しかけると、車内でその声が二重に響いたので、びっくりする(2枚目の写真、矢印)。ジェイソンは何度も呼び出しボタンを押し、その度に、音が聞こえる。レニーはカバンの中からウォーキートーキーを取り出してスイッチを切る(3枚目の写真、矢印)。2人は、自分達が犯人の車に乗っていると知り、顔を見合わせる。シルヴィオはバカなことをしたレニーを睨みつけると、車を道路脇に停める。
  
  
  

車の中にいたくないジェイソンが、「トイレに行っていい?」と訊くと、レニーは 「どこにも行けねえぞ、ガキ」と冷たく言う。カイルは負けじと、「もし、僕らに何かあったら、あんたがやったって すぐにバレるぞ」と言い返す。レニーは、拳銃を取り出すと、カイルを見て、「貴様、俺たちを崖っぷちに立たせやがって」と脅し、シルヴィオは 「銃をしまえ」と命じる。「こいつら、何で飛行機に忍び込みやがった? 不法侵入だぞ!」。「銃をしまえ!」。「貴様らは法を破った。報いを受けないとな!」。「子供たちは そこにいろ。レニー 外に出ろ」。シルヴィオは、反対するレニーを車から出し、自分も降りる。レニーの主張は2人を殺すの一点張り。シルヴィオは、殺すことは絶対に許さないと命じる(1枚目の写真)。そして、シルヴィオが すべてを兄に話すと言うと、“シルヴィオは弟だから許されたとしても、自分は確実に殺される” と思い、断固反対する。しかし、シルヴィオはウォーキートーキーを盗んだバカな行為を責めるだけで、レニーの救済策を何も示さなかったので、このままでは命はないと思い、レニーはシルヴィオが後ろを向いた時に 背中に向けて3発撃つ〔サイレンサー付きなのでほとんど銃声がしない〕。それを見て、自分達も殺されると思ったカイルは、運転席に入り込むと、ドアロックのピンを押し、窓ガラスを上げる。レニーは窓から腕を突っ込んでカイルの腕を掴むが、カイルが上げた窓ガラスに挟まれ(3枚目の写真)、痛くて放してしまう。カイルは、さらに挟まれたレニーの腕を思い切り殴り、その間に、助手席のドアからジェイソンが逃げ出し、カイルもすぐに後を追う。
  
  
  

レニーは、腕を挟まれたまま、逃げる2人に向かって発砲する。このままでは当らないので、レニーは銃でガラスを叩き割り、駐車している車に登り 塀を乗り越えようとする2人に向かって走りながら発砲するが、それも当たらない(1枚目の写真、矢印は銃痕)。2人は塀を無事乗り越え、レニーもすぐにそれに続くが、体重が重いので塀の向こう側にあった簡易な木枠小屋を壊してしまい、手間取る。2人は近くの家のテラスにいる男性に、警察への通報を依頼するが、早口で話すので相手が理解しないうちにレニーが追い着き、男性が足を撃たれる。2人は家の中に逃げ込み、勝手口から逃げ出し、その先の交差点に 走行中の車を無視して突入して 車同士の事故を引き起こし、その先の住宅街の裏庭を横切って逃げ、倉庫のような建物の所で、カイルは下の通路へ、ジェイソンは階段へと別れる(2枚目の写真、2つの矢印)。ジェイソンが登った先のドアは鍵が掛かっていたが、レニーはカイルを追って行ったので、ジェイソンは階段を降りると、そのまま倉庫の敷地の隅に隠れる。一方、カイルが逃げていった先には、鉄のフェンスが邪魔していて、そこでレニーに捕まってしまう。ジェイソンがウォーキートーキーでカイルを呼ぶと(3枚目の写真)、聞こえてきたのはレニーの声。「よく聞け。一度しか言わん。15分後に、アンジェロの格納庫で会おう。15分だ。1秒たりとも遅れるな。誰にも言うな。もし、怖がって来なかったり、他の奴と一緒に来たら、お前のダチの頭に銃弾をぶち込むぞ。分かったか?」(4枚目の写真)。「うん」。
  
  
  
  

一方、レニーに3発撃たれたシルヴィオは、息も絶え絶えながら意識を取り戻すと、ズボンのポケットから携帯を取り出して兄にかける(1枚目の写真、矢印)。兄が出ると、シルヴィオは 「レニーと俺は、バカなことしちまった。(さっき)言いたかったが、どうしても言えなかった」。「お前は金を盗んだ」。「アンジュ〔アンジェロの愛称〕。撃たれちまった。あいつ 背中を撃ちやがった。息ができん」。「いいか、落ち受け。どこにいる?」。「アンジュ、奴は子供たちを殺して、飛行機を奪う気だ」(2枚目の写真)。アンジェロは、①息を吸え、②助けに行くから場所を教えろ、と必死に言うが、シルヴィオの最後の言葉は、「いつも俺を守ってくれてありがとう、アンジュ」だった。兄は、弟を失い悲しみに暮れる。
  
  

カイルを連れて車に戻ったレニーは、カイルをトランクに入れ、直ちに飛行場に向かう。一方、ジェイソンは徒歩で飛行場まで15分で行かなくてはならないのに、怖いので迷ってばかり〔情けなくて、不愉快〕。アンジェロの双発機は格納庫の外に出ていたので、レニーはその横に車を停め、トタンクを開けてカイルを外に出す(1枚目の写真)。格納庫内にいた作業員が、カイルを無理矢理引っ張っている姿を見て、「何してる?」と訊くと、レニーは 「パイロットか?」と訊き返し、「No」の返事で すぐに射殺。カイルを床に突き飛ばすと 「お前のダチは来ないな。あいつが臆病だから、お前は死ぬんだ」と言う。カイルは 「彼は臆病じゃない」と擁護するが、レニーは 「そうか? なら どこにいる?」と薄ら笑う。そこにエドが現われ、「そこで何してる?」と訊く。レニーは直ちに銃をエドに向け 「パイロットか?」と訊く。エドは、それには答えず 「カイル、大丈夫か?」と尋ねる。レニーは、「パイロットかと、訊いたんだ!」と怒鳴る。答えは 「Yes」〔エドを直ちに殺さなかったのは、レニーは飛行機を飛ばせられないから〕。エドは、飛行機を飛ばす条件としてカイルを解放しろと言うが、レニーは 「今すぐ2人とも殺したっていいんだぞ」と脅し、エドは仕方なく承諾する。それを、飛行場に少し遅れて辿り着いたジェイソンは、格納庫の隅に隠れて聞いている(3枚目の写真)〔情けなくて、不愉快(その2)〕
  
  
  

レニーは銃を構え、大金の入った大きなバッグ2個をエドに持たせて、2人を飛行機に乗せる。機内に入ると、エドを操縦席に行かせ、カイルは床に座らされ、レニーは向かいのシートに座ってカイルに拳銃を向ける。エドがエンジンをかけると、燃料が残り少ないことが分かり、どこに行きたいかレニーに尋ねると、「メキシコ」という返事。エドが飛行機を滑走路に向かって動かし始めると、ようやく決心したジェイソンが格納庫から出て来て、飛行機に向かって走り始める(1枚目の写真)。滑走路に向かう途中なので、ジェイソンは全力で走り、何とかドアの開口部から機内に乗り込む(2枚目の写真)。それを見たカイルは、ジェイソンに対し(彼が迷いに迷っていたことを知らないので)、強い結び付きを抱く。カイルの横に座ったジェイソンに対し、レニーは 「来てくれて嬉しいぞ。勇気があるな」と、ニヤニヤしながら褒める。それを聞いたジェイソンは、何となく申し訳なさそうな顔で、一方のカイルは信頼に溢れた顔で、お互いを見る(3枚目の写真)。
  
  
  

飛行機は無事に離陸する。実際に、どのくらいの距離を飛んだのかは分からないが、エドは 「燃料を補給しないと」と告げる。レニーは 「高度を上げろ。俺はパラシュートで降りる」と命じる。そして、大金の入った2つのバッグを開口部の手前に置き、パラシュート袋を両手で持つ。その時、カイルにじっと見られているのに気付き、「何を見てる?」と訊く。カイルは 「アンジェロがお前を殺す」と言う。レニーはパラシュート袋を横に置くと、「さよならの時間が来たな」と言いながらカイルの襟をつかんで引っ張り、開口部から落とそうとする。ジェイソンは、「エド、カイルが危ない! 助けて!」と叫び、後ろを振り向いたエドは、カイルの危険な状況を見る(1枚目の写真、矢印の方向)。エドは直ちに機体を反対側に斜めに傾け、2人は、シートの上に倒れ込む(2枚目の写真、2つの矢印は機体の傾きを示す)。レニーが操縦席に向けて発砲したので、エドは今度は急降下し、その衝撃でレニーは拳銃を床に落とす。エドは、レニーに余裕を与えないよう、今度は急上昇後に水平に戻し、操縦席から客室に出ると、レニーに飛びかかり(3枚目の写真、映像に名前付き)、シートの上に横たわったレニーの顔を何度も殴り付ける。飛行機が急に降下を始め、エドの形勢が不利になったので、ジェイソンが操縦席に行き、機体を上げる(4枚目の写真)。
  
  
  
  

一方、カイルは、エドに跨って殴っていたレニーに背中から飛びかかると、首に腕をかけて仰向けにする(1枚目の写真)。それでも、レニーは、足蹴りでエドを反対側に仰向けに倒す。カイルは、自分の顔の横に落ちていた拳銃を必死に拾うと、エドの方に投げるが、邪魔されてシートの上に落ちる。エドとレニーは拳銃をどちらが奪うかで争う。その争いを、エドに有利にしようと、カイルは2人の前をすり抜けて開口部の前まで行くと、バッグのジッパーを開け、中から札束を取り出し、開口部から捨てる(2枚目の写真、点線の枠内が飛び散ったお札)。それを見たレニーは、「No!!」と叫び、2人で握り合った銃でカイルを狙う(3枚目の写真)。
  
  
  

発砲は幸い失敗したが、操縦不能になった飛行機が大きく傾いた時、カイルは開口部から外に投げ出される(1枚目の写真、矢印の方向)。外に出た直後の映像が2枚目の写真(名前付き)。それを見たエドは、一刻の猶予も許されないので、レニーを思い切り殴り続けると同時に、ジェイソンを呼んでパラシュートを探させ、ジェイソンがパラシュート袋を手に入れると、彼をつかんですぐに開口部から飛び出る(3枚目の写真、矢印の方向)。2人が外に出た直後の映像が4枚目の写真(名前付き)。
  
  
  
  

ここからが、この映画で一番の見どころ。1枚目の写真は、前節の最後から数秒後。エドはパラシュート袋とジェイソンを両方の手で持っているが、これでは何もできない。そこで、エドはジェイソンの手を放し、自由になった手でパラシュート袋を引き寄せ、背負う(2枚目の写真、名前付き)。そして、ジェイソンに接近して自分の足を掴ませ(3枚目の写真、名前付き)、先に落下したカイル目指して下降を開始する(4枚目の写真、名前付き)。カイルとほぼ同じ高さになるまで落下すると、3人は一旦バラバラになり(5枚目の写真、名前付き)、まず、ジェイソンにパラシュートを開いてもいいような場所を握らせる。そして、その状態でカイルに接近し、ジェイソンの反対側の部分を握らせる(6枚目の写真、名前付き)。2人が、パラシュートが開いた時の衝撃で落ちないよう、しっかり握っていることを確認した後で、エドはパラシュートを開き(7枚目の写真)、3人は無事着地する。3億円の僅かな予算では、この3分近い空中シーンをCGで作成することは不可能。カメラマンを含めた4人が空中で実際にジャンプする必要があるが、いったいどうやって撮影したのだろう〔子供の顔が映る部分だけはCGで、後はスタント〕
  
  
  
  
  
  
  

無事生還できた2人は、エドに抱きついて喜びを分かち合う(1枚目の写真)〔特に、最初に1人だけ振り落とされたカイルは、死を覚悟していた〕。すると、そこにヘリが飛んで来て、3人をびっくりさせる(2枚目の写真)。近くの丘の上に着陸したヘリを操縦してきたのはアンジェロ自身で、3人のところまで駆け寄ると、「大丈夫か? 信じられん。空から君たちを見ていた」と声をかける。ジェイソンは 「レニーがシルヴィオを撃った」と言うと、アンジェロは 「知ってる」と答える。カイルは、「シルヴィオは 僕たちを助けようとしたんだ」と追加すると(3枚目の写真)、アンジェロは 「分かってる。レニーはどこだ?」と訊く。その頃、パラシュートを失ったレニーは、墜落する飛行機の中で、操縦できないので泣き叫ぶだけ。やがて、飛行機は崖に衝突して(4枚目の写真)、爆発する。その音と黒い煙は4人がいる場所からも、かなり離れてはいるが、見ることができた。レニーの死を確認できたので、アンジェロは 「俺の弟がどこにいるか知りたい。連れて行ってくれるか?」と頼み、賛成してくれたので、3人をヘリに乗せる。
  
  
  
  

ヘリは飛行場に戻り、そこからは、アンジェロのリムジンで豪邸への道を進む。カイルが、「あそこ」と言った場所まで来ると、そこには、パトカーと救急車が停まっていたので、アンジェロが運転手に停まらずにゆっくり通り過ぎるよう命じる。そこでは、布で包まれた遺体が、救急車のストレッチャーに乗せられているところだった(1枚目の写真)。リムジンは、エドの家の前で3人を下ろす。アンジェロは、2人に向かって 「君たちが今日やってくれたことは、絶対忘れない」と感謝を述べる。カイルが、「飛行機ごめんなさい」と言うと、「飛行機なんかどうだっていい。バッグの金もだ」と大らかなところを見せる〔当然、航空保険に入っているハズ。カジノの売上金だけは全損〕。そして、「何が欲しいか決めたか?」と尋ねる。2人は顔を見合わせ、遠慮することにして 笑顔で首を横に振る(2枚目の写真)。「なら、俺が考えよう。素敵な物になるぞ。いいな?」と満面の笑顔で言う。そして、今度はエドに向かって、「君はすごかった… 信じられんくらい。俺には別のパイロットが必要だ。もしかして…」と、誘いをかけるが、エドは、「ありがとう。でも…」とだけ言い、アンジェロも了解する。エドは、2人を送って行くと言い、アンジェロは3人に別れを告げる。
  
  

エドは、2人をジェイソンの家の前までトラックで送ると、自転車を下ろして去って行く。2人だけになると、カイルは、「ジェイソン、ごめん、嘘ついてた」と言う(1枚目の写真)。「僕んちは、前、君に見せた家なんかじゃない。母さんと僕はモーテルに住んでる。節約しないといけないから」。ジェイソンは 「君が、どこに住んでいようが、そんなことどうだっていい」と答え、カイルは、「ありがとう。君は、僕がこれまでに持った最高の友だちだ」と言い、ジェイソンも 「僕もだよ」と笑顔で言う。「明日、会えるかな?」。「うん。新しい冒険の始まりだ」(2枚目の写真)。家に入ったジェイソンは、愚かな母親から、汚れた服のことで叱られるが、服の埃を払いに行ったベランダで、普段は動くことのない祖父から、昔もらった勲章の1つを授けられ、敬礼を受ける。
  
  

次の場面は、面白いが、この映画で、唯一納得できないシーン。ジャックが愛車の調整をしていると(1枚目の写真)、黒い影が差したので、怒鳴ろうと車の下から体を引き出すと、そこに立っていたのは、アンジェロの2人の手下。如何にも恐ろしいので、「何のご用ですか?」と尋ねると、巨大な方のサルがジャックに掴みかかる(2枚目の写真)。その直後のシーンで、カイルがジェイソンに 「最近リックはすごく優しくなったな」と言うので、この脅しが効いたのであろう。しかし、問題は、ボスが2人と、リック=ジャックの関係を知るハズがないという点にある。
  
  

エド、カイルの母、カイル、ジェイソンの4人が飛行場を歩いていると、新しい双発機(パイパー PA-34 セネカ)が着陸し、その横に、アンジェロのリムジンが横付けし、いつもの黒服の手下2人が降りて来る。エドが、「ここは駐車禁止だぞ」と注意すると、小柄な方が、「あんたは エド・トーマスか?」と尋ねる。エドが 「ああ」と答えると、男は、鍵を投げて渡し(1枚目の写真、矢印)、「アンジェロ・エスポジートの好意だ」と言う。「悪いが、受け取れない」。「受け取れよ。純粋な好意だ」。「ホントに?」。「ホントだ。条件が1つだけある。子供たちが望んだら、いつでも乗せてやれ」。「冗談なんだろ?」。「冗談なもんか」(2枚目の写真)「これはまっさらの飛行機で、お前さんのもんだ。いいな?」。「いいとも」。「よし。楽しめよ」。2人が去った後、ジェイソンは、「まっさらの飛行機?」と はしゃぐ(3枚目の写真)。
  
  
  

4人はさっそく飛行機に乗り込む。後部座席に乗った2人は、「カッコいい」と大喜び(1枚目の写真)。2人がベルトを絞めると、エドが母の手を握るのが見える(2枚目の写真)。それを見たカイルは笑顔になる。このことは、独身のエドが、将来 カイルの母と結婚することを示唆している。しかし、映画の中で2人が直接顔を合わせるのは、彼女がウェイトレスとして働いていたカフェ・レストランで、TVに映った息子といとこをエドと一緒に見た時だけ。どうして親しくなったのだろう???
  
  
  

  R の先頭に戻る    の先頭に戻る         の先頭に戻る
     アメリカ の先頭に戻る         2000年代後半 の先頭に戻る